皆さんは、「謄写版(とうしゃばん)」をご存知ですか?
通称、ガリ版と呼ばれ昭和期に学校教育などで多く用いられた印刷技術です。
最近はパソコンや、プリンターの普及で見られなくなってしまった印刷技術ですが、
レトロな版画表現としてとても注目を集めています。
一体どんな作品を作ることができるのでしょう?

美術館では、今ピックアップしたい技法として2月13日、20日、27日の金曜日に、
この新しくて懐かしい謄写版講座を開催しました。
講師は版画家の神﨑智子先生です。

謄写版で文字は書いたことがあるという受講生もいましたが
絵を描くというのは初めての方ばかり。
とても熱心に講座に取り組んでいました。

謄写版①

まず、和紙にロウを引いた「ロウ原紙」を鉄のヤスリ板の上におきます。
鉄筆でおしつけつけるように絵を描いていきます。
すると、ロウ原紙に孔(あな)があきます。このとき、とても心地のいいガリガ
リ・・・
という音がするので「ガリ版」と呼ばれています。

謄写版②

そのロウ原紙を刷り台にセットして、インクを付けたローラーで刷ってみると・・・

謄写版③

このように、孔のあいた所にインクが通り、紙に印刷することができます。

謄写版④

ご覧ください!受講生の皆さんが制作した作品の1部です。
色をつけたり、塗りつぶしたりと、こんなに色んな作品ができるんですね!

謄写版⑤

もっと謄写版について知りたい!!という方。
講師の神﨑智子先生が開設しているホームページを紹介いたします。

神﨑智子先生による謄写版情報のホームページ

版画美術館では、このように版画の技法を親しんでもらうため、
いろいろな講座を開催しています。

現在美術館は休館しておりますが、新しい講座の準備を進めています。
今年度の講座はこちらをごらんください。

みなさんも版画をはじめてみませんか?