暖かくなりました。
横根でのお話し会はストーブなしで、座布団車座。

「僕、市長選挙も、市会議員選挙も興味なかったんですけれど、チラシに花里さんがもともとは土木専門だって書いてあったんで、興味が沸いてきてみました。大丈夫ですか?」
と、開始時間ぎりぎりに来てくれたのは、30代後半くらいの土木エンジニア。いろいろな意見交換ができました。首都圏から越してきたという彼の眼に佐久がどう映っているかというのは、佐久の政策を考えるうえで大変参考になります。
・市役所の窓口対応がすごく悪いですね。まるで上から目線で対応されました。市役所職員にとって、窓口に訪れる市民はお客さんのはず、以前住んでいた町と比べて最悪です。
・観光で人を呼んで外貨を稼ぐってよく言いますが、佐久市の観光名所って何ですか?人を呼んでお金を落としてもらえる場所があるんですか?新たにそういうものを作ろうとするより、今ある、川や山(魚や山菜)、農業をもっと有効に都会の人に楽しんでもらえる工夫をしたほうが現実的だと思います。佐久の人が「観光に良い」と思うものと、都会の人が良いと思うものは違うかもしれません。
・上下水道料金がものすごく高いです。

続いて、75歳の誕生日を迎え「後期高齢者になったよ。」と話し出した男性。
・佐久に越してきて50年たったけれど、佐久は良くならないね。特にここのところ、佐久市がどこに向かって行っているのか解らないよ。うちは9人家族で、ほかの家よりにぎやかに楽しく暮らしているけれど、孫たちのために、地域社会のために、今どんな行動をとったら良いのか全然わからない。住む街を良くしたいとみんな思っているはずなのに、市の職員たちからはそんな気持ちは伝わってこない。市の政策からも市民のための街づくりという意欲も気力も伝わってこない。もっと明確なビジョンを掲げてくれたら、私だってなんかの役に立てると思うし、立ちたいんだよ。後期高齢者なんて言って家に引っ込んでいるわけにはいかなんだよ。こんなこと考えてるばかりでストレスがたまっちゃうんだよ。あなた、早く何とかして、私にすべきことを教えてよ。

実は、お話し会の直前におやつを食べたたこ焼き屋さんでお会いした初老の女性。関西のほうから2年前に佐久に引っ越してきて、「騙されて騙されて、もう佐久は嫌だ。好きであこがれてきたけれどここにはもう住めない。よそ者をだます土地にはもう住めない。」と悲しげに語ってくれました。最初は話すのを躊躇っていましたが、少しづつ苦労をした話をしてくれました。どうも、佐久の事情に不慣れなのに付け込んだ不動産屋さんに2度も騙されたこと。その件に対する行政の対応や周りの人の対応、すべてが受け入れがたかったようです。
せっかく佐久を好きになって移住してきてくれた人たちを、ここに住む我々が率先して気遣い敬愛しないで、Iターン促進なんて言えたものではありません。
たぶん、たまったストレスを吐き出す場もなかったのでしょう。話し終えた彼女は少し笑顔でほっとした優しい顔立ちに戻っていました。

昔から、「よそ者に厳しい土地」「なかなか仲間に入れてもらえない地域」だと言われている佐久地方です。ここで産まれここで育ち、家も建て、子供も地元の学校に通わせていた私でさえ、3年前の選挙の時に”よそもの”だとか”落下傘候補”だとかの表現で疎まれたのを思い出します。佐久を離れた時間が長かったから。
ですから、まるっきりの”よそもの”が佐久に来て馴染むのは苦労がいるかもしれません。

我々が人口の社会増(移住)を望むなら、佐久に住もうとする人たちが感じうる違和感を冷静な視点から評価して、我々の接し方を工夫する必要があるのではないでしょうか?

これは、佐久に移り住もうとする日本人にだけではなくて、今後その可能性が高まる海外からの移転や移住の場合にもすべからく当てはまることだと思います。