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   ■【福島原発】風評被害の回避策のために子供たちが犠牲? 2011年5月2日
   TBSラジオ武田記者「基準を高くして20msvにしてくれと言っているのは実は地元」



   へぇ〜、って思った、。。。。。
   まさか、武田記者がうそを言うとも思えないし、。。。。。
   びっくりしたの一言です。

   (阿修羅のコメントだったと思う。)
   福島県の行政が中通りは絶対避難区域にしないという意図を持っていたのは明らか。
   山下俊一を速やかに福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに任命して県内の
   あちこちで講演させたのだからね。しかも、最初は、たいした影響はないから安全だ、
   逃げる必要はないといっておきながら、最近の二本松の講演会では、国が年間
   20mSvと決めたのだから、それに従うのは県民の義務だ、そして、これからの疫学
   調査に協力するのも県民の義務だ、といっている。
   一応、「20mSvがいやなら、ここから出て行くしかない」といっているが、それは、
   まるで、「まわりのみんなは、義務を果たしているのに、あなたは、逃げていいの?」
   という悪魔のささやきに聞こえる。
   山下にとっては、調査のために、県民を逃がさない。
   県の行政にとっては、中通りの県民を逃がさない。
   両方とも、都合がいいわけだ。


   びっくりした、と言えば
   下記の文章を目にした時も、そら、もう、びっくりした、なんてもんやない。   


   H23.5.7 ザ・ウィクリー  郡山で結構有名なタウン誌です、
   そこに掲載されたものです 
         ↓
   ★特別寄稿  福島への手紙「長崎から」

   いま、長崎では被爆者が「俺たちし原爆投下直後に、どんな野菜でも、魚でも、
   平気で食べた おかげさまで、体は元気で、頭も良くなった 世間ではなにを
   騒いでいるのか!」と話しています。

   私は爆心地から3.4Kmでひばくし爆風で家が半壊しましたが、母親はいま95歳
   で元気です 親父は92歳でなくなりましたが、こけて頭を打ったからです。
 
   私も、人格以外何も悪くないと家内が申します 被爆者(特に男の被爆者)は長命
   であるというデータもあります。

   被爆医療の専門家である長崎大学の山下教授は、放射能性元素で有害であると
   証明されているのは放射性ヨウ素だけと言明しています しかも半減期は8日です。
 
   私は卒業研究の時、レントゲン写真などとはけた違いに強いX線などを平気で浴びて
   いました ビームを探す為に、手に持った蛍光板をあちこちに移動していました。

   現在のX線装置は、あまりにも厳重で、機械の値段を高くするのが目的と思われます。
   福島の皆さん、どうか元気を出してください
   (九州工業大学学長 宮里達郎)



   皆さん、

   そら、もう、びっくりした、なんてもんやないでしょう、。。。




■おーい、とらちゃん出番だよ!
動画:朝生!2011-04「激論!震災から50日 今、何をすべきなのか?!」
「封印された内部被曝」福島第一原発衝撃の実態。
「なぜ東京電力だけの責任になるのか」by・米倉弘昌経団連会長
【原発】作業員が死亡 汚染水処理の準備中に。


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s-長崎大学教授1s-長崎大学教授2s-長崎大学教授3s-長崎大学教授4

   もう、とんでもない発言のオンパレードです。

   科学的に言うと、環境の汚染の濃度、マイクロシーベルトが百マイクロ・パー・アワーを
   超さなければ、全く健康に影響しません。ですから、五とか十とか二十というレベルで
   外に出ていいかどうかということは明確です。いわき市で、きのう答えられました。
   今、いわき市で遊んでいいですか、どんどん遊んでくださいと答えました。
   福島も同じです。心配することはありません。ぜひそのようにお伝えくださいと。
   子供たちの屋外での活動に文科省がようやく重い腰を上げた。
   にもかかわらず、こういう発言がその前に、まだ全く調査ができてない段階で、
   このようなことおっしゃった。

   きょうは雨が降っているから、ひょっとしたら放射性物質がついているかと思われるかも
   しれませんが、私は全然怖くありません。理由は、もう新しい爆発が来ていないからです。
   今ここにある放射性物質は、数日前の放射性物質がここに飛んできて、それが落ちて
   ここにたまっておる、それだけの話ですと。

   こうも言っております。
   これから、福島という名前は世界じゅうに知れ渡ります。
   福島、福島、福島、何でも福島。
   これはすごいですよ。もう広島、長崎は負けてしまった。
   福島の名前の方が世界に冠たる響きを持ちます。
   ピンチはチャンス、最大のチャンスです。
   何もしないのに福島、有名になっちゃったぞ。これを使わぬ手はないと。

   こんなことを地元の心配に駆られた人々の前で平気で言ってのける専門家と称する方
   果たして審査委員会の委員として適格なんでしょうか。
   大臣のお考えをお示しください。



2011.4.27 衆議院文科委員会 河井克行議員  動画
2011.4.27 衆議院文科委員会 河井克行議員  会議録


○河井委員 直接お答えをいただくことができませんでした。
指針はもちろんでありますけれども、和解の作業をどうやっていくか。早くも、結局これは、飯を食えない職あぶれの弁護士たちの、言葉はきついけれどもえじきになるんじゃないか、そういうふうな御指摘が上がってきている。私は、きょうはこの場ではもう質問しませんけれども、法務副大臣を務めておりましたときから、文科省所管の法科大学院、これは明らかに制度として破綻しているし、年間三千人の全く社会に必要ない弁護士を粗製乱造するという仕組みはおかしいということは、ずっと主張してきております。その上で、サラ金の過払い請求とか名ばかり管理職の残業代請求に続く宝の山として、今回の極めて不幸な原子力発電所の事故の後のさまざまな和解なり裁判ざたが利用されるんじゃないかという御指摘が上がってきている。私は、そういうことが絶対あってはならないということを、答弁は要りませんから、政務三役の皆さん方も含めて、この場にいらっしゃる国会議員の皆さんにしっかりと耳に入れておいていただきたい。ゆめゆめそういうことに使われるべきじゃない、そう考えております。

 この審査会の委員なんですけれども、大臣、これはだれが任命するのでしょうか。

○高木国務大臣 文部科学大臣、私が任命をいたしました。

○河井委員 委員のお一人である山下俊一長崎大学教授が、三月二十一日に福島テルサというところで講演を行いました。「放射線と私たちの健康との関係」という演題でありますが、大臣、この発言内容は御存じでしょうか。

○高木国務大臣 詳しくは承知いたしておりません。

○河井委員 もう、とんでもない発言のオンパレードです。
 発言録がここにありますので、一部御紹介させていただきます。
科学的に言うと、環境の汚染の濃度、マイクロシーベルトが百マイクロ・パー・アワーを超さなければ、全く健康に影響しません。ですから、五とか十とか二十というレベルで外に出ていいかどうかということは明確です。いわき市で、きのう答えられました。今、いわき市で遊んでいいですか、どんどん遊んでくださいと答えました。福島も同じです。心配することはありません。ぜひそのようにお伝えくださいと。子供たちの屋外での活動に文科省がようやく重い腰を上げた。にもかかわらず、こういう発言がその前に、まだ全く調査ができてない段階で、このようなことおっしゃった。

あるいは、枝野官房長官も、あるいは政府も、出す声明は正しいんです。値は正しい。環境の汚染、あるいは物理学的なデータは、原子力安全・保安院が出すデータは正しいんですと。その後のさまざまな数値の変更とかレベルの引き上げ、全くそういったことに考えがいっていないようです。きょうは雨が降っているから、ひょっとしたら放射性物質がついているかと思われるかもしれませんが、私は全然怖くありません。理由は、もう新しい爆発が来ていないからです。今ここにある放射性物質は、数日前の放射性物質がここに飛んできて、それが落ちてここにたまっておる、それだけの話ですと。

今でも放射線の放出は、毎日毎日、一秒の休みもなく継続されているのに、このような発言をされる。こんなことを最後おっしゃる。唯一お願いしたいのは、皆さんと我々、あるいは皆さんと県、国の信頼関係のきずなをつくるということです。我々が信じなくてはいけないのは、国の方針であり、国から出る情報ですと言い切っています。こうも言っております。これから、福島という名前は世界じゅうに知れ渡ります。福島、福島、福島、何でも福島。これはすごいですよ。もう広島、長崎は負けてしまった。福島の名前の方が世界に冠たる響きを持ちます。ピンチはチャンス、最大のチャンスです。何もしないのに福島、有名になっちゃったぞ。これを使わぬ手はないと。

これが、この山下俊一教授、文科大臣が任命した紛争審査委員会の委員であり、三月の半ばに福島県の健康安全についてのアドバイザーを新たに任じられた方が、地元の皆さんの前でした発言です。これは、私が厚労省の健康局からいただいた資料であり、既にアメブロでも公開をされている。全くこれはないしょでも何でもない。これは、柳田稔法務大臣に匹敵するぐらいのとんでもない発言ですよ。大臣のお考え、この発言は適切だと思われますでしょうか。思われるんだったら、どこがどのように適切か、お答えいただきたい。

○高木国務大臣 私も、講演を聞いたわけじゃありませんし、まだその議事録もいただいておりませんので、ここでどうのこうの評価は避けたいと思っておりますが、福島県のアドバイザーにも任ぜられたという方でございますから、これまでの御見識は豊かな方だ、私はそのように思っております。

○河井委員 こんなことを地元の心配に駆られた人々の前で平気で言ってのける専門家と称する方、果たして審査委員会の委員として適格なんでしょうか。大臣のお考えをお示しください。

○高木国務大臣 私は、山下教授のこれまでの経歴等を踏まえて、適格だと思っております。

○河井委員 大臣、今あなたが適格だと言った理由は、経歴ですか。私が今言っているのは、発言の内容ですよ。経歴じゃないんですよ、人間を判断するのは。皆さんが心配に駆られているときにこのような発言をしたことについて、委員会の所管大臣として、これは適格だとおっしゃるわけですね、この発言は。では、大臣もそのようにお考えなんですね。今言ったことと同じようなことをあなたが考えているから、適格だと思われているわけですね。お答えください。

○高木国務大臣 その発言を私はしっかり聞いたわけではありませんし、また、その文書をもう一回私は取り寄せたいと思いますが、今ここでコメントをする立場じゃないと思っています。

○河井委員 厚労副大臣、中山大臣政務官、他省のことではありますが、政治家として、今のお話を聞かれて、どのような所感を抱かれているでしょうか。あなた方の方がよっぽど政治家として私はまともだと思いますよ、さっきから答弁を聞いていて。もし、できましたら、お答えをいただきたいと思います。

○大塚副大臣 私も、事実関係を確認してから正確に感想は述べたいと思いますが、私の手元にあります講演概要には、先生が後段でおっしゃった広島や長崎との比較のくだりはありませんので、もしそういう御発言をしておられるようなら、それは余り的確とは言えないと思います。それから、前段の百マイクロ云々のところは私のところにもありますが、これは、私も当然三月十一日までは素人でございますが、それ以降、職責上随分いろいろな方からお話を聞いておりますが、放射性物質の影響について、かなり厳しい見方をされる方と、心配するなという見方をされる方、両方いらっしゃいます。恐らく、この山下先生は、年間百ミリシーベルト以下では医学的な影響が科学的に証明されていないというお立場に立って、百マイクロ・パー・アワーのことをおっしゃっているのではないかなと推察はいたします。

○中山大臣政務官 先ほどからいろいろ論議を聞いていまして、一つは、科学的な根拠に基づくということが先生の一番の主張だというふうに思います。ですから、私見で物を言うことの危険性というのは、これはすごくあると思うんですね。ですから、科学的根拠に基づいて意見を言ってもらうことが大事で、今、大塚さんからもお話がありましたとおり、余りにもこれは危険だ、何でも危険だと思う観点と、安心をし過ぎて、放射能なんか全然怖くないというような表現をする人、これは本当に私見で物を言っているんですね。だから、そこは常に科学的な根拠に基づいて物を言ってもらいたい。そういう意味では、モニタリング等、先生の御指摘のとおり、できる限り正確に出していただいて、それに基づいてできる限りお話をする。それから、放射能についても、できるだけいろいろな学者から知見を集めて正確にお話しすることが大事だと思います。

○河井委員 お二人から前向きな御答弁をいただきました。
最後に、私は、大臣、このようなことを平気で言ってのける人が委員会に入っている、その組織がかかわるような和解の案に福島の地元の皆さんが納得するでしょうか。私はまず、委員としての適格性を疑う。私は、こういう発言を平気でするような委員は解任をしていただきたい。そのように申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。



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■長崎新聞 東日本大震災 (2011年3月25日更新)
インタビュー/長崎大医歯薬学総合研究科・山下俊一教授
“正しい怖がり方”をすべきだと話す山下教授=長崎大

"正しい怖がり方"を 放射性物質、九州に影響ない
東日本大震災で発生した東京電力福島第1原発事故で「放射線健康リスク管理アドバイザー」として18日から22日まで福島県内で活動した長崎大医歯薬学総合研究科の山下俊一教授に24日、今後の事態の見通しについて語ってもらった。(聞き手は報道部・永野孝)

 −国が23日公表した放射性物質の飛散状況の試算によると、原発から北西方面と南方面に(政府が屋内退避を指示している)30キロを越えたところまで届いている。

複数箇所から放出され、放出量が不明な上、拡散は風向きや地形などによるため、このような結果になった。予想していたが、恐るべきこと。子どもや妊婦を中心に避難させるべきだ。ただし理論値であり、誤差を検証しなければならない。

 −放射性物質は九州まで飛んでくるのか。

高度によるが、飛んでも関東平野まで。チェルノブイリと違って日本は乾燥していないので、あまり遠くまでは飛ばない。心配はない。

 −事態はどう収束していくだろうか。

まずは原発からの放射性物質の飛散を止めること。封じ込めが終わらないと見通しが立たない。その後は放射性物質の半減期や雨など気象条件による。

 −ヨウ素安定剤の効果は。

甲状腺に放射性ヨウ素がたまらないよう、被ばくすると分かったら飲むもの。ヨウ素は取りすぎると、体がだるくなったり便秘になるなど副作用がある。日本人はヨウ素が含まれる海藻を食べる習慣があるので、過剰に摂取する必要はない。

 −一般人はどう対応したらよいか。

放射線は測定できるから数値を信用し、解釈するという"正しい怖がり方"をすべきだ。何を信用したらよいのか分からず怖がるから、買い占めなどパニックになる。

 −被爆地長崎が手伝えることは。

長崎から来たというだけで歓迎され、現地の人たちは安心する。長崎のノウハウを生かしたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
s-福島県・山本俊一

   原子力推進御用学者・山下俊一をアドバイザーに迎えた福島県は信用ならない。
   いよいよ福島県知事は本性を現してきたってことだね。
   ニセ黄門の甥っ子で、原発推進者!
   これは厳然たる事実でしょうからね、。。。。。  

   東京電力福島第1原発事故で、放射線の専門研究機関でつくる「放射線影響研究
   機関協議会」が、原発周辺住民の健康状態をモニターする長期疫学調査をスタート
   させる方針であることが21日、わかった。事故収束後に調査を始める予定で、広島、
   長崎での被爆者調査をモデルに数十年間にわたり調査を続ける。 協議会は、放射線
   の健康への影響について情報交換しており、放射線医学総合研究所(放医研、千葉)、
   広島大学、長崎大学、放射線影響研究所(放影研、広島市)などで構成されている。
   大規模調査は、それぞれの自治体や医療機関が個別に小規模の調査を行う事を避け
   調査方法や条件を統一してデータの精度を高める。被害が現在のレベルにとどまれば
   低線量の放射線による健康への影響が主な調査対象となる。また、時間の経過ととも
   に増える転居者を追跡するため、国や自治体に協力を求める方針という。

   住民はモルモットにされちゃうわけか、。。。。。。。   


   問題は、山下俊一だけでなく、県立医大自体が山下俊一を特命教授に任命して、
   いっしょに調査する気まんまんなことだろう。県の行政、そして医大が一体になって
   避難させないようにしているとしか思えない。


   ■2011年4月3日00時23分  鍋常新聞
   福島第一原発事故を受け、福島県立医大(福島市)は2日、被爆地にある広島、
   長崎両大学と教育・研究・診療分野での連携協定を結んだ。
   県立医大の菊地臣一学長が両大学に申し入れ、快諾を得た。
   1日には、広島大原爆放射線医科学研究所の神谷研二所長と長崎大医歯薬学
   総合研究科の山下俊一科長が県立医大の特命教授に就任。
   将来的には医学分野に加え、放射線による風評被害対策の研究や学生向けの
   合同講座の開設も検討している。
   菊地学長は記者会見し、「原爆による瞬間的な被爆とは異なり、(原発事故で)
   低レベルの放射線を慢性的に浴びることの影響はわかっていない。長期的な視点
   に立って人材育成などに取り組みたい」と語った。

   住民をモルモットにする気マンマンってわけか、。。。。。。。
 


ラジオ福島 「放射線と私たちの健康との関係」講演会。1)前編/講演
ラジオ福島 「放射線と私たちの健康との関係」講演会。2)後編/質疑


ustream 3月21日「放射線と私たちの健康との関係」講演会パート1
ustream 3月21日「放射線と私たちの健康との関係」講演会パート2


2011年3月21日14時- 山下俊一氏・高村昇氏「放射線と私たちの健康との関係」講演会(前半)
司会:
それでは、私の方から本日ご講演を頂きますお二人の先生方をご紹介させて頂きます。
初めに山下先生でございますが、山下先生は長崎大学大学院医歯薬学科薬学総合研究科長をされておりまして、世界保健機構緊急被ばく医療協力研究センター長、日本甲状腺学会理事長をされています。 

次に高村先生をご紹介します。高村先生は同じく長崎大学大学院医歯薬学総合研究科に勤務され、2010年1月から2010年9月まで世界保健機構テクニカルオフィサーを勤められておったと聞いております。現在、お二人は福島県民の安全・安心を図るため放射線による健康被害に関する世界的権威からアドバイスを頂いておりまして、放射線と健康に関する正しい知識を県民に提供することを目的とした福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに、去る23年3月19日付で就任・委嘱されているところでございます。本日は「福島原発事故の放射線健康リスクについて」と題しましてご講演を頂きます。それでは、山下先生、高村先生、よろしくお願いします。

高村昇:

長崎大学の高村でございます。今日はお忙しいところ、こんなにも沢山お集り頂いて本当にありがとうございます。そしてまた、今回の震災、福島県でも多くの方が被害に遭われ、またお亡くなりになられたと聞いております。心よりご冥福をお祈りしますとともに被災に遭われた方々にお見舞いを申し上げたいと思います。

 私共、先程ご紹介ありましたように長崎大学から参っております。ご承知のように長崎、広島といいますのは、日本でたった2カ所、というより、世界でたった2カ所原爆が落とされた土地でございます。1945年に原爆を落とされて以来、我々長崎大学は被ばく者に向き合い、被ばく者の方のケアを行って参りました。その間、65年という長きにわたります。私自身も元々は内科医でございます。内科医としまして被ばく者の方の診療をし、あるいは被ばく者の方の健康リスクを解明するといった仕事やって参りました。そしてその一方、盛んに最近報道にありますチェルノブイリという言葉が出てきますね。私、実はかれこれもう、40回から50回でしょうか。チェルノブイリの方に足を運んでおります。そしてチェルノブイリの被災者の方に向き合いまして、その診断・治療を行う。あるいは、そういった方々を対象としたいろんな研究を行う。そういった活動をもう、かれこれ15年あまりやってきております。

 そのように長崎大学では被ばく者、これは長崎の被ばく者に限りません。国際的な、世界的な被ばく者の健康のリスクといったものをずっと診断・治療あるいは研究してきたわけですけれども、今回、このような福島で、地震に伴う津波、これだけでも非常に大変な災害なわけですけれども、それに加えてこの原子力発電所の予想外の事故。そして、それに伴う放射能の漏出、そして放射線が至る所で観測されるという、この予想だにしなかった事態におそらく県民の皆さんは困られている、心配が非常に大きいんじゃないかなと思っておりました。それは、長崎からニュースで見てもそう思いましたし、おそらくマスコミの報道とか、あるいは新聞の報道とか、そういうのを見るたびにおそらく皆さん、不安感があるのではないかと大変心配しておりました。

 その理由の1つとしましては、おそらく皆さん方は放射線ってそんなに身近にあるものではないと思います。おそらく、例えば胸のレントゲンを撮るとか、CTを撮るとか、そういった時には放射線のお世話になる訳ですけれども、それ以外にそんなに身近に放射線があるとは思っておりません。実はある訳ですけれども、思っておりませんから、なかなか馴染みがなかろうと。そういったところに、いきなりニュースで「これはチェルノブイリ級の事故である」とか言われれば、これは不安であろうなと。そう思いますと、我々は本当に居ても立ってもいられなくなりまして、これはやはり我々が行って、ちゃんと市民の皆さんに放射線、放射能についての説明をしなければいけないんじゃないかと思い立ちました。それで、福島県知事さん、あるいは福島県立医科大学の皆様の本当に大きな協力もあって、今回このような場を設けさせて頂く事になりました。

 今日はまず私の方から、ごく簡単に放射線とはどういうものかというお話をします。そして、長崎あるいは広島で原爆が落ちた、そしてチェルノブイリの事故があった。それと今回はどういうふうに違うのか。結論から言えば全く異なるし、全く健康に対する心配はしなくていいんですけれども、それは何故かということ、どれくらい規模が違うのかというのを簡単にご説明申し上げます。その後、山下俊一教授の方から質問を受け付けるという形にしたいと考えております。

 まず、皆様、先程申し上げましたように、放射線というのは一般の生活に関係があるとすれば、例えばX線を撮ります。最近よく胃の透視という話が出てきますね。あるいはCTを撮りますという時に放射線を使います。これは、どうやるかといいますと、身体の外から放射線を当てて、それを使って写真を撮ったりして診断に役立てるという事をする訳です。あるいは放射線は治療にも使います。例えば、ガンになった時に、そこに放射線を当てることによってガンを手術をすることなく治療するとか、そういったことにも使います。このように放射線は人の診断や治療といったものに役立つという事がある訳です。これを利益、英語でベネフィットと言ったりします。

 その一方で、放射線はリスクも負っています。私が先程申しましたような、長崎・広島の原爆、これによって多くの方が被ばくされたわけです。それによって多くの方が亡くなられた訳ですし、例えば私が現在働いております長崎大学の医学部は、原爆が落ちた所から大体500メートルから600メートルくらいの所にありました。多くの学生さんやスタッフが亡くなりました。そういった原爆、いわゆる殺傷兵器としても放射線は使われた訳です。

 その一方、原子力発電所というのがあります。原子力発電所は、普段は我々の役に立っている訳です。要するに電力を供給してくれるという、非常にベネフィット、役に立つ面がある。ところが、いったんこれが事故を起こすと、これが最も有名なもの、世界史上最悪の事故というのが、先程来出ているチェルノブイリの事故ということになるのです。

 このチェルノブイリの事故は1986年に起こりましたけれども、チェルノブイリの4号炉の炉心が、最近、皆さんよくテレビ・新聞等でご覧になられている思いますけれども、炉心が完全に爆発して、そこから大量の放射能がまき散らされるという状態だった。それによって最近よく報道されているような、放射性ヨードであるとか、あるいはセシウム137といった、いわゆる放射性物質、放射能が放出された訳です。その中で特におそらく放射性ヨード、ヨウ素131という物質があるんですが、これが大量にまき散らされたことによって、多くの住民、特に子供さんが被ばくして、それによって甲状腺ガンが発症したというのが、チェルノブイリの事故な訳です。

 そういった事実がベースにあるものですから、今回、例えばヨウ素131が出ました、セシウム137が出ました、毎日いろいろな所で今日はどのくらい、今日はどのくらいと報道されます。そうすると、これは危ないんじゃないか、これは福島でこのまま暮らして大丈夫なのか、と思われると思います。これはやむを得ない、仕方のない感情だと思います。しかしながら、先程、私は申し上げました。これによって、福島県民、あるいはもっと言えば日本国民といってもよいでしょう、その健康リスクはありませんと申し上げました。何故かと言いますと、これはひとえにその出た放射能の量、あるいはその放射能から出される放射線の量に起因します。

 つまり、ある一定の量、具体的な線量は後からおそらく山下先生から説明があると思いますが、ある一定の線量は人間のためには害にならない、むしろベネフィットになる。例えば今言いましたような、X線を使うとか、胃の透視に使うとか、あるいはCTに使うとか、そういった量は、例えばもちろん、原爆の被ばくする量、原爆によって被ばくした量、あるいはそれよりも少なくなりますけれども、チェルノブイリで被ばくした線量に比べれば遥かに低い線量な訳です。そして、ニュースでよく説明がありますように、今回、例えばヨウ素131が1時間当たりに出ている量、あるいは1日当たりに出ている量、それも空気中にある量ですね、それは、そのCTであるとか胃の透視の検査よりもさらに少ない量であるとよく説明を受けられていると思います。ですから、それを考えると、明らかにチェルノブイリやあるいは長崎・広島の原子爆弾とは、今回の一連の福島第一原発の事故というのは全く性格の異なるものであろうということが言えます。

 ただし、1つだけ皆さん方がもう1つ心配になってらっしゃることがあると思います。それは、こういうふうに少しずつでも漏れ出しているのが、いつまで続くんだろうということが恐らくあるんだろうと思います。確かに少しの量、ですから、これは決して原発の炉心全部が壊れて、そこから大量の放射能が出ているわけではなく、ごく一部の所から漏れ出して、それが風に乗ってやってきているという状況ではあります。しかし、それがダラダラダラダラと、長期、数日間、この一週間ですかね、続いているということが、これが皆さん不安なんだろうと思います。しかしながら、今日の特にデータなどを見る限りでは、少しずつやはり状況は改善してきているように思います。

 ご承知のようにテレビでは必死に原子力発電所の消火作業に当たったり、冷却作業に当たったり、あるいは発電所の非常電源を繋いだりと、一生懸命働いている方が沢山いらっしゃるというのが連日報道されております。そういった状況もあって、少なくとも、例えば、ここからさらに大きな爆発があるといか、それを皆さん一番心配してらっしゃると思いますけれども、そういった状況になるとはちょっと考えにくいと思いますし。ですから、現時点では、そしてこの先も、この原子力発電所の事故による健康リスクというのは、非常に、と言ってはいけません、全く、考えられないと言ってよろしいかと思います。

 ですので、これは質疑応答の中で各論でお話があると思いますけれども、大事なことは皆さん是非、情報をきちんと集められてください。そして、きちんと情報を集めて、それで冷静に判断して頂くという事が大切であろうと思います。恐らく、今日ここに来ていらっしゃる方の中には、福島市内だけでなく、いろんな所から避難されている方もいらっしゃるかと思います。ここ福島は原子力発電所から50キロくらいですかね、61キロですか。失礼致しました。61キロ離れているということですけれども、もっともっと近い所かた避難されている方もいらっしゃると思います。そういう方は恐らくもう一週間以上、避難生活がきておりますので、非常にストレスもあると思います。肉体的にもきついと思います。ですから、それにプラス、この放射線のこういった一連の報道、あるいは事故ということで、かなりストレスの溜まっている状態であると思います。大変であると思いますけれども、やはり冷静に、是非情報を集められて、冷静に対応して頂ければと思います。

 そして同時に、今日は質疑応答をここで致します。終わった後も、先程申しましたように、私と山下教授は福島県の放射線健康リスクアドバイザーに就任致しました。是非、県を通じまして種々の媒体で質問頂ければ、それはわかりやすく説明しようと思いますし、今後もできるだけいろんな市町村を回りまして、説明会をしていきたいと思います。そういった場を通じて、情報を公開する、正しい放射線に関する知識を公開するよう努めて参りたいと思います。私たち長崎大学、あるいは長崎は福島の皆さんをこれからも継続して応援したい、支援したいと考えておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。これで私の説明を終わらせて頂きます。ありがとうございます。

山下俊一:

引き続きまして、少し年をとった山下が出て参りました。皆様方、今のお話を聞いて少しは放射線が何かということをご理解頂ければと思いますが、ここ福島にあって最も心配していることは、環境中の放射性レベル、あるいは土壌の汚染レベル、もっと言うと、野菜、あるいは水、いろんなレベルが安心、安全なのかどうかということだろうと思います。もちろん、火元である原発の事故が収束しない事には何ら将来の安全や安心をお話することはできません。

 私たちが何故ここに来たかというと、専門家の話はよくわからん、あるいは数字が出てきたり単位が出てくると何にことかさっぱりわからん。どの情報を信用していいのかもわからん。わからんずくめ。わからんずくめで判断をして皆様方は行動をとったり、あるいは不安になったり、不信感を持ったり、避難して逃げて行くという、そういうふうな悪循環を是非断ちたいということで、広島・長崎の経験をいかすべくここに来ました。

 皆様方は原発でいま作業されている方々の被ばくの量と、今ここに我々が居る被ばくの量が全然違うということは感覚的にわかりますよね。火元に近ければ近いほど熱線として熱を浴びる、火傷をします。これが今の現状です。火元から遠いと、火は当然熱線も届かないし、火の粉も降り注がない、もっと言うと、火山が爆発した。火山が爆発した近くに居ると、火砕流が流れてくる。大きな岩石が飛んでくる。火の雨も降る。危険。5キロ、10キロ、30キロ離れると火の粉は飛んで来ん。飛んで来たとしても灰になっとる。そのように考えていただけると、この事故の影響は、実は火元さえ抑えれば治まります。しかし、未曾有のこの大惨事で、残念な事に全く予期しないことが次々と起こってきました。

 私も国の原子力安全委員会の一人のメンバーですけれども、毎年原発事故を想定して訓練をします。シナリオありきの訓練です。そのシナリオは10キロゾーンで避難ということで、10キロ内の避難を想定したシナリオでありました。でも皆さん、今回の事故はどうでしょうか、なんだか知らないうちに20キロ圏内が避難地域になってしまいました。実は訓練では、まず危ないということがわかると、屋内退避をします。環境中に放射性物質が出ると危ないから、屋内に避難しないさいという判断がなされます。それでも危ないということであれば、当然避難をする訳です。避難、すなわち安全なところへ逃げて行くというのが避難です。でも、今回は10キロの倍、20キロ避難したにもかかわらず、いま20〜30キロの間は屋内退避というふうな言葉で、一般の住民は何の事かよくわからん。これは危険なのか、危険じゃないのか。しかも、マイクロシーベルトという値が出て来て、0.02というバックグランドはいつの間にか1になって2になって、20になって、30になって、そんなふうにどんどん日ごとに何か悪くなっている。今度は福島市でも20マイクロシーベルト/hと言っているぞと。

 これについて枝野官房長官も、あるいは政府も、出す声明は正しいんです。値は正しい。環境の汚染、あるいは物理学的なデータは原子力安全・保安院が出すデータは正しいんです。しかし、何が足りないか。じゃあこれが健康に危険かどうかをきちんと説明し得る、その説明の仕方が足りない。何故足りない。誰もこんなことを経験した事がないからです。想定外のこの事故に対して、専門家も自分の専門の分野のコメントを述べます。マスコミを通じてそうです。色んな人が色んな事を言うから、全く違うことに聞こえる方もあるかもしれません。私達はそういうことをイヤというほど過去の事例で経験してきました。

 今は非常事態ですからご心配が多いけれども、いずれこれは治まって、安全宣言がされて、復興のいかづちを上げなくてはいけません。しかし、今はその渦中です。火の粉が降り注いでいるという渦中で、これをどう考えるかということを皆様方は念頭に置いてください。今その渦中にいる我々が予測をする、あるいは安心だ、安全だという事は、実は非常に勇気のいる事であります。危ない、危険だ、最悪のシナリオを考えるという事は、これは、実は誰でも出来るんです。しかし、今の現状を打破するためにどう考えるかという時に、今のデータを正直に読んで皆様に解釈してお伝えするというのが私たちの役割であります。

 放射線の健康への影響は大きく2つ分かれます。高野先生がおっしゃった外部被ばく、外から放射線を浴びるというのを外部被ばくと言います。私たちが20年来仕事をしているチェルノブイリでは、内部被ばくといいます。規模は違いますが、その様相がよく似ています。だから、海外のメディアは心配をして、これは第二のチェルノブイリ型になる怖れがあるから、皆さん遠い所に避難しましょうと。自国の外国人の、東京のいわゆる入国を減らしたり、国外退去を勧告したりしている訳であります。これも、日本の情報が正しく海外に伝わっていないからであります。

 一般の、私たち20キロ、30キロ離れた人たちの放射線の被ばくは何が問題かというと、内部被ばくであります。決して、ここにいる私たちは直接あの原発の放射線を受けません。これは明確です。20キロ、30キロに住んでいる方々は、あそこの熱線を感じることはありません。唯一、大気中に放散された放射性の物質が飛んで来てるんです。これを拡散といいます。風、あるいは温度、あるいは地形によって、その飛び方は違います。同心円的に3キロ、5キロ、10キロ、20キロ、30キロと言っていますが、これは全く意味がありません。いいですか。20キロだから安全、30キロだから屋内退避、40キロだから安全と、そういうものではないんです。

 しかし、どこかで線引きをしないといけない。その線引きは、安全だと言えるから線引きをする訳です。20キロを超えれば、放射性降下物が降り注いだとしても、少々汚染しても全く健康に影響がないから、20キロあるいは30キロ屋内退避という今、令が出されています。

 しかし、残念なことに国もこれは困っています。何が困っているか。屋内退避というのは次は避難なんです。じゃあ30キロ以降まで避難させるかどうかという話になります。でも、この一週間その指令は全く出ません。これだけ原発がトラブルを起こして危ない、最悪のシナリオだといいながら、じゃあなぜ国は20〜30キロの人を避難させないんでしょうか。ここは知恵の絞りどころです。今の現状は危険じゃないからです。だから、避難させる必要がないのです。大気中の濃度は恐らく下がります。そして、食物中の汚染も、これは減ってなくなります。どうしてでしょうか。物質は安定なものと不安定なものから成ります。どのような元素も安定な元素と不安定な元素があります。不安定な元素は、不安定ということは安定になるために分裂をします。その時に放射線を出すんです。でも、安定に近づくから放射線は出なくなります。これを半減期といいます。どんどん放射線の活性は減っていきます。エネルギーが強いほど減っていきます。

 大気圏中に出る今回の多くの放射性元素は、放射性ヨウ素であります。ヨウ素は半減期が8日間。8日間で半分になります。そしてその量も非常に少ないために、大気圏中にあるものが身体に入る確率は1/10です。放射性ヨウ素というのは甲状腺ホルモンの原料です。甲状腺に取り込まれます。ワカメや昆布に沢山入っているものと同じものです。その不安定な元素が実は原子炉から出ます。それを吸入して、少しは甲状腺が被ばくをするかもしれません。私が敢えて「少し」と言っているのは、今からお話をするチェルノブイリの事象と比較をするためです。

 放射線は何故怖いかというと、エネルギーだからですよ。紫外線で火傷をする人もいますね。紫外線、みなさん一生懸命、女性の方は特にお化粧のメイキングや紫外線防護に気を遣われます。ただ単に日焼けであけではなくて、欧米ではこれが皮膚がんの原因になるからです。じゃあ、太陽でみんなガンになる?ならないですよ。放射線は紫外線と異なってエネルギーですから、身体に当たるとそれが細胞の遺伝子を壊すということで怖がります。だから、ガンの治療に使うということにもなります。

 放射線はエネルギーとして、1つ覚えてください。1ミリシーベルトの放射線を浴びると皆様方の細胞の遺伝子の1個に傷が付きます。簡単!100ミリシーベルト浴びると100個傷が付きます。これもわかる。じゃあ、浴びた線量に応じて傷が増える。これもわかる、みんな一様に遺伝子に傷が付きます。しかし、我々は生きてます。生きてる細胞はその遺伝子の傷を治します。

 いいですか。1ミリシーベルト浴びた。でも翌日は治ってる。これが人間の身体です。100ミリシーベルト浴びた。99個うまく治した。でも、1個間違って治したかもしれない。この細胞が何十年も経って増えて来て、ガンの芽になるという事を怖がって、いま皆さんが議論している事を健康影響というふうに話をします。まさにこれは確率論です。事実は1ミリシーベルト浴びると1個の遺伝子に傷が付く、100ミリシーベルト浴びると100個付く。1回にですよ。じゃあ、今問題になっている10マイクロシーベルト、50マイクロシーベルトという値は、実は傷が付いたか付かないかわからん。付かんのです。ここがミソです。

 にもかかわらず、新聞報道ではバックグラウンドの千倍とか、一万倍とかいう話が出ます。そのために、即それが健康影響を及ぼすというふうに誤解されます。書いてる新聞記者がよくわかっとらん。報道関係もよくわからないのに、我々専門家の意見をつまみ食いして記事を書きます。決して100%信用できるデータではない、コメントではないのですが、我々専門家も悪い。これを否定したり、あるいはきちんと反論して来ませんでした。

 私が敢えて今回、このように皆様方の前に立って、専門家としてできるだけ分かりやすい話をしたいと思う理由は、国民がこの原発事故を通じて初めて、理科音痴が解消されるかなと期待しているからです。皆さん福島県民は原発がここにあるので、よく放射線の事をご存知で、放射能のことも知っているのかなと思ったけれども、何の事はない皆逃げ出している。出て行けと言ったら、皆出て行ってしまった。おかしいという疑問の手を挙げるためには理科音痴を日本国民全部、払拭する必要があります。特に新聞記者はそうです。報道関係は初めて今回、自分たちの科学的知識のなさに困惑しているはずです。付け焼き刃で記事を書いている。でも、これも大事なことです。勉強する、福島の原発事故は日本国民全員に理科を勉強するチャンスを与えました。シーベルト、何? ベクレルって、何じゃこりゃ??

 そんなことから実は、私は是非皆様方にご理解頂きたいと思います。熱が上がったか上がらんかは手で触ればわかると言いますけれども、体温計が要るでしょう。いいです? 体重が太ったか太らんか、わからん。体重計が要るでしょう。数値化するということで放射線のレベルを知る事が出来ます。杉花粉がいっぱい飛んで来た。どんくらいあるかわからんぞ。測れんもん。見えん。でも、みんなアレルギーに、アトピーになる。これに対して放射線は測れるというのは、これは1つの武器なんです。いいです? ということは、測れるということは、その数値を政府が正しく出しても、それを理解する国民、我々が正しく理解できなければ何の事はない。全くの馬耳東風、猫に小判なんです。そういうふうにして、いま数値が一人歩きして、ピンポン球でメディアに踊らされています。これは由々しき状態。

 ですから、私は皆様方にまず単位のことでご心配をしないようにお話をします。ミリシーベルトというのが、さっき言った1個細胞に傷が付く、100ミリシーベルトは100個傷が付く。だから、いま原子力発電所の事故で決死の覚悟で働いている方々は、250ミリシーベルトに安全基準が引き上げられたのです。100ミリシーベルトが1回の、その時の作業時間の被ばくの線量が労働衛生上決められています。それを250というレベルで今彼らは仕事をしています。じゃあ、これで病気起こるの?ガンになるの?というと、そうではありません。このレベルをまず覚えてください。100ミリシーベルトとか250ミリシーベルト。我々日本人は年間約3.5ミリシーベルト被ばくしています。皆さん方全員そうです。私もそうです。ですから、年間数個の傷は放射線のせいです。でも、それ心配いらないんですよ。どうしてか。病気は、いいです?今この話はガンの話ですけれども、ガンは、色んな原因で起こるんです。放射線以外にたばこ、食生活、あるいは遺伝的な背景、環境因子、色んなもので起こります。100ミリシーベルト浴びると、100人、その生涯ずーっと調査すると、100人の内1人ガンが起こるかどうかという頻度です。100人が、平均78歳としましょうか、生きて1人ガンが起こるかどうかという、そういう確率論的な問題です。でも、70も80も生きれば機殖海魯ンで死んどる。33人はガンで死んどるうちの、1人は放射線のせいかわからんという量の、100ミリシーベルトでみんな議論しています。

 まず、そのレベルをご理解ください。こんな高いところで放射線の障害を議論している。でも、実際はその千分の1、マイクロシーベルトの環境中の問題。体内に入るともっと低い、そういう問題の中で皆さん不安がってます。何故、不安がるか。論理的にいま、私は数値で測れるという話をしました。何故怖がるか。音もしない、においもしない、わかんない。わかんないものに対する不安は、理性ではなく感性、感情で判断するんです。これが人間です。

 私たちは科学の力で、この人類の発展と平和を築こうとしてきました。しかし、残念ながら原子力に関しては、原爆という兵器の開発が先行しました。そのために、原子力の平和利用という原発は常に負のイメージをもって推進されてきました。科学に善し悪しはありません。しかし、科学には善悪は判断できないとしても、事故は付き物です。科学の限界も当然あります。ヒューマンエラー、人のエラーも積み重なります。科学は単に原子力工学だけではありません。医学もそうです。あるいは経済学にしてもそうです。政治学もそうです。科学はありとあらゆる学問体系を含みます。その根幹は皆様方が持っている生き様、哲学です。そして、宗教学です。こういうものを全部含めたものが科学です。その科学が作り出した原子力発電所の過ちや事故を、じゃあ誰が清算し、誰が元に戻すことができるのでしょうか。それはやはり、科学の過ちは科学でしかコントロールすることはできません。これは人間の性です。人間の守備範囲である、自分たちが作り出した物に対しては自分たちで責任をとるという必要があります。

 ミリシーベルトになったら、そのような生体、健康影響がありますが、マイクロシーベルトではありません。だから、私は大胆にも「心配いらん」というふうなことを断定し、バッシングされるかもしれませんが、皆様方に是非このナイーブ(?)から安心と安全を伝えたいということで、この講演会を企画しています。

 昨日、いわき市に行ってきました。びっくりしました、いわき市に行ったら。途中、杉花粉がいっぱい飛んどる。これは原子力のありえんかなと思うくらい杉花粉だらけ。行ったら閑散として、福島市で見るようなガソリンスタンドの長い列がない。人がおらん。どうなっとるんだろうかと思って会場に入ると、ここ福島市民は、あるいはこの地区の、中通りと言うんでしょうか、は、みんな紳士淑女ですね。いわき市に入ったら、「おい、市長替えれ!」「替えるな!」とか、そんな罵声が飛ぶような所だったんです。これはまあ、どうして我々はつるし上げに来たのかと昨日いわき市で思いました。そうしたら、私の友人の鈴木先生が、「いや、これはもう、浜通りと中通りは人種が違うんだ」と言っておられましたので、少しは安心しましたが(笑)。

 大切なことは、科学の目を持って新聞を読む。例えば、この福島市は20マイクロシーベルト/hというふうな値が暫く続いたそうです。しかし、今は10マイクロシーベルト以下になっています。20マイクロシーベルト/hというのは、1時間にずっとそこに居ると20マイクロシーベルト環境中にあり続けるという問題です。24倍すると1日約480マイクロシーベルトがそこにあります。しかし、屋内に居ると、約1/10の48マイクロシーベルトにしかなりません。1日の量は。身体の中に入っていくのは1/10です。つまり1/100しか身体の中に入ってきません。いいです?すると、数マイクロシーベルト我々は1日に浴びるという計算になります。では、この浴びた内部被ばくはずっと蓄積するんでしょうか。せん。どうして?半減期があるからどんどん減って行く。放射線がここに付いてもずっとそこに残らないんです。だから、汚染という実は表現は、体表面に付いたという意味の汚染であって、ずっとペンキがそこではがれないというわけではありません。そこにたとえ付いて洗わなくても、実は半減期といって不安定な物質が安定に向かって減って行きます。じゃあ、そこにあればいつまでもその局所は被ばくするじゃないかと言いますが、圧倒的に量が少ないです。

 今日は雨が降っているから、ひょっとしたら放射性物質が付いているかと思われるかもしれませんが、私は全然怖くありません。理由は、もう新しい爆発が来ていません。今ここにある放射性物質は、数日前の放射性物質がここに飛んで来て、それが落ちてここに溜まっとる。それだけの話です。だから、これからは色んな所に、盆地、あるいは農場、あるいは牧草地帯、野菜畑、土壌にそういうものが降り注いでいますから、そこを測ればけっこう高い値が出るはずです。じゃあ、それが即危険かというと、まさにいま私が話をしたように、たとえ口にしても、それは危険ではありません。問題はその量をずっと1年間食べ続けた時に、トータルとしてどのくらいになるから、安全基準に沿って、そうならないように制限をかけたというのが暫定的な基準です。

 いいです? 安全な値を決める時に、トータル1年間どのくらい浴びたかということで安全基準を決めますが、これは1回それだけ浴びたということと換算、同じ状態と仮定して安全基準を作っています。微量を長期間受けるということを、1回に沢山受けて沢山細胞に傷が付いているのと同じ割合として安全基準を設けています。ここが一番、放射線の健康影響の重要な点です。放射線は入ったらずっと残っとる。大間違い。半減期があって消えて行く、洗い流される。拡散する。なぜそれが普通の日常の出来事かというと、物質は不安定なものから安定なものに変わる。その時に出す放射線の力は、だから半減期と共になくなっていきます。

 今、日本で一番理科の知識が高いのは、ここ福島市の皆さん方です。こんなことを話をされて首を振って、もっとわかったような感じでいらっしゃいますけれども、なーんもわかっとらん、だいたい。それでいいんです。そんな、何でもかんでもわかったら我々の商売上がったりですよね。こんな話を一度でわかると皆さんはもう大学院卒業、単位をやります。わからんでいいんです。

 唯一お願いしたいのは、皆さんと我々、あるいは皆さんと県、あるいは国の信頼関係の絆をつくるということです。今、何を信用していいのかと。今、皆さん方が最も信頼できるデータは何かということです。これは、好むと好まざるとに関わらず我々は日本国民です。日本で戦争で敗れ、そして原子力産業を支え、今の復興を成し遂げたこの日本において、我々が少なくとも民主主義国家として信じなくてはいけないのは、国の方針であり、国から出る情報です。これをきちんとオーディット、監査して、正しいのか正しくないかを説明する、実は機関が我が国にはありません。中立的に国の出す情報を正しいか正しくないかということを評価する機関がないんです。一方的な国寄り、一方的な反対、一方的な、即ち、そこに恣意が入ったり利益誘導の考え方が入るがために、国民は何となく不信、あるいは不安、疑いの目を向ける訳です。お墨付きがいるんですよ。水戸黄門が印籠を出すように、これは大丈夫だと。そういうふうな関係を、この福島原発を契機に日本はつくり直す必要があります。残念なことにJCOの事故でも、チェルノブイリの事故でも、それがなされて来ませんでした。

 これから福島という名前は世界中に知れ渡ります。福島、福島、福島、何でも福島。これは凄いですよ。もう、広島・長崎は負けた。福島の名前の方が世界に冠たる響きを持ちます。ピンチはチャンス。最大のチャンスです。何もしないのに福島、有名になっちゃったぞ。これを使わん手はない。何に使う。復興です、まず。震災、津波で亡くなられた方々。本当に心からお悔やみを申し上げますし、この方々に対する対応と同時に、一早く原子力災害から復興する必要があります。国の根幹をなすエネルギー政策の原子力がどうなるか、私にはわかりません。しかし、健康影響は微々たるものだと言えます。唯一、いま決死の覚悟で働いている方々の被ばく線量、これを注意深く保障していく必要があります。ただ、一般の住民に対する不安はありません。

 しかしながら、それでも不安はある。誰に不安がある?女性、妊婦、乳幼児です。次の世代を背負う子供達に対し、私たちは責任があります。だから、全ての放射線安全防護基準は、赤ちゃんの被ばく線量を基準につくられています。いいですか。子供を守るために安定ヨウ素材の投与、あるいは避難・退避ということの基準は作られています。大人は二十歳を過ぎると放射線の感受性は殆どありません。もう限りなくゼロです。大人は放射線に対して感受性が殆どないということをまず覚えてください。そのくせ、一番心配するのは大人。これは間違いです。特に男は大間違い。我が身を省みれば、自分はタバコを飲んだり、酒を飲んどるのに、放射線より遥かにリスクが高いのに。男はまず心配いらないです。守るべきは女性、女子供、妊婦、乳幼児です。もし、この状態が悪くなるとすれば、逃げるのは妊婦と子供でいいんです。男は戦わなくちゃ。復興に向けてここで福島県民として、会津の白虎隊でしう。それくらいの覚悟はあって然るべきです。

 放射線の影響は、実はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます。これは明確な動物実験でわかっています。酒飲みの方が幸か不幸か、放射線の影響少ないんですね。決して飲めということではありませんよ。笑いが皆様方の放射線恐怖症を取り除きます。でも、その笑いを学問的に、科学的に説明しうるだけの情報の提供がいま非常に少ないんです。是非、今の私の話を聞いて、疑問が沢山あると思いますから沢山質問してください。これは講演会でも講義でもないんです。皆様と私のキャッチボールなんですね

s-長崎大学教授4

2011年3月21日14時- 山下俊一氏・高村昇氏「放射線と私たちの健康との関係」講演会(後半)
それでは、今からの残りの時間を質疑応答にします。私も少し喋りすぎましたから、是非皆様の方から手厳しい、いわきのような質問をしてください。それでは順番にいきましょう。

Q1: 昨日、炉心容器を取り出すというような報道がされました。そうすると、放射能は放出されるんじゃないでしょうか。そういう不安定な時期であるのに、心配はないといういわれはないと思うんですけれども、もしそれが本当であれば、コンクリートミキサー車、ポンプ車で炉心が安定した時にコンクリートで固めて頂ければ、本当に安心すると思いますが。それと、山下教授にですけれども、放射性ヨウ素だけを取り上げて、セシウムを問題とされないのはおかしいのではないかと思いますけれども。食物の内部被ばくに対してですね。それと、数値なんですが、福島市、10とか9とか、その辺なんですけれども、県北地域をもっと細かく測定してみますと、どういうわけか福島市役所だけが高いんですね。高値なんですよ。例えば、県庁の自治会館とか2.0だったり、福島ICが6.5とか。だから平均をとればもっと低い値になるんですけれども、その辺の数字のマジックというか、何故、観測地点を変える、今までやってきたから変えないでと言うんですけれども、やはりそこは正確な情報として言わないと、なかなか福島県にも必要な物資が来ないんじゃないでしょうかね。その辺のところ、いかがでしょうか。

山下: ありがとうございます。3つとも私が答えます。素晴らしい質問ですね。
まず最初に頂いた原子炉の問題。これは、我々は健康の専門家で、原子力工学の専門ではありませんから、今の状況を抑えるのに水だけで十分なのか、冷却水が回れば全部反応が収まって、次のステップをどうするかというのは次の問題です。恐らく廃炉にする覚悟があれば、今言ったようにコンクリート固めするということも可能だと思います。しかし、それをするかしないかは、また別の判断があると思います。ただ言えることは、数日前から放射性物質は明らかに下がりつつありますので、現状の計画にまず注視したいと思います。
 
 2つ目の質問、何故放射性ヨウ素だけなのか。セシウムもあるのではないか、おっしゃる通りです。セシウムもあります。放射性のヨウ素は半減期が8日ですが、セシウムは30年です。身体に入ると60日で半分になります。エネルギーの力はヨウ素に比べると遥かに低いんですが、セシウムは必ず入ります。じゃあ、この放射性のセシウムは身体に入ったらどこに行くでしょうか。殆ど尿に流されますが、一部、身体の筋肉に入ります。筋肉。しかし、それは半減期と共に減って行きます。私たちの最大の研究成果は、放射性セシウムをずっと食べ続けたという人々がチェルノブイリの周辺に数百万人います。このレベルどころではありません。放射性セシウムに汚染されたキノコを食べ続けたという方が沢山いるんです。20年フォローしてきて病気は何も増えていません。つまり、筋肉に少し入った放射性セシウムは半減期が身体の中で60日で消えて行きますし、ベクレルも非常に低いので、全く心配しないでいいというので、今日は放射性セシウムの話はしませんでした。ましてや、水道水の中ではフィルターで全部抜かれますから、水の中に出てくるのは放射性ヨウ素だけです。しかし、井戸水は注意が必要ですから、しっかり測ることが必大事だということであります。
 
 3つ目の質問は、福島市でも場所によって異なる。これはその通りです。理由は、みんな均一に降り注ぐ訳ではありません。非常にまだらです。杉花粉がパーッと飛ばすとみんなまだらに行くと同じで、放射性物質もふわふわ浮いて、そういう環境中に留まる密度は全部異なります。数マイクロシーベルトはある意味、誤差範囲です。ミリシーベルトの誤差範囲はあり得ませんが、マイクロシーベルト、0.01〜0.2という、そいいうのは非常に誤差範囲ですから、その辺の変動は当然、市内であります。ただ、あなたが仰った「じゃあ、福島市は平均で出せばいい」、仰る通りです。平均で出していいんです。しかし、観測のポイントがそこというふうに登録されていますので、そこのデータは出すということになっています。よろしいですか。

Q2: 半減期とは何か(回答からの類推。全く聞き取れず)

山下: ごめんなさい、半減期ね。10という放射線のレベルが5になるのにかかる日数です。自然に放射性物質は壊れて行きます。壊れるというのは、放射線を出して安定なものに変わっていくんですね。その時に出す放射線の量が半分になっていきます。それにかかる日数を半減期といいます。申し訳ございません。半分に減ずる期間という意味で半減期といいます。

Q3: 切実な問題として、まず飲み水、洗濯水、生活用水、それから食べ物ですね。 そして、安全だ、安全だって先生おっしゃいますが、だったら何で、官房長官が茨城の放射線汚染されたほうれん草を食うな、川俣で取れた原乳を捨てろ。それで本当に安全だったらば、全国民がほうれん草を食べて、全国民が福島の牛乳飲んでもいいんじゃないんですか。それを福島まで来て、福島県民は汚染された食べ物を食べてもいい、飲み水飲んでもいい、それから洗濯水に使ってもいい、牛乳も飲んでもいい。半減する。福島県民だけが、もちろん、食べなくちゃいけない、飲まなくちゃいけない、生きて行くために。だったら、全国規模で枝野官房長官が、ほうれん草大丈夫ですよ、今先生がおっしゃったみたいに、健康被害ないですよ。食べてください、 洗ってください、牛乳も飲んでください。半減しますから。どうしてそういう事が言えないんですか。

 原発がまだどうなるかわからないこの現状で、私たちが不安なのは、これから先、飲まなくちゃいけない、洗濯しなくちゃいけない。いくら安全だ、体内に取り入れられるのはいくらくらいで、半減期があって、安全ですよ、もちろん、長崎・広島に原爆落とされても、被ばくしても70も、80も生きた方います。でも、その人たちの子孫が白血病、それから先生は甲状腺の権威だと言いましたけども、甲状腺の病気、子供に対する奇形。そういったものを全然出さないで、私たちの不安はそこにあるんです。乳幼児、それから妊婦、女性がいち早く出なくちゃいけないというのは、そういう人たちに対しての被ばく効果があるからでしょう。

 いま現に福島にいる私たち女性、若いお母さんたち、妊娠するかもしれない女学生、そういう人たちに対しての安全宣言というのが1つも聞かれないんですよ。ですから、怒っている人がいますけれども、私が聞きたいのは、今現在、福島市で通している水が安全なのかどうか。それを飲み水として、お味噌汁に使えるのかどうか、洗濯していいのかどうか。それから、自分たちが自家栽培でつくっている野菜を食べていいのかどうか、今、この日、食べていいのかどうか。それが聞きたいんです。

山下: ありがとうございます。それが皆さんの声の代表だと思います。今、安全宣言はできません。しかし、今のレベル(の水)を既に飲んだ人は全く心配要りません。1回こういうのを測られて、基準値を超えたということであれば、枝野官房長官でなくても、みんなこれは、そういうふうな指示を出します。じゃあ、今ここで汚染されたミルクを飲みなさいと言って、みんな飲むでしょうか。飲まないですよね。福島県民だけにそういう辛い思いをさせるということは許されません。日本国民が全部がこれは分かち合うべきだと思います。だからこそ、風評被害を減らすために私達はここに来ています。枝野官房長官には今日連絡しましょう。ここに来て食えと。まさにそういうことですよね。

Q3: 一番最初に食べてほしいし、飲んでほしい。

山下: はい、そう伝えますので。ありがとうございます。

Q4: 3点ほど質問させてください。まず1点目なんですが、福島市として放射能濃度が高い。それが福島市の、例えば盆地とか、あるいは立地条件的に何か地形的な、何か高くなる要因があるのかどうか。これがまず第1点。
 
 それから2点目。前の彼と同じなんですが、我々ずっと住むということは水を飲まないと生きて行けない訳で、水が大変心配です。水道水が安全なのか。それとも、福島は扇状地でちょっと掘ると井戸水が出まして、井戸水を使っている人が大変多いんです。今のように短期間、長期的なスパンではなくて、短期間の方ならば地下水の方が安全とか、あるいは濃度的にどのくらいまでならば、先生のお考えで、どのくらいまでならば飲めるという数値的なものがもしあれば、教えて頂きたい。これが2点目です。

 3点目は高村先生に質問なんですが、チェルノブイリで、ソ連の方で味噌を日本から大量に事故後輸入して、味噌を沢山食べると健康にいいというふうなことがあったように、これも噂なんですが、その辺の真偽についてご質問したいと思います。以上よろしくお願いします。

山下: まず、水ね。まず、水からいきましょう。水道水は、問題になるのは放射性のヨウ素だけです。セシウムはフィルターで取られてゼロになりますので、たとえ少し汚染してもゼロになります。放射性ヨウ素はそのフィルターを通り抜けますから、このレベルが問題です。原則的には確か300ベクレル/kgということで、単位が出ます。各地区の水道水は定期的にチェックされていますから、それを超す場合には今の勧告は飲まない方がいいでしょう。しかし、ボイリングしたり、あるいは洗濯に使う分には全く問題がないし、その水は極めて、8日の半減期で拡散されてほぼゼロになります。今の放出がなければ、もう数日すると安全性が出ると思います。
 それから、もう1つ。どこに溜まりやすいかというお話です。同じような地形であっても、どこに溜まりやすいか。当然、 雨が降って高き所から低きに流れる。低い所に溜まります。これが原則です。じゃあ、将来、これが地下に入っていって、じゃあ地下水を汚染するかということは、まずありません。地下の微生物、あるいはフィルターの効果は極めて強いので、地下水に到達する前に半減期でもう、なくなっています。ですから、原則地下水は数メートル以上であれば全く心配ありません。それと、もうひとつ、

高村: 味噌の話ですね。味噌を配ったという話は、私は初耳でした。放射能と味噌という関連は、それはよくわかりません。それが特に効果があるとは思いませんけれども、一般的に非常に植物性のたんぱく質で、塩分も適度に含みますから、そういう意味では栄養補給にはいいと思いますけれども、それと放射能の関連ということはあまりないと思います。

Q5:毎日、毎日、放射線量が今、話題になっている何マイクロシーベルトって発表になるんですけれども、今日の新聞なんかを見ると乳製品が汚染されていると。ベクレルっていうことで。で、シーベルトで言うと本当に少ない量のところでも汚染があるということで、実際、我々関心があるのは、水とか乳製品とかそういうものが汚染されることに非常に関心があるんですが、報道されているマイクロシーベルトと、そういう汚染というのはパラレルなんでしょうか。それとも、全く別なものでしょうか。

山下: たぶん、汚染はベクレルで単位されていて、我々の被ばく線量はシーベルトという単位なんですが、これは換算します。いま何故、乳製品にそれだけ高いかというと、大地に沢山降っているんです、放射性物質は。その雑草を食べた牛のお乳には、放射性ヨウ素が濃縮されるんです。これが1つの原因です。そのために原乳を測ると放射性ヨウ素が高く出る。というのは、他の食材でも非常に高いということで、これが常識です。汚染された物を飲まなければいいんです。これは多分、輸出、あるいは流通に乗らないと思います。チェルノブイリで子供の甲状腺ガンが増えたのは、残念ながらこの汚染されたミルクを子供が飲み続けたんです。これが原因です。ですから、日本の国でもあるレベルになると飲まない、捨てようということを言っているわけです。これは子供に非常に特異的に起こった現象です。

Q6: こんな大変な時に福島まで入って頂いて、こういうお話が聞ける事に本当に感謝しております。みんな感情的になっているんですが、辛い時って怒りが別の方向に向かうので、お許しを願いたいと思いますし、皆さんも怒りを別の方向にぶつけるのは止めましょう。先生方に1つ質問です。WHOにもいらっしゃったということなので、うちの教員のアメリカ人とかは国家から安全圏に避難するようにということで、帰っております、母国に。この時に気になったんですが、避難の距離が80キロとか90キロとか、非常に長いですよね。こうした国際的な違いというものは何を根拠においてあるのでしょうか。それだけお聞きします。

山下: 根拠はないです。基本的には放射性降下物がどのレベルかということで各国で決めます。少しでも懸念されれば、危険といえば危険というふうに判断をします。アメリカは関東平野まで飛ぶと考えたのでしょう。実際に飛んでいます。しかし、私が強調したいのは、そのレベルでは健康影響は全く出ません。ただ、外国人です。外国人は日本と心中する必要ありません。そういう意味では、私は遠く離れたアメリカがそういう判断をしたのは理解できますし、明日、外国人記者クラブでこの福島の現状、あるいは原発について説明するつもりです。

Q6: つまり、国際基準はないということで、各国で設定しているということですね。

山下: はい。5キロ、10キロ、20キロ、そうです。

Q7: 現実的な問題として、聞くように言われて来たんですけど、洗濯物を外に干していいのか。あとは、福島って農業県なんです。果樹とか畑とか沢山あります。雨が降って土のところに放射線が降り注いだという話が沢山ありました。今後、その土を使って畑とか田んぼとか、果物とか、そういったものをまだやっても大丈夫なのかどうか、というところ。最後にもう1つ。いま、避難している方、福島県内から各県に。沢山いらっしゃるっていう報道があります。そういった方が、どのくらいになったらば福島に戻ってきていいのか。そういったところを、ちょっと教えて頂きたいと思いました。

山下: 洗濯物だけは答えられます。できるだけ干さない方がいいと思います。屋内退避のところは。部屋の中に干す方が安全です。1/20〜1/10くらい放射性のチリの付き方が違います。ただ、2つ目の質問、3つ目の質問は、これは安全宣言に関わります。これは政府が責任を持ってやるべきで、これなくしては農作物あるいは農耕の再開はできません。ですからこそ、政府の情報公開が第一になります。まず、モニタリングして測る。安全宣言を出すということが、この復興の第一歩になると思います。

Q7: ありがとうございます。あとは、先生方2人の穏やか話し方、私たち聞いて凄い安心しました。本当にありがとうございました。次の方。

Q8: 福島に住んでいるアンザイと申します。よろしくお願いします。2つあるんですけれども、報道で基準を超えた牛乳を1年間飲み続ければという報道がされるんですけれども、具体的に1日何ミリリットル飲み続ければとか、そういう具体的な量を知りたいというのと、うちは水道が通っていないので、地下水だけ飲んでいるんですね。この地下水を、放射性物質が含まれているかどうかを、どの機関に持ち込めば見てくれるのかというのを教えて頂きたいんです。

山下: 地下水については、これは県に言えば測れると思います。たぶん、これは県民全部の安心を保ために、井戸水の安全・安心ということであろうかと思います。最初の質問は?

Q8: 飲み続ければ、の量です。

山下: ミルクですね。一番高い、例えば1万5千ベクレルとかいうものであれば、1リットルを飲み続けたという場合の1年間の量が、CT1回の6ミリシーベルトに相当するというコメントです。

Q8: 365日ですね。

山下: そうです。

Q8: わかりました。ありがとうございました。

Q9: 私ども、今日聞いた中では非常に安心しているんですが、ただ、私ども年寄りを預っている事業所を持っている者、そして職員の家族を預っている私なものですから、職員にもう少し、こうしてこうすれば安心ですよと言える言葉で、もう少しわかりやすく、これとこれをすれば安心ですよという言葉があれば教えて頂きたいと思っております。

山下: 科学的に言うと、環境の汚染の濃度、マイクロシーベルトが、100マイクロシーベルト/hを超さなければ、全く健康に影響及ぼしません。ですから、もう、5とか、10とか、20とかいうレベルで外に出ていいかどうかということは明確です。昨日もいわき市で答えられました。「いま、いわき市で外で遊んでいいですか」「どんどん遊んでいい」と答えました。福島も同じです。心配することはありません。是非、そのようにお伝えください。

Q9: すみません、私も今日、マスクをして来たんですが、マスクあるいは帽子と言われているんですが、それについてはどうなんでしょうか。

山下: これは、花粉症には効くでしょう。はい。放射能のそういう物質をどうやってブロックするか。皆さん、濡れタオルを口にしたことはありますか。窒息するぞ、これ。でも、そんなことを平気で書いとるね、新聞は。これは気休めです。でも、気休めを言わなくちゃいけないようになっとるんです。基準がそう書いとるから。だから、皆さん、マスク止めましょう。はい、次の方。

Q10: ベクレルとたぶんシーベルトが今後、ごっちゃまぜで出てくると思うんですけれども、公式発表を全部統一した形でシーベルトに揃えるということは、科学的ではないと思うんですけれども、それは可能でしょうか。

山下: それはできないと思います。1ポイントでベクレルという放射線の出す力の、汚染のベクレルと、受けた時の実効線量のシーベルトは式を換算しますから、仮定の上に仮定を立てるので、実測値しか出せないと思います。

Q11: 先程の先生方のお話で、数10マイクロシーベルトぐらいではDNAの破損は問題ないのではないかという話だと思って認識しているんですが、報道なんかによりますと、胃のレントゲンで600マイクロシーベルト、あるいは飛行機に乗って成田からNYを往復すると160マイクロシーベルトとか、そういうような報道がありますけれども、これは多分レントゲンでも放射線を直接出す訳ですね。現在、空気中に拡散している放射性物質がある所で何マイクロシーベルトだと、その辺を単純に比較するというのは整合性があるのかどうかということと、 私はいま、大変この辺、ガソリン不足なんです。ガソリンが。会社まで大げさに言うと約2時間弱くらい自転車で行っている訳ですね。そうすると、マスクをしてもかなり汗をかくくらい、運動しながら外を歩いているということになりますが、これは先生のお話の、普通、外へ出ても1/10のくらいの吸入だということですが、その辺は問題はないのかどうか。この点をお教え頂ければと思うんですが。

山下: 今の外に出て2時間半くらい自転車でこいで行って吸っても、たいへん嬉しいことに、あるいは残念なことに、まず男、20歳以上、全く影響ありません。どんどんやって大丈夫です。それはご心配いりません。最初の質問は何でしたかね。

Q11: 放射線を直接浴びるのと、放射性物質がある所にいる放射能の量、その整合性はどうかということです。

山下: 要するに外から浴びる、レントゲンその他は外部被ばくです。今、彼が質問したのは中から入ってくる内部被ばくと同じように考えていいのかという話ですね。内部被ばくの方が1/10、そういうリスクは少ないです。でも、それも外部被ばくと同じような基準で議論します。2つのスタンダードを作ると混乱しますから、内部被ばくも外部被ばくと同じように基準を作っています。ですから、今の基準は幾重にも安全に厳しく作っているというふうに考えてもらっていいと思います。

Q12: わからないこともあったんですけれども、今、現状が安全だということは、話を聞いてちょっと安心しております。ありがとうございました。それと、僕個人の思いと、福島県民全員が思っている事だと思うんですけれど、原子力発電所はなくなった方がいいと僕は思っているんけど、先生はどう思われますか。

山下: 難しい質問ですね。

Q12: はい、そうだと思います。

山下: 私は原爆を浴びた両親から生まれましたから、被ばく2世です。しかし、こうやって元気に仕事をしています。高村先生は被ばく3世です。そういう意味で考えますと、科学に善悪、善し悪しはない。原子力発電所を我々がコントロールする術はこれから学ばなくてはいけませんけれども、全廃とか、あるいは原子力発電所が悪いという意見を持っていません。では、どれをどのようにして管理するかはこれからのまた、大きな議論になると思いますので、私は申し上げません。ニュートラルな立場でこれが不要だとは言えませんし、言いません。

 1つ参考になるかもしれません。永井隆をご存知ですね。「長崎の鐘」の永井隆は、原爆を被ばくした直後、彼は瀕死の重傷で日の丸を描いて、復興に当たります。奥さんが、みどりさんというご夫人が亡くなりました。しかし、家に帰ることなく彼はその後3ヶ月間、荒野で、原子野で、被ばく者の救護に当たりました。その時の救護報告書が10月の初めに書かれました。全く何もない中で200数十名の被ばく者の健康影響を書いて、最後に彼がこう書いています。「祖国は破れた。国は壊滅し、荒野になった。しかし、この思いは日本人、日本国民が科学者をないがしろにしたせいである」と。

 彼は放射線科の先生でしたから、原子力の知識もありました。先に欧米が原子力爆弾を開発したということで非常に悔やみます。と同時に、この惨禍を乗り越えるためには、このエネルギーを良きものとして、世界の幸福のために使うべきだということを彼は述べています。そういう意味では、科学をコントロールする力を持つ事が我々の責務だというように思いますので、今の考えの答えにはなりませんけれども、そのように答えさせて頂きます。

Q12: わかりました。僕にも子供が居ます。正しい知識を身に付けて、頑張って生きて行こうと思います。ありがとうございました。

Q13: 3月18日の朝日新聞の方で、同じ長崎大学の教授の方なんですけれども、残念ながら名前の方は覚えていないんですけれども、急性的な200ミリシーベルトと、そういったものの症状だけではなくて、積算値として、私たち福島でも最初20マイクロシーベルト、それが10日近く続いているような状態で、単純に日にち時間で1年で計算したような場合に、放射線従事者が緊急時に100ミリ、認められている数値を超える訳ですよ。急性的な症状はわかるんですけれども、積算として緊急時に100ミリ、それを超えるような数字になるということに対しての危険性。先程、細胞は再生するので、その怖れはないような話だったんですけども、積算値に対する危険性というのはどうなのか。食物とか水から積算されることもあると思うんですけれども、そこの危険性について述べて頂きたいと思います。

山下: はい、内部被ばくで少量、長期間浴びた場合に、それがあるレベルを超したら、1回こっきり受けた量と同じかどうかという質問ですよね。これは防護上は同じと考えて防護します。しかし、生物学的には圧倒的に少量浴びる方が障害が出ません。これはもう明確に疫学的に証明されていますし、動物実験でも、私が話した細胞のレベルでもわかっています。これ、安全防護の基準上、積算で超えたら危険だから、逆算していつもこういう話をしています。ここがわかりにくいんですけれども、少量の慢性被ばくの影響は非常に低いと思ってもらって結構です。

Q13: 圧倒的に、その原子力でいま働いている方が100ミリシーベルト受けたものと、我々が福島に1年間居て100ミリシーベルト積算して受けたものとでは、明らかに危険度が違うと。

山下: 違います。だから、我々は原発の職員を心配しています。

Q14: 南相馬市出身の原と申します。よろしくお願いします。汚染レベルというのは今、川俣とか、土壌が汚染されててミルクに影響が来ているというんですけれども、このまま、あと例えば1ヶ月後、完全に収束したとして、出なくなったといった時に、ただ汚染レベルというのはこれから幾つか続いていくと思うんですけれども、それっていうのは、例えば今から1ヶ月後に完全に原発の方もある程度問題が収束して終わったといった時に、大体どの程度その汚染レベルが、ミルクだったりほうれん草だったりの汚染レベルが、今までの通常時期と同じくらいになるのかということと、もう1つ、そうなった時にも、やはり福島県産のものより他の県の方が食べたいっていうような、風評というのは拭いきれないと思うんですけども、それを払拭するために、これからどのようにしていくのがいいのかという、この2点をお願いします。

山下: 仰る通りであります。いつ安全宣言をして、いつその中に入っていけるか。あるいは、今の土壌が安全かというのは、まさにこれは政府の責任で測定をして決めます。だから、土壌の汚染がどのくらい残れるかということで、最も重要なのがセシウム137です。30年の半減期があるわけです。ですから、これが消える間、あるいは安全になるレベルということがまず安全基準の評価になります。じゃあ、福島原産のものがいつ流通が自主規制がなくなって、皆さんが安心して食べれるかというのは数値でしか判断できません。200ベクレル/kg、あるいは300というふうなものによって決まってますので、その基準以下になったら、もう議論する必要は全くないと思います。それは農林水産省と厚労省が両方で決めるというように思います。(場内からの声に対し)そうです、そうです。

Q15: 私は15歳の娘が居るんですけれども、子供の事が心配なので色々情報をインターネットで調べたりしたので、間違っていることかもしれませんので、お聞きしたいんですけれども、いま3号機、あそこに今、冷却していますよね。あれは使用済み核燃料ですよね。それで、使用済み核燃料から出るのは、放射線ではなくて中性子線であるということ。それで中性子線というのは、放射線とは違って、コンクリートやガラスや全てを通り越して生きている人体をコロ(?)としてしまうと、そういう危険なものであるということ。で、それは半径80キロ圏内だと被ばくすると。そういう情報がありましたので、放射線の方は心配ないと思うんですけれども、その中性子線というものが一体どのようなものなのか、それが人体にどのような影響を及ぼすのか、そして、いまこの福島市は(原発から)60キロなので、もし仮に爆発などして中性子線が放出されたら、この福島市は大丈夫なのか。子供達は大丈夫なのか、その辺を教えて頂きたいんです。

山下: 中性子線というのは熱線と同じでエネルギーですから、これはある距離しか届きません。中性子線を被ばくすると何が一番怖いかというと、自分の身体の元素が破壊されます。JCOの事故を思い出してください。2人の方が被ばくして亡くなりました。これは臨界事故といいます。まさに原発の中における臨界と同じ状況です。いま出てくるのはそういう状況と異なりますから、溜まっている放射性物質が冷やされないで出てくるという状況で、私の理解する限りでは中性子線は出ていないと思います。臨界事故ではありませんから。そして、その届く距離は、確かに鉄筋コンクリートを突き抜けますけれども、そんな数百メートル、数キロメートルも届きません。ですから、ましてや10キロ、20キロ避難した所には絶対に中性子線は届きません。これは長崎の原爆がそれを証明しています。中性子、爆弾として爆発された時の中性子線は、2.数キロの所で留まりました。これはウラン燃料を99%に濃縮した爆弾です。ここは3%のウランを使ってます。全くエネルギーも違いますし、中性子線の心配は全くここではする必要はありません。

Q15: じゃ、子供達も大丈夫だと。

山下: はい。

Q16: 放射線が首に集まり、甲状腺ガンを引き起こすと聞いたのですが、それは皮膚から入り込むため、首を守るためにタオルを巻いた方がいいと聞いたのですが、実際はどうなんでしょう、単純に。巻かなくてもいいんでしょうか。

山下: 単純にそれは間違い。

Q16: 気休めですか。

山下: 唯一心配しないといけないのは、飲み続けるミルクに入った放射性ヨウ素。内部被ばくでそのヨウ素が甲状腺に入るから、外をいくらブロックしてもダメ。中に入る事をブロック。汚染されたものを食べない、飲まないというのが大事です。

Q17: 私は結婚したばかりで近い将来赤ちゃんがほしいんですけど、母体や子供への影響はこれからあるんでしょうか。何か凄く不安で、これから先。特に夫婦で男の人の方がダメとか、女の人の方が放射能を浴びるとよくないとかっていうのはあるのかなと思って、お聞きしたかったんですが。

山下: これは全部、放射線の量ですね。ですから、ある一定の量以上浴びるとやはりよくありませんが、今の現状が、例えば1ヶ月間収束しなかったとすれば、それは避難した方がいいと思います。しかし、今の状況がここ1週間で収束すれば何ら問題はありません。そうご理解ください。それ以上のことはわかりません。

Q18: 私の実家は原発から10〜20キロの圏内なので、避難してきたんですけども、この会場の中、福島市の方いっぱいいる中、この質問をするの恐縮なんですけども、いつになったら元の生活に戻れるのか。原発の状況とか、放射能の測定値、マスコミで流れてると思うんですけど、今までの事故を参考にして環境面、衛生学的面から見て、いつ私達は実家に戻れるのか、本当に気がかりなんです。避難生活がいつまで続くのか。それを先生方からの見解をお聞きしたいなと思いました。

山下: 南相馬市というのは、10キロですか。

Q18: 10キロの範囲です。

山下: 私は今日、日本チェルノブイリ連帯基金という、一緒にチェルノブイリの支援活動をしているグループから連絡をもらいまして、福島には放射能が危険だから、NGOやボランティアが入って行きづらいという連絡を受けました。私は心配いらんと言って、彼らは今、南相馬市に入っています。ですから、早晩この事故が終焉すれば早い時期に安全宣言されるだろうと思いますが、そのための全責任は国が負って安全宣言します。ですから、これは国をかなり強くお願いして、まず測定してもらわないといけません。汚染が大前提で避難しましたから、その地区が安全かどうかは、環境、モニタリングをして、評価をして帰るということになると思います。ですから、いつということは私は言えません。しかし、もう既にボランティアは南相馬に昨日から入りました。それほど危険ではないと思います。

Q19: 福島市飯野で酪農をやっています。先程、牛乳に放射能が出てくるのは、降下物のせいだと仰った点でちょっと疑問だったのは、牛と人が共通しているのは空気と水。あと、えさがあると思うんですが、殆ど屋根のかかる所においてある牧草であるとか、配合飼料を食べます。ですから、大地に生えてる草を食べることは、今は全くないんです。ですから、降下物ということであれば、空気と水は人と同じなんですね。私の家族で、姪が間もなく出産します。息子の子供も7月には生まれます
。いま、妊娠5ヶ月、6ヶ月のところです。そこで同じ水と空気が、小さい子供、胎児とかに影響するということで、非常にその事が気になっています。このまま福島に居ていいのか、実家とか県外に行った方がいいのか、凄い単純なことなんですが、どうなんでしょうか。

山下: これは最も難しい質問です。お母さんと妊婦が汚染ゼロの所で当然生活すべきです。じゃあ、今の汚染が安全か安心かということになります。今、お住まいは何キロですか。

Q19: 50キロくらいです。

山下: 国の今のスタンダード、標準からいくと、30キロより遠い所は心配は要らないと言っていますが、もし私がそのような立場で心配があれば、それはより遠くに避難した方がいいと思います。何故か。避難させなかったばっかりに何かあった時の後悔を持つのは親であり、そしておじいちゃん、おばあちゃんです。そういう意味では、これは理論ではありません。理性ではない。感情論として、女性は行動していいと思います。ですから、もし本当にご心配であれば、その値を客観的に判断して、避難することは何ら恥じることではありませんし、もしそういう事が可能であれば、それを誰も止めることはできないと思います。

Q19: あともう1点。うちはこの地震が起きてから、停電・断水が続いてました。その間、発電機を使い、近所の水道、川俣なんですけれども、もらって、牛の世話をして、牛が病気にならないように搾乳してました。全て捨ててました。それが今の状況で、安全基準を満たすまで出せないって事は理解してます。でも、この後、ここで必ずその仕事を続けることはできるっていうのを、先生の新聞を見て、もう一度そのことを聞きたかったんです。

山下: 必ずできます。是非、今はちょっと苦しいし厳しいと思いますけれども、是非乗り越えてください。

Q19: ありがとうございました。

Q20: 市内の中学校の教員です。具体的に、生徒が外で体育の授業をしている、もしくは部活動をしている、駅伝の練習をしている、そういった時にモニタリングの結果が出た際、例えば、屋内に「念のため」というような文字が、テロップが入る訳なんですが、屋内にという指示を出すとしたら、そういった基準というのは、教育委員会の方でも設定すべきでしょうか。

山下: 仰る通りです。子供は守らなければなりません。20歳以上は放ったらかしておいて大丈夫です。そういう意味では、まさに仰った教育委員会はその義務があると思います。

Q20: だとしたら、その数値の目安としては、

山下: 私がいつも言うように100マイクロシーベルト/hというのは、それ以上になると屋内退避すべきだと思います。

Q21: 土壌汚染が気にかかるんですが、セシウム137は30年の半減期とおっしゃいましたけども、福島市内にもそういうのが降っているのどうか、それを聞きたかったんですが。

山下: 降ってます。日本中、あるレベルまで全部降ってます。調べればわかりますが、希釈されて消えて行きますし、たとえ30年という半減期でも、微量なものであれば全く心配いりません。はい、降ってます。

Q22: 現時点で取り組まれているスクリーニングについて、今の時点でどんな意味があるのかということで、私はもう少しマンパワーを別な所に回したらいいのではないかと思っている人間なんですけれどもね。

山下: ありがとうございます。これはもうJECの事故の時からそうですが、被ばくか被ばくでないかを分けるのは、最初のスクリーニングするということが決まっています。それでしていますが、その線量は極めて安全なレベルです。ほとんど人が、除染の必要がある人は今の数をこなしてもゼロだったそうです。ですから、本当に安全なんです。たとえ、千カウント、1万カウント、1万5千カウントあったとしても、実はこれは身体に何ら影響を及ぼしませんから、洗う、服を脱ぐで済むんですが、でも、最初に言ったように測らないとわからない。今回初めて、皆様、CPMとか、大気中に放射線があるかということがわかりましたから、これは次の教訓に活かすべきだと私は思います。しかし、今は国の流れで測らないといけないんです。ですから、マンパワーが足りないんですね、確かに。仰る通りです。

Q23: 土壌汚染のことですけども、毎日、福島の野菜を食べてる訳ですけども、洗っていいものと、そうでないものもありますけども、地上に落ちてきますね、放射能が。堆積していきますね。雨もありますね。これから、3ヶ月、6ヶ月、1年と継続していく訳ですね。そういう中で、安全に差し支えないものなんですか。生育していく訳ですけども、その中に取り込まれていくってことはないんでしょうか。

山下: 土壌から取り込まれていくという不安ですね。それはあります。だからこそ、そういう野菜類にしても、食物にしても出荷の前には検査がされると思います。あるレベルであれば心配ありません。それから2つ目は、土壌に蓄積されるとおっしゃいましたけど、これは拡散します。そして、雨が降ればどんどん流されます。雨が降るということは実は天の恵みなんですね。ですから、雨は歓迎してよろしいと思います。その条件は、今の事故現場から放射性物質はもう出ないということが大条件です。今のところは、ある数日間は止まってますので、これが続くことを私たちは念願しています。ですから、今言ったようなご心配は、おそらく無くなるだろうと思いますが、絶対はないので、もう一度これが何らかの大きな事故をすれば、また考え直します。今の段階での、これは解釈です。

司会: これで一応、質問を打ち切らせて頂きたいと思います。それでは、最後にお2人の先生からまとめということでお願いします。

山下: いや、もう、まとめはありません。皆さん方の十二分なご質問と厳しい追及を受けましたので、ギロチン台に立ったような気がしましたけれども、でも、私は皆さんに是非お伝えしたい。大変な状況下にありますけれども、少なくとも日本国民、広島や長崎の同じ被ばく県民は、みんな応援してます。絶対に福島を忘れることはありませんし、これからずっと続けます。そういう意味で、今日は実は私たちの大学の副学長が来てくれました。この会をするというので、最後にあいさつを彼がしてまとめにさせて頂きます。調(しらべ)理事です。

調 漸: ご紹介頂きました長崎大学の調です。こんなに活気のある会は初めてでした。私は今月の14日の日に長崎大学の水産学部が船を持っておりまして、 そこに荷物を満載して、4日間航海をして、小名浜に入りました。そこで7トントラック4台分を降ろして、その後、宮古に行きまして、そこでまた同じように降ろしまして、そこで私は船を降りまして、釜石に入りました。いずれも大変悲惨な所でしたけれども、その後、学長から帰ろうと思ったら福島大変だから、山下先生を手伝いに行けということで、帰るアテもなく、東北地方を彷徨っている訳です。

 この2人は佐藤知事さんに、放射線リスクアドバイザーということで、福島県のアドバイスをするという任命を受けております。私共の大学の学長も、今は短期的な集中的な支援ということでございますけれども、次に中期的な支援に移るということで、できれば長崎大学のスタッフが誰かですね、福島県立医大に居て、この県の健康と安全を支えるお手伝いをしたいというメッセージをお伝えしたくて、壇上に上げて頂きました。

司会: ありがとうございました。本日のご講演はこれで終了させて頂きたいと思います。ここで、お忙しい中、また本日の講師をお引き受け頂きまして、また、先生方からは力強いお言葉を頂きました。先生方が退席されますので、本日の感謝の意を込めまして、皆さんで拍手でお送りしたいと思います。
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s-放射能と私たちの健康との関係

■川俣町 放射線と私たちの健康講演会(3月22日開催)
放射線と私たちの健康講演会
日時:平成23年3月22日(火) 午後3時〜
会場:川俣小学校体育館
講師:高村 昇 氏
(長崎大学大学院教授、福島県放射線健康リスク管理アドバイザー
講演音声データのダウンロード
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プレスクラブ (2011年03月22日)山下俊一長崎大学教授 記者会見
福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーに就任した長崎大学教授の山下俊一氏が外国特派員協会で記者会見を行った。
プレスクラブ (2011年03月22日)山下俊一長崎大学教授 記者会見 動画
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山下俊一氏講演会(4月17日・伊達市)【前半】 映像
4/17に伊達市MDDホールで行われた福島県放射線健康リスク管理アドバイザー 山下俊一氏による講演会の前半です。
山下俊一氏講演会(4月17日・伊達市)【後半・質疑応答】 映像
4/17に伊達市MDDホールで行われた福島県放射線健康リスク管理アドバイザー 山下俊一氏による講演会の後半です。
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福島県放射線健康リスク管理アドバイザーによる講演会の開催について このことについて、下記のとおり開催しますので、お知らせします。

1 二本松市
(1)日時 平成23年5月3日(火) 午後1時30分〜 
(2)場所 二本松市立二本松北小学校体育館
    (二本松市郭内1-1 電話 0243-55-5102 (二本松市災害対策本部))

2 喜多方市
(1)日時 平成23年5月5日(木) 午後1時30分〜 
(2)場所 喜多方プラザ文化センター大ホール
    (喜多方市字押切2-1 電話 0241-24-5221 (喜多方市災害対策本部))

3 講 師
福島県放射線健康リスク管理アドバイザー 山下 俊一氏
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長(教授、医学博士)

4 演題
 福島原発事故の放射線健康リスクについて

5 その他
(1)広く一般の方も御参加いただけます。

(2)同様の講演会を既にいわき市、福島市、川俣町、会津若松市、大玉村、飯舘村、
   郡山市、白河市、南会津町、田村市、石川町、磐梯町、伊達市、本宮市、
   新地町で開催しています。

   国民をダマクラかしに東北行脚していているわけだな。
   数多くの方たちがこの男に騙されてるんだろうなぁ、って思うと、。。。。

(3)3月21日に福島市で開催された講演会については、福島県のホームページ(平成23年東北
   地方太平洋沖地震による被害状況速報)で動画によりご覧いただけます。

s-長崎大学教授4

山下俊一氏講演(5月3日・二本松市)【前半/講演】 動画
山下俊一氏講演(5月3日・二本松市)【後半/質疑】 動画



  「皆さんはここに住み続けなければならない。ここで生きていかなければならない。
   現実です、理論じゃない。長崎や広島がそうでした。」

   「これから、
   みなさんが病気になるのを調べるには福島県民みなさんの協力が必要です」

   「10年後の放射線による影響は福島県民全員の協力の上で、疫学調査をしなければ
   なりません。だからここで影響にはついては言えない」

   「年間20という国の指針が出たんだから、国の指針に従うのは国民の義務です」

   「100mSv以下では放射能の影響は科学的に証明されておらず結果は何十年後に
   ならなければわからない。だから自分は福島の人達に安心してもらうように心配
   ありませんと言い続けてきた」

   「100mSv以上一度に浴びなければ発がん性リスクは確認されてない」

   「平時に定めた1ミリを20ミリに上げた事が
   容認できない方はそこから避難するしかない 」

   「私は安全を皆さんに言ってない。安心を語っている」

   Q・「今まで、あなたは安全安全と言ってきたが、
    5年後10年後に子供たちの健康に影響があったらあなたは責任を取れますか?
    YesかNoで答えてください」

   A・「将来のことは誰も予測できない。
    その質問に答えるには福島県民全員に協力してもらって何十年にもわたる疫学調査
    が必要。だから、今の質問にはイエスともノーとも答えられません」

   A・「安全」という言葉を安易には使いません。
    皆様方に少しでも「安心」してもらえればということで話をしています…
 
   会場:「安全」と「安心」とどう違うの?…


   これがこの御用学者の本音でしょう!!!


池田香代子ブログ様。 20ミリシーベルト問題 山下教授の論理に乗ってみる
「今は非常事態なのです。みなさんの暮らしているところには放射性物質が降りそそぎました。みなさんの町は汚染されています。でも、みなさんはここにこれからもずっと住み続けるしかありません。ほかに選択肢はないのです。逃げられないのなら、ここで道を切り開いていくしかありません。

私は福島県から、放射線健康リスク管理アドバイザーに任命されました。みなさんが放射線とどのようにつきあっていけばいいかを助言するのが役目です。結論を言うと、どうぞ安心して、安全だと思って日常生活を送ってください。10マイクロシーベルト時なら布団を干してもだいじょうぶです。お子さんを砂場で遊ばせてください。私の孫も遊ばせろとおっしゃるなら、それでみなさんが信じてくださるなら、おやすいご用です。マスクも必要ありません。あんなものは気休めです。

なぜなら、国が年20ミリシーベルトと基準を定めたからです。私には、日本国民として、国の指針に従う義務があります。みなさんにもあります。私は、個人的には100ミリシーベルトでもだいじょうぶだと思っています。なぜなら、それ以下の被曝の発ガンリスクは、科学的には証明されていないからです。でも、国は年20ミリシーベルトと決めました。ですから、100ミリシーベルトでも安全だなどと言うと、私は文科省から指導を受けることになるでしょうが、甘んじて受けるつもりです。

放射能汚染地区に住み続けなければならないのは、みなさんだけではありません。広島でも長崎でもそうでした。私の親も長崎で汚染された水を飲み、戦後復興に尽力したのです。チェルノブイリでも、550万人がそういう状況で生活しています。チェルノブイリでは、原発事故の影響だとはっきりと証明できているのは、ヨウ素による子どもの甲状腺ガンだけです。ほかの病気の原発事故との因果関係は、証明されていないのです。

みなさんは、将来子どもの体に影響が出るのではないか、と心配しています。けれど、将来のことは誰にも分かりません。神のみぞ知るなのですから、今イエスかノーか答えよ、と私に言われても困ります。子どもは安全だということに私の首を賭けろと言うなら賭けます。もっとも、安全かどうかわかる頃には、私は死んでいますけれど。

健康への影響をつきとめるには、膨大な数の疫学調査がいります。病気が放射線のせいかどうかを調査するには、みなさん福島県民全員の何十年にもわたる協力が必要なのです。6日に、私はこちらの県立医科大学の入学式で記念講演をしますが、「この大学で学ぶ君たちは、放射線について世界一の学識を身につけ、医療の現場で実践してほしい」という話をしようと思っています。

土壌への累積についてですが、たしかに文科省は過去の積算を出していません。けれど、3月12日から月末までのデータもそのうち出ると思います。それを踏まえて、20ミリシーベルトが安全か安全でないかが議論され、いずれ教育委員会や県、国が回答すると思いますので、それまでしばらくの間お待ちいただきたいと思います。

とにかく、国民には国の指針に従う義務があります。みなさんにおかれては、不安を持って将来を悲観するのではなく、安心してここで今までどおり生活していただきたい。私がここに来たのは、みなさんやみなさんの子どもたちが安全かどうかをお伝えするためではありません。そうではなく、国民の義務として国の方針に従って安心すべきである、ということをお話しするのが、私の目的なのです」(拍手)

s-長崎大学教授4

山下俊一氏講演(5月3日・二本松市)【後半/質疑】
質疑応答(一部抜粋)
質問:先生にも覚悟をもっていただきたい。安全というなら、お孫さんを連れて砂場で遊んで頂きたい。
 
山下: もし私がそれをしたら信じてくれますか?私は基本的に被ばく二世で、親戚ろうとうみんな原爆で亡くなりました。親たちの代は私たちを連れて、みんな汚染された水を飲み、復興してくれました。広島の方々も一緒だと思います。他にチョイスがない、逃げられない人たちはそこで自分で自分の道を切り開いていったんですね。もちろん、今、住職さんの言われた私への期待は重いほどよくわかります。私がそれに応えて、孫を連れてきて砂場で遊んで、みんなが信じてくれるのだったら、お安い御用だと思います。私は住職さんとのお約束を守りたいと思います。
 
質問: これまで、福島は安全です。安全ですと言い続けてきたが
将来、子どもたちに何か影響があった場合に、責任がもてますか?イエスかノーでお答えください。
 
山下: 基本的に大切なことは、将来のことは誰も予知できないんですね。神様しかできないんです。彼の質問に答えるには、膨大な数の疫学調査がいるんです。起こった病気が放射線のせいかどうかを調査するには、福島県民全員の協力が必要となります。正しい診断をし、正しい経過を把握するには、何十年間も必要なんです。数年、5年、10年ではなかなかその結果はでない。そのレベルの話ですので残念ながら、今の質問にはイエスともノーとも答えられません。
 
質問: 市政だよりなどに、マスクもしなくても大丈夫だと先生の話が書かれていて100ミリ先生の言葉を信じて、戻ってきている人もいる。20ミリが最大だ、その下は自己責任になりますところっと話が変わっている。今までが間違っていたのか、話して欲しい
 
山下: これがみなさんの混乱の一つの原因だと思います。私は、みなさんの基準を作る人間ではありません。みなさんへ基準を提示したのは国です。私は日本国民の一人として国の指針に従う義務があります。科学者としては、100ミリシーベルト以下では発ガンリスクは証明できないだかた、不安を持って将来を悲観するよりも、今、安心して、安全だと思って活動しなさいととずっと言い続けました。ですから、今でも、100ミリシーベルトの積算線量で、リスクがあるとは思っていません。これは日本の国が決めたことです。私たちは日本国民です。
 
質問: 文部科学省は、先生が100ミリ以下は安全だと言っているということに対し「指導する」と昨日、テレビで言ってましたよね。
 
山下: 私は多分指導されるでしょう。甘んじてそれを受けなくはいけないと考えます。
 
質問: マスクはしなくていいんですか。先生は気休めだと言っている。
 
山下: はい、今の状況はまったくそうです。大気中に放射線ヨウ素はもうありません。ほぼ放射線セシウム137です。衛生上、それをきちんとするということは、子どもたちに注意を喚起する用心するということでは非常に重要だと思います。ですから、私ともう一人の放射線アドバイザー神谷先生は、しっかりとそのことをご説明していると思います。
 
質問: 布団は干しとか、洗濯物を外に干すのは大丈夫か?
幼児に対する日常生活の注意点は?
 
山下: こうした個別の質問、たくさんあると思います。当初は数字が提示されていませんでしたから、単純に10μSv/h以下になればそんなに心配はないですよ。1μSv/hだったら全く心配ありませんよ。その間は、明確な結論が出せずに、話をしていました。しかし国は20mSvをもって、3.8μSv/hというのを出しましたからやはり測って、それのレベルを遵守するということが重要になります。私は皆さんとずっとお話して来た当初は、クライシスコミュニケーショんといって危機をいかに未然に防ぐかという話をきてきました。しかし、今日、皆さん方が来てよくわかるように、具体的にどうするか放射線とどう付き合うかということが、皆さんのメインのテーマだと思います。

 先ほどの質問で「二本松は危険だから逃げろ」というのがありましたがとんでもない話です。今のレベルは全く心配ありません。その保証を、私の首をかけろというならかけますが、私は子どもたちよりも早く死にます。もし文科省が私を喚問するのであれば、私はそれに行かなければならないと思います。ただ伝えたい根拠は理論ではありません。現実です。皆さん、現実、ここに住んでいる。ここに住み続けなければなりません。広島、長崎もそうでした。チェルノブイリも550万人もそういう状況で生活しています。そういう中で、明らかな病気は、事故直後のヨウ素による子どもの甲状腺がんのみでした。私はその現実を持って皆様にお話をしています。ですから国の指針が出た段階では国の指針に従うと、国民の義務だと思いますからそのような内容でしかお答えできません。

今の環境庁がもし、年間20mSv以下であれば外に布団を干すということもご自由ですし、何もしても自由です。国がその線引きをしちゃったのです。線引きをした段階でちょっとでも超えると危ない、問題だということに対してじゃあこれをどう考えましょうか。ということを私は皆さんと一緒に問おています。お母さんのご心配も十二分に分かります。でも、この二本松で、3.8mSv/h以下であれば、そこで干そうが子どもを遊ばせようと問題ないと思います。
 
質問: 私は学校に勤めていて、文科省が出した3.8mSv/hという基準に悩んでいる。もうヨウ素はないと言われているが、土壌の検査の結果では、ヨウ素6200ベクレル、セシウムは16900ベクレルある。飯館はホットスポットだが、それ以外で見ると中通の線量が高いが線量が非常に高かった3月15日頃、みんな知らずに、マスクさえつけなかった。年間20ミリシーベルトという指針が出されているが文科省の累積に3月23日までの線量、内部被ばくも入っていない。年間20ミリシーベルトになるのではないかと心配だし、その基準にも疑問。山下先生はアドバイスをする立場にいるので県なり、文科省なり、行政に私たちが安心して暮らせるようなアドバイスをしていただきたい。
 
山下: 過去の積算が出されていないというのはまさに仰る通り、3月12日から3月いっぱいのデータも当然公開されると思います。それを踏まえた上で、20mSvについて安全か、安全でないか議論されます。そして今すぐ何ができるかという問題を提言されました。残念ながら、この福島の中通り地区も、みんな汚染をしました。放射線物質が降り注いだという非常事態にあります。その渦中で、そういう措置をすることがすることが本当に適切か。自分のところだけで済まない、多くの方々の対応をどう統合していくかということを早急に多分、教育委員会や県、国が対応して回答を出すだろうと思いますのでこれはしばらくお待ちいただきたいと思います。
 
質問: 国の基準に従うしかないというお話をされたのですが、先生は、県を通して国に提案する立場にはないでしょうか。
 
山下: 直接国に話をできます。話をしています。
 
質問: 原子力安全委員会の防災対策で示されている基準は10ミリシーベルトというのが一つの規準なっている。しかし、現在、私達に関しては、屋内退避も退避勧告もない以上、逃げても国からの保障が一切無い。逃げることに対してのリスクを全部自分で背負わなければならない。福島市の積算量は10ミリシーベルト超えることが予想されているが、これに対して、屋内退避の勧告をして、原子力事故に対する保障の対象にすれば、住民の選択肢が広がると思う。それに対して提言はしていただけないか。
 
山下: 極めて重要なポイントで、どこまでを原子力災害損害賠償紛争審査会に取り上げるかということになります。精神的な障害と風評被害にみえるということも、当然そこに入ってきます。今後第二次指針の中でそういうの議論がされていくと思うので、私自身は何もお約束できませんが、自主非難に対する保障というのは重要な問題だと認識しています。
 
質問: 現在の規準は20ミリシーベルトですが、原子力安全委員会の今までの取りまとめをみると、緊急時、高い線量が観察されたとしても、数日中に必ず何らかの手立てが採られるはずだから、これぐらいの規準でかまわないということがレポートに書いてある。実際、福島原発に関しては、東電のスケジュールをみても6ヶ月から9ヶ月かかるという。原子力安全委員会の10ミリシーベルトでもかまわないという前提と大きく違うのですが、これに関して考え直す必要があるのでは。
 
山下: これはまさに議論されているところです。私の言える立場ではありませんが、整合性をいかにつけるか、そして説明をどのようにやっていくか、ということがこれからなされると思います。
 
質問: 放射線に対する子どもの感受性が高いことから、子どもの安全をいかに守るかということを大人がまず最初に考慮しなければいけないと思う。空気中に漂う放射性物質は爆発直後に比べて落ちているんが、土に落ちているものも含めて、塵となって吸引する可能性がある。塵も水も食べ物も、すべて内部被ばくが子どもに対して重要になってくるわけですが、それぞれの基準がばらばらに設定されていて、内部被ばくの総合的なリスクに対する提言が何もされていないことに非常に不安がある。
 
山下: これは出来ないですね。内部被ばくを細かく検証することは、それぞれ分けて計算ができないので、今は出せませんが、唯一チェルノブイリの経験で、いくつかの式が出来てます。理論値です。そういうものが、それぞれ複合的なもののパラメータを入れて、どのくらいってのは計算されると思うのですが、1パーセントから数十パーセントまで非常に誤差があります。ですからこれをどうにかしてみなさまにお見せするかということに関しては、厚労省、農水省も含めて時間がかかると思います。
 
質問: 最終的には100ミリシーベルトを基準にして概算法で、しきい値はないとする考え方と、しきい値以下ならほとんど健康に害がないという考え方という、二種類の対立する考え方がある。しかし、基本的にはしきい値がない考え方のほうが、リスクを考える上では安全だと思う。テレビに出られる先生方の話を聞いて気になるのは、0.5〜1パーセントがんの発生率が高まるだけと言っているんですけど、それは1000人いれば、5〜10人発症するということ。確率論から言うと0.5から1という数字なのかもしれないけど、その5人10人というのは人間。その人間は本来放射線被ばくを受けなければがんというリスクを負わなくて良かった人です。少なくともリスクがある以上それを排除するのが国や自治体の姿勢だと思うんですけど、それに対して先生は「これくらいの線量だったら遊ばせていいんですよ。マスクもする必要ない。」と言っている。しかし、もう少し「守る」ほうの意見を出していただけると安心だと思う。先生があまりにも「安全だ」と言い過ぎるものですから、それについては異論がある以上一番安全なラインでお話していただかないと困ると思う。
  
山下: おっしゃるとおりで、「安全」という言葉を安易には使いません。皆様方に少しでも「安心」してもらえればということで話をしています…
 
会場: 「安全」と「安心」とどう違うの?…

山下: まったく違います。「安全」は誰が見ても安全ということを認知できます。「安心」は一人一人全部違うんですね。リスクの認知の仕方っていうのは、まったく個人によって異なります。この3.8マイクロシーベルト/hというのが絶対安全域かというと一つの大きな問題。これは基準値であって、参考値なんですね。これで一ヶ月過ごしましょうってことで、当然日にちが経てばこのレベルを下げてくると思うんです。今はしかし、これを採った以上は、これで行動規範をつくる必要があるというふうに考えます。ですからおっしゃるように、防護策をもっと提出していけということですよね。それはもうこれからもずっとされていくと思います。
 
質問: チェルノブイリの後に、オーストリア政府はオーストリア国民が受けた損失額の見積もりを出して、空間線量からの被ばくが15%、直近からの内部被ばくが80%と出しましたが、先生はどういった割合で内部被ばくと外部被ばくがあると考えますか。
  
山下: 今、チェルノブイリの人たちは、内部被ばくと外部被ばくはほとんど無視できるくらいです。事故直後、1991年から95年、96年の間は、実は内部被ばくの方が少し多かったですね。放射性セシウムというのがずーっと入ってましたから。ただその被ばく線量年間にすると、だいたいレントゲン数枚程度です。これは非常に低い。ミリシーベルトに届かない量であるので、食べ物と外からの比はなかなか出しづらいというのが今までの見解です。
  
質問: 今現在、(チェルノブイリの時の)オーストラリアの見解が適用されたとして、空間線量は15%と考えて行動したほうがより安心であるといえる。そういうことですか。
  
山下: マイクロシーベルトは内部も外部も含めて出しているんですね。分けられないんですよ。そういう基準値だと思ってください。ですから安心安全ということではなくて、これそのものがそういう基準であると考えてもらったほうがいいと思います。
  
質問: モニタリングポストで出ているデータは外部だけですよね。考えうる内部被ばくの割合はどうあるべきなのか。今ここの空間線量で被ばくする状態というのは、内部被ばくよりもさらに低いと見積もって、それ以上に被ばくする。足し算的に被ばくしていく。というふうに考えることがより安全に近い考え方だ、ということには、どう思われますか。
 
山下: 環境放射線と人体の影響のパラメータで議論して計算して出しますから、私はこのプロではありませんから、簡単に回答できませんが、いろんな考え方があると思います。しかしそれをすぐに肯定することはできません。
  
質問: 子どもが転んで怪我をし、傷口から地表に体積した放射性物質を取り込んでしまい、放射線のゼロ距離射撃にあってしまう。ゼロ距離射撃とそうでないときは、人体への影響が違うわけなんですけど、そのようなケースの話をあまり聞かないんですけど、これはどうされるべきだとお考えですか。
  
山下: 一番わかりやすいのは、原発の作業労働者が怪我をして、汚染地域で皮膚を汚染したという場合はたいてい洗うと流れてしまいます。血液に入る量はほとんどありません。ですからそういう心配に対してすぐに対応する必要はないと考えます。
  
質問: 原発の作業労働者に適用された労災の表を見ると、一番低い人で、4ヶ月くらいで40ミリシーベルトかそんなもんで、骨髄性の白血病だとかなんかで労災を受けてるんです。40ミリシーベルトということ、20ミリシーベルトなら2年ですよね。そこに居続けるならということですが、これについて先生の学者としての見解についてお聞きしたいです。
  
山下: 今のは労災との関係ですよね。これは裁判の事例になりますので、この値についての検討は個別の症例になりますから出来ないと思います。裁判の結果に従うしかないんだろうというふうに思います。
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s-長崎大学教授4

2011-5-5 喜多方プラザ文化センター 山下俊一講演会 1/2 動画
2011-5-5 喜多方プラザ文化センター 山下俊一講演会 2/2


   「嘘言うな!」

   「福島をモルモットにするな!」

   「真実が知りたい!」

   皆さん、この男の欺瞞に気づいてきましたね!




s-長崎大学教授4

■『AERA』2011.3.28号 8〜11頁
危機的な事態が続いている。世界も注視する福島原発。「最悪」の場合、日本はどうなるのか。
「福島の原子力発電所から放射線が放出されています。つきましては、各研究室においてご注意ください。特に換気扇やエアコンを停止し、窓を開けないよう宜しくお願します」

放射能の危険を煽るチェーンメールが一部で飛び交っているが、このメールの出どころは、はっきりしていた。 東京大学のある研究室が、ほかの研究室に出したものだ。約250キロ離れた福島原発から、風に乗って運ばれた放射能は、すでに都内のあちこちで検出されている。通常の約20倍の放射線量を検出した場所もある。首都圏に降り注いでいた放射線の影響に、日本の「権威」も脅えているのだ。

「臨界」情報に驚愕

東大では「環境放射線対策プロジェクト」という緊急組織を発足させ、キャンパスがある東京・本郷と駒場、千葉・柏での1時間ごとの放射線量の測定を実施している。メールを読んだ職員は、不安を募らせる。

「テレビで解説している先生は『大丈夫だ、大丈夫だ』と言っているが、首都に放射能が漏れているのに『まだ大丈夫だ』と言うのは、どんな神経か」

長崎大学の山下俊一教授は電話先で驚きの声を上げた。
 
「なにー」
 
「臨界」が福島原発で起きている可能性もゼロではないと東京電力の担当者が認めたとの一報を伝えたときだ。原発は核燃料が核分裂を起こすことでエネルギーを得ている。核分裂の連鎖反応が持続している状況を臨界という。だが、それは制御されたもとでは安全だが、想定外の偶発事が起きれば制御が不能となる場合もある。原子力事故で最も恐れられている現象だ。

 山下教授は被曝医療の専門家。ほんの1時間前の取材では、

「チェルノブイリ原発の事故のように、核分裂が起きているわけではない。仮に炉内で爆発が起きて放射性物質が放出されても、どんなに高く見積もってもチェルノブイリの1000分の1とか、10000分の1のレベルの量だ」
として、落ち着くようにと記者を諭した。

「ヒロシマ、ナガサキで、がんを発症し、原爆症認定訴訟を闘った被爆者の被曝線量は10〜100ミリシーベルト。この経験からしても、避難住民が神経質になる必要はない。チェルノブイリで大勢の住民被害が問題になったのは、放射性物質が降り注いだ食べ物を口にした『食物連鎖』だ。いまの日本で、それは起きない」
そう断言した。「ミリシーベルト」は福島原発の正門付近で観測されている値だ。

「起きないはず」が起き

山下教授自身、被爆2世で、旧ソ連で起きた1986年のチェルノブイリ原発事故のときには、国際医療チームの一員として現地に入った。「死の灰」を浴びたウクライナと、半径300キロ以内のベラルーシ、ロシア共和国で、子どもたちの甲状腺がんが通常の3000倍にあたる約3000人に1人の高率で発症していることを突きとめた。2004年から2年間、世界保健機関(WHO)で、放射線分野のトップである専門科学官を務めた世界有数の専門家だ。

山下教授は「最悪」の事態が仮に起きても、「作業員はともかく、一般住民への健康被害はない」と言い切っていた。 この「最悪」は、格納容器が爆発し、炉内の放射性物質が大量に飛び散る場合だ。大地震を受け、6基ある東京電力福島第一原子力発電所の原子炉は次々に損壊。「起こるはずがない」とされていた「炉心溶融」が起きている可能性が指摘され、格納容器の爆発も懸念されている。

 ただ、東京大大学院工学系研究科の野村貴美特任准教授(放射線管理学)は、こう話す。
「格納容器の圧力は極めて高い。核燃料棒が溶けて水素爆発が炉内で起きたとしても、配管が損傷を受けるだろうが、格納容器自体が吹き飛ぶことは考えにくい」

だが、本当の最悪である臨界事故は起きないのか。政府や東電、そして原子力の多くの専門家たちは、「炉心溶融が起きたとしても、さすがに臨界だけは起きない」 とみている。山下教授も、そう考える一人だ。
しかし、その「臨界」の可能性までも現実のものとなった。

急性死者540人想定

避難指示や屋内退避の指示を出されている原発周辺の住民に加え、放射能汚染への不安は首都圏など原発周辺以外の人たちにも広がる。被害はどこまで予想されるか。日本では、原発の重大事故を想定した人的な被害の公的なシミュレーションがない、と言っていい。放射能が外部へ大量に放出される事故は、日本では「起きない」と政府も関係機関も電力会社も言い張ってきたからだ。

唯一の例外とされるのは日本で最初の本格的な原発「東海1号炉」が1966年に運転を開始するのに先立ち、当時の日本原子力産業会議が科学技術庁から委託された研究報告だ。東海1号炉は福島原発よりずっと小規模な16万キロワットだったが、条件によって急性死者540人、急性障害2900人、立ち退き人数3万人になるとされた。一番の心配は、原発から放出されている放射性物質がどこまで飛ぶのか、という点だ。東海地震の予想震源域にある静岡県の浜岡原発に反対する市民グループは、浜岡原発2号機が炉心溶融を起こしたと仮定し、放射能が拡散する様子をシミュレーションしている。

危ない北東からの風

シミュレーションでは、浜岡原発がある静岡県御前崎市から首都圏方向へと、南西風が吹いていると仮定した。計算に協力したのは、気象業務支援センターの鈴木基雄さんだ。放出される放射能のデータについては、京都大学原子炉実験所の小出裕重さんが作成した。この結果、放射能汚染は地元の静岡県だけでなく、首都圏まで広範囲に及び、東京都や神奈川県の大半が100ミリシーベルトを超す放射線量になった。

 では、この想定を福島原発で考えるとどうなるだろうか。
 この場合、首都圏に向かう風向きは反対の北東風だ。

 鈴木さんは言う。
「関東地方に吹く南西風と北東風では性質が異なる。北東風の場合、上空の気温の状態の違いなどにより南西風に比べて粒子が拡散されにくい特徴がある」

こうした違いによって福島原発から放出された放射能は、より高い濃度を保ったまま遠方まで到達する可能性があるという。このような計算は、もちろん、天候などの条件でも大きく異なってくる。ただ、放射能が原子炉の爆発によって上空まで吹き上げられてから風に流される場合は、さらに到達範囲が広がるという。

チエルノブイリ原発事故は、設計ミスに運転員の規則違反が重なって運転中に暴走し、爆発が起きた臨界事故である。半径30キロ圏内の住民12万人が強制避難し、事故後の消火作業で被曝した約50人が死亡した。事故による汚染地域は、原発の周辺だけに限られない。200〜300キロも離れた場所に、まるで飛び地のように、放射能による高濃度の汚染地域が大きく広がった。これはちょうど、福島原発から首都圏までに相当する距離だ。

事故と被害状況について、調査を続けてきた京都大学原子炉実験所の今中哲二さんによると、チェルノブイリの汚染面積は14.5万平方キロに及んだ。日本でいえば本州の面積の6割に相当する。住民全員が移住させられた面積は1万300平方キロ。日本の東京、神奈川、千葉の3都県を合わせた面積になる。

チェルノブイリでは

事故から20年を機にまとめられた報告書によると、放射線被曝にともなう死者の数は、将来がんで亡くなる人も含めて4000人にのぼる。この人数は、現地のベラルーシ政府からも「過小すぎる」と抗議を受け、WHOは死者数を9000人としたほか、国際がん研究機関(IARC)は 16000人とするなど、より大きな数値が相次いで発表されている。

「チェルノブイリによるがんの死亡者数の見積もりは、全世界で2万〜6万人とするのが妥当なところ」
今中さんは、そう考えている。「福島」がチェルノブイリ級の事故になると現時点で予想する専門家は少ないが、人口密度が高い日本で同じ規模の事故が起きれば、大きな被害につながりかねない。事故炉は、鉛や粘土を上空から投下して放射性物質の放出を止め、コンクリートで囲い込んでいまに至っている。放射線が、なぜ人体に影響を及ぼすかというと、高いエネルギーを持つ放射線が細胞にぶつかって壊すからだ。線量が少ないと、正常な細胞がすぐに再生してくるが、量が多いと、回復力が追いつかずに障害が現れる。

心配なのはヨウ素

 山下教授は健康被害について、どう考えているのか。
「毒性のあるプルトニウムが体内に取り込まれるとがんになる、と心配されているが、これは放射能の問題というより、金属中毒という化学毒素の意味でだ。原発から放出されたとしても金属片として飛び散るので、重たいから何キロも飛ぶことはなく、周辺で落ちてしまう。浮遊物に付着して微量のものが飛んできたとしても、たばこを吸ってがんになる可能性を実証するレベルと変わらない。問題は、ヨウ素だ」

ヨウ素は体内に入ると、甲状腺に集まる性質があり、甲状腺がんの原因になる物質だ。

「ヨウ素は揮発ガスとなって飛びやすいが、原子の個数が半分になるまでの半減期が8日と短い。臨界がとまった状況だったので、炉内の量はすでにそんなに多くはなく心配の必要はないが、仮に臨界が起きたとすると事態は変わる。炉内で大量に作られ始めることになる」

そして、こう続けた。

「がんになるには、ある程度の量が甲状腺に集まらなければならないが、甲状腺が小さくて、新陳代謝の激しい乳幼児だと集まりやすい。いまは考えにくいが、臨界事故になったとすれば、行政の指示のもと、避難所でヨウ素を体内に取り込みにくくするヨウ素剤を飲ませる事態になるかもしれない」

原発事故が起きたときの被害想定を記した、国の「原子力災害の防災指針」がある。原子力施設を周辺に持つ自治体は、これに基づいて防災対策を立てている。

チェルノブイリ事故については、こう書かれている。
「この事故は日本の原子炉と安全設計の思想が異なり、固有の安全性が十分ではなかった原子炉施設で発生した事故である。我が国で同様の事態になることは極めて考えがたい」

指針をつくっている原子力安全委員会の元委員長の一人に、「いまも、そう考えているのか」と尋ねてみた。

「チェルノブイリは運転中に起きた事故だったから、燃料からなにからすべてを吹き飛ばした。それと比べれば、いまの福島は最悪の事態でもなんでもない。ここまでの事故を想定していたかというと、想定なんてできるわけないでしょう。マグニチュード9の地震なんて日本で初めて。千年に一度の地震が起きることを、だれが想像していたか、教えてくださいよ。こんなことが起きるのは、私も不思議だ。想定外のことなんだから、思いがけないことが起きるのも当然でしょう」

「責任放棄」のような言葉が返ってきた。
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s-長崎大学教授4

   福島原発事故が起こる前のハナシ
          ↓ 
 

■平成12年2月29日長崎大学山下俊一
被爆体験を踏まえた我が国の役割−唯一の原子爆弾被災医科大学からの国際被ばく者医療協力−

チェルノブイリ原発事故後の健康問題
1986年4月26日未明、人類史上最悪の原発事故が旧ソ連邦ウクライナ共和国のチェルノブイリ原子炉4号炉で発生した。すでに14年が経過したが、数百万Ciの放射線降下物による環境汚染と一般住民の健康問題、さらに除染作業に従事した消防士や軍人の健康問題など懸案事項は今なお未解決のままである。むしろ経済状況の悪化や記憶の風化とともに、急性放射線被ばく問題から、晩発性障害に現地では論点が移りつつある。しかし、日本では、先の東海村臨界事故で再度急性放射線障害やその対策が、チェルノブイリ原発事故を教訓に問題となっている。現地の住民達は、事故後長年に渡り放射能の目に見えない影響に対して、不安を持ち続けなければならない被害者意識の中で、精神身体影響問題が大きな関心事となっている。それでは今一体チェルノブイリ周辺では何が起きているのか、著者らの10年にわたる現場での医療支援活動を元に、最近の知見について小児甲状腺がんの多発問題を中心に紹介する。

1996年4月の事故後10周年では、IAEA/EC/WHOの国際共同会議での報告どおり「チェルノブイリ周辺では1990年から激増している小児甲状腺がんのみが、唯一事故による放射線被ばくの影響である」、と世界中の科学者が合意している。

すでに外部被ばく線量が低く、主に放射性降下物の内部被ばく影響を受けているチェルノブイリ周辺の一般住民では、血液疾患の頻度は放射線との因果関係は実証しにくい現状である。現地では貧血や好酸球増加が多く見られ、免疫不全を示唆するデータの報告もあるが、いずれも放射線に起因する確かな証拠は無い。当然白血病の増加も確認されていない。

それでは何故小児甲状腺がんのみが注目されているのだろうか。幼少時期に体外からレントゲンなどの外部被ばくをうけると成人となってからの甲状腺がんの発生頻度が増加することが知られている。一方、検査や治療などで汎用されるヨード131では晩発性の甲状腺がんの発生報告は無く、一般に人においては内部被ばくによる発がんの証明はなされていない。ところが、チェルノブイリ原発事故では大量に大気中に放出された核種は大半が短半減期の放射性ヨード類であり、空気中や食物連鎖によるミルクなどを介して乳幼児に摂取されている。さらにチェルノブイリ周辺がヨード不足の地方性甲状腺腫の多発地域であることも、普段からヨード飢餓の状況にあったと考えられている。すなわち放射性ヨードの胎児や乳幼児、小児への影響とともに、慢性ヨード不足や事故後の不適切な無機ヨード剤の配布なども考慮される必要がある。

この間、チェルノブイリ笹川プロジェクトが1991年5月から1996年4月までの5年間で現地周辺12万人の調査解析を終了し、その検診結果をすべて報告している。その後も著者らは本事業に10年間近く関わってきたが、現在、本プロジェクトの成果が最も信頼できる最大規模の臨床データを蓄積している。本活動の特徴は、

(射線感受性の高い子供(事故当時0-10歳)を対象とした健康調査を行い、今後の対策の基本となる正確な情報の収集と住民への正しい知識の伝播につとめ、

広島、長崎の原爆被爆経験と実績を元に、同一診断基準と統一された検診プロトコールを用いて、甲状腺と血液異常の診断に主眼をおき、

9垢紡瞭眸鑁線量の現状評価をセシウム137を測定し対応したことである。チェルノブイリ周辺では事故当時20歳以下の人工構成は100万人と推定され、広範な地域に居住地域が散在するために、ベラルーシ共和国では、ゴメリ州ゴメリ市、モギュロフ州モギュロフ市、ロシア連邦ではブリヤンスク州クリンシー市、ウクライナ共和国ではキエフ州キエフ市、ジトミール州コロステン市の5基幹センターを設置し、検診バスを用いて活動を行った。すべての対象者には、問診表とデータ登録が行われ、甲状腺超音波画像診断、血液学検査、血液スメアの保存、血清TSH,freeT4濃度の測定、血清保存が行われ、異常者は二次スクリーニングで超音波診断の再検査と、エコー下吸引穿刺針生検と細胞診が施行された。

1.甲状腺検診の結果
すでに詳細は日本語、英語でまとめられているが、その結果を各種甲状腺疾患の頻度として表1に示す。12万人の検診は、統一された診断基準で行われたが、特にゴメリ州において高頻度な画像異常と甲状腺結節を見出している。その中でも60例以上の小児甲状腺がんを発見した。最も放射線汚染が深刻なこのゴメリ州における最近までの年次別甲状腺がんの発見数(手術で確認されたベラルーシがん登録BelCMT)は表2に示すが、その多くは事故当時0から5歳の年齢層に集中している。この事実は、今後もこの地域のこの年齢群を甲状腺がんのハイ・リスク・グループとして注意深いフォローアップが必要である。

2.小児甲状腺がんの特徴
甲状腺検診で問題になるのは、発見されたがん甲状腺結節や異常甲状腺エコー所見の取り扱いである。これら結節患者にエコーガイド下吸引針生検と細胞診を試みると7%に甲状腺がん(大部分は乳頭がん)が発見される。すでにこれらの患者の半数以上が周辺リンパ節転移を認め、術後のヨード131治療を必要としている。中には肺などへの遠隔転移も認められている。病理学的には、硬化型、繊維化病変が多く見られ、砂粒状石灰化や浸潤傾向が強い。幸いなことに、術後のヨード131治療の効果が非常に良いのも特徴の一つであり、長年にわたる注意深い観察治療が必要である。

3.小児甲状腺がんの遺伝子異常
正常甲状腺には発現しないret/PTC遺伝子再配列産物が、チェルノブイリ周辺の小児甲状腺乳頭がん組織に高頻度に証明されている。特にタイプ3のret/PTC3が高頻度に見出され、放射線障害との関係で研究が進んでいる。これら受容体型チロシンキナーゼ遺伝子類の再配列異常に関しては、他にもNGF受容体やAxl受容体などの遺伝子異常が注目されている。しかし、rasやp53などの遺伝子異常の報告はない。

4.今後の展望
チェルノブイリ周辺住民の事故による直接外部被ばく線量は低く、白血病などの血液障害は発生していないが、放射線降下物の影響により、放射性ヨードなどによる急性内部被ばくや、半減期の長いセシウム137などによる慢性持続性低線量被ばくの問題が危惧される。現在、特に小児甲状腺がんが注目されているが、今後、青年から成人の甲状腺がんの増加や、他の乳がんや肺がんの発生頻度増加が懸念されている。長期にわたる国際協調の下での、協力、支援活動が必要であり、今後とも唯一の原子爆弾被ばく国の責務として、現地への貢献が望まれている。

最後にチェルノブイリの教訓を過去のものとすることなく、「転ばぬ先の杖」としての守りの科学の重要性を普段から認識する必要がある。


   どこがニコニコ笑ってる人は、。。。
         ↓
   放射線の影響は、実はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます。

   これは明確な動物実験でわかっています。酒飲みの方が幸か不幸か、放射線の影響

   少ないんですね。決して飲めということではありませんよ。笑いが皆様方の放射線

   恐怖症を取り除きます。でも、その笑いを学問的に、科学的に説明しうるだけの情報

   の提供がいま非常に少ないんです。是非、今の私の話を聞いて、疑問が沢山あると

   思いますから沢山質問してください。これは講演会でも講義でもないんです。

   皆様と私のキャッチボールなんですね
         ↓
   国民を愚弄するのも、いい加減にせんかい、である!



   福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーが
   原子力損害賠償紛争審査会の委員をやってまともな審査が出来るのか?
   欺瞞に満ち満ちてはいないか!
         ↓


   ■原子力損害賠償紛争審査会 委員
   大塚 直   早稲田大学大学院 法務研究科 教授
   鎌田 薫   早稲田大学総長、早稲田大学大学院 法務研究科 教授
   草間 朋子  大分県立看護科学大学 学長
   高橋 滋   一橋大学大学院 法学研究科 教授
   田中 俊一  財団法人 高度情報科学技術研究機構 会長
   中島 肇   桐蔭横浜大学 法科大学院 教授/弁護士
   能見 善久  学習院大学 法務研究科 教授
   野村 豊弘  学習院大学 法学部 法学科 教授
   山下 俊一  長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 研究科長
   米倉 義晴  放射線医学総合研究所 理事長

   ★山下 俊一(やました・しゅんいち)教授
    長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 附属原爆後障害医療研究施設 教授
    世界保健機関(WHO)緊急被曝(ひばく)医療協力研究センター長
    日本甲状腺学会理事長
    ※現在、福島県知事の要請で、放射線健康リスク管理アドバイザーとして
      現地の被ばく医療に従事している。



   さぁ、医師会の正式な見解にどう反論されるか?

   見届けましょうぞ!

     

文部科学省「福島県内の学校・校庭等の利用判断における 暫定的な考え方」に対する日本医師会の見解
                                    社団法人 日本医師会

文部科学省は、4 月 19 日付けで、福島県内の学校の校庭利用等に係る限界放射線量を示す通知を福島県知事、福島県教育委員会等に対して発出した。 この通知では、幼児、児童、生徒が受ける放射線量の限界を年間20 ミリシーベルトと暫定的に規定している。そこから 16 時間が屋内(木造)、8 時間が屋外という生活パターンを想定して、1 時間当たりの限界空間線量率を屋外 3.8 マイクロシーベルト、屋内 1.52 マイクロシーベルトとし、これを下回る学校では年間 20 ミリシーベルトを超えることはないとしている。

しかし、そもそもこの数値の根拠としている国際放射線防護委員会(ICRP)が 3 月 21 日に発表した声明では「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1〜20 ミリシーベルト/年の範囲で考えることも可能」としているにすぎない。この 1〜20 ミリシーベルトを最大値の 20 ミリシーベルトとして扱った科学的根拠が不明確である。また成人と比較し、成長期にある子どもたちの放射線感受性の高さを考慮すると、国の対応はより慎重であるべきと考える。

成人についてももちろんであるが、とくに小児については、可能な限り放射線被曝量を減らすことに最大限の努力をすることが国の責務であり、これにより子どもたちの生命と健康を守ることこそが求められている。

国は幼稚園・保育園の園庭、学校の校庭、公園等の表面の土を入れ替えるなど環境の改善方法について、福島県下の学校等の設置者に対して検討を進めるよう通知を出したが、国として責任をもって対応することが必要である。国ができうる最速・最大の方法で、子どもたちの放射線被曝量の減少に努めることを強く求めるものである。


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