「あっ!奥様・・私が持って行きます。」
「いいわ、ジュリはずっとハニを看病して疲れているでしょ?私が後は看るから、久しぶりに家にお帰りなさい。スンジョが帰って来るまで、休暇と思ってご主人と子供さんとゆっくりなさい。」
「奥様は店の方が忙しいし・・・・」
「大丈夫よ。ウンジョが最近は結構役に立っているから。」
若く美しいペク家の奥様は、忙しくても忙しいという顔をした事がない。
女性であっても、男性並みに市の日には、露店を廻り露天商に取引に出ていた。
とても王族の血を引く女性とは思えないくらいに度胸があった。

「ハニ・・・・薬湯の時間よ。」
眠っているハニの額に手を当て、かわいい嫁に優しい眼差しを向けて声を掛けた。
振れた手に気が付いたのか、ハニはゆっくりと瞼を開けた。
「お義母さん・・・」
「少し熱は下がって来たわね。慣れない土地、慣れない宮殿での生活、王様が亡くなって数日後にペク家の嫁になって・・・・生活する場所が変わるだけでも大変なのに、半年も経っていないのに環境が変わったから疲れたのね。飲みにくいけど、薬湯だけはちゃんと飲まないと良くならないから・・・」
スンジョの母のグミに身体を支えられて、薬湯の入った椀をハニの口元に持って行った。
「急いで飲まなくてもいいわよ。」

一口薬湯を含むと、ハニは眉をしかめた。
「に・・苦い・・・・」
「味覚が出て来たのね・・・良かった。苦いと分かるようになったのなら、よくなってきた証拠よ。スンジョはね、薬草の効能をすべて把握しているから、どれとどれを組み合わせたらどう効くのか全部分かっているの。それを知った先王が、自分の体調管理のために医官としてそばに置いたの。」
「そうなんですか・・・・」
「御医はいるのだけど、スンジョの薬草の知識と、漢方薬の調合が体に合ったから医官にしていたの。商人の息子に産まれなかったら、きっと医者になっていたと思うわ。主人も、スンジョを薬草や漢方薬の取引を任せているのよ。ハニは性格も良くて笑顔がとっても素敵だから、気難しいスンジョをもっと柔らかくしてくれるだけでいいわよ。」
回復してきているハニでも、まだグミの話を聞いて頷く事も答える事もまだできなかった。
薬湯を飲み終わると、またハニはウトウトと眠り始めた。
嫁として頑張っているハニのその顔を見ながら、まだ幼さが残っているハニを愛おしそうに一度抱きしめてから布団に寝かせた。




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