『気負わなくていい、これからずっと一緒にいるのだから』

ずっとスンジョにそう言われていた。
結婚してから今日で一年。
ジョンオンおじさんも、おばさんも変わらず毎日カフェに来てくれる。
ナムさんもプロポーズを断って、それほど経っていないのにスンジョ君と結婚したのに、気を悪くする事なくカフェに来てくれている。
嫌な思いでもあるけど、ここの人達はとてもいい人たちばかりだ。
それなのにママが好きだった星空をまだしっかりと見たこともなければ、スンジョ君とはまだキスさえもした事がない。
どれほどスンジョ君にキスをしたいと思っているのか、どれほどスンジョ君に触れてもらいたいと思っているのか、それさえも考えるのが怖かった。

「ママ、今日は結婚記念日だから、パーティーをするの?」
「そのつもりだよ。結婚記念日だけじゃなくて、スンハがパパの本当の娘になれた日でもあるからね、三人でお祝いしようね。」
ケーキは夕方スンハと一緒に買い物に行く時に、予約をしたお店に取りに行く事になっていた。
料理はカフェに来るお客さんが途切れている時に、いくつか作っているからあとは盛り付けるだけ。

「ねぇママ・・・パパに記念日のプレゼントは何にしたの?」
「パパは、そういうのは好きじゃないから、三人でお祝いするだけでいいと思うよ。」
「そうかなぁ・・・ソヨンちゃんのママは、ソヨンちゃんのパパとふたりでソウルの高級ホテルでデートしたんだって。その後に、妹が生まれたからそれがプレゼントなんだって。それがプレゼントって、スンハニはよくわからないけど。」
そうね・・とも、そうなんだとも言えない。
それよりも、スンハは弟か妹が欲しいのだろうか・・・・

「スンハは、パパの本当の娘になれた記念に何が欲しいの?」
「ん~スンハもソヨンちゃんみたいに妹が欲しい。」
「そっかぁ・・・妹が欲しいんだね・・・・」
子供には大人の事情は分からないが、それは本心だという事くらい分かっていた。
でも、スンハがお腹に出来た時は何も考えていなかったわけじゃないけど、あの時はスンジョ君と肌を触れ合う事だけで嬉しくて幸せだった。
運よくスンハを授かった時はまだ大学生だった。
何も知らないでいればよかったのかもしれないけど、あの出来事と医師からの診断が頭から離れない。

「でも、スンハいらないよ妹も弟も。ジョンオンおじさんとおばさんが言っていたよ、ママとパパは仲がいいからスンハも幸せだねって。ママが泣かなくなったから、スンハにはそれが一番のプレゼントだよ。」
この娘がいたから、私はあの出来事から乗り越える事が出来て、スンハがいたからスンジョ君と再会が出来た。
スンハがいれば私はきっと勇気が出るような気がする。




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