大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2015年08月

雪が降る前に「波の花」 122

熊のように人懐っこいナ先生は、両手を広げて3人を出迎えた。
「ぅおおぉ~、待っていたぞ。おや?ハニとスンジョさんの子供は眠っていたのかぁ~」
その大きな良く通る声で、眠っていたスンハが目を覚ました。
「起きたかぁ~眠そうな目はハニによく似ているなぁ~おじさんが、抱っこしてあげるから待っていろよ。」
目をこすりながらスンハはナ先生に、抱き上げられて馬から降りた。

「お久しぶりです・・・・・」
「久しぶりだ・・・・良かったよ、ハニが見つかって。スンジョさんがどれだけ大変な思いをして、お前を探していたか・・・・ギドンさんもハナも心配していたぞ。それにこんなにまぁ・・・・痩せちまって・・・」
上手から降りるハニに手を貸そうとすると、それよりも少し早くスンジョがハニを馬から降ろすのに手を貸した。
「パク先生が、お待ちだ。先に子供を診察してもらうか?」
「そうですね。ハニは体調も良くないので、診察に時間がかかるので、娘を先に診ていただき出来れば診察後に何か食べさせてあげたいので。」
初めて見る診療所の光景に驚きながら、スンハはナ先生に手を引かれて中に入って行った。
ハニとスンジョもその後に付いて、なじみの人に挨拶をしながら診察室に向かった。

パク先生の診察室の中は、以前と変わらず新しい医療書や人体模型が置かれていた。
初めて見る等身大の人体模型が怖かったのか、スンハはハニの後に隠れて出てこようとしない。
ハニも、以前にはなかったその模型に驚き、緊張した表情を浮かべている。
「先生、西洋医学を勉強なさっているのですか?」
「さすがにスンジョさんはご存知でしたか・・・・・・昨日やっと届いたのですよ、この人体模型。あなたの娘が驚くのも判ります。この私でさえ、よく出来ていると感心したのですから。」
パク先生は、ハニの後に隠れているスンハに優しく笑いかけるが、人体模型が気になってスンハはハニの前に出る事が出来ない。

「スンハ、これは怖い物ではないですよ。病気の人を治すために作られた人形ですから。」
「病気の人?かあ様も治るのですか?元気なかあ様になるのですか?」
「そうですよ。」
パク先生の優しい声にと父の話に、少しは安心したのかハニの横に出て来た。
「かあ様を治してください。これからとう様とかあ様と漢陽に先に行っている弟のスンリと暮らしたいの。」
「お母さんも治しますが、スンハちゃん、あなたが元気なのかちょっとだけ先生に見せてくれるかしら?」
コクンと頷くと、パク先生の助手がスンハを寝台に寝かせた。
緊張をするスンハに、スンジョとハニは大丈夫と頷いた。
目をしっかりと開けて、身体に触られることも嫌がらずにいたお蔭で、ものの数分でスンハの診察は終わった。

スンハは、診療所で手伝いをしている人に手を引かれて診察室を出て行くと、ハニの診察になった。
胸の音を聞き、脈を診てそれを診療記録に書き込んだ。
無言で診察をしているパク先生に、いつもと違う少し厳しい表情にスンジョもハニも不安になって来た。
「次の診察をする前にハニに聞くけど、スンジョさんも一緒にいて貰った方がいいかしら?」
「え・・・・・あ・・・下着を取るのですよね?」
診察と言えど、さすがにその光景を見られることは恥かしいが、スンジョがいなければ、もし何か良くないことが起きたらハニ自身どうしていいのか判らなくなる。
「衝立をしてくれますよね・・・・・・」
「ここにいて欲しければ・・・・衝立をしてそこで待ってもらいますよ。」
「お願い、スンジョさんがそこで待っていてくれれば私は怖くないです。」
パク先生の指示で、衝立が立てられると直ぐにハニの内診が始まった。
時々、何かを小さな声で言うと、助手はそれを書きとっていた。
その様子から、スンジョはよくないことがあるのではないかと思った。



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雪が降る前に「波の花」 121

山を降りながら、木々の隙間から見える海原をハニは何度も振り返っていた。
もう、本当にここには戻らない。
もし来るのなら、まだ波の花を見ていないスンリと一緒に来る。
スンジョから逃げて、独りで生きて行くことはもう考えない事に決めていた。
「しばらく来ることが有りませんから、崖の下に降りてみますか?」
「大丈夫です。まだ朝早い時間ですが、早く診療所に行ってスンハを診てもらわないと。」
小さな手をスンジョの手と繋いで歩いているスンハは、両親の会話も耳に入らない程に一生懸命歩いていた。
崖の下に降りて行けば、ジュングと会う事になる。
今までも何度も傷ついてきたハニだから、これ以上は傷つけたくはない。
麓に着く少し前に馬に乗ってそのままこの村を出て行こう。
早朝から海に出ているが、若芽取りに行くよりも早い時間に小屋を出て来た。

「スンハ、かあ様にしっかりと掴まっているのですよ。お昼まで休まずに次の場所に行きますから。」
「はい!」
「頑張って掴まって・・・・・・・」
スンハの小さな鼻は冷気で赤くなり頬も赤くなっていた。
母の背中に頬をぴったりとくっつけたスンハは、父と三人でいる事が嬉しくて冬の寒さ等感じていないようだ。
ほんの小さな行動さえもスンジョは幸せに思える。
手綱を持つハニの細い手は赤くなり、凍え付いてしまいそうでその手をスンジョが包むと驚いた顔をして振り向いた。
「さすがにこの寒さでは、私の手も冷たくて手綱を持てません。ハニの手の上から手綱を捌きますから・・・・・・・・」
太陽が上がれば寒さも多少は楽になる。
清国から一番厳しかった山小屋までの道よりは、風も遮られて一気に診療所まで向っても、ハニの弱った体に負担もかからず、幼いスンハにも耐えられるだろう。

峠を越えて、眼下に集落が見えて来た。
「スンハ、もう少しですからね。頑張ってかあ様に掴まっていてくださいね。」
「・・・・・・・・」
「スンハ?」
返事のないスンハの顔をハニは振り向いてみると、両親の間に挟まれて温かかったのと、朝が早かったから疲れもありすやすやと眠っていた。
「スンジョさん・・・スンハは眠っています。」
「そのようですね。ハニもあと少しだから頑張ってください。」
あと少し、あと少しで診療所に着く。
パク先生にも会いたいし、自分の子供の顔を見せたい。

街道に入ると、5年前と変わらない活気があった。
店も繁盛しているのか、客の笑い声や会話が賑やかだ。
「変わらない・・・・」
「変わらないですよ、何もかも・・・・・・・ハニも変わっていないですから。」
スンジョのそんな一言も頬を染めるハニは、出会ったころのまだ少女のような可愛らしさを残していたが、一人の女性としてとても魅力のある表情だった。
あの頃は、活発で少年のような所もあったハニが、傷付きどん底に落ちて、その中でスンジョに恋心を抱いて変わって行った。
漢陽に行ってからも寂しい思いをさせてしまったせいか、相手を思い過ぎてしまうようになっていた。


診療所に入る道を上り、看板が見えると誰かがこちらを向いて立っていた。
「ナ先生・・・・・・・」
大きく手を振り3人が来るのを迎えてくれていた。





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雪が降る前に「波の花」 120

何日かぶりに深い眠りに入り、一度も目を覚ますことなく眠っていたような気がした
暖かい春の陽射しが顔に当たり、新緑の枝が優しく揺れている
今は冬のはずだが・・・・どうして春なのだろう
今目の前に見える景色はどこだ?
遠くで聞こえる女の子の声

「ねぇ・・・・誰かが倒れている・・・・」
「怪我をしているわ、家に連れて行かなきゃ・・・・・・死んでないよね・・・・・・」
ハニ?ハニ・・・・オレは生きている・・・・

ヒンヤリとした何かが額に触れた、それを掴もうと手を伸ばすと声を出している人物とは違う声が聞こえた。

「とう様・・・・とう様・・・死なないで・・・・」
「スンハ、とう様は疲れていらっしゃるの。眠っているだけだから静かにしていなさい。」
夢か・・・・・
重い瞼を開けると、心配そうに小さな顔のスンハが覗き込んでいた。
「かあ様!とう様が起きました!」
スンハの声に意識がしっかりとしたスンジョが身体を起こすと、ハニが安心したような顔で朝の食事の用意をしていた。
「夢を見ていたみたいです。」
「魘されていましたよ。」
「ここに来たのは3回目ではなかったようです。崖から落ちる少し前にこの小屋で休んでいた。ほんの少しだけ眠ろうとした時に、あの破落戸に狙われて、預かった書状があるから必死に走り、逃げていて・・・・・その時にここに隠れていた・・・・もういいだろうと思って下山している途中にまた破落戸に会い・・・・・ハニが倒れている私を見つけてくれた時・・・・・心配そうに呼びかけてくれた声を、しっかりと思い出しました。」
ハニが傍にいたから思い出した。
ただ破落戸に追われて落ちたと思っていたが、ここで身を潜めて時が経って小屋を出た時に襲われた事を思い出した。
この小屋に来るのも、ハニに出会うのも偶然かも知れないが、スンジョとハニの出発地点はこの小屋だった。
ここに来なければ、破落戸に襲われても崖から落ちることも無かったし、ハニの声に導かれるように崖から落ちてハニと出会う事が無かったかもしれない。

自分が分らしく笑ったり涙を流していくために遠回りをし、辛い出来事を乗り越えて行かなければいけない事だったのかも知れなかった。

一人の子供はここには今はいないが、こうして向かい合って食事をすることが、これからのスンジョに託された事のように思えた。
大切な人たちを守って、その大切な人たちは疲れたスンジョが休むことの出来る場所を作ってくれる。

まだ陽が昇る前に、小屋の中を片付けて三人は馬と一緒に山を降りて行った。





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雪が降る前に「波の花」 119

近くに行きたいと言うスンハを抱き、ハニの手を引いて細い道とは言えない道を降りて行った。
バシャッバシャッと音を立てて岩に当たり、泡状の波しぶきが飛んだ。
飛び散る泡状のしぶき。
近くまで行きそれを救い上げるスンハ。
「かあ様!とう様!今度来る時はスンリも一緒に連れて来ましょうね!」
波の音に負けないくらいのスンハの声。
「ハニと似ていますね。」
「私はスンジョさんとスンハにスンリは似ていると思います。二人共頭のいい子供です。」

クスッ

優しく笑っていたスンジョの息が、ハニの耳元に掛った。
「スンハの事ではありませんよ。波の花とハニが似ているのです。」
「そ・・・・・そうだったのですか・・・私ったら・・・」
「波の花は冬の荒波が強風で岩に当たって起こっているようですね。綿の様で手に触れると消えてしまう・・・・・」
「私はもう消えませんから!」
頬を膨らませてちょっと拗ねるハニは少女の様だ。

「消えても、冬の波は強い・・・・・怖がりのハニが誰にも悩みを告げずに、屋敷を出て一人で子供を生んで育ててくれました。とても普通の人間には出来ない事です。」
外套(トゥルマギ)を着ていても冬の冷たい風は隙間から入って来る。
スンハがクシャミを2・3回したのを見て、三人は小屋の中に入って行った。

火を焚き小屋の中が暖まっていても、火が消えてしまえば小屋の中はあっという間に温度は下がって行く。
だからと言って火を焚いたままで寝てしまうのも危険だ。
長い旅の途中で乾燥した藁の中に入ると意外と温かい。
三人は出来る限り、身体を寄せ合って目を閉じると直ぐにスンハの可愛い寝息が聞こえて来た。

眠れなかった
親子三人で、こんなに近くで寝た事より、保温のために身体を近づけているとハニの香りがした。
フゥーッと小さくハニが息を吐いた。

「眠れないのですか?」
「スンジョさんも眠れないのですか?」
「ええ、やっとハニに会えることが出来ましたから、スンハとあの清国に行った日から眠れません。」
「まぁ・・・・・・」
「明日中に以前に住んでいた診療所に休まずに行きます。ちょっと大変ですが頑張ってください。」
「はい。」
「診療所に着いたらパク先生に診てもらう事になっています。スンハの健康状態とハニの・・・・・ハニの身体を診てもらいます。」
「私は大丈夫です。」
「だめですよ。スンハにスンリを生んだ時に無理をしたでしょう。二人の弟や妹を授かるためには、ちゃんと診てもらいましょう。」
「はい・・・・・・」
スンジョの大きな手が、細いハニの手をしっかりと握ると、お互い安心したのか、直ぐに寝息をたてはじめた。





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雪が降る前に「波の花」 118

小屋の戸に打ち付けた板を一枚づつはずし、中に入ると隙間だらけの小屋でも外からの冷気もあまり感じず温かかった。
スンハはみすぼらしい小屋の中をグルッと見て驚いた顔をしていた。
「ここで、スンハとスンリが生れたの、最初にスンハが生れて少ししたらスンリが生れて、かあ様はこの時はとても幸せだったの。痛くて苦しいのに、スンハとスンリが生れて来てくれて・・・・・・・大好きな・・・・大好きな・・・・・・とう様の子供を生むことが出来て・・・・・・・」
当時の事を思い出したのだろうか。
ハニは、堪えきれず手で顔を覆って泣き出した。
スンジョも、ハニがどんな思いをして不安な中で一人で子供を生んだのかと思うと、同じように涙が出て来た。

「かあ様・・・・・とう様・・・・・・・」
小さなスンハの顔が二人を見上げると、辛かった事が過去の事にして新たな時間を 今ここにはいないスンリとスンハとハニとで楽しく過ごすために、どんなに困難な事も受け止めて行こうと思えた。
「ハニ、波の花は今の季節が一番綺麗ですよね。ハニが私に見せたいと言っていた波の花を、一番綺麗に見える場所で見せてください。」
優しく母を見つめる父と、その父の視線を大切に受け止める母の顔をスンハは嬉しそうに眺めていた。
「はい・・・・・ここから少し歩いた所の崖から見える場所が一番綺麗なんです。」
ハニが出口に向かおうと一歩踏み出すと、清国に向かう前に用意していた冬の衣類の中からスンハとハニの外套(トゥルマギ)を取り出した。
「これを・・・・・・母上がスンハとハニに用意をしてくれました。」
真新しい外套をハニとスンハの方に掛け、自分も外套を羽織った。

小屋の外は、さっきまで降っていたのだろう、今は止み風も止まっていた。
それは新しい明日に向かう三人の歩みを温かい気持ちで送り出すようにも思えた。
うっすらと積もった雪を、キュッキュッと音をさせながら踏み、ハニがスンジョと見たかった波の花が見える場所に向かった。

「ここよ。」
周囲の崖よりは高くはないが、広い海原が眺めることの出来る場所だ。
傾きかけた太陽の光が海面に反射して、不思議な世界を作っていた。

「ぅわ―綺麗・・・・・かあ様、綺麗・・・・・」
海面に反射する冷たく鋭い光とは対照に、海岸に打ち寄せる波はフワフワと綿の様に柔らかで堅い所に当たれば壊れてしまうくらいに儚げでまるでハニの笑顔の様だった。




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