『サーッ』という音が本当にあれば、今この場にその音が流れていた。
今まで話をしていた学生たちもを話す事を止めて、ハニとハニの名前を読んだ人の方を見た。

「ハニ・・・ほら・・・返事をしたら?」
「ぁ・・・はい・・・私が、オ・ハニです。」
「ふぅ~ん。」
憧れていたスンジョが目の前にいると、声が出ていたのかもわからないくらいにハニは緊張をしていた。

スンジョは笑顔を見せるどころか、冷たい眼差しでハニを軽蔑するように見ながら、ポケットの中から一通の封筒を出した。
「私に?」
小バカにしたようにハニを見ながら、スンジョは顎を突き出してその封筒を受け取るようにハニの目の前に突き出した。
その封筒をハニは受け取り、封筒の中から手紙を出した。

ハニからの手紙の返事だと思ってある程度の期待を込めた開くと、派手に赤いペンで手紙の文章を添削されおまけに点数まで付けられていた。
「酷い・・・」
「高校三年の学力でこれでは確かに酷い。」
「女の子から貰った手紙の返事を書くどころか、そのまま添削して返すなんて最悪。」
「ふん・・添削してもらえてありがたいと思ってほしい。こんな事に時間を割いたオレの気持ちも分かってもらえない人とこれ以上話す気持はない。」

噂には聞いていた。
成績優秀でスポーツ万能、ビジュアルも完璧だが心を持っていない冷徹な所がある・・・
そういう噂を聞いてはいたが、時々笑っている姿を見るとそれはただのやっかみだとしか思わなかった。

「あの・・・スンジョ君の気持ちは・・・・」
今ある力を振り絞って、ハニは勇気を出して聞いてみた。
「知らない人間に自分の事を知って欲しいなんて言われて・・・迷惑だ。」
たくさんの学生のいるホールも、スンジョとハニ・ミナ・ジュリの様子を興味津々で聞いていた。
スンジョが『迷惑だ』と言って、三人に背を向けて歩いて行く様子を見た数人の女子生徒はバカにしたようにハニたちの方を見てヒソヒソと話していた。

「アイツは噂通りの男だよ。」
「諦めた方がいいよ。出した手紙を添削して返すくらいなら、まだ返事を出さない人の方が人間味があるよ。」
親友の二人にそう言われても、ハニは傷付いてもスンジョを諦めきれそうにもなかった。
ずっとスンジョに一目ぼれをしてから、太陽の動きを追っている向日葵でいようと思っていた。
その態様を諦めたら、向日葵は咲いている事が出来なくなる。



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