「君包囲」12話日本語翻訳です・・。

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「君たちは包囲された」第12話


ヒョンチョルは 車から降りて来た男に首を絞められる
救いを求めるようにテグの顔を見るヒョンチョルに テグはオンマの最後の姿を重ねる
テグは軽トラックの下から飛び出し 背後から男を蹴飛ばす
男は車に乗りその場を去る

テグに命を救われたヒョンチョルは テグに銃口を向ける
ヒョンチョル:「お前、面白いガキだな。俺を助けるなんて。昔の俺も今のお前みたいだったよ。危険を顧みず チングを救ったこともあった。だがな 世間は俺を裏切ったんだよ。だから俺を恨むなよ、チビ」

パンソクとスソンは テグのいる駐車場に車で駆けつける
ヒョンチョル:「どうせ俺たちは 神のいたずらに弄ばれる微生物なんだよ。お前も俺みたいに運が悪かったんだと思え」
パンソクとスソンは車から降り 銃を構えながらテグを探す
テグに銃口を向けているヒョンチョル
ヒョンチョル:「あばよ キム・ジヨン」
テグ:「うわーっ!!」  駐車場内にテグの叫び声が響いた


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倒れているテグを発見したパンソクとスソンは テグに駆け寄る
パンソク:「おいウン・デグ!」
スソン:「テグや!」
パンソク:「起きろ!」
スソン:「テグや!大丈夫?」
パンソクはテグの上体を起こす テグの近くにはヒョンチョルが倒れていた
テグは自力で立ち上がり ヒョンチョルの方へゆっくりと歩き出した
片手でヒョンチョルの胸ぐらをつかんだまま ポケットから手錠を取り出した
パンソクとスソンは静かに見守っている
そしてテグはヒョンチョルの両手に手錠を掛ける 

うすら笑いを浮かべるヒョンチョルの胸ぐらを両手でしっかりと掴み 涙を流しながら
テグ:「チョ・ヒョンチョルさん あなたを11年前の馬山養護教師殺人事件の犯人として・・・。
逮捕します。あなたは弁護士を選任することができ、いつでも弁明することが出来ます」

パンソクが地面に転がっていたテグの銃を確かめてみると 弾倉に弾はひとつも入っていなかった
ヒョンチョルの胸ぐらをつかんだまま 涙を流すテグ
ヒョンチョルは不気味な高笑いをする
ヒョンチョル:「狂ったヤツだ。弾も入れずにここへ来たのか」
テグ:「俺が何をしでかすか分からないから。少なくとも お前みたいな怪物なんかにはなりたくないから」
テグの顔を見てニヤリと笑うヒョンチョル テグは立ち上がり歩き出す
その後ろ姿を見守るパンソクとスソンの目にも 涙が滲んでいた


江南警察署
ウンド・テイル・チグクは パンソクからの連絡を待っていた  ウンドの携帯が鳴る
ウンド:「はい、兄さん。テグは見つかりました?捕まえたんですね!あ~はい。お疲れ様でした。早く帰って来て下さい」
テイルとチグクは ハイタッチをして喜ぶ
ウンド:「チョ・ヒョンチョルを捕まえたぞ!」
テイル:「テグは?テグは大丈夫なんですか?」
ウンド:「テグが逮捕したそうだ。大丈夫だって。テグも無事だ」
柱の陰で この様子を見ているカン署長


ウンド・テイル・チグクは 江南警察署の裏口でパンソクたちの車を出迎える
スソンとテグ そしてヒョンチョルが車から降りて来た
チグク:「テグテグ!」
テイル:「テグや。腕は大丈夫か?」
ウンド:「お疲れ様でした、兄さん。テグ ご苦労さん」
刑事たちの拍手に迎えられながら 署に戻ったパンソク・ウンド・P4たち


記者会見
チョ課長:「当時 証言者の息子の証言により 未解決のままであった馬山養護教師殺人事件の真犯人を逮捕しました。犯人はチョ・ヒョンチョル」

ニュース記事でこのことを知ったユ議員は テグの調査を部下に指示する


(タイトル) 第12話  終わり そして 始まり


江南警察署
テグの傷口を手当するテイルとチグク
チグク:「全く あんなところへ一人で行くなんて。痛いか?痛そうだね」
スソン:「傷はどう?」
テイル:「出血はしてるけど 炎症さえなければ問題なさそうだよ」
スソン:「パートナー。今日は少し早めに帰った方がいいよ」
テグ:「取調室に行く。俺が直接取り調べをする」
スソン:「その体で?今日は早く帰って寝なよ。チーム長と班長もいるんだし」
テグ:「大丈夫だってば」

パンソクが部屋に入って来る
パンソク:「ウン・デグ。今日は早く帰って休め」
テグ:「結構です。私が取り調べをします」
パンソク:「ダメだ!帰って寝ろ!」
テグ:「私が検挙した犯人であり、私の事件なんです。私には取り調べをする権利があります」
テイル:「黙って家に帰れ。医師としての命令だ。言うことを聞かないと、包帯をもっときつく巻くぞ」
パンソク:「(テイルに)もっと強く巻いてやれ。(テグに)早く帰れ。明日まで待つから。お前が直接取り調べしろ。お前たちもウン・デグを連れて 早く帰れ」
P3たち:「はい」


車に乗って帰るP4たち
テイルが運転し チグクは助手席に スソンは後部座席のテグの隣に テグは目を閉じている
チグク:「(スソンに)寝てるのか?」
スソン:「うん。寝てる。ねえ、この10日間 夢みたいじゃなかった?」
チグク:「ああ。夢みたいだったよ~。これでテグの胸の中も 少しは晴れたよね」
テイル:「きっとそうだよ。本当に偉いよ」
スソン:「本当にパートナーは立派だし感心する」
チグク:「そうだよ~。ウリ・テグはニュースにも出たようなヤツだぞ」
テイル:「テグは小さい時 どんな子だった?」
スソン:「チヨン?小さい時も可愛くてしっかりした子だったよ」
チグク:「テグテグとは小さい時から近所に住んでたの?」
スソンは笑顔のまま なにも答えない
チグク:「なんとなく聞いただけだよ」


留置場のヒョンチョルを訪ねるカン署長
署長:「時間が無いから手短に話す。死にたくなかったら最後まで口をつぐんで 社長の指示だったと言え。どうせ社長はすでに死んでいて 確認は取れない」
ヒョンチョル:「俺はもしかしたら 今 ここにはいなかったかもしれない。誰が俺を殺しに来たんだ?」
署長:「私にはわからない話だ。ソ刑事のことも お前は何も知らないのだ」
ヒョンチョル:「誰かが俺を殺しに来たんだよ」
署長:「気をしっかり持つんだ。尻尾を切られたら、それでお終いなのだ。命が惜しければユ議員の言う通りにしろ。そうすれば命も助かるし 刑も軽くしてやるから」
ヒョンチョル:「議員に伝えろ。俺一人では死なないと」
署長:「心配するな。私もこれ以上の犠牲は望んでいない」
ヒョンチョル:「ずいぶんと自信満々だな」
署長:「もう一度言う。社長がこの全ての原因だ。特にテグにはそう思わせなくてはならない。これ以上テグに この事件を深く探らせるな。わかったな」
ヒョンチョル:「考えてみよう。あんたの言葉を信じていいのかをな」
署長:「強がるな。お前はどうせ、手持ちの札を失ったのだ」
署長は留置場を出て行く


宿舎のベッドで目覚めたテグは ヒョンチョルを逮捕した時のことを思い出していた
テグ:「チョ・ヒョンチョルさん あなたを・・・逮捕します」
半分だけ開けたドアから そっとテグの様子を見ているP3たち
スソン:「起きた?起しちゃった?」
テグ:「違う。なんで?」
スソン:「まだ寝てるのかな?と思って」
テグ:「入って来いよ」
スソン:「そう?じゃあ」
チグク:「テグテグ~」
三人はビールを片手に入って来た テグはベッドから起きあがる
テグ:「なに?」
スソン:「特にやることもないし。(テグに)飲む?」
テグ:「ああ」
チグク:「そう思ってお前の分も持って来た」
テイル:「乾杯するか!」
4人でビールを飲む

テグ:「俺 何時間寝てた?」
テイル:「かなりの時間寝てたよ。もう夜の10時になる」
テグ:「10時?」
チグク:「テグテグ。子供の頃に、宿題をちゃんとして来た子が ハンコをもらうのあるだろ?“よく がんばりました”ってやつ。(ポケットを探り)持ってないから 代わりに抱きしめてあげる」
テグに抱きつこうとする
テグ:「なにするんだよ」
チグク:「恥ずかしがって~」また抱きつこうとする
テグ:「(ケガした腕)あ 痛い」
スソン:「ねえ 気分はどう?」
テグ:「よくわからない。何だかボンヤリもするし、気が抜けた感じもするし。今の気持ちは・・。
ラーメンが食べたい」
ビールを吹き出してしまうチグク 笑ってしまうテイル
スソン:「私が作ってあげる」


リビングでスソンが作ったラーメン鍋を囲む
スソン:「ジャーン!」
チグク:「美味しそう」
チグク・テイル:「いただきま~す!」
テイル:「(テグに)いっぱい食べろよ」
スソン:「どう?パートナー。美味しい?」
テグ:「硬い」
スソン:「まずい?」
テグ:「なんとか食える」
テイル:「美味しいって意味だよ。まずい時はまずいってハッキリ言うから」
スソン:「良かった。美味しく作ってあげたかったから。たくさん食べてね?パートナー」
ラーメンを食べるスソンの横顔をじっと見るテグ 

チグク:「ちょっと待った!テグテグ。お前 オ刑事より2歳年下だって?オ刑事は俺の1歳年下だ。ってことは、お前は3歳も!お前 どう思う?」
テグ:「(テイルに)もっとキムチある?」
テイル:「末っ子。ここではお前が一番年下だ」
チグク:「そうだそうだ!今から この無秩序な状況を正さないと。ヒョンと呼べ」
スソン:「ヌナって呼びなよ」
テイル:「末っ子。冷蔵庫にハムとソーセージの炒めたものが入ってます。さっさと持って来るんだよ」
チグク:「早く行って来い、こいつめ。走って取って来い」
テグは無言で立ち上がり冷蔵庫に向かう 冷蔵庫からタッパーを手に戻って来た
無言のままラーメンを食べるが
テグ:「これからもずっと こんなことをさせられるのかよ!」
大笑いするスソン・テイル・チグク テグも笑いだす
チグク:「テグテグが笑った!」
スソン:「笑った!」
テグ:「いつ?」
チグク:「笑ったところを見たぞ~」
スソン:「笑った~。テグテグ」
テグの胸元を指で突くテイル
テグ:「やめろよ~」
テグの姿を見て微笑むスソン


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取調室
テグとウンドの前に座っているヒョンチョル パンソク・テイル・チグクは隣の部屋で監視をする
署長がパンソクたちのいる部屋に入って来た
署長:「ついにテグと対面するのですね。今日、首謀者が明らかになるのですね」

テグ:「事件当日 私の家には少なくても二人の訪問者がいた。一度目はペンダントを落とした人。二度目はチョ・ヒョンチョル あなた。一度目は一人だったのか、二人以上だったのかは分からない。もちろんあなたが一度目にも訪問した可能性もある。だが通話内容からすると お前はまだ来ていなかった」
ヒョンチョルの声:「(電話)まだペンダントはみつかっていません。どんな形のペンダントですか?」
テグ:「ならばオンマを花瓶で殴った人が オンマ第一次殺害犯。二度目の訪問者であるあなたがオンマ第二次殺害犯だ。そしてあなたが訪問した理由は、ペンダントであることは明らかだ。お前は家に入るとすぐに 部屋中を歩き回り 何かを探していたから。誰なんだ?あなたにこの事件を指示し、ペンダントを落とした人間は。誰がオンマを殺させたんだ?誰なんだ!では、ソ刑事は誰だ?あなたにペンダントを渡したソ刑事は誰なんだよ!もしかしてソ・パンソク刑事か?」

笑いだすヒョンチョル:「ソ・パンソク。ソ刑事。絶妙だな。俺が違うと言えば信じるのか?」
テグ:「くだらない芝居はやめて ちゃんと答えろ。ソ・パンソクなのか、違うのか」
ヒョンチョル:「違う。そんなことをするにはソ・パンソクは・・。俺に大きな借りがあるからな」
テグ:「もう一度聞く。ペンダントを落とした、この事件の首謀者は誰だ」
ヒョンチョル:「社長だ。事件当日、社長がお前のオンマを訪ね 証言しないでくれと説得した。その過程でかっとなった社長が、花瓶で殴りお前のオンマを殺し 逃げ出した時ペンダントを落とし その後俺にペンダントを探させた。信じられないか?」
テグ:「11年もたって 何故また俺を殺そうとした?」
ヒョンチョル:「お前が唯一の目撃者だからだ。お前さえいなければ 完全犯罪だろ?」
テグ:「ならば11年前は?」
ヒョンチョル:「あの時も同じだ。ソ刑事を通してお前がベッドの下に隠れていたことを知ったからだ」
テグ:「もう一度聞く。ソ刑事は誰なんだ?」
ヒョンチョル:「ひとつくらいは残しておかないとな。その方が仕事もやり甲斐があるだろう?」
笑い出すヒョンチョル

テグはイスから立ち上がり ヒョンチョルの胸ぐらをつかむ
テグ:「ソ刑事は誰なんだ!言ってみろ!」
ヒョンチョルに殴りかかろうとするが ウンドに制止される
テグ:「放して下さい!班長。大丈夫ですから 放して下さい」
ウンド:「水を一杯飲んで来よう。な?」


この様子を別室で監視していた署長
署長:「(パンソクに)良かったです。陳述を確認しましたので 一日も早く処理して送検しなさい」
テグはウンドに促され取調室を出て行こうとする
ヒョンチョル:「もう行くのか?寂しいじゃないか。面白かったのに」
テグはドアを力一杯閉め ヒョンチョルを睨む
ウンド:「チョ・ヒョンチョルさん!」
ヒョンチョル:「チビよ。あまり人を信じるな。足元をすくわれるぞ。お前の未来に幸あれ」不気味に笑う

テグはドアを勢いよく開け 取調室を出て行く
スソン:「どうだった?(別件の)急に被害者が来てしまって・・」
テグは無言で歩いて行ってしまった スソンはテグを追いかける


パンソクは監視していた別室から取調室に入り ヒョンチョルの前に座る
パンソク:「いくつか聞くぞ。お前が密航船を頼んだ時、何か大きなことをやり終えて去ると感じた。それはキム・ジヨンを殺すことだったのか?」
ヒョンチョル:「そうだと言えるだろう」
パンソク:「なぜ11年も過ぎた今になって キム・ジヨンを殺そうとしたんだ?時効まであと少し もはや捜査もしていない事件だ。チョ・ヒョンチョル。本当に首謀者は社長なのか?社長は脅迫した事実は認めたが 殺人は最後まで否定していた」
ヒョンチョル:「なんでそんなことを俺に聞く?そいつに聞けばいいだろう」
パンソク:「一体ソ刑事は誰なんだ?」
ヒョンチョル:「パンソク。俺たち、昔は良かったよな」
パンソク:「くだらんことは言わずに ちゃんと答えろ。一体、ソ刑事は誰なんだ!」
ヒョンチョルはポケットから パンソクと写した12年前の写真を取り出す
ヒョンチョル:「この写真、持ってるか?俺が何故この写真を好きかわかるか?俺もいっときは人間だったという証だから。(パンソクに)記念にやるよ」
パンソクは写真とヒョンチョルの顔を見ていた


ユ議員は秘書が持ってきた テグに関する資料に目を通す
子供の頃の資料には チヨンの写真が添付され 後見人 カン・ソクスンと記載されていた
ユ議員:「(独り言)カン・ソクスン・・。俺の背中に包丁を突きつける気か・・」


ウンドとP4たちが待つ部屋に パンソクが入ってくる
パンソク:「オ・スソン。キム・ジヨンが失踪した後、化学室から出て来たチョ・ヒョンチョルを見て 警察署に行きそのことを話したと言ってたな?」
スソン:「はい。首に傷痕があるアジョシって 確かに申告しました」
テグ:「初めて聞く話だ。事件記録には無かった」
スソン:「ホントに?間違いなく申告したのに・・」
パンソク:「その時の刑事は誰だったのか覚えてるか?」
スソン:「顔を見たらわかるかもしれません」
パンソク:「そうか。今から馬山署に行ってみよう」
スソン:「はい」
テグ:「私も一緒に行きます」
パンソク:「そうしろ」


エレベーターに乗ったパンソク・テグ・スソン
パンソクの携帯の振動音が鳴る テグの携帯も同時に振動する
パンソクはわざとテグの目の前に携帯を持って行き 電話に出る するとテグの携帯の振動も止まった
パンソク:「もしもし。今急いでるから 後で電話する」
パンソクはまたテグの目の前に携帯を持って行き 大袈裟に電話を切ってみせる
パンソク:「(テグに)あれこれと色々やってくれたな。俺の家にCCTVをつけるだけでは足りず 携帯までコピーしたのか!お前は一体・・・」

エレベーターのドアが開き テグは慌てて無言で出て行く
パンソク:「おい!待て!ウン・デグ。CCTVのことを見なかったことにするついでに 今回も我慢する。だが、これからはチーム員としての礼儀はわきまえろ。わかったな?なんで無言なんだ」
テグ:「はい」
パンソク:「お前は何がまだ不満なんだ?まだ俺を誤解しているのか?」
テグ:「誤解ですって?オンマが報復殺人されたってことに 変わりはないじゃないですか!」
パンソク:「お前は終始一貫してるな」
テグ:「チーム長も手強い人ですよ」歩き出すテグ パンソクも歩き出す
エレベーターの前で じっと二人の様子を見ていたスソン
スソン:「大変な馬山旅行になりそうだ・・」


車の助手席に乗り込んだパンソク
テグは後部座席のドアを開け スソンに運転しろと言う
スソンは今日は何だか疲れたと言い 強引に後部座席に乗り込みドアを閉めた テグは仕方なく運転する


会話の無い車内
スソン:「チーム長・・。パートナー・・。しりとりでもしない?」
パンソク・テグ:「静かにしろよ!!」
スソン:「はい・・」
スソン:「パートナー。じゃあ歌でも聴かない?」
カーラジオをつけるテグ クラッシック音楽が流れる
パンソク:「(小声で)湿っぽいんだよ」ラジオのチャンネルを変えると ポップ音楽が流れる
テグ:「(小声で)うるさいな」またチャンネルを変える
スソン:「じゃあ、静かに物思いに浸りながら行きましょうか!」
パンソク:「何もしないで静かに行くんだよ!」


馬山署
パンソクとチーム長は再会を喜び合う
テグ:「(スソンに)いる?」
スソン:「よくわからない。いないみたい」

パンソクはスソンに 公務員人事記録カードのファイルを見せる
パンソク:「オ・スソン。これを見てみろ。11年前ここに勤めていた刑事たちの人事記録カードだ。この中にいるはずだ」
ページをめくるスソン ある写真の刑事に見覚えがあった
スソン:「この方だと思います。この刑事さんです」
パンソク:「確かか?」
スソン:「はい。間違いありません」
パンソク:「チーム長、これはチュントク(刑事の名前)ですよね?」
チーム長:「あ~あいつは刑事を辞めて事業をしているぞ。服を売るってブラジルに行ったよ。2,3ヶ月は戻らないと思うが」


カン署長に会いに来たユ議員 しかし署長は署長室にはいなかった
課長:「申し訳ございません。事前にご連絡頂けてたら・・。署長はもうすぐ緊急会議を終えて戻りますので、もう少しお待ちを」
署長が慌てて戻って来た
署長:「申し訳ございません。事前に連絡を確認出来ず、申し訳ございません」
ユ議員:「事前に連絡しなかった私のせいです。チョ課長、私はカン署長と話があります。お茶はいりませんよ」
課長:「はい。では」

ユ議員:「江南署に あの子がいるそうですね」
署長:「私も数日前に知りました。私もとてもショックでした」
ユ議員:「カン署長にとって、この私はずいぶんと気楽な人間になってしまったようですね。気楽になると気易くなり、そしてミスを犯し始めるものです」
署長:「誤解です。ウソみたいな偶然でした。あの子が名前まで変えて江南署に入って来たんです。全く気がつきませんでした」
ユ議員:「ウソみたいな偶然?」
署長:「はい。信じて下さい」
ユ議員:「では 潔白を証明する機会を差し上げましょう。ご存じでしょうが あの子は世の中に存在してはいけない子ではありませんか?あの子はカン署長の手で処理しなさい。どうなさいますか?」
署長:「承知致しました。ですが、その時期だけは私に決めさせて下さい。まだ、その時ではありません。時が来たら 間違いなく仰せの通りに致します」
ユ議員:「時は私が決めます」
署長:「あの子は私の手中にあります。私を信じて下さらなければなりません。私たちは今も 同じ船に乗っています。不信と反目は 船を転覆させてしまうのですから。そのことを議員が一番良くご存じではないですか」
ユ議員:「カン・ソクスン。ずいぶん立派になったな」
署長:「まだまだ力不足です。更なるご指導をお願い致します」
笑うユ議員


ヒョンチョルが送致される 署の外で見送る署長・課長・パンソク・ウンド・P4
ヒョンチョルを乗せた警察車両が走り去る


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パンソクは一人で息子ジュヌの眠る場所へ
ある樹木にジュヌのおもちゃをそっと置く その樹木にはプレートが貼られていた
“ソ・ジュヌ 1998.11.5~2003.4.15 愛するジュヌよ 安らかに眠れ”


テグは花束を抱え オンマが眠る納骨堂へ
テグ:「オンマ。僕が世界で一番会いたい 僕のオンマ。僕、全て終わらせたよ。僕、頑張ったでしょ?」
テグは柔らかな微笑みを浮かべ そして涙を流す


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その日の夜
スソンはコンビニの袋をぶらさげ ソフトクリームを舐めながら歩いていた
スソンとテグは横断歩道でバッタリ出会う
スソン:「テグテグ!休みの日にこんなところで会うなんて嬉しいよ。署に行く途中?」
テグ:「ちょっと物を取りに。どこに行ってたんだ?」
スソン:「私?コンビニに。みんなは?」
テグ:「家にいるだろ」
スソン:「(ソフトクリーム)食べる?」
テグ:「食いかけを?」
スソン:「あっ、そっか・・。凄く美味しいのに・・。雨が降った後だから 空気がとっても爽やかだね」
テグ:「ソウルは雨だったのか?」
スソン:「どこか遠くに行ってたの?」
テグ:「遠くじゃないけど・・・。オンマに会いに」
スソン:「良かったね・・・」

横断歩道を渡ろうとするスソン その時バイクがスソンのそばを通った
テグはスソンの腕を引っ張り引き寄せる
テグの腕がスソンの腰に スソンは手に持っていたソフトクリームを落としてしまう
スソン:「あ・・。アイスクリーム」
テグ:「(バイクの)運転が・・。ちょっと・・」横断歩道を渡る
スソンも横断歩道を渡る


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翌朝の江南警察署
パンソクは出勤するサギョンを待っていた
サギョン:「全部終わったんですってね。大変だったわね」
パンソク:「最近忙しくて・・。連絡出来なかった」
サギョン:「わかってるわ。そうだと思ってたから」
パンソク:「サギョン。悪かった。誕生日もうっかりした。昨日カレンダーを見た時に気付いたんだよ」
サギョン:「何を今更。今までもそうだったじゃない。今の言葉、トゲがいっぱいあったでしょ?わざと言ってみたの」


スソンは川沿いをサイクリングしている 後ろからパンソクの自転車が追い越す
スソン:「お!チーム長!」
パンソク:「お前 何故ここに・・」
スソン:「チーム長が体力を管理するようにって仰ってたでしょ。お先に!」
パンソク:「そうだ 行くぞ!」


川辺に座り食事をする パンソクはサンドウィッチ、スソンはマンドゥをむしゃむしゃ食べている
パンソク:「お前は昨日の夕飯を抜いたのか?」
スソン:「いいえ。チーム長を追いかけて走ったから・・。さっき転ぶかと思いました」
パンソク:「毎日自転車に乗ってるのか?」
スソン:「出来る限りそうしようと。チーム長は?」
パンソク:「時々な。ウン・デグと一緒に来ればいいのに」
スソン:「テグですか?どうして?」
パンソク:「お前たち二人、付き合ってるんだろ?」
スソン:「え?違いますよ。付き合ってませんよ~」
パンソク:「違うのか?付き合ってもいないのに あんなことを・・?」
スソン:「はい?」
パンソク:「何でもない。てっきり付き合ってるとばかり」
スソン:「絶対に違いますから!私は職場恋愛反対主義者なんです。馬山からソウルに来る時、オンマが何て言ったかわかります?」
パンソク:「なんて?」
スソン:「“ペットのウサギを食べてはいけない”」
パンソク:「そうだな」


SUBWAYにて
テイルとチグクがオーダーを取りにカウンターへ
隣同士で座っているテグとスソンは気まずい空気に

チグク:「さあ、食べよう!」
スソン:「ねえ、私たちで(カカオトークの)グループを作らない?」
チグク:「そうする?今 俺が作ろうか?」
スソン:「私が作る。出来た!招待しといたよ」
チグク:「お~出来た~!」


その時、スソンにオンマから電話が来る
スソン:「オンマ~」
オンマ:「忙しい?今、ソウルに来てるのよ」
スソン:「ソウル?」
オンマ:「知り合いのお嬢さんの結婚式を兼ねてね。あとで家に行くからね~」
スソン:「あとで?(三人に)オンマが今ソウルに来てるって!どうしよう・・・。一日だけお願い!」
チグク・テイル:「OK!」
テグ:「そうしろよ。もう来てるんだろ」
スソン:「いいの?ありがとう!パートナー。オンマ、そうしなよ。何時頃に来られそう?」


デパートでスソンに似合いそうな洋服を見つけたオンマ そしてトイレへ
荷物置きの上に バッグと荷物を置いた
大声で通話しながらトイレに入って来た中年の女性 彼女も荷物置きにバッグを置き鏡の前へ
オンマは間違って女性のバッグを持って行ってしまう
デパート内の床にバッグと荷物を置き スソンに食べさせようと持ってきた総菜の中身を確認していた
横を通った女性のベビーカーに バッグを汚されてしまう
女性:「高級なバッグなのに・・。ごめんなさい」
オンマ:「いいのよ。もう5年も使ったから」
オンマは立ち上がり歩き出す オンマの目の前に黒いスーツを来た男性が立ちはだかる


オンマ:「こんなに高いバッグと、3万ウォンのバッグのデザインが同じだなんて!100万ウォン以上するんでしょう?修理代を払いますから。お幾らかしら?」
女性:「アジュンマ。これ、いくらだと思う?」
オンマ:「100万ウォン超えるの?」
女性:「5千」
オンマ:「5千ウォンじゃなさそうだし。まさか5千万ウォン?田舎者だからってバカにしてるんでしょうけど バッグひとつで騙しちゃダメでしょう。私はこう見えても 江南警察署の強力課刑事のオンマなんです。人を選んで詐欺をしなさい」
女性:「詐欺?カン秘書!」
秘書がオンマにバッグの領収書を見せる
オンマ:「1・10・100・1000・・・」
女性:「やっとわかったの?」
オンマ:「奥様!申し訳ございませんでした。そんなに高いものとは夢にも思わなくて。申し訳ございませんでした」
女性:「弁償して」
オンマ:「奥様!少しだけマケて下さったら、なんとかして必ず」
女性:「マケる?いいわよ」


江南警察署
チグクにチングから動画が送られて来た “検索1位 バッグ夫人”
チグク:「テグテグ!白餅!」チグクはテグのパソコンからも動画を検索する
テイル:「どうしたんだよ」
チグク:「これ、“バッグ夫人動画”検索1位だって。オ刑事のオモニじゃないよな?」
動画にはオンマが女性に殴られている映像が映っていた


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テグ:「オ・スソンは 今どこにいる?」
テイル:「まだ観てないよな」
スソン:「なになに?」
テグ:「(スソンに)突然現れるなよ!ビックリするだろ!」
スソン:「なに?面白いものでも見てたの?私にも見せてよ~」
テグ:「なんでもない。気にするな」

刑事:「お前たち、これ観たか?」携帯を片手に近寄って来た
スソン:「なに?私も観る」動画を見てしまう
スソン:「・・・オンマじゃないよね」スソンから携帯を奪い取るテグ スソンは携帯を奪い返す
スソン:「オンマ・・・オンマはどこにいるのよ」

オンマは顔にケガを負い、泣きながら街を歩いている
スソンからの電話にも出ず泣きながら歩いていた

スソン:「(電話に)出ないよ」
テグ:「とにかく落ち着いて。もう一度電話してみろ」
スソン:「出ないの」電話をかけ直す
スソン:「オンマ、お願い!電話に出て」
チグク:「ネチズンたちが身元を調べたみたいなんだけど チャソン企業の奥様だって」
テグ:「(スソンに)どこに行くんだ?!」
スソン:「オンマを探しに行く!」
テイル:「そんなところへ行くのか?」
テグ:「オ・スソン!俺が行くから。俺が行って調べて来るから。お前はオモニを探せ」
スソン:「だから、オンマを探しに行くって言ってるでしょ!」
チグク:「ダメだよ オ刑事。今の状態でお前が行ったら おおごとになるだろ!テグに任せろ。その方がいい」
テイル:「そうだよ オ刑事。オモニが行きそうなところから調べろ。テグや、行ってくれ」
テグが現場に向かう
テイル:「チグク!チーム長と班長に連絡してくれ」


女性の自宅に到着したテグ 少しして車から二人の男性が降りて来た
テグ:「こんにちは。江南警察署の刑事・・」
女性も車から降りて来た
テグ:「ユ・エヨンさん。江南警察署から来ました。ユ・エヨンさんですね?」

その時 ユ議員を乗せた車が自宅前に停まった
自宅の前に立っているテグの姿を見て 驚愕するユ議員


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第13話に続く


翻訳:りえぞう様


画像:SG-TH様より(勝手に)お借りしました。mーーm