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ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット(1800-1877)
《アントワーヌ・フランソワ・ジャン・クローデの肖像》ネガとポジ 
1846(1984のプリント) 塩化銀紙 横浜美術館

 ネガとポジ、印画紙への焼き付け。この技術の発展が、写真の実用性と重要性を高めていきました。

 1841年にタルボットが発表したカロタイプは、硝酸銀溶液とヨウ化カリウム溶液で処理して感光性を与えた紙(塩化銀紙)を用いる方法です。

カメラで撮影して得られるのは実際とは明暗が逆になったネガ画像です。この紙ネガを別の塩化銀紙に密着させて日光にあてると、明暗がもう一度逆転したポジ画像を得ることができます。これが写真の焼き付けです。紙ネガがあればポジ画像の写真を何枚でも作ることができる、これがカロタイプの最大の長所です。ダゲレオタイプに対してはセールポイントであった「同じものが何枚も作れる」という版画の特質は価値を失っていくことになるのです。

ネガに用いる紙の厚みや繊維などの理由で、カロタイプは精彩さの点ではダゲレオタイプに遠く及びませんでした。しかしカロタイプを出発点とする新たな発明によって、こうした問題も解決されていきます。その後の写真の隆盛は、カロタイプから始まったのです。

デジタル写真が一般的となった現在では、写真を紙に焼かなくても、スマホやネットの中で画像を流通させることができるようになりました。最近はフィルム写真を見直す動きもあるようですが、「フィルム×デジタル」の勝負はどのような決着となるのでしょう。