私のようなFX取引をしている人はどれくらいいるのか、ミセス・ワタナベとして円高を緩和する役割を果たしてきたらしい私達だが、世界の為替市場にいったいどれほどの影響力をもっているのだろうか?ここ数年間ずっと調べてきたが、相対取引という性質上、なかなか公のデータとしてその規模を集計するのは難しいようで、その数字は長らく私の中で謎だった。しかし、先日の新聞記事に「在日外国銀行の為替担当者らが今年の1月にBISに招かれてミセス・ワタナベの規模を説明するように要請された」という記事が載っていた(日経新聞2011年1月31日朝刊)。世界の為替市場で円は1日平均28兆円取引されており、(2010年4月時点)、そのうちFX業者が個人投資家と行っている円対外貨の取引額は1日平均5.2兆円になるという。これは、日本政府が為替介入した1日最高額の2.1兆円を大きく上回る規模になる。我らが個人投資家は、外貨買いの約2割を背負い、円高緩和の重要な役割を真に果たしており、世間から感謝されるべき存在だということがわかる。
なのに、政府は私達ワタナベ族を締め付けようと規制を強化してきている。悲しいかな、レバレッジが50倍に規制される前(2010年1~7月)は円取引の33%を占めていたワタナベ族だが、規制導入後は19%にまで下がってしまったという。今年の8月には規制がさらに強化され、レバレッジは25倍までとなってしまう。いったいどれくらいの人がFXから去ってしまうのか…。投資家保護という金融庁の言い分は、金融庁に勤めていた友人さえも矛盾していると言っていた。私は声を大にして政府に反対を言いたいが、決まってしまったものは逆らえないので、ポジション調整などで、より多くの人にFXの世界にとどまって欲しいし、より多くの方に新たに参加してもらいたいと思っている。
もし、FX退散者が激増したら、米ドルは70円台に突入してしまうかもしれない…。
90円台半ばが理想と1年前に発言していた菅さんにお話したい。
格下げに「疎い」お方だけに、為替の流れに耳を傾ける余裕などないのだろうが。