最終回の11月11日は銅版画家の小野修平氏に、シュマイサーの技法についてお話いただきました。
たくさんの方がご参加下さいました。
今回の展示では、技法にとらわれず作品を見てほしいというシュマイサー自身のやり方に従って、キャプションに細かな技法は記載しませんでした。
「作品に集中して見ることができた」と概ね好評でしたが、「どうやって作ったのだろう?」と技法に関心をもたれる方も多かったことがうかがえます。
さまざまな技法がある銅版画。
エッチングやドライポイントなど、カタカナの名称もなんだかとっつきにくいですよね。
卓越した技術の持主と評されるシュマイサーの技法はさらに複雑です。
シュマイサーの多色刷り技法について論文も書かれている小野氏。刷り見本をまじえた、たいへん分かりやすい解説をしていただきました!
版を複雑に組み合わせた多色刷りや、ドローイングや手彩色を大胆に加えた作品、シュマイサーは実に多彩な制作をしています。どうしてこうした方法を選んだのか、制作者の立場からシュマイサーの気持ちを推測する小野氏のお話は印象深く、手を動かすことでしか分からないことがあるのだと感じました。
4回にわたり開催した特別ギャラリートーク。
それぞれのテーマについて深い知識を有する先生方のお話は、参考になったという以上に、作品を見るうえでの新鮮な視点を開かせてくれました。
専門家の話を聞くのが大好きだったというシュマイサー。その気持ちがわかるような気がします。
講師のみなさま、素晴らしいトークをありがとうございました。