読書

2013年11月30日

三浦しをん『政と源』
小林朋道
『先生、キジがヤギに縄張り宣言しています!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学』
『先生、モモンガの風呂に入ってください!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学』
小谷太郎『科学の世界のスケール感をつかむ―もしも地球がメロンの大きさだったら』
アフロ『絶対に見たい!世界の工場』
北大路公子『苦手図鑑』
やまもとゆみ『こけし―旅先で恋した古くて新しいこけしワールド』
『世界 伝説と不思議の物語―不思議と驚き、逸話がつづる魅惑の名景』(パイインターナショナル)



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2013年10月31日

三浦伸夫『古代エジプトの数学問題集を解いてみる―NHKスペシャル「知られざる大英博物館」』
小林朋道
『先生、子リスたちがイタチを攻撃しています!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学』
『先生、カエルが脱皮してその皮を食べています!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学』
宮部みゆき『桜ほうさら』
ハムダなおこ『アラブからこんにちは―灼熱、イスラーム、魔人、子育て 未知なるアラブの生活事情』
マイケル・ブース『英国一家、日本を食べる』



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2013年09月30日

*内容の紹介は、基本的に記憶頼みで書いておりますので、書き手の記憶違い認識不足読み違い等はご容赦ください。
(メモを取れよという…て、このネタももう飽きてきたな。でも、本当にメモは取ってないからなー)←




ヘンリー・メイヒュー著 植松靖夫訳『ロンドン貧乏物語―ヴィクトリア時代呼売商人の生活誌』
<ジャーナリズムの先駆け、というものですか。
19世紀半ばのロンドンで最底辺の構成要員であった呼売商人たちにインタヴューして、商売の形態や生活の実相までを丁寧に記した本。
全10巻だかの大作から、呼売商人の項だけ抜き書き訳してあるそうなので、ちょっと読みにくかったですけれども。とっても詳しく聞き書きされているので、ものすごく良い史料です。
そして、ヒトの「遺したい」という一念の対象が、それまで見向きもされなかったものにまで広がっていったこの時代の空気も感じられて、好い書です>

狩野博幸『もっと知りたい河鍋暁斎―生涯と作品』
<暁斎好いな、暁斎。
ほんっと、器用な絵師だなぁ(ほれぼれ)。
本物は小品を1回しか見たことないんだよねー(それがまた凄かったんですがね。ええもうあれは…)。近くで企画展ないかなー(愚痴)。
ま、解説の方にはちょっともの申したいですが。
私、一方を持ち上げるために他方を扱き下ろす論法って苦手なんですよね。それに同調できる人ならいいけれど、そういう人ばかりでもないでしょう。貴方が横山大観と平山郁夫が嫌いなのは分かったから、という感じ(ちょ、そんなハッキリ書いてな)←読めば判る>

『妖怪萬画vol.2;絵師たちの競演』(青幻社)
<江戸・幕末・明治の妖怪絵を、作者別に。
文庫サイズなので、質よりも手に取りやすさですかな。
てか、暁斎好いな、暁斎(またそれか)>

杉本一樹『正倉院あぜくら通信―宝物と向き合う日々』
<品の良いうつくしい文章が素適な、正倉院の保存管理を統括する所長さんのエッセー。
正倉院という場所の紹介(場としても歴史としても)から年間のスケジュール、保存管理の作業内容、もちろん宝物の紹介なども。
本格的に保存修復をしだしたのは明治時代からということなので、まだまだ道半ばのようですが、先に繫げてゆく楽しみ、というものもあるのかな。
しかし、倉の中に存するものは塵芥まで一片たりとも欠けさせてはならぬのだから、気を遣うお仕事には違いない…(聞いただけで気が遠くなる)>

鮫島敦『皇室ゆかりの逸品《厳選47》』
<かつての「御用達」店から47品の紹介(ちなみに現在制度そのものは廃止されていますが、名乗り続けることは黙認されているそうです。「献上」もそうだって聞いたことがあるけれど、そちらはちょっとグレー度が高いとかいう噂。つまり送りつけただけでもごにょごにょ…)。
やっぱね、質のいいものを使い続けるほうが理にかなっていると思うなー。眼鏡いいなー、眼鏡(高いけど)←費用という名の壁>

山彰『アール・ヌーヴォーの華麗なファッションイラスト』
<題通り。
シーンに合わせた装いのイラスト集。細部まで描き込まれていて、うつくしいイラストです。
けれど私には、イブニングドレスと夜会服の違いが分からないっ…←>

李憲俊『カビの科学』
<カビ強(つ)えー。知ってたけど。
カビの生物学的な分類から生態、研究の話、対処法まで総合的に。
つか、オリゼーはオリゼーやのう(あらためて感心)←『もやしもん』の話>

ユッシ・エーズラ・オールスン著 吉田薫訳『特捜部Q―カルテ番号64』
<良かった! 面白かったという感想含めて、とても良かった!
私、元元ミステリの中でも社会派っぽいものが好みなのですけれど。その好みに、どストライクでした。
いや、うん。前(8月)に行っていたことと矛盾しますね、はい。
…人間は常に矛盾を抱えて生きているものなんですよ、ええ。←たいした開き直り
いえ、このシリーズ、1作目からしっかり社会派ではあると思うのですが(1作目は犯罪被害者救済のあり方を問うていると言えなくもない、2作目は少年犯罪についてあと日本で言うところの半〇レ的な問題、3作目は家族間の虐待、かな。そして、4作目も含めてずっと、宗教的・民族的・政治的・思想的・社会的マイノリティに対する眼差しというものがある)、ここまではっきり現実にあったこととリンクしているのは初っぽいので(デンマークの国内事情は、よう知らんですけども)。
なんて言うかな。宗教的・民族的・政治的・思想的・社会的にどんな立場をとるにしても、他者への想像力って本当に大切だよね、ということを、読んでいて強く思いました(タイミングよく?判決出て、ちょっと時事っぽくなったなぁ…)。
エンターテインメントでそういう書き方ができるのって、すごいよなぁ(しみじみ)。
ま、ラストちょっとあっさりし過ぎてるかな~、と思わなくもないですが。
でも、それで最終場面のうつくしさが損なわれるわけでもないので、注文つけることではないか。
しかし、これだけははっきり言える。アサド不死身過ぎる(笑)。
さて、訳者あとがきによれば、著者はこのシリーズを10作くらい出す予定だそうで。既刊まで追いついてしまったので、5作目はちょっと間が開きそうですけれど、楽しみに待ちたいと思います(映画も撮影中という情報ですけれど、日本では公開ないかなー? 観たいけどな、どうだろうかなぶつぶつ)。>

小林朋道
『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学』
『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学』
<いやー非常に面白うございました。
タイトル通り、鳥取環境大学の先生が大学や身の回りで起きた出来事を、動物行動学(小林先生は、動物行動学に人間比較行動学も含めて人間動物行動学を提唱しておいでです)の視点から捉えて講義している本です。
といっても、全く難しい話ではなく、大学校舎内に珍しいコウモリが現れたり、イノシシを捕まえようとしてみたり、ヘビやネズミやイモリやヤツメウナギやその他を捕まえてみたり、ヘビ(アオダイショウ)を飼ったりそれが逃げ出したり、ハムスターを飼ったりそれが逃げ出したり、ネズミ(アカネズミ)を飼ったりそれが逃げ出したり、アリを飼ったりそれが逃げ出したり、イモリ(アカハライモリ)を飼ったりそれが逃げ出したり(もうええて)、ヤギ部を立ち上げてみたり、孤島のシカを観察したり、タヌキを観察したり、リス(シマリス)を観察したり、ヒトを観察したり、聞くだに楽しそうな「事件」を綴ったエッセーに、動物行動学の視座がちょっと混じっている、気楽に読めてほんのり学問的な視点にも立てる、そんな素適な本です。
楽しかったー。
各章扉のイラストがまた素適なんですよ。好きです。>




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2013年08月31日

*内容の紹介は、基本的に記憶頼みで書いておりますので、書き手の記憶違い認識不足読み違い等はご容赦ください。
(メモを取れよという話)





佐藤彰一『カール大帝―ヨーロッパの父』
<世界史はねー。好きなんだけど、人物名も都市名もイベント名も、ほぼカタカナなのがねー(しかもモノによっては発音違いの表記違いとか!)。憶えきれなくて困るー(えええ)。
という訳(?)で、タイトル通りの本。現在のフランス・ドイツ・イタリアにつながる版図を形作った、という意味で「父」と呼ばれるカール大帝(シャルル・マーニュ)の事跡と時代背景解説。>

青野由利『宇宙はこう考えられている―ビッグバンからヒッグス粒子まで』
<このごろ話題のヒッグス粒子をメーンに、ビッグバン理論を基本に最新の宇宙理論を、その代表的な提唱者も含め紹介(科学者たちの似顔絵がすごく素適)した新書。著者が毎日新聞の科学記者さんということで、図表や例え話も絡めて、素人にも非常に解りやすく書かれておりました。入門書には最適と思います。>

ユッシ・エーズラ・オールスン著 吉田薫・福原美穂子訳
『特捜部Q―キジ殺し』
『特捜部Q―Pからのメッセージ』
<面白かったー! 特に『P』!
まー、未解決事件そのものは、どちらの内容も陰惨というか悲惨というか散散というか。個人的には犯人側に全く共感できませんでしたが。『キジ』のほうは、暴力描写(といっても、直截的なものはラスト付近までないですけれど。そこはすごい)が酷いしね。『P』の犯人は、怖っ。
でも、面白い。
シリーズもののお約束(カール・マーク警部補の安寧とはほど遠いプライベートとか美人心理カウンセラーモーナとの関係とか、謎だらけのアサドの正体とか、『キジ』から登場の捜査助手ローセと『P』に登場のその双子の姉ユアサの秘密等等)をふんだんに織り込みながらのテンポのよい展開に、ぐいぐい引き込まれます。
特別私好みの小説かというと、そうではないのですが。
でも、考えるに、主役チームも犯人側も被害者側もそれぞれに個性的な点たちで、それがどういう軌跡を描いて交わってゆくのか、絶妙な始点の切り替え方で読ませてくれるところが楽しいんだろうな。
書き方の勝利だなー、と今思いました(ライブ感)。>

田中修『植物のあっぱれな生き方―生を全うする驚異のしくみ』
<高校の生物の授業みたいな。
植物は「動けない」のではなく「動かない」という生き方をしているのだ、という考え方を基礎に据えて、「動かない」で済むには、どういった生態であるのか、ということを解説している新書。
上記の通り、学校の授業のように解りやすくて、体系的なので、知識のお浚いに最適でした。>

畠中恵『ときぐすり』
<前作で妻・お寿ずと産まれたばかりのわが子を亡くした江戸は神田の町名主のろくでなし息子・麻之助。あれから1年経って、徐徐にではあるが、立ち直ってきたもよう。けれど、名主の家に持ち込まれる「困りごと」は、今日もひっきりなしで待ったなし。
という訳で、「まんまこと」シリーズの4冊目。
麻之助は、とりあえず無事です。
レギュラー陣(麻之助の悪友兼親友二人とか両親とか、八木家の面面とか)も元気そうです。
お寿ずさんがいなくなって、ろくでなしにぼんくらが加わった麻之助は、さもありなんでしたけれども。
でも、ぼんくらになろうとおたんこなすになろうと、構わず進んでゆくのが時というものでして。表題作中には、二つ意味があるように描かれていましたけれど、「ときぐすり」で私がイメージしたものは、救いであり、少し寂しいものであり、でした。
うーん、やっぱりこのシリーズ好きだな(南伸坊氏のカバー絵と装丁含)。>

田中啓文『シャーロック・ホームズたちの冒険』
<(詳しいことは7月分参照)という訳で、ホームズパスティーシュ(贋作)です。
ホームズだけでなく、大石りく(赤穂事件で有名な大石内蔵助の妻)、ヒトラー、小泉八雲も探偵役をやってます。アルセーヌ・ルパンものもあります。
と、こう書くとよくわからなくなってきますが、つまりは軽め、多少変化球気味のミステリ短編集です。気軽に読めます。
キーワードは、オカルティズムでしょうか。
私は、八雲の項が面白かったですね。>




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2013年07月31日

*内容の紹介は、基本的に記憶頼みで書いておりますので、書き手の記憶違い認識不足読み違い等はご容赦ください。
(メモを取りなさい)



畠中恵『つくもがみ、遊ぼうよ』
<『つくもがみ貸します』の続篇。ですが、前作と変わって、主役はつくもがみ+子世代。
いやー、畠中さんの妖(あやかし)は、安定の思考の飛び具合です。そこが可愛いとも楽しいとも言えるのですけれどねー>

皆越ようせい『写真で見る小さな生きものの不思議』
<ダンゴムシ、ダニ、トビムシ、カタツムリ…等等。
きっと嫌いな人にとっては、卒倒モノと思われます(笑)。
私だって、ムカデ・ヤスデがごちゃっとぐちゃっと固まっている写真にはさすがに「おおお……(汗)」と思いましたけれども。でも、そういう生き物がいないと、立派な土はできないのですよ>

川上和人『鳥類学者無謀にも恐竜を語る』
<お勧め! 恐竜研究を極めたい人には、あまり役に立たないこと間違いなしと思いますが!(えええええ)
扱っているデータは最新のものですし、思考方法はきっちり科学的なのですが(なんと言っても著者は学者さんでいらっしゃる)、考える内容が想像と妄想の間(笑)。ノリはおそらく『空想科学読本』(たまに、そこ?! とツッコミを入れたくなる脚注など)の、素敵に楽しい読み物に仕上がっております。
また、えるしまさく氏の挿絵が、遊び心にあふれていて、とても素晴らしいのです! 一発でファンになってしまいました(ブログも拝見するほどに。猫の手~)!
ちなみに、なぜ鳥類学者さんが恐竜について語っていなさるのかというと。
鳥類は恐竜から進化した、つまり鳥類は恐竜の生き残りである、という説が現在ほぼ定説になってきているからでございます。羽毛恐竜の化石が今も続続と見つかっているので、これからさらに補強されていくのじゃないかなー、とのこと。
すごく楽しみな話ですね!(きらきら)>

山藤章二『駄句だくさん』
<山藤氏が宗匠を務めていらっしゃる句会の句集。メンバーは所謂文化人と呼ばれる錚錚たる方方。
ですが、内容はタイトル通り駄句ばかりです(笑)。エログロナンセンスを地で行っております。それぞれの句に付けられた評的会話がまたヒドい…(爆笑)。
ま、こんなんでも俳句だよ、という読み物です(笑)>

アンソニー・ホロヴィッツ著 駒月雅子訳『シャーロック・ホームズ絹の家』
<公式認定された、「80年ぶりのホームズ長編」だそうです。
…まぁ、そういう訳で(どういう?)、私一応のシャーロキアン(←ホームズファンの人人を指す言葉)でございます。と言っても、贋作やパロディや研究書を読んだりするくらいでして。正確を期せば、本物のシャーロキアンを取り巻く人的な位置なのですが。
で、本作。
訳者あとがきによりますと、原書には原作とのずれが多少見受けられたとのことで、その辺り、本物の人人には総ツッコミを喰らっていることと思いますが、個人の意見としましては、全体的にはドイルらしいと言うよりも「(晩年の)ワトスン先生らしい」書き方だなーという印象(褒め言葉)、でした。
勿論、現代作家が書いたくさい部分もあることはありますけれど、気にはならない程度です(たぶん)。
ホームズが前面に出過ぎることなく、ワトスンが活躍し過ぎることもなく、バランスが取れていて、シリーズの脇役たちもそれとなくがっちり脇を固めていて、同時代の「現実」を取り込みつつ絡め過ぎることもなく(例えば切り裂きジャックとか)、品位を保ってホームズミステリを書く、というなかなかにウルトラ難度の技を綺麗に決めているように見えるのは、すごいです(長い)。故に公式なのかな、と思う(ミステリとしてなら、もっと完成度の高い贋作も存在すると思うので)。
うん、面白かったです。
しかしこれ、最大の難点は、シリーズを読んだことがないと楽しめないところですかねぇ(笑)>

ユッシ・エーズラ・オールスン著 吉田奈保子訳『特捜部Q―檻の中の女』
<面白かったです!
警察小説という括りでいいのかな? コペンハーゲン警察(デンマーク)のお話。
少少(?)問題のある刑事が、閑職に追われて――という、よくある導入・道具立てではありますが、登場人物それぞれがキャラ立ちしてて、次が読みたくなる話でした(デンマークの地理も何もかもよく分からないので、カタカナには大変苦戦しましたけれどね! ←決して自慢にならない)。
あ、でもラスト以外は爽やかでもなんでもない話なので(というか、分類するなら重苦しく狂気じみた気の滅入る話)、苦手な人には全くお勧めできないです(笑)。
主人公コンビの、デキるがチームプレーには向かない不幸体質(自己申告)カール・マーク警部補も、変人助手アサド(現在内戦状態の中東某国大統領と同姓同名。偽名疑惑アリ)も好きですが、私は課長に惚れました(←脇役好き)。手の掛かる部下にも大人の対応、ガンバレ中間管理職!
私もシリーズ(既刊)制覇頑張ります!(おー!)>

ブレンダ・ラルフ・ルイス著 松尾恭子訳『写真で見る女性と戦争』
<「戦争」は、第二次大戦のことです。
タイトル通りなので、文章はざっと眺めるくらいでしたが、良くも(良い点なんてないに等しいのですけれど)悪くも、戦争という行為は大きな転換点なのだな、と思います。あらためて。
しかし、そういう考えがあったという事実は、否定したって仕方がないのだけれど、現代人としては理解できないししたくもないというのもまた事実。「弱い性」ってなんだよ……>




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2013年06月30日

*内容の紹介は、基本的に記憶頼みで書いておりますので、書き手の記憶違い認識不足読み違い等はご容赦ください。
(メモを取れ)




冲方丁『にすいです。』
<対談を読むのは、好きなほうです。
これは冲方氏の、方方の雑誌で組まれた対談を集めた本ですが、タイトルがふるってます。確かに、このペンネームは読めぬ。
ま、それを含めて富野監督からけちょんけちょんに言われてるんですけれど(笑)。
(落として上げるとか、監督恰好良いですわー。対談内容も一番刺激的ですし)
しかし、実は書き手は冲方作品を『SF JACK』の短篇以外読んだことがない。
…面白そうではあるんですが、本丸の周りをうろうろ遠巻きにしているだけで、まだ手が出ない。
でも、今清少納言の話を書いていらっしゃるということなので、それが纏まるくらいまでには読んでおこうかなぁ…(悠長)>

武井義雄『だまし食材天国』
<ウナギ・牛肉・豚肉・マグロ・マツタケ・ペットボトルの水(だったかな)。
完全アウトの偽装、そこまでは行かないけれどグレーな感じのする表示、といったものを見分けるために役に立つと思われる、法令や生物学の基礎を書いた本。たぶん解りやすい部類と思います。
しかし、法令って、やっぱりワザと解りにくくしてるとしか思えんがな…(呆)。頭良い人人が作っているはずなのにねぇ>

市川染五郎『染五郎の超訳的歌舞伎』
<言わずと知れた高麗屋さんの、歌舞伎解説本。
徹底的に演じ手側から書いてあるので、文字で綴ってはありますが、多分に身体的な本だと思います。一般人には決して得られない視点なので、興味深いです。
巻末の澤瀉屋(当代猿之助)さんとの対談が、非常に忌憚がなくて大変面白いです(笑)。芸の世界は、いくつになってでも果てが見えないもののようです(いろいろな意味で)>

田向健一『“珍獣ドクター”の動物よろず相談記』
<獣医師さんが、患者の飼い主の質問・疑問に一問一答形式で答えてゆく、という体裁の、まぁ、ペット本?
治療や検診等の実際や、飼い主さんとの攻防(?)もありつつ、一開業医が普段どういったことを考えて治療に当たっているかも書かれていて、ふむふむとなります。
獣医師―飼育下動物―飼い主、は常に心情的に三角の関係になる、という意見には、ははあ、と納得させられました。動物のお医者をやっているつもりでも、開業医は結局、人間相手の商売だものな…>

小林賢章『「暁」の謎を解く―平安人の時間表現』
<…国語学者というても、文章が上手いとは限らんね。
論自体は納得できる部分が多いんですが、それを解説・論述してゆく文章が、拙いっていうか…うん、拙い(言っちゃった)。強調したいのは解るけど同じこと繰り返してるよとか、引用の形態が統一されてないから、ちょっと戸惑うとか、文章の組み立て方は、もう少し練る必要があるんじゃなかろうかとか(そして誤字が多い)。
平安時代には寅の一刻が日付変更時点ではなかったか、という論は納得できるので(少なくとも、日付変更時点が二つあったとかいう説よりは説得力があると思う)、ちょっともったいない感じ。
ま、私の理解力が弱いだけ、とも言えますが(ははは)>

鹿島茂『「悪知恵」のすすめ―ラ・フォンテーヌの寓話に学ぶ処世訓』
<『イソップ寓話』は、知らぬものがないくらいの教訓話集でありますが、国(文化)が違えばそこから引き出される教訓も違ってくるということで。17世紀フランスの著述家ラ・フォンテーヌが著した本に依りながら、世間(大袈裟に言えば世界)を見る眼を養う本。鹿島さんの文章が軽やかに常にぷりぷりしていて楽しいです(笑)。
つか、人間社会はいつの時代もどこの国でも本質に変化はないですな(極論)>

岸本佐知子『なんらかの事情』
<とにかく可笑しいエッセー集。岸本さんの世界は、すごく好きだー>

Connie Willis著 大森望訳『All Clear2』
<完結巻。
別れというものは、たとえ当人たちが前向きな気持ちを持っていても、涙を誘うものですね。1944年パートで泣いて、1995年パートでも泣けて、畳みかけて1941年パートでも泣く。先が分かっていても泣けるのは、流石だ脱帽だ。
そして、ウィリスの描く子どもは、どうしてこうも最悪(褒め言葉)で可愛らしいんだろうなー。ホドビン姉弟凶悪に素晴らし過ぎる。
あーもー、皆皆大好きだー!
(あまり感想になってないのは、ちょっとでも詳しく書くと即ちネタバレになるからです。どこもかしこも伏線だらけなんだもんなー)>

小野不由美『丕緒の鳥』
<一気読みでした。何せ12年ぶりだもの。
その後、シリーズ全作読み返しました。何せ12年ぶりだもの(笑)。
面白かったです。
優れたファンタジーは、現実を照射するものだ、という論はよく聞くところでありますが。確かに、ファンタジーの世界で語らせることで見えてくる現実というものが、あるのだと思います。
そして、十二国記はずっとそうです。今回の短篇集もそうでした。
4篇とも、濃い薄いはあれ現実と重なるところがありましたが、「落照の獄」が顕著です。
他3篇が救いのある結びだったので、逆にラストの重苦しさが、とても印象深かった。
さて。
順調にゆけば、来年には新作長篇が出るそうなので、楽しみに待ちます!>




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2012年09月30日

*内容の紹介は、基本的に記憶頼みで書いておりますので、書き手の記憶違い認識不足読み違い等はご容赦ください。
(メモを取れよという話だわい)




とりあえず借り物分の記録。
本年度分は、ぼちぼち上げていければいいなー。


市大樹『飛鳥の木簡―古代史の新たな解明』
<今年のいつ頃かは憶えてないのですが、奈良で木簡出土、というわりと大きな扱いの新聞記事が出ていて、その写真の木簡がちっとも読めなかったのは憶えています(専門家でないので当たり前ですけど・笑)。
でも、この本を読んで、大宝律令以前は「評=郡」だったのかーん?そういえば教科書だったか補助教材だったかにそう書いてあったような(遙か記憶の彼方だ)…とか、7世紀は万葉仮名以前だったのかー(大陸よりも朝鮮半島の影響が強かったそうで)とか、当時の名前は絶対読めません! とか、いろいろ興味は尽きませんでした。
一番興味深かったのは、著者の方としては、木簡は史書を否定する史料ではなく、補助強化する側面が強い、という言葉ですね。その代表的なものが所謂「大化の改新」である、と。
勿論、歴史書は都合のいいことしか書いていない、という批判を証明するにしても反駁するにしても、同時代の史料は多ければ多いほど良い、ということになりますから、木簡はこれからますます重要なものになります。幸い、上記のように出土が相次いでいますから、この先がまた楽しみです。
そして、私のようなただの歴オタが、研究者の上澄のみを掬って愉しむのです(笑)。←ひでぇ
でも、1月に奈良に行った時も思ったけれど、木簡の何が楽しいって、時折描(書)かれている落描(書)きが一番だよ。1300年が一気に身近になるようだ。>

橋本治文 岡田嘉夫画『仮名手本忠臣蔵』
<岡田さんの絵が好い。
の、一語に尽きるかと。
子どもが見て楽しめる絵かどうかはともかく(笑)。
勿論橋本先生の訳(と言うのか文章と言うのか)も平易でうつくしいのですけれど。『八犬伝』などもそうですが、勧善懲悪ものは、人形浄瑠璃や歌舞伎(や時代劇)の動きを含む媒体と比べると、現代語では特に迫力を失うかな、という印象なので。個人的には、ちょっと違和感が残るのです。歴史的仮名遣いだと、今とリズムが違うので、そんなこともないと思います。
でも、本の冒頭に書かれている橋本先生の言葉が素晴らしくて。生きていると、間違いも思惑とずれることも進退窮まることもあるけれど、そういう時にどういう行動をとるのか。昔の、それも創作された話だけれど、そういうところにも注目してほしい、ということがもっとじんとくる文章で書かれてます。
全体的には大人が楽しめる絵本ですが、ちいさい頃に日本文化に触れる入門書としてはこれだけ贅沢なものもないのでは、と思います。>

Shaun Tan『The Arrival』
<つべこべ言わずに読め!
と言いたくなる絵本です。
まずタイトルからして良いもの。
そして、世界観、画力、表現力、構成力、情感、どれを取っても文句なしに圧倒されます。
ちいさい頃にこの本に触れられた子は、絶対しあわせ者だよ…。
岸本さん(下記の翻訳者)がオビで「訳したかった」と言っていらっしゃるのがよく解りますよ(笑)。文章なしでこれは、本当にずるい!(最大限の賛辞)>
同上『The Lost Thing』
<これもまた良い。
タイトルは、たぶん本篇の最終頁に掛かっているんではないかな、と。「迷子」は、本当はどっちなんだろう。
作者自身がひとりで制作したというアニメも観てみたい!
しかし、これ、日本語版作るの大変だったろうけど、楽しそうだなぁ。遊び心いっぱいだ。
でも、画面での遊び心は、ホッパーくらいしかわからなかった…(しかもそれも、訳者の指摘を受けて、しつこく脳内検索をかけてみてのことだからなぁ…むむむ)。>

小野不由美『鬼談百景』
<淡淡とした語り口で読みやすく、面白かったです。
怪談話の作法(?)にのっとって、伝聞形式の話で。なのに登場人物が、わりと詳細に語られていたりとか、怪談ってツッコミどころ満載だよね~感が巧く再現されていて、楽しかったです。
そして勿論百物語の作法にのっとっていて、ニヤリです。
上記からも判るとおり、あんまり怖くはなかったですが(あくまでも私の主観です)。
あ、でも、背景等が詳しく語られない尻切れトンボの話の中には嫌な感じのものもありました。
けれど、やはり一番怖いのは生者ですね(笑)。>
同上『残穢』
<こちらも淡淡として、面白いです。時系列は、ちょっとわかりにくかったですが(私が数字が苦手だから、という説もある)。
上記ともども「実録怪談」という分類に入るようです。その分野には疎いので、どこからどこまでをどう線引きして受け取れば良いのかには、少少戸惑いますけれど。
残留した穢れ、という考え方は、どうなんだろう、ギリギリ「信じる」側ではない、ということなのだろうか…。
上記に収録の話のひとつ(以上)に関連していますが、読んでいなくても支障ありません。でも、読めば「ああ、あれかー」と、ニヤリとできます(笑)。>

鈴木知之『虫の卵ハンドブック』
<なんでこんな形になるのかなー、とヒトが不思議がるものでも、きっと理由があるんだよなあ。
生き物ほど面白いものはない。
まぁ、この本を活用して云云という発想は、どこを振ったって出てきませんがね、もう年寄りだから(笑)。
ミリメートルの世界は無理です。せいぜい大きな卵鞘に包まれた、目に付きやすいものが関の山ですとも。>

金森誠也『一日古代ローマ人』
<創作以外で断定的な言い方はあまり好きではありませんが(しかも古代ローマは、大まかに分けても王政期、共和政期、帝政期と分けられ、千年以上続くのだから、それをいっしょくたにされても…と思う)、入門書としてはこんなものかと。
イラスト沢山でわかりやすいです。>

マーク・ローグ ピーター・コンラディ著 安達まみ訳『英国王のスピーチ―王室を救った男の記録』
<映画観たいー(観れば)。
ライオネル・ローグのお孫さんが著者のひとりですので、史料の信頼性は高いですね。現在とは少し違うでしょうけれど、イギリス王室と一般市民の関係性の、雰囲気が伝わってきて、興味深いです。
『Black Out』と『All Clear』(8月31日付記事参照)がちょうど二度目の大戦期のことなので、事実確認にも良かったですー(をい)。>

三浦しをん『お友だちからお願いします』
<著者自己申告通り、よそいき仕様ですが、相変わらず面白いです。
しをんさん(馴れ馴れしいですが、お父様も三浦先生なので、まぁなんとなく・汗)の小説も勿論面白くて好きですが、エッセーは、出た分は(ネット上のものも)全て読んでおりますだって面白いから。文章が上手い上に、間のとり方の感覚が合うので、私には読みやすいのです。
あ、勿論小説も面白いですよ(何故二度言う)。>

西田賢司『わっ! ヘンな虫―探検昆虫学者の珍虫ファイル』
<中米コスタリカで昆虫の研究をなさっている著者の、エッセーというか、研究紹介です。装丁は子ども向けのようですが、大人が読んでも勿論面白かったです(というか、大人にこそ読んでほしいんじゃないかな)。
熱帯雨林から高山植物帯まで、日本の国土よりちいさい面積に多様な地域が凝集しているコスタリカでは、毎日新種の昆虫に出会えると言っても過言ではないそうです(すごい)!
読んでいると、心底虫が好きなんだなー、敬愛しているんだなー、というのが伝わってきます。正しく生活全般昆虫漬け(笑)。
だからこそ、国土の四分の一を国立公園に指定して保全に努めている環境立国のコスタリカですら、保全地域外での環境破壊が進んでいることを心配されていることや、外来種が半分を占めて固有種が脅かされているハワイの現状を憂えていることや(探検昆虫学者という聞きなれない仕事は、ハワイの外来植物の天敵となる昆虫を見つけ、駆除の一助としようというプロジェクトに協力する仕事を言うそうです)、都市部と山里海の乖離が著しい日本を寂しく思っていることが、説得力を持つのですよね。繫がりから離れて生きられるものはないと知っているから。
…そうは言っても、御器被りさんにはできればお会いしたくないですし、蚊は叩き潰しちゃいますけれども(笑)。
著者が力を入れているとおっしゃる通り、写真がとてもうつくしいです。熱帯の生き物の、原色の美です。生き物ほど面白いものはない。
ま、中には、エイ〇アンみたいなものもありますけどね(笑)。>

都甲幸治『21世紀の世界文学30冊を読む』
<翻訳者でもある著者が、邦訳のあるものないものごちゃ混ぜで欧米の「今」の文学を紹介した書評集。
所謂「文学」なるものとはあまりお付き合いのない私ですが、面白そうなものならなんでも読むよ、て訳で、目を付けた作者のものを何冊か読むつもり。無論邦訳で。
…著者は原文で読んでみることを勧めておられますが、そんな語学力があれば苦労はしない。私は基礎だって怪しい人間なんだ(威張るな)。
原文で読めたらなぁ…、と思いつつ邦訳を待つ。怠惰なものですとも…。>




五月生hanatokobato_1102 at 00:00│コメント(0)トラックバック(0)

2012年08月31日

8月22日の記事に拍手、ありがとうございます!
少しでもお見舞いになったのでしたら、嬉しいです!




さて、ここからは読書の話題。
五月さん待ち過ぎてテンションおかしくなってます(それはいつものこと)。

Connie Willis(大森望訳)『Blackout』手に入れたぜイェア!
(同訳)『TO SAY NOTHING OF THE DOG』に運命的に(大袈裟)出合った当初から話は出ていたから、もー、ほんと、待ちに待っていたぜ!(ええと、2008年からだから、足掛け4年か。…あれ、浅いな! びっくり!)
8月に出るというのは読んだ本の広告に載っていて偶然知っていたけれど(ここにも運命を感じるね!←阿呆)、密林にもなかなか情報が出ていなくて、この間既に出版されているのを見つけた時は非常にテンション上がりましたとも!(それは単にリサーチ下手&不足なだけ)
ま、その時点でポチっていれば、入手が遅れることもなかったのですが、好きな作家さんの本ほど書店で手に入れたい、という奇妙な癖の所為で、一週間後に購入と相成りましたのですがね(ハハハ…)。
街中の、しかも全国展開レベルの大型書店じゃないと置いてないところが哀しいです。
まぁ、それはね、頼めばどこでだって取り寄せてはもらえますけれどもね。
でもさー、こう、本屋さんに並んでるのを見つけて手に取るっていうのがさー、なんとも言えず快感なんだよねー。←そんなロマンティシズムは捨ててしまえ
……(2400+税)円もしたけどね!(ガフッ)←吐血
うん、密林で見たから知ってた。それでも欲しいんだから、これは仕様がない。何と言っても本篇だけで738頁あるし(ウィリスの長篇はもともと長いしね。京極読者辺りならこれくらいお笑い種だろうしね。読んだことないけど)。ノベルス版でこれなんだから、ハードカバーでなかっただけましだと思わなければ(きっともっと厚くて大きくて重くて硬くて高かったことだろうテリブルテリブル)。
……でもこれ上巻なんだよねー。
下巻All Clearは2013年4月出版予定!(訳者あとがきより) カバー絵は勿論松尾たいこさん(でしょう)!(今作のカバーも本当に素適です。『TO SAY―』を手に取るきっかけを作ってくださったのも松尾さんのカバー絵でしたから、超個人的一方的に感謝してもし足りないのです!・笑) さらに100ほど頁数が多い予定!(訳者あとがきより)
ゴボフッ。←喀血
(拭き拭き)それでも欲しいんだから、業って怖いね(笑)。
はいはい。
とりあえず、こんなことやってないで早く読めよって話ですね。
えーと、今4章まで読んだから(←読むの遅い。カタカナ名だと特に)……わー! あと49章だー!(嬉しい悲鳴) 頑張って読むぞー☆ ←振るのは気味悪いから止めなよ
(やけくそと言う勿れ。実際のところは、ウィリスの本は面白いから頑張らなくても読めるのである)



と、以上舞い上がり過ぎていろいろだだ漏れている人間の潜る言い訳でした(笑)。
感想は、できたら書きたいなー(自分の為に)。
そして密かな野望は描きたいなー、ということですが、外国の方って、どう描いていいやらさっぱりです(大笑)。

それでは暫しのお別れ。
Au revoir!




五月生hanatokobato_1102 at 00:00│コメント(0)トラックバック(0)

2010年11月19日

先ず。
>11月19日
拍手くださった方、ありがとう御座います! 戴く機会が少ないので(笑)、すごく嬉しいです~。



さて、今日の話題。
『こばと。』に1ミリくらい(アニメ第24話のAパート・Bパート間辺り)関係あるかもしれないけれど、ほぼ無関係なこちらの話。


ボクを包む月の光 9―「ぼく地球」次世代編 (花とゆめCOMICS)
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日渡早紀『ボクを包む月の光』

8、9巻が個人的に非常にツボった。
もう、めちゃくちゃ時間経ってしまってますが…(苦笑)。

んで、ネタバレ絵(低クオリティ)を描きたくなったので描きましたそして上げました(勇気あるな)。
そして、読んだ人にしか解らないであろう漫文も少し。
見てやるか、という奇特な方は続きどうぞ。
続きを読む

五月生hanatokobato_1102 at 23:47│コメント(6)トラックバック(0)

2010年09月18日

すでに古い?歌のタイトルのようだな…。
えー、久久に読書漫文など。



狙っていたわけではないですが、新内閣も発足したことですし、この本を。

民王
民王
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池井戸潤『民王(たみおう)』

政治パロ小説です(←パロディ好き)。


漢字の読めない首相、官房長官のスキャンダル、大臣の泥酔会見、ねじれ国会――頻出・多発の問題に、武藤泰山内閣の政権運営は発足当初から窮地に。しかし、その裏には何やら陰謀が存在するようで……。


池井戸さんの小説を読むのは初めてですが、新聞の書評欄で見て読みたいと思った物が図書館に入っていたというタイミングの良さに、これは読むしかないだろう、と読んでみました。
偶にこういうことがある。

なかなか読みやすい軽快な文章で、面白かったです。
内容は、上にも書いた通り、政治パロディ。
ちょっと時事がわかる人なら、あの政権か、と気づかれると思いますが、あくまでもこれはフィクションなので(笑)。
それ故、人格入れ替わりだの陰謀だのと、コメディタッチの愉しい要素が沢山絡んでいます。
そしてフィクションらしく、ラストはアツい終わり方でした(笑)。
池井戸さんご自身、意識してそういう話に仕上げたそうですが。

でも、たぶん政権交代をもたらした力は、“そういうこと”への期待だったんだと思うのですよね。
ネタバレになるので詳しくは触れませんが、真っ当な主張をして、それに向けて一心に進んでいく姿。そういう、すがすがしいリーダーを求める心。
勿論、現実は小説のようにトントン拍子で良くなることはありえませんし、特に政治の分野では、何か一つ法律ができたぐらいで劇的に世の中が変わるなんていうことはありません。
けれど、党内の権力争いに終始したり、既得権益を守ることに汲々とする「政治屋」ではなく、真っ当なことが真っ当に取り扱われないのは変だ、と声を上げる「政治家」が欲しい、というのは、いつの時代にも共通している思いなのかな、と。
ま、自分にできないことを他人に求め過ぎてもいけないですが…。
そして、そんな「政治屋」ばかりにしてしまった有権者側の問題もきちんと指摘されていますけれどね、この小説。

世襲議員、政治家のスキャンダルに対するマスコミ報道の在り方、「国会」とは「政治」とは――軽さの中に、考えさせるさまざまな問題を織り込みつつ、面白可笑しく読ませるエンターテインメント小説でした。
興味のある方は読んでみてくださいねー。



ミステリ好きとしては初登場時からラストの重要人物が分かってしまうのはアレでしたし、正直に言うとやっぱりちょっとかゆいってかくすぐったいってか…なラストだったのですが、私には(笑)。
青春時代を見ているようだ…!(笑)


五月生hanatokobato_1102 at 10:36│コメント(0)トラックバック(0)