朝から久しぶりにグミは張り切っていた。
何があるのかと聞かなくても分かる、ウンジョが小学校を卒業する日で、朝から卒業のお祝いと近づく中学の入学式のお祝いを一緒にするのだ。
家族だけのパーティが好きなグミが、卒業と入学のお祝いを一緒に行うのは珍しい事でもあった。
ハニがいなくなってからやっとグミらしくなったようでも、パーティをしようという気持ちだけでも元気になって来たのだろう。
おじさんに何度も頼みに行っても、ハニの親友たちに聞きに行っても誰もハニの居場所を教えてくれなかった。
今どうしているのか、元気でいるのか、体調に変わりがないのかを聞いても教えてもらえなかった。
春には生まれると聞いていた子供の事も気になるが、居場所を教えてもらわなければ男としても何もする事が出来ない。
「昨日はパラン高校の卒業式だったのよね・・・・」
卒業してからもう何年たったのだろうか。
それさえもどうでもいい気持ちになっているのは、自分自身に何も感動する事も必要ないと思うようになったからなのかもしれない。
「お兄ちゃん・・・携帯が鳴っているよ。」
ぼんやりと新聞を見ているつもりで、高校の卒業式の時のハニを思い出していた。
「はい・・・」
ウンジョに言われて携帯の通話ボタンを押した。
「はい・・ペク・スンジョです・・・」
二度ほど応えたが、電話は繋がっているはずなのに、相手からの声が聞こえない。
一瞬ハニだと思い、スンジョは携帯の画面を見た。
「ハニ?」
朝の準備をしていたグミもスチャンもその名前を聞いて、耳をスンジョの方に向けて何か聞けるのではないかと動きを止めた。
<スンジョ君・・・>
「ハニ、どこにいるんだ?元気にしているか?」
ハニの声を聞いただけで、これほど自分が冷静でいられないほど自分には必要な人だと思わなかった。
<元気だよ・・・あのね・・・昨日生まれた・・予定より早く生まれたけど元気な女の子。それだけは伝えようと思って>
何を話そう何を聞こうと考えても思い浮かばない。
「名前は?子供の名前は?」
まだ名前が決まっていないのなら、せめて自分の名前からとってほしいという身勝手な気持ちで聞いてみたが、ハニは名前が決まっているのかどうかも教えてくれなかった。
短い言葉を言った後に、聞くつもりもなかった言葉を聞かされた。
<昨日、パラン高校の卒業式だったね・・・・・だから・・・さようなら・・・>
深い意味のあるようでないその言葉を最後に、ハニの声は携帯から二度と聞こえる事はなかった。
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何があるのかと聞かなくても分かる、ウンジョが小学校を卒業する日で、朝から卒業のお祝いと近づく中学の入学式のお祝いを一緒にするのだ。
家族だけのパーティが好きなグミが、卒業と入学のお祝いを一緒に行うのは珍しい事でもあった。
ハニがいなくなってからやっとグミらしくなったようでも、パーティをしようという気持ちだけでも元気になって来たのだろう。
おじさんに何度も頼みに行っても、ハニの親友たちに聞きに行っても誰もハニの居場所を教えてくれなかった。
今どうしているのか、元気でいるのか、体調に変わりがないのかを聞いても教えてもらえなかった。
春には生まれると聞いていた子供の事も気になるが、居場所を教えてもらわなければ男としても何もする事が出来ない。
「昨日はパラン高校の卒業式だったのよね・・・・」
卒業してからもう何年たったのだろうか。
それさえもどうでもいい気持ちになっているのは、自分自身に何も感動する事も必要ないと思うようになったからなのかもしれない。
「お兄ちゃん・・・携帯が鳴っているよ。」
ぼんやりと新聞を見ているつもりで、高校の卒業式の時のハニを思い出していた。
「はい・・・」
ウンジョに言われて携帯の通話ボタンを押した。
「はい・・ペク・スンジョです・・・」
二度ほど応えたが、電話は繋がっているはずなのに、相手からの声が聞こえない。
一瞬ハニだと思い、スンジョは携帯の画面を見た。
「ハニ?」
朝の準備をしていたグミもスチャンもその名前を聞いて、耳をスンジョの方に向けて何か聞けるのではないかと動きを止めた。
<スンジョ君・・・>
「ハニ、どこにいるんだ?元気にしているか?」
ハニの声を聞いただけで、これほど自分が冷静でいられないほど自分には必要な人だと思わなかった。
<元気だよ・・・あのね・・・昨日生まれた・・予定より早く生まれたけど元気な女の子。それだけは伝えようと思って>
何を話そう何を聞こうと考えても思い浮かばない。
「名前は?子供の名前は?」
まだ名前が決まっていないのなら、せめて自分の名前からとってほしいという身勝手な気持ちで聞いてみたが、ハニは名前が決まっているのかどうかも教えてくれなかった。
短い言葉を言った後に、聞くつもりもなかった言葉を聞かされた。
<昨日、パラン高校の卒業式だったね・・・・・だから・・・さようなら・・・>
深い意味のあるようでないその言葉を最後に、ハニの声は携帯から二度と聞こえる事はなかった。
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