「ぷっ!」
「?」
「風呂に入りながらお前は眠るのか?」
「からかったの?ひ・・・酷い・・・」
あの時はからかったわけではなかった。
噴出して笑わなければ、もっと先に進む事は分かっていた。
あの先に進んだとしたら、あの時のオレは責任が取れただろうか?
いや、取れる事はない。
自分の感情さえもどうしていいのか分からないのに、一途にオレだけを思っているハニに誤解をさせてしまう。
誤解をさせてもいいと思えば、自分の思うままどんどんと先に進んでいけばいいが、オレは責任が取れる自信がなければ進む事は出来ないし進めない。

「ハニが何を考えていたのか分かるし、二人で旅行をすればそういう事になる覚悟で来たのも分かっている。軽いノリでハニが考えている関係になるのはオレには無理だ。」
背中を向けて身体にタオルを巻いているハニの耳が赤くなっている。
熱い湯に浸かったからじゃなく、スンジョが途中で止めた行動に恥ずかしくなったのだった。
「恥をかかせて悪かった。」
「悪くない・・・悪くないよ。スンジョ君ならそう言うと分かっていたから。スンジョ君とはそれにお試し付き合いだから。」

お試し付き合いを理由にオレは自分の心をまた誤魔化していた。
人を好きになった事がないから、真っ直ぐなハニの想いをどう受け止めたらいいのか分からなかった。

空を見上げれば漆黒の天井に澄んだ空気で星が綺麗に瞬いている。
その空に見える星の煌めきはハニの瞳のようで、スンジョは時々何かを想って顔が緩んで来るのが分かる。
自分だけが分かっていると思っていたら、いつからスンジョの顔を見ていたのかハニが静かな声で話した。

「何かおかしいの?」
「ん?」
「スンジョ君、時々顔が笑っている。」
「子供みたいなハニの行動に笑っている。」
そう、こう言えばハニは頬を膨らませて笑う。
それが見なくても分かる事で、それがスンジョにとっては楽しいと思えるひと時だった。

今日の夜空は、ハニの瞳のようだ。

そう言えたら、心が軽くなりそうだった。

「今日の夜空は、スンジョ君の瞳のよう・・・・」
スンジョはドキッとした。
自分が心で思っている事をハニが言ったのだから。








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