離れから一向に何の連絡もないまま時間が過ぎていた。
「旦那様、ご実家の方に連絡はどうしましょう。」
ジュリは何も指示を出さないジュングに、このままスチャンやグミに報告をしないでいていいものかと心配になった。
「兄上に連絡して、実家の方に使者を出すように頼んでほしい。」
本心はスンジョには連絡はしたくなかった。
だが、そんな感情でやっと夫婦として信頼し合って行けるとハニと数日前まで話していたから、自分の嫉妬心から幼稚な態度を取るわけにもいかない。
生れたばかりの妹を見ながら、眠い目をこすっている息子は自分とは血の繋がりが無い事は、日が経つにつれてはっきりと判るようになっていたが、父として甘えてくる息子の父親がどうであろうと可愛くて仕方が無かった。
縁談の話が出る前から秘かに好きだったハニが生んだ子供と言うだけではなく、初めての子供に戸惑っている妻と一緒に成長を見て来た。
「スンリや・・・・スンリ・・・・・眠いだろう。お母様には明日には会えるから、部屋で眠りなさい。」
「僕、起きていたい・・・妹を見ていたい。」
「明日もずっと見ていることが出来るから、部屋で眠りなさい。」
スンリは決してそれ以上起きていると言ってジュングを困らせる事はしなかった。
そんな小さなところも、優秀ない義理の兄のスンジョとよく似ている。
何度も妻に、「スンリの父親」の事を言いだそうとしたが、何も知らないでただ父として慕って来るスンリを悲しませたくなかった。
「旦那様、スンジョ様とヘラ様がお見えになられました。」
「通してください。」
夜中近い時間にも関わらず訪ねてきた義理の兄夫婦。
王家の血を引くヘラは気位が高く美しいが、人を見下している冷たい表情の女性。
「ジュング殿・・・・ハニの具合は如何ですか?父上と母上には使者を出しましたので、出来る限り早く着くように来てくれると思います。」
「何とか出血は治まったのですが・・・・・意識が戻らず・・・・まだ面会も出来ない状況が続いています。」
スンジョの隣にいるヘラは、一言も話すこともせず、生まれた子供にも視線を向けない。
ジュングはハニをどうしても助けたい。
そのためにはどうしたらいいのか、生まれた子供を見ているスンジョのスンリとよく似た顔を見て、一度目を瞑って気持ちを落ち着かせた。
「兄上、部屋の外からハニに声を掛けていただけませんか?」
「ジュング殿・・・・・・」
判っていた。
どんなに気持ちが通じ合い信頼し合えるようになっても、ハニの中にいるのは自分ではなくスンジョであると。
兄嫁がそこにいて何かを感じてしまうかもしれないが、スンジョが声を掛けて意識が戻って来るのなら、その方がまだよかった。
「スンリが声を掛け、私が声を掛けた時に反応はしているそうです。家族で応援をしている事が判れば・・・・」
「そうですね。呼びかけてまいります。」
ヘラをその場に置いてスンジョはジュングに言われたように、すぐに立ち上がり離れに向かった。
「パク先生・・・・奥様が少し反応されています。」
助手に言われても顔を見ると、わずかに口元が動いていた。
助手は耳を口元に近づけて神経をその言葉を聞きとるために集中させた。
「スンジョ・・・・・・・・・・・・」
そうハニが言った時、部屋の外からハニに呼びかける声が聞こえて来た。
「ハニ、スンジョです。生まれた子供も見て来ましたよ。元気でとても可愛い子供ですね。早くハニも元気になって娘を見に行ってください」
_____ スンジョ・・・・・・会いたい
「パク先生、気が付かれました・・・・・」
ハニはシッカリと目を開けて、今の自分の状況に戸惑っていた。
「奥様、お判りになられますか?無事にご出産されましたよ。」
まだ顔色は良くないが、さっきまでの言いているのかもわからない程だった顔に生気が戻って来た。
パクがハニの脈を診たりして、もう峠を越したことが確認できた。
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「旦那様、ご実家の方に連絡はどうしましょう。」
ジュリは何も指示を出さないジュングに、このままスチャンやグミに報告をしないでいていいものかと心配になった。
「兄上に連絡して、実家の方に使者を出すように頼んでほしい。」
本心はスンジョには連絡はしたくなかった。
だが、そんな感情でやっと夫婦として信頼し合って行けるとハニと数日前まで話していたから、自分の嫉妬心から幼稚な態度を取るわけにもいかない。
生れたばかりの妹を見ながら、眠い目をこすっている息子は自分とは血の繋がりが無い事は、日が経つにつれてはっきりと判るようになっていたが、父として甘えてくる息子の父親がどうであろうと可愛くて仕方が無かった。
縁談の話が出る前から秘かに好きだったハニが生んだ子供と言うだけではなく、初めての子供に戸惑っている妻と一緒に成長を見て来た。
「スンリや・・・・スンリ・・・・・眠いだろう。お母様には明日には会えるから、部屋で眠りなさい。」
「僕、起きていたい・・・妹を見ていたい。」
「明日もずっと見ていることが出来るから、部屋で眠りなさい。」
スンリは決してそれ以上起きていると言ってジュングを困らせる事はしなかった。
そんな小さなところも、優秀ない義理の兄のスンジョとよく似ている。
何度も妻に、「スンリの父親」の事を言いだそうとしたが、何も知らないでただ父として慕って来るスンリを悲しませたくなかった。
「旦那様、スンジョ様とヘラ様がお見えになられました。」
「通してください。」
夜中近い時間にも関わらず訪ねてきた義理の兄夫婦。
王家の血を引くヘラは気位が高く美しいが、人を見下している冷たい表情の女性。
「ジュング殿・・・・ハニの具合は如何ですか?父上と母上には使者を出しましたので、出来る限り早く着くように来てくれると思います。」
「何とか出血は治まったのですが・・・・・意識が戻らず・・・・まだ面会も出来ない状況が続いています。」
スンジョの隣にいるヘラは、一言も話すこともせず、生まれた子供にも視線を向けない。
ジュングはハニをどうしても助けたい。
そのためにはどうしたらいいのか、生まれた子供を見ているスンジョのスンリとよく似た顔を見て、一度目を瞑って気持ちを落ち着かせた。
「兄上、部屋の外からハニに声を掛けていただけませんか?」
「ジュング殿・・・・・・」
判っていた。
どんなに気持ちが通じ合い信頼し合えるようになっても、ハニの中にいるのは自分ではなくスンジョであると。
兄嫁がそこにいて何かを感じてしまうかもしれないが、スンジョが声を掛けて意識が戻って来るのなら、その方がまだよかった。
「スンリが声を掛け、私が声を掛けた時に反応はしているそうです。家族で応援をしている事が判れば・・・・」
「そうですね。呼びかけてまいります。」
ヘラをその場に置いてスンジョはジュングに言われたように、すぐに立ち上がり離れに向かった。
「パク先生・・・・奥様が少し反応されています。」
助手に言われても顔を見ると、わずかに口元が動いていた。
助手は耳を口元に近づけて神経をその言葉を聞きとるために集中させた。
「スンジョ・・・・・・・・・・・・」
そうハニが言った時、部屋の外からハニに呼びかける声が聞こえて来た。
「ハニ、スンジョです。生まれた子供も見て来ましたよ。元気でとても可愛い子供ですね。早くハニも元気になって娘を見に行ってください」
_____ スンジョ・・・・・・会いたい
「パク先生、気が付かれました・・・・・」
ハニはシッカリと目を開けて、今の自分の状況に戸惑っていた。
「奥様、お判りになられますか?無事にご出産されましたよ。」
まだ顔色は良くないが、さっきまでの言いているのかもわからない程だった顔に生気が戻って来た。
パクがハニの脈を診たりして、もう峠を越したことが確認できた。
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