芹ヶ谷だより

美術館スタッフが皆さまにお届けします。

2019年10月

館長かわら版 その三

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 「美人画の時代―春信から歌麿、そして清方へ―」がオープンしました。チラシやポスターのキャッチコピーに「輝ける、浮世絵黄金期」と謳っていますが、現在の浮世絵研究者にほぼ共通する理解では、天明(1781~1789)と寛政(1789~1801)、すなわち18世紀の最後の20年を指しています。この時代、浮世絵の美人画では二人の巨匠が活躍しました。天明年間を代表するのは鳥居清長、寛政年間は喜多川歌麿です。

 清長は均整のとれた八頭身のプロポーションを持つ美人様式をつくりあげ、アーネスト・F・フェノロサから浮世絵の最高峰と評価されました。フェノロサは、清長が描く美人をギリシャ彫刻に比肩するとまでほめ称えています。歌麿は人物の上半身をクローズアップする「大首絵」形式を美人画に導入し、類型的な容貌表現が当たり前だった時代に、モデルごとの容貌の差違を描き分けるという画期的な作画姿勢を見せます。また鋭い観察眼で女性のさりげない仕草を巧みにとらえ、匂い立つような色香をたたえる美人画を描き上げています。このように、両者の描く美人画は、まさに「黄金時代」の輝きを放つといって過言ではないのです。

 ただ、黄金(gold)が高い価値を有するのは、そのまばゆい輝きだけではありません。有史以来の全採掘量を合わせても競泳用プール数杯分にしかならないといわれるその希少性も、金の価値を高めているのです。

 同様のことは、清長や歌麿ら「黄金期」の絵師たちの錦絵にも当てはまります。版画ですから個々の作品は相当枚数摺られたはずですが、葛飾北斎や歌川広重ら江戸末期の絵師の作品に比べると、今日残っているそれぞれの作品枚数ははるかに少ないのです。作品によっては、世界に2,3枚しか確認されていないということもざらです。一方、北斎の「冨嶽三十六景」や広重の「東海道五拾三次」中の図では、3桁の単位で残っているものも珍しくないでしょう。時を経る中で亡失した割合を考えても、その差は大きすぎます。おそらく18世紀後期の錦絵と、急速にメディア性を強めていく江戸末期以降の錦絵とでは、もともと摺られた枚数の桁が違っていたのではないかと思われます。

 というわけで、今回の展覧会ではその稀少な黄金期の美人画がまとまって鑑賞できる絶好の機会です。いい季節にもなりますので、芹ヶ谷公園の散策も兼ねて是非美術館に足をお運びください。


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大久保純一(おおくぼじゅんいち 町田市立国際版画美術館館長)

シェアサイクルでスポーツの秋を体感したら、 版画美術館で文化の秋を満喫しよう!


2019年4月24日から始まったシェアサイクル社会実験
シェアサイクルを利用して版画美術館に来るお客様も増えてきています。
     
版画美術館での芸術鑑賞とあわせて、シェアサイクルで市内名所めぐりを楽しめば、気が付かなかった町田の魅力に触れられるかもしれません。
以下、10月初旬・市内名所めぐり第3弾の体験レポートをご覧ください。
(第1回はこちら。第2回はこちら)。

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南市民センターのサイクルポートから出発。
南市民センター


堂之坂公園に到着。この公園には水琴窟があるんです!
堂之坂公園


堂之坂公園 紅葉 水箏窟

紅葉もまだまだのよう。
暑さの残る昼間、琴と鈴をまぜたかのような音色に涼しさを感じました。


東雲寺に到着。このお寺には珍しいお釈迦様がいらっしゃいます。

東雲寺1

釈迦堂 市指定有形文化財誕生釈迦仏立像(東雲寺)

7世紀白鳳時代に作られたお釈迦様の像で、関東以北で発見されるのは大変珍しいとか。
また、左手を挙げているお姿も、珍しいそうです。


参拝後は、恩田川サイクリングロードを通って、版画美術館へ!
恩田川 恩田川と自転車

恩田川には、ところどころ川に降りられる場所があります。
シェアサイクルを停めて水面を感じながらの小休止もよいものですね。


版画美術館に到着しました。
版画美術館

企画展「美人画の時代  ―春信から歌麿、そして清方へ―」では、
より多くのお客様に芸術の秋を楽しんでもらいたいと、様々な割引制度を設けています。
その1つにシェアサイクル割引があります。
シェアサイクル利用のお客様は、受付でアプリ画面を見せてください。
来館当日の利用であれば、100円の割引となります。

シェアサイクルなら、スポーツの秋も文化の秋も楽しめますよ!

青春がはじけたコンサートでした

9月7日(土)に、
プロムナード・コンサート「ふめんのきおく おとののぉと」を開催しました。

この企画展「町田芹ヶ谷えごのき縁起」ではエントランスホールに特設スタジオを設置し
「きのおくのきおく きおくのおくのき」に耳を澄ませて作る版画を
来館者の皆さんと共に制作していました。

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今回のプロムナード・コンサートでは、
木の幹に見立てた特設スタジオをお客様が囲むようにし、
版画と音楽をより身近に感じてもらようにしました。

第1部は玉川大学 芸術学部の演奏です。
第1部 ピアノ連弾         第1部 ソプラノ独唱
ピアノ連弾                 ソプラノ独唱

第1部 ピアノ独奏
ピアノ独奏

2部は桜美林大学 芸術文化学群 音楽専修の演奏です。
第2部 町田市立国際版画美術館のファンファーレ         第2部 ピアノ連弾
町田市立国際版画美術館のファンファーレ     ピアノ連弾

第2部 ピアノと器楽
ピアノと器楽

昨年度大好評だった「町田市立国際版画美術館のファンファーレ」から始まり、
ピアノ連弾やピアノと器楽の演奏など、
多彩な楽器が楽しめる時間となりました。



次回のプロムナード・コンサートは11月16日(土)
「浮世絵と響きあう音楽 -和と洋の楽器で-」をお届けします。
和の楽器「箏(こと)・三絃(しゃみせん)」と洋の楽器「フルート ・ ピアノ」が織り成す世界を
「美人画の時代 ―春信から歌麿、そして清方へ―」展とあわせてお楽しみください。

ギャラリー
  • 館長かわら版 その六
  • 小学校書写展がはじまりました。
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  • 元気いっぱい。小学生の作品展が始まりました。
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  • 館長かわら版 その五
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  • 中学生の力作を見に来ませんか?
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  • 館長かわら版 その四
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