ときどき頭が痛くなる。
熱はないけど、
身体がだるい。

いわゆる偏頭痛だ。

数年前、心配になって、脳の検査をしたが、
なんともなかった。

女性にはよくある現象らしい。

とにかく、そういう時は、安静にする。
ストレスがない状態に・・・

なぁんてお医者さまに言われても、
現代の働きウーマン達はなかなか
自由に休息がとれない。

頭痛にさいなまされたとき
私は
おばあちゃんが漬けてくれた梅干
にお湯を入れて、いただく

医学的に全く根拠のないことなので、
おススメしないが、

小さい頃からなじんできた味に
ほっと一息。
とってもリラックスできるのだ。

梅干











梅湯を飲み終わった後、
お椀の底に残った
梅干をかじって
「すっぱ〜い」
と一人で身震いするのが好き。

その瞬間は、すべての雑念がなくなり
安心感につつまれるのだ。

身も心もあったまり、
さぁ〜がんばるぞ〜
とやる気が沸いてくる。

この「おばあちゃんの梅干」には
ある思い出がある。

小さい頃、超ワガママで親に口答えばかりしていた私は
よく、真っ暗な地下室に閉じ込められた。
閉じ込めるといっても形式的な儀式。

一応、地下室に入れられる時は真っ暗で
ドアが閉まると、
電気(といっても電球一個なので薄暗い)のスイッチをつけ、
お酒のビンがおいてあるケースの台でくつろぐ。

奥には犬小屋があって、反対側の出口がある。
その出口には、外側から鍵がかかっていない。
いつでも、抜け出そうと思えば抜け出せる。
でも、
私は閉じ込められていた。
精神的にそうすべきだと感じていたのだろう。

この地下室には、いろんなものが置いてあった。
その中でも、私のお気に入りは祖母がつくっている
たくさんの梅干や梅酒や梅ジュースのビン。
うすぐらい明かりの中で、
梅干がだんだん熟成されていくのをみては
口の中で唾を飲み込み、
大好きな梅ジュースが、いい色に変わっていくのを
ビンごとに見比べながら、
近い将来私のノドを潤してくれるのを楽しみに眺めたりしていた。

奥にいる犬とも遊び飽きて、毎回1〜2時間くらい
地下暮らしを堪能すると、

突然、大声で泣きながら、
天井の上の廊下に向かって
「ごめんなさ〜い」
と叫ぶのだ。

そうすると、晴れて、地下牢から開放される。

こんな「おしおき」で私はすこしでも
素直でかわいらしい女の子になったかというと
かなり疑わしいが、

なつかしい思い出は
私を癒してくれる。