カテゴリ:
~おとなしい女の子は,必ずしもいい子とは限らない~
arm
 日本では,古来から「大和撫子」という言葉が示すように,おとなしく物静かなことが女性の美徳とされてきました。しかし,この本来の意味は,清楚な美しさをもっていることや,落ち着きがあってそれでいて自分の考えをもった芯のある女性のことです。黙っている=大和撫子ではありません。

 ここまでですでにおわかりだと思いますが,黙っていて静かにしていることと,道徳心が高いことはまったく別なことです。大人しいからといって,その子が道徳心の高い子であるという考えは,教師の身勝手な決め込みです。女性は大和撫子が理想的であるという,日本における従来からの考え方がこのような身勝手な思い込みをさせてしまうのです。
 学校では,会話が少なく物静かな女子には特に気をつけて見守っていくことが大切です。低学年・中学年で大人しかった女子が,高学年でボス女子として君臨し,鋭い目つきや言動で人間関係を構築してしまって学級を混乱させてしまうことがよくあります。

 元気でわんぱくで問題行動が多い子どもは目立つので,教師の目がよく行き届きます。大人しい子は,そのような目立つ子どもたちの影に隠れてしまっていて,指導が行き届いていないという特徴があるのです。

黙っていておとなしくしていることによる負の作用を考えてみます。
・あいさつが元気ない,しない ⇒ コミュニケーションを欠乏させる。人を尊重しなくなる。
・目立って会話をしない ⇒ 正しい言葉を使っていないときがある。見えないため指導ができない。
・自己主張ができない  ⇒ 会話でのストレス発散ができず,常に葛藤を抱えている。
・大人しくするように躾けられている ⇒ 本来の自分の性格とのギャップが生じ満たされていない。
・話題にとぼしくなる  ⇒ 他人の悪口が会話の中心となる。
・会話量が少ない    ⇒コミュニケーション能力が育たない。目や態度で感情表現するようになる。

 大切なのは,大人しいからいい子であるという決めつけをしないで,目立つ子も大人しい子も同じように指導していかなければならないということです。このようなタイプの子どもには,わたしは具体的に次のような指導をして,元気にコミュニケーションが取れるようにします。
・あいさつが元気にできるようにさせる。
・音読の宿題で元気な声で読むように保護者の方にお願いしておく。
・授業中の発表でしっかりと声を出させるようにする。1日1回発表ルールをつくる。
・休み時間に一緒に遊ぶ。会話を楽しむ。
・子どもの発言を補足しない。最後まで自分で伝わるように話せるようにする。
nobu01
 反抗期を迎える高学年では,改善には相当な時間がかかります。思春期や反抗期を迎える前の中学年で担任した教師がこのようなことに危機感を見通して指導をしておくことがポイントです。