芹ヶ谷だより

美術館スタッフが皆さまにお届けします。

2014年07月

夏だ!美術館を楽しもう (子ども向けイベント等のご案内)

真夏の日差しの中、子どもたちの歓声が響く芹ヶ谷公園。そこから美術館のエントランスに一歩入ると、静けさとひんやりした空気が漂います。そして、目に飛び込むのは色鮮やかな虹ののぼり旗。

ボランティア写真
ボランティアのみなさん

上の写真は、開催中の「夏休みわくわく☆ワークシート2014」で答え合わせをするボランティアのみなさんです。このイベントは夏休み期間中(7/19~8/31)に開催される企画展を見ながら楽しいワークシートに挑戦するものです(8/4~8/9は展示替のためお休み)。ご参加いただいた方には、美術館と版画がもっと好きになるかわいいミニブックをプレゼント♪お家へのおみやげにもなります。

詳しくはこちらをご覧下さい。

また、市民展示室B室では、夏期子ども講座を受講した小学生と、楽しく指導してくれた大学生の展覧会を下記の日程で開催します。

「版画でつくろう!2014夏☆Tシャツ」展
  • 会 期 : 8月5日(火)~8月10日(日)午前10時~午後5時
    8/5は午後1時から、8/9は午後5時半まで、8/10は午後1時まで
  • 会 場 : 市民展示室B室

14夏期子1夏期子3
今年の夏期子ども講座の様子

この夏、小学3~6年生30人がスクリーンプリントという技法で制作したTシャツと、巨大な共同制作を展示します。併せて、指導してくれた東京学芸大学の学生さんの作品もご覧いただけます。

静かで涼しい美術館を満喫したら、また元気に芹ヶ谷公園で遊ぶのもよし!
夏休みの思い出づくりにどうぞおいでください。

関野洋作氏のギャラリートーク

「生誕百年 関野凖一郎」展もいよいよ終盤。
全3回のギャラリートークの最終回は、版画家の関野洋作氏の登場です。

Up

 芹ヶ谷だよりでもくりかえしご紹介しているように、関野凖一郎の次男で制作助手をつとめた洋作さん。
技法、主題、そして思い出にまつわることなど、さまざまな角度から話して下さいました。

たとえば肖像画について。

まず技法的な面からのお話。
木版を刷り重ねて人物を立体的に表現する方法は恩地幸四郎に学んだもの。重要なのは顔、とりわけ「しわ」がポイントになると教わったそうです。
どのような色版をつくるのか、絵具はどのように使うのか、父の制作を目近にし、作業をともにしてきた手伝ってきた方ならではの具体的な説明でした。
 
堀口大学像

そして作品にまつわる思い出。
この作品のモデルである詩人の堀口大學は洋作さんに、「お父さんは天才だ。天才というのは努力をせずにはいられない人のことをいうんだ。」と話していたそうです。

『東海道五十三次』や『奥の細道版画柵』といった街道ものの取材では、洋作さんの運転で各地を回りました。
並んでスケッチするといつもお父さんが先に描き上げ、洋作さんは途中のまま次の場所へと出発しなくてはならなかったとか。

版画を見る人にも制作する人にも、たいへん興味深く、示唆にとんだお話で、たくさんのお客さまが最後まで熱心にお聞き下さいました。
終始なごやかな雰囲気でした。
 
photo

最後のイベントは8月2日のプロムナードコンサートです。
会期ものこりあとわずか。ぜひ、会場にお出かけ下さい!

音楽鑑賞はいかがですか?

現在、当美術館では「生誕百年 関野凖一郎展」が開催されており、連日多くのお客様にご来館頂いております。
その関野展も残すところ、あとわずかとなりました!!

そんな中、関野展の最後を締めくくるイベントである、プロムナード・コンサートが当館エントランスホールにて、8月2日(土)に開催されます。

これは関野展の関連イベントのひとつであり、関野氏の重要な主題である「旅」と「夏」をテーマにしたピアノのコンサートです。

演奏は町田市出身で、現在はウィーンで音楽を勉強されている若手実力派ピアニストの山口友由実(やまぐちゆうみ)さんです。

山口さんの奏でる音楽とともに旅をし、関野氏の作品に思いを馳せてみませんか。

演奏画像 山口友由実 写真
(山口さんによるプロムナード・コンサートの様子:2013/07/15)                  (山口友由実さん)

入場料は無料で、申込も不要ですので、ぜひお気軽にお越しください!!

詳細はこちらをご覧ください。   

トークイベント開催しました。

7月21日海の日に、関野洋作氏によるトーク・イベントが開かれました。
関野凖一郎の次男で、父の制作助手を長年つとめられた洋作氏は、自身も版画家として活躍されています。今回は自作の刷りをまじえながら、関野凖一郎についてお話いただきました。
 
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「生誕百年 関野凖一郎」展にも展示されていますが、洋作氏の作品の特長は精緻な彫りと華やかな色彩、そしてすみずみまで神経の行き届いた見事な刷りにあります。今回お持ちいただいたのは、16版も重ねて咲き誇るひまわりを描いた作品です。
  
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いよいよ実演。
いつもお使いの道具一式をご自宅からお持ちいただきました。お父様の代から使い続けているものもあるとのこと。

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メモや写真を撮られるお客さまも多く、みな熱心にご覧になられていたのが印象的でした。

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途中で上着を脱がれ、3枚の版を刷って見せて下さいました。

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版を重ねていく時に、絵がずれないようにする見当合せ。神経を使う作業ですが、やすやす、かつぴったりと刷り重ねていきます! 
それでも何版も重ねて、大きな作品を完成させるのは本当にたいへん。展示室に並ぶ関野凖一郎の色とりどりの作品は、親子の膨大な努力あっての作品群なんだと実感させられました。

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今週の日曜日、7月27日14時からは、関野洋作氏によるギャラリートークがあります。
こんどは展示室で作品を前にして、父・関野凖一郎についてのお話がうかがえます。
ぜひご来場下さい!


親子競演

関野凖一郎の作品は、1970年代から装飾性をまし、華やかに鮮やかになっていきます。

1970 醍醐花篝
 
たとえば「醍醐花篝(だいごはなかがり)」(1970年)。
京都・醍醐寺の満開の桜が、夜のかがり火に照らされうかびあがる様を描いた、幻想的な作品です。

1986 伊豆の踊子
 
文学作品に題材をとった「伊豆の踊子」(1986年)。
背景の金屏風が、踊子の初々しさをひきたてます。


1971年から関野の助手を務めたのが、次男の関野洋作氏。
父が思い描く世界を、美しく華やかな作品として実現させる大きな力となりました。

展覧会の最後は花を描いた作品で親子競演となっています。

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関野凖一郎「四季の花」(1973年)

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関野洋作「牡丹」(2012年)

関野洋作氏によるふたつのイベントが予定されています。
7月21日(月・祝)13:30からのトーク・イベントでは、版画家として活躍されている洋作氏に、木版画の刷りの実演をまじえながら、父・凖一郎の版画制作について語っていただきます。

7月28日(日)14:00からは、展覧会場でのギャラリー・トークを予定しています。実際の作品を前に、ご子息であり助手であった洋作氏ならではのお話をうかがえることでしょう。

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