今日はここで夜を明かすか・・・・・
ハニにここの満天の星空を見せてあげたかった

「天気が良かったから星が綺麗ですね。」
スンジョと年齢の近い雑用係りのヨンホは、人懐っこい笑顔で近づくとスンジョが座っている隣に腰を下ろした。
「ここを通る時はいつも天気が悪くて、テントの中で眠ったけど、今日は外で眠っても危険はなさそうですね。」
「そうしたいが、明け方にグンと気温が下がるからそれは無理ですね。」
運が良くなければこの星空を見る事は出来ない。
私自身、これほど奇麗な星空をここで見たことはなかった。

「ハニ様がいらしていたら、スンジョさんはここでどんな話をなさいますか?」
「どんな話をするのだろうか・・・私は口下手だから気の利いた事は言えない。」
「旦那様は奥様とご結婚された時、ここにお二人で並んで座られ・・・奥様に『この星空のように奇麗な瞳をしている』と言われてましたよ。」
自分と同じように口下手な父が、そんな事をあの母に言ったのかと考えると、澄んだ空に輝く星はそれくらいの力があるのかもしれない。

「スンジョさんは、ハニ様がもし一緒にいらしていたら、どんな言葉を伝えられますか?」
「父と同じことを言ったかもしれない。」
人と話す事も人に関心を持つこともなかった自分が、宮殿の庭で咲いている花を一輪一輪に話しかけている姿、柔らかな風を受けながら自然が豊富な生まれ育った村を思い出しているような表情を見て、胸が熱くなる思いを感じた。
振り返ったその顔は太陽のように明るく、自分ではなく王様に向けていた時は淋しさを感じていたが、いつごろからか自分を見て、白桃のような頬を染めていたハニが愛おしいと思うようになっていた。

ヘラ様と同じ地位でなければ、自分の想いをもっと早く伝えていたかもしれなかった。
あの日、王様に呼ばれた時、ジュングか自分のどちらかを選ぶのならきっと自分ではないと思っていた。
自分と同じようにハニ様に対してジュングは特別な想いがある事は知っていた。
ハニは、ジュングには親しく話していたが、自分とは会話すらした事がなかった。
自身がないと思ったのはあの時が初めてだった。
まだ16にもならないハニが、勇気を振り絞って言ったあの言葉で、自分の想いを伝える事が出来たのかもしれない。

『ハニ様、私の妻になってください。私はハニ様以外の女性にはどんな感情も芽生えません』


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