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Q.算数の授業で提示する課題の数について、どのように設定すればいいでしょう。

A.「数と計算」領域の計算内容については,教科書の課題の数はそのまま課題として提示するようにします。教科書にある課題の数は,大学の教授や附属の教員などの算数・数学教育のエキスパートの先生方が検討して見い出してきた,子どもの解決と学びの系統性に一番適した数です。思いつきで課題の数を簡単に変更するのは,子どもの理解と習得の妨げとなりますので行わないようにします。

 4年生の「わり算の筆算(1)」を例として,3社の教科書の課題の比較をしてみます。
A社 72枚の折り紙を3人で同じ数ずつ分けます。1人分は何まいになるでしょうか。
B社 72枚の色紙を3人で同じ数ずつ分けると,1人分は何まいになりますか。
C社 72枚の色紙を3人で同じ数ずつ分けると,1人分は何まいになりますか。

 72÷3の筆算を考えるための課題ですが,教科書3社ともにまったく同じ数を使っています。わり算の筆算の第1時では,この72と3の組み合わせが,子どもの理解と習得のために一番ふさわしい計算となりうる数だからです。
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❶十の位の商が3の段の九九でたてやすい。修正がいらない。
❷習得率が高い3の段の九九になっている。
❸ひくと1になる簡単なひき算になる。
❹3の段ではじめて2けたとなる乗数が4である。
❺あまりがない。
※数の重複がほとんどなく,違う数が現れるようになっているため混乱が少ない。

 このように,はじめてわり算の筆算に出会う子どもたちには,とても操作がしやすく,かけ算・ひき算に関しての計算に誤答が起こりづらい数の組み合わせとなっています。まさに,見事な芸術的な数♪となっているのです。
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 わり算だけでなく,すべての計算領域で組み合わせを考えつくされた,芸術的な数が使われていますので,教科書で指定されている数はかえずにそのまま使うようにします。研究授業などオリジナリティを出したくなるときもありますが,課題の数は操作しないようにします。
 もちろん,オリジナルの教材で自作で数を用意するときもありますが,それについても子どもの余計な誤答が起きないような組み合わせをしっかり考えて,芸術的な数を用意することが必要です。