産まれたばかりの頃からスンリを育てていたとはいえ、初めて自分の子供を育てるのは毎日が新鮮だった。
キョルがそばにいるからではなく、スンリをスンハと分け隔てなく育てなければいけない。
スンリは決してハニを困らせる事はしなかった。
いつもスンハの傍にいて、スンハの表情一つ一つを見ているのが嬉しいようだった。

「ハニ、これを・・・・」
「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)?薬を飲むのは嫌だけど・・・飲まないといけないのよね・・・」
「ハニは大変なお産だったから、少しでも早く回復が出来るのを処方しました。」
「母さんも、この薬を飲んでいたら、私の姉弟が産まれていたかもと思うと・・・スンハの姉弟をと思うと・・・・」
チラッとハニはスンリを見た。
幼くても自分がスンジョとハニの実の子供ではないと分かっている。
薬の効能をスンリが知っているわけではなくても、スンハの姉弟を考えている事を声に出してしまったのが気になった。

「ハニ・・・・この先、自分たちの子供とスンリを分け隔てなく育てていくのは大変だと思う。もしハニがスンリに辛くあたってしまいそうなら、そうなる前に話して欲しい。」
「そんな事は・・・・」
そんな事は絶対にないとは言えない。
スンハの世話をしている時にスンリがそばにいると、同じ月齢の時のことを思い出して『あの時は捨てられていた子供を思い、ただ同情だけだった』と思う時もあった。

「まだ暑い時期もありますけど、予定を早めて漢陽に行きませんか?」
「漢陽に?」
漢陽に行けば母が亡くなり父が一人で悲しんでいれば、そばにいて励ます事が出来る。
「スンリは漢陽にいるキョンと似ている。父親は違っても、物覚えが早く文字や計算ができる子供だ。スンリを私は自分の実の子供だと思って、将来は商団の行首として後継者に育てたい。そのためにも、早いうちに商団での仕事を見せて上げたいと思います。」
スンジョの考えは自分の後継者として考えている事もあるが、スンハの世話をしながらスンリに後ろめたい気持ちでいるハニを思っての事だった。


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