土曜の夕方から真田丸で盛り上がる上田に。千曲川流域学会が主催するシンポジウムに参加してきました。
会場は「上田映劇」という古い映画館。潰さないで活用しようと、街の人たちが工夫して存続させているとのこと。ちょっと昔の映画館の匂いがしてノスタルジックな世界でした。こんなところにも「在るものを大事にしよう」という上田の人たちの気持ちが感じられます。(足元が大分寒くて困りましたが)

お目当ては藻谷浩介さんの講演だったのですが、実はもう一人の講演者菅野芳秀さんの熱い想いに触れられた事が一番の収穫になりました。山形県の置賜地域で食とエネルギーの自給圏づくりをリードする菅野さんの講演の内容はもちろん勉強になったのですが、圧巻は講演の後のシンポジウム(というか座談会的な流れ)での菅野さんのお話し。「俺たちがやらなければ、」という強い意志と熱い想いで20年計画で自給圏づくりを進めている迫力が客席の私にまで直接届き、胸が熱くなる思いでした。

おそらく日本国内で唯一進められている「自給圏づくり」。
藻谷さんのデータを駆使した講演で、「今、やらなければならない事」や「進むべき方向」はとても明確に解るのですが、藻谷さんの本を読んだ後と同様に「で、どのように人を動かすか?」という疑問への回答は見いだせません。

座談会の中で菅野さんが「市を変えるのなら市長になれば良い。でも選挙には落選というリスクがある。それは大変。そこで私は”市民”を中心とした活動を起こすことを選択した。」と仰いました。
私が3年前に市長選挙に立候補したのも「市を変えたかった。」からです。そしてそのリスクを真っ向からかぶって落選しました。
その後、私は次の選挙に備え活動を継続していますが、それは政策作りや自分を知ってもらうための活動であり、市民生活を直接向上させるための市民活動、行動ではありません。
海外での開発支援の経験から、その地域住民が自立的に行動を起こす状態を創る難しさを知り、その能力を持ち得ていない自分は、市長という立場から社会を変革するというアプローチのほうが向いていると考えたからです。

9時半からの懇親会で上田の酒を飲みながら菅野さんに聞いてみました。
「私はリスクを負って落選しました。もう一度リスクを負います。でも受かっても受からなくても、菅野さんのやっている自給圏づくりは佐久にも導入したい。菅野さんのお話しには”人をその気にさせ動かす”という私の一番知りたいところが抜けていました。ちょこっとでいいから教えていただけませんか?」
「そう、そこが一番大事なところ。今日もお話ししたかったんだけれど時間が短すぎて中途半端になっちゃった。それ、ゆっくり話しましょう。また6月に上田に来ますから。まあ、一番大事なのは”ココ”」とハートを指さした菅野さんの優しい表情は忘れられません。

もう11時を過ぎて佐久に戻る時間。6月に再会してお話を伺うことを約束して会場を後にしました。

一度山形までお邪魔して置賜の現場を見てみたいなあ。藻谷さんのお話の中で東根市も良い街づくりをしていると言ってたなあ。東根で市会議員をやっている元JICA職員の白井さんを訪ねて視察して、その足で一緒に置賜に行ってみようか?

191㎝のがっしりした菅野さんの手は私の倍は厚くて、まさにご自分で仰る通りの”百姓”の手でした。この手と熱い思いが、地域の人の心を動かし行動させているんだなあ、と感動の握手でした。