「スンジョ君、入るから目をつむっていて。」
ハニの緊張している声が、露天風呂の周りに積もった雪に吸収されて行った。
方まで湯につかっていたスンジョは、岩に持たれて一応目を閉じてハニが湯に足を入れる音を耳を澄ませせて聞いていた。

チャポン・・・
「あっ!」
静かに入ってくると思っていたが、ハニの発した声の後に大きな水音が聞こえた。
やっぱりハニだ・・・・と思う出来事が起きた。

ザブゥ~ン

ハニは湯の中に足を入れた途端、温泉成分で滑りやすくなっていた床に足を取られた。
「何をやっているんだ!」
「スンジョ君、大丈夫だから来ないで!」
大丈夫だと言いながら、また足を取られてを二回繰り返していた。
「ほら・・」
さすがに二度も滑っては、自力で立って転ぶのに懲りたハニは、スンジョの差し出した手を頼りにするしかなかった。
グィッと引っ張られて立ち上がると、タオルを湯船に入れてはいけない事を無視していた意味がなくなっていた。
胸の下あたりから上が、丸見えになっている事に気が付かないで、ハニはやっと無事に立てた事を安心したようにニコッと笑った。

「へへ・・・・お風呂で溺れる所だった。」
「溺れなくて、よかったな。」
「タオル・・・・使わないのか?」
「タオル?」
スンジョが顎でクィッと指した方の湯に浮いているタオルに気が付き、ハニはそれに手を伸ばそうとあわててまた足を滑らせた。
今度はスンジョが、ハニの体を咄嗟に抱き留めて湯の中に倒れて行く事がなかった。

「ほら・・・オレが掴んだ。」
と、スンジョがそう言ってハニの方に湯の上に浮いていたタオルを渡した。
ギュッとスンジョに抱きしめられたハニは、身動きが出来ない事と不思議な感覚に動く事は出来なかった。
不思議な感覚になったのは、ハニだけじゃなくスンジョも同じだった。
何も身に着けない二人の素肌が密着していると、その居心地の良さに離れる事が出来ずスンジョがハニに回している腕の力が自然と強くなった。

「ハニ・・・・・・」
「ス・・・スン・・ジョく・・・・」
下がって来たスンジョの顔がハニの顔に近づくと、ハニは静かに目を閉じた。







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