星の輝きがそうしたのか、それとも本当に何かから解放されたのか。
「私・・・・今日、なんだか変みたい・・」
「変って・・」
「ここに来て6年経って、やっと星空を見て奇麗だと思ったの。スンジョ君がキラキラと輝いて、星の王子様に見えて・・・・魔法にかかったみたいに、自然とひきつけられて・・・・」
「よかったな、ハニから力が抜けたんだ。」
両手で顔を覆ってハニは声を出して泣いていた。
大好きなスンジョと長い時間かかってやっと本当に結婚をする事が出来たのに、軽いキスをするどころか手さえ繋ぐ事が出来なかった。

泣く事さえもしかして忘れていたかもしれないハニが、箍が緩んで泣いている姿を見てスンジョはまだ単純に喜べなかった。
家の外で星空を見上げていて、その星の力でハニが心から無防備になれたからで、室内の狭い空間の中で二人だけになった時とは別だ。


「間に合ったな。」
「間に合ったって?」
「初めての結婚記念日。今日は忙しくて正午少し前にハニが作ってくれたサンドイッチを食べたっきりだ。ごちそうを作って待っていてくれるって言っただろ?」
「すぐに温め直すね。スンハも起きて待っていたけど、まだ小さいから遅い時間に食べるのはよくないって・・・」
「ハニも食べずに待っていたのか?」
顔を赤くして俯いた。
スンジョはハニがどうして顔を赤くして俯いたのか想像がついていた。

「ちょっとだけ、ちょっとだけと思って、スンジョ君が待っている時に・・・・食べてしまって・・・」
「ふぅ~ん・・・」
「ごめんなさい。」
ペコっと頭を下げて謝るハニが、少しずつ以前のハニに戻って来ていた。
急いで家に入る途中で何もない所でつまずき、小さな悲鳴を上げて何もない所に怒っていた。
決してまだ大丈夫とは思えないが、これでハニの心も少し解放されたはずだ。

「スンジョ君!これって何か入っているの?」
「開けてみて・・・お袋から届いた。で・・・そっちの封筒は、オレからハニへの贈り物だ。」
箱を開けて中から取り出したのは、いつかは着たいと思っていたウエディングドレス。
スンジョと結婚しても、結婚式はまだ挙げていなかった。
封筒の中には一冊のパンフレットと二人分の飛行機チケット。
「スンジョ君・・・・」
「オレの方の仕事も軌道に乗りかけたし、連休を利用して考えていたらお袋からクリニックの方に届いていたんだ。式場は親父の会社の名前を使ったから、いい式場を押さえる事が出来た。残念だが、新婚旅行は済州島に行く時間しか取れないけど、この先いつかは長期で旅行に行けるようになると思う。」
新婚旅行先にどこがいいのかは、二人には関係なかった。
約束を果たせないまま一度は別の道を歩き始めたが、再び会えるようになったら今度はもう二度と離れる事がなければそれでよかった。





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