世界を旅し、その経験から作品を制作したシュマイサー。彼が訪ねた地には、気軽には行かれない場所も多く含まれています。そうした場所を実際に訪ねた方を講師にお招きして、作品の前でその魅力を語っていただく企画が「特別ギャラリートーク・シュマイサーが訪ねた地」です。

10月21日の第1回に取上げたのは「南極」。講師は立川市にある国立極地研究所の橋田元氏です。観測のため南極を何度も訪ね、昭和基地での越冬も体験されている研究者です。

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まず講堂で、氷山はどのようにして生まれるかなど、南極について映像を交えてお話いただきました。研究所からご提供いただいた南極の氷も登場。グラスに入れてぬるま湯をかけると、氷が融けて、閉じ込められていた太古の空気がぷつぷつと音を立てます。
 

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シュマイサーが乗船したオーストラリアの砕氷船の航路や日程、作品に登場する基地や、作品に書きこまれた文章なども交えてのお話をうかがい、「シュマイサーが訪ねた南極」を感じたところで、展示室へ。

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展示室では作品を前にしたお話は、実際に行かれた研究者ならではもの。たとえばこの作品。空の色が赤いのに氷山が白いのは、太陽が低い位置にある遅い時間だからとのこと。

鳥の翼が風を切る音が聞こえるほどの静寂の中で、太陽の光によって色と形を刻々と変えていく氷山。太古の昔から、そしてこの先もずっと繰り広げられていく壮大な眺めを思い出しますとのお話に、南極の体験がシュマイサーにとって重要なものとなった理由が感じられました。

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たくさんのみなさまに最後まで熱心にご参加いただき、ありがとうございました。

南極に興味をもたれた方は、国立極地研究所の南極・北極科学館へ。研究者がそれぞれのテーマを分かりやすくお話される「サイエンス・カフェ」なども開催されています。同じ多摩地区にある施設です、ぜひお出かけ下さい。