こちらのエントリーでもご紹介しているように、経営再建に向けて国交省からの監督命令が発出され、今後の状況によってはいまの姿が大きく変わっていく可能性もあるJR北海道。

その、いまの姿のJR北海道を見にいくのに、この夏のシーズンは気候的にも良いでしょうし、何よりこちらでご紹介したように、来年3月で廃止となる石勝線夕張支線については、これが最後の夏、といえます。

そんな北海道へ行ってみよう、という特集が、先月発売された鉄道ダイヤ情報2018年8月号で組まれていましたので、ご紹介します。
タイトルは、「行こうよ北海道 乗って、撮って、楽しさ再発見!」
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今回の特集で目をひいたのは、冒頭に「北海道の鉄道旅行ことはじめ」として、本州以南との違いを、面積・車窓・気候などの点、それに加えて冒頭の経営再建の課題にもなっているローカル線の状況などを紹介しており、初めて北海道を旅行する読者に対するガイダンス的な構成になっている点でした。


関西在住の私が初めて北海道に行ったのは、丁度20歳の時でしたが、ある程度事前情報を仕入れて旅立ったにも関わらず、現地では気候やスケール感といったものの違いに終始圧倒された記憶があります。

専ら撮影(世間で言うところの「撮り鉄」)向けの鉄道ダイヤ情報では、他誌に比べると年齢層の低い読者の割合も多いのではと推測されます。
そういった、遠隔地である北海道への渡道体験も無い読者に向けて、改めて北海道の違いを冒頭に持ってきて、学生の夏休み期間である夏休みに合わせて特集を組んだ、というのは、些か勘ぐりすぎなところはあるかも知れませんが、他誌では特に説明ない内容であっても、スペースを割いて紹介しているところは、面白い構成だと感じました。


加えて注目した点としては、「乗って、集めて列車旅」で、釧網本線や富良野線といった北海道らしさを実感できる路線や、今や北海道だけとなった非冷房キハ40形で楽しむ長距離鈍行列車、また、「JR北海道わがまちご当地入場券」の紹介といった記事が続いているところでした。
撮影情報が主体のはずの「鉄道ダイヤ情報」で、こういった記事を見かけるのは、違和感を抱いた読者もあるのかも知れません。
更に、「花咲線で絶品風情にひたろう」では、花咲線(根室本線・釧路〜根室間)の絶景ポイントやこの6月から開始した普通列車による観光列車の取組、といった紹介がありますが、こちらも「乗る」「買う」系の記事です。


鉄道ダイヤ情報の特集で、これだけ「乗る」「買う」系の記事がメインに来るというのはちょっと珍しいのかな、とも感じました。
こういった構成が、最近の鉄道ダイヤ情報の編集方針かは知る由もありませんが、自分が推測するに、日頃鉄道事業者にお金を落とさない撮影主体のファンにも、少しJR北海道にお金を落とすことを考えて欲しい、という意図からの構成なのではないか、とも思われます。


いわゆる「撮り鉄」な趣味では、必ずしも鉄道事業者にお金を支払わずしてもその趣味は成立します。
一方、鉄道そのものは、旅客・貨物からの収益により運行されているわけで、その維持のためには、乗車すること等により、何らかのお金を落とす必要があるのも、これまた言を待たないところです。

乗車やグッズ購入といった趣味ならば、購入という行為で、比較的容易に鉄道事業者へお金を落とすことができますが、撮影という趣味なら、それは難しいでしょう。
しかし、冒頭でも記したように、JR北海道の経営再建は待ったなしで、経営再建のためには、鉄道事業者にお金がどれだけ落ちるのか、というところか求められるわけですが、いくら鉄道事業者にお金が落ちない撮影趣味主体の雑誌であっても、上記の事実には目を背けるわけにはいかない。

そんな問題意識もあって、今回敢えて乗車主体の記事をメインに据えることで、JR北海道に少しでも収益に貢献して欲しい、それが今後も被写体を走らせ続ける原資になる、ということを言外に訴えたのではないか、とも考えたりしました。


管理人自身は、今シーズンは忙しくて北海道に行く機会は無さそうですが、ともあれ、今回の特集記事を読んで、今からでも北海道に行ってその魅力を楽しむとともに、JR北海道の直面する現実を理解して、それに対して鉄道ファンができること、特に撮影主体のファンとしてできることを考える契機となればいいのかな、とも感じた号でした。



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