芹ヶ谷だより

美術館スタッフが皆さまにお届けします。

2016年06月

講座受講生作品展

当館では5月24日(火)から29日(日)まで市民展示室にて恒例の「講座受講生作品展」を開催し、多くの方にご来場いただきました。

   

この展覧会は2015年度に当館が実施した創作講座(長期の版画実技講座)の受講生が、その成果を発表するものです。
今回は受講生23名が参加し、銅版画・木版画あわせて43点を展示しました。

   

熱心にご指導いただいた講師の岡さなえ先生(銅版画)、内山良子先生(木版画)にもご出品いただきました。

展示ケース内では、版画の道具を展示したり、技法を解説したりしています。
こちらも毎回好評です。

   

現在、国際版画美術館では7月9日から始まる企画展「諷刺画って面白い?」「小野忠重コレクション展 近代日本版画」の準備が進んでいます。

常設展示室のミニ企画展「摺物(すりもの)」は、一足はやく6/29(水)からのスタートです。

雨が多い季節ですが、雨の日にこそ美術館に行ってみませんか?

   














常設展示:西洋の木版画

「森羅万象を刻む」展も好評のうちに終了いたしました。
たくさんのご来場、ありがとうございました。


さて、常設展示室は626()までの会期で、
1520世紀のヨーロッパの作品による「西洋の木版画」を開催中です。

西洋の木版画の起源は1400年前後にさかのぼるといわれます。
早くも1400年代末にはデューラーが登場、あっという間に頂点をきわめます。
「森羅万象に刻む」展に出品された銅版画作品もみごとでしたが、
木版画も素晴らしいの一語に尽きます!


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アルブレヒト・デューラー『黙示録』より「ユーフラテス河畔の四人の天使
1511年刊


しかし、このあと次第にヨーロッパの版画の主流は銅版画に移っていってしまいます。
ふたたび木版画に注目があつまるのは19世紀中頃のこと。
それには日本美術の影響が大きいといわれます。
 

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オーギュスト・ルペール「砕ける波、九月の潮、サン・ジャン・デ・モン」 1901年


浮世絵みたいな木版画が作りたい!
版木も道具も、紙も絵具も、何をどうしていいか分からないところから出発し、
試行錯誤の末に完成させた木版多色刷りの作品。なんともいじらしいではないですか!


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多色刷りではなくても、平面を意識した表現に日本美術の影響が感じられます。
こちらはヴァロットンの作品、2014年に三菱一号館で開催された展覧会は記憶に新しいですね。


今回のハイライトはゴーギャンの木版画。ノアノア連作を中心に10点を展示しています。


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技術的にはお世辞にも上手とは言えないけれど、現実の奥にある目に見えない真実を感じさせる、
その力強い表現はドイツ表現主義の画家たちにも大きな影響を与えました。

キルヒナー町田-2

 
エルンスト・ルードヴィヒ・キルヒナー「脱穀する人」 1922年


そのドイツから、1960年代に日本にやってきたシュマイサーは、日本の伝統的な道具と和紙を用いて、日本の伝説に取材した作品を制作しています。


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ヨルク・シュマイサー『日本の伝説』より「天狗松と武五郎」1972年


木版という技法を通して、日本とヨーロッパが影響を与えたり与えられたり、その展開が興味深いですね。


 

 

美術館で夏休み -夏期子ども講座のご案内-

夏休みの国際版画美術館は、子ども向けの講座やイベントが盛り沢山!

6月から募集が始まる講座をご紹介します。


夏期子ども講座「版画でオリジナル化石をつくってみよう!2016」

講座日時:7月23、24日(土・日)10:30~16:00

対象:両日とも参加できる小学3~6年生

定員:20名

受講料:2000円

講座の申し込み方法など、詳細はこちら 

版画で化石をつくる?しかもオリジナル??

はてなマークが飛び交う方は、去年の芹ヶ谷だより ご覧ください。

なーんだ、去年とおんなじか…と思われた…違うんです

化石版画
化石ができた!

 
紙にも印刷
紙にも刷りました

 

この講座東京学芸大学と国際版画美術館が連携して開催しています。

教員を目指す大学生視点には「なるほど」という点がたくさんあり、

よりわかりやすく・楽しく版画と美術に触れる工夫、そして熱意はさすが!

受講生もお兄さん・お姉さんに作り方を教えてもらって、とても楽しそうです。



 大学生と楽しく印刷
大学生と一緒に楽しく印刷♪



かっこいい石膏のオブジェと版画作品が完成して、夏休みの宿題も解決!!お家に飾れるのも素敵です。

去年参加したも、参加できなかったも、ぜひご応募お待ちしています


このほかの子ども向け講座やイベントの詳細は7月にご紹介します。

どうぞお楽しみに! 


 

「森羅万象を刻む」展は6月19日まで!

大好評の「森羅万象を刻む」展ですが
会期も残りわずかとなってきました。


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今回は会場の様子をご紹介します。

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エングレーヴィング(直刻銅版画)と
木口木版画をご紹介する本展では
原版や道具もあわせて展示しています。



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展示作品も充実しています。
エングレーヴィングの
最高傑作ともいわれる
アルブレヒトデューラーの
「メレンコリア I」をはじめ…



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超絶技巧ともいうべき
手業でつくられた
クロード・メランの「聖顔」
など…

一押しの作品は
色付きパネルの上に
展示していますので
お見逃しなく!!


さいごに展示作品の
細部をご紹介します。
会場でルーペを片手に
探してみてください!

※ルーペは会場入口で
 貸し出しています。


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ヴァイオリンとピアノのコンサート

5月28日(土)に今年度最初のプロムナード・コンサートを開催しました。

このコンサートは「森羅万象を刻む-デューラーから柄澤齊へ」展の関連イベントとなります。

当日は天候にも恵まれて、250人を超える方々にお越しいただくことができました。

演奏者は2013年春にヴァイオリンの真野謡子さんと、ピアノの後藤加奈さんで結成されたデュオ・イリス。

お二人は関東を中心に、コンサートホール、公民館、教会など、様々な場所で演奏活動をされております。

画像①

お二人の息の合った素晴らしい演奏で、会場の方々も熱心に聴き入っていました。

画像②

コンサートホールとはまた違った開放された環境で、ヴァイオリンとピアノの素敵な音色が館に響き渡りました。

次回のプロムナード・コンサートは「諷刺画って面白い? / 小野忠重コレクション展 近代日本版画」の会期中に、市内の大学とのコラボにて開催します。
詳細は当館のホームページをご覧ください。

ぜひお楽しみに!!

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