「ただいま。」
スンリと呼ばれた男の子を抱いて、涙を流しているハニの傍に近づいた。
「お・・お帰り・・なさ・・・」
ハニの少し後ろに付いて来たジュリは、スンジョの姿に一瞬驚いたが平成に戻って会釈をした。
「ジュリ、来るのが遅くなってしまいましたが、ハニの事を見守ってくれてありがとう。」
「とんでもございません・・・どうぞ家の中に・・・」
ジュリの案内でスンジョはハニとスンリと、付き人と一緒に家の中に入った。

庭側の廊下に、ハニが作ったチュモニや小物類を選んでいる客が数人、スンジョの姿を見て会釈をした。
どんなふうにスンジョを見ているのか、それを聞かなくても夫であると気が付いているように見えた。
「漢陽のお屋敷よりも小さいですが、こちらが客間でその隣が居間・・・・この部屋は、ハニ様の仕事部屋兼店・・として使っています。」
ハニの仕事部屋となっている角部屋を通り抜け、直角に廊下を曲がると勝手場がありその横が使用人部屋、その向かい側は子供部屋・ジュリの部屋と一番奥がハニの寝室になっていると、一つ一つの部屋の説明を受理から聞きながら、また居間に戻って来た。

「スンリ・・・ジュリと一緒にお部屋に行って昼寝をして来るのよ。」
スンリはイヤイヤをしながら、ジュリに抱かれて子供部屋に連れて行かれた。
スンジョの付き人は気を利かせて、少し外を廻って来ると言って家から出て行くと、そこにはハニとスンジョだけの二人になった。

「いつ産まれた?」
「え?」
「ハニはもうすぐ18歳で、私は23歳。親になるには早い年齢でもないと思う。」
「えっと・・・」
何かを言いたそうで、ただどういっていいのかハニが迷っていると、スンジョはまた話を続けた。
「ヘラ様は15歳で母になったが、彼女は政略結婚をしたが今の王様に次ぐ継承者を産まないといけないという事情があった。でも可哀想な事で、ヘジュン様は病で亡くなった。幼い世子様は今は健康でもなんどき何があるか分からない。スンリは皇位継承の対象になるのは・・・・」
「スンリは、皇位継承者になれない・・・」
「なれない?」
スンジョ自身は母が先王とは遠い親戚でも、ハニは先王の孫。
皇位継承者になれないはずはなかった。

「スンリは・・・拾った子供なの・・・」
「拾った子供?」
「家の前に捨てられていて・・・・スンジョさんが行方不明になってしばらくして、赤ちゃんの泣き声が聞こえたから・・・・私が見つけたの。スンジョさんが必ずどんな困難にも負けないで帰って来てくれるように『勝利(スンリ)』と名付けたの・・・・」
自分とハニの子供だと思い込むほど、スンリは自分にもハニにも似ていた。




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