「すむひと⇔くるひと展」の招へい作家アグン・プラボウォさんは、インドネシア・バリ島のウブドに住んでいます。島の中心部に位置するウブドは、ダウンタウンやビーチから離れた静かな森の中にあります。美しい田園風景に魅了され、国内外のアーティストたちが移り住んできた「芸術の村」でもあります。

IMG_0396 雨季も終わりかけている3月、作品をお借りするためにバリ島を訪れました。アグンさんの自宅兼アトリエは田園地帯にあり、陶芸家の妻プティさんと子どもたちの他に、制作アシスタント、彼らを訪ねてきたアーティストなど、様々な人々が集まります。開け放たれたドアや窓からは、動物たちが入り込むこともありました。




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 ウブドで過ごした3日間で確信したのは、アグンさんが作品で表現しているのは必ずしも幻想の風景ではなく、ときに現実の風景だったということです。
例えば、本展で展示されている《運命の門》(
2018年、作家蔵)は、アグンさんがジャワ島のバンドンからウブドに移住したことを題材にした作品です。門に張り付いている小さなトカゲや、中央の人物がつまんでいるネズミは、いずれも短い滞在中に私が目にしたものによく似ています。

 アグンさんの暮らしは自然に溢れていて、彼の世界ではさまざまな動植物が絶えず動き回っています。ウブドを訪れたことのある人は、彼のにぎやかな作品を見るだけで、まるで現地を訪れたような気持ちになるかもしれません。

 今アグンさんの作品が見られるのは、日本では町田市立国際版画美術館だけ。約70点の作品は、その全てが本邦初公開です!7月19日(日)には、学芸員によるギャラリートークと、アグンさんのインスタライブも行います。ぜひこの夏は、美術館からバリ島に思いを巡らせませんか?


(高野)