2006年04月

2006年04月26日

「満月の光で葉山登山」満喫(06年4月26日掲載)

4月14日は満月だった。この夜と
いうより15日の未明、私たち10名
は、月明かりの中を長井市の葉山を
目指して出発した。
今回の葉山登山は、私が会員とな
っている「葉山の自然を守る会」の
「第12回自然教室」としておこな
ったものだ。いつも通い慣れている
葉山に満月の光を浴びながら登って
みたいと数か月前から計画し、参加
者を募って実施に移したのだ。
4月の満月の日を狙ったのは、真
冬の寒さを避け、なおかつ月光を妨
げる木々の葉が芽吹く前にと考えた
からだった。
 14日の昼過ぎから、曇っていた
空がどんどん晴れてゆき、月の出の
頃には快晴となっていた。登山口に
向かう車窓から眺めた葉山は、残雪
に月光が反射して、青白く空に浮き
上がっているように見えた。
麓では柔らかかった雪も、中腹か
らは冷え込みで堅雪となり、途中か
らはスノーシューをアイゼンに履き
替えての登行となった。満月の光は
雪面に反射して十分に明るく、目が
慣れるとヘッドランプを消しても全
く支障がないほどだった。
 午前3時半ごろ、山頂まであと一
息のところで振り返ると、東の空か
ら「明けの明星」が昇ってきた。空
はかすかに白み始めていた。出発し
てからほぼ4時間、私たちは山頂の
小屋に到着した。日の出前にと急い
で朝食を済ませた頃、窓の外が明る
くなってきた。
 近くにある展望の良いピークに立
ってみると、木星をすぐ隣に従えた
満月が、西の山かげに沈もうとして
いた。そして5時過ぎ、東の空の霞
の中から赤く染まった太陽が顔を出
し始めた。私たちは歓声をあげ、そ
れぞれに夢中でシャッターを切った。
大朝日岳も山頂から赤みをおびてゆ
き、間もなく私たちの足元の雪面も
金色に輝いた。
 「葉山の自然を守る会」は、今年
で結成から20年の節目を迎える。
大規模林道の建設に市民レベルの反
対運動を展開し、それが奏功して、
林道が貴重なブナの原生林を切り裂
く愚挙は避けられた。「自然教室」
は、その原生林の素晴らしさを多く
の人に知ってもらおうと始めたもの
である。
節目のこの年に、最高の天気に恵
まれて思い出深い登山ができたこと
は、「葉山神」からの贈り物だった
のかもしれない。


happajuku at 06:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 朝日新聞山形版掲載エッセイ 

2006年04月23日

待ちくたびれた春

 22日朝、庭のヤマザクラの大木を見上げると、ずっと上のほうの枝先に本当に1輪だけ、花が開いていました。ようやく、ようやく桜の開花です。なんだかこの春は「春を待ちくたびれた」という感じがするのです。昨年12月中旬からの大雪、そして、もう春かと思われた3月下旬からの寒気の連続。もうないだろうと思っていた雪が3日前にも降りました。
 手元の『花と短歌』によれば、ヤマザクラは4月10日の花になっていて、花言葉は「あなたにほほえむ」。そして短歌は“下り来し山見返れば一本の山桜午後の陽をあびている”とありました。山の桜が咲くのはまだ少し先になるけれど、新緑の木々に混じって山の斜面に立っているヤマザクラの風情が大好きです。
 ヤマザクラはソメイヨシノに比べれば、花の数が少なく、花が咲くのと葉が出始めるのとがほぼ同じです。山の斜面で長年雪に埋もれたり押されたりしながら、幹や枝を曲がりくねらせて育ってきたものが多いのも特徴といえるでしょう。何本もまとまって咲くなどということもなく、新緑のブナやミズナラなどの森の中にぽつんと立っているものがほとんどです。新緑の木々が、明るく元気に笑っている様子なのと比べると、「ほほほ、」と穏やかに微笑んでいるような感じがします。
 花が咲いてもまだ気温が低いようなので、今年の桜は長持ちするかもしれません。


happajuku at 18:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ 

2006年04月15日

ムーンライト葉山〜満月の光の中の登山

 昨夜11時すぎ、ザックを担いで玄関を出ると、ほぼ真南まで昇っていた満月の光が庭の木々の間を通り抜け、玄関前のコンクリートに影を作っていました。満月の明るさは相当なものです。午前零時にローカル線の駅に集合した参加者を誘導して葉山の麓へと向かいました。
 気温は氷点下で、農道の濡れたアスファルト路面が凍っていました。登山口の杉林は暗かったのですが、少し登ってナラとブナの雑木林に入ると、まだ葉っぱがでていないために、月の光が雪面に反射し、ヘッドランプがいらないほどの明るさです。満月の左隣には木星が輝いていたのですが、さすがに満月のそばではいつもの勢いが感じられませんでした。
 標高1100メートル付近まで登ったときに後ろを振り返ると、東の空から金星が出たところでした。「明けの明星」です。その東の空は、まだ4時前だというのにかすかに白み始めていて、「ああ、地球が自転しているんだ」と実感します。北東の空には白鳥座も見ることができました。
 午前4時すぎ、私たちは山頂の山荘に到着。気温はおよそマイナス5℃前後でしたが、風がある分、寒く感じられます。まだ暗い山荘に入り、秋のうちに運んでおいた薪をストーブに入れて、ガンガン燃やします。冷え切っていた山荘内はすぐに暖かくなりました。それぞれに朝食をとります。湯気がもうもうと上がります。私は「いつもの」一品、ナメコ汁を作りました。みんな喜んでくれるのが伝わってきます。
 朝食が終わったころちょうど外が明るくなってきました。風が強まっていましたが、空はやはり快晴。展望ピークへと向かいます。夏はヤブで、道もないのに、雪のあるときはどこでもすきなところを歩ける楽しさ! 西の空に満月が沈もうとしていました。月のウサギがちらっとこちらを見たように思ったのは目の錯覚だったでしょうか。
 日の出は5時04分と新聞で確認していました。まさにその時刻、東の山陰に赤みをおびた太陽の一部が顔を現すと、みんな歓声をあげます。さかんにシャッターを切ります。あたりの雪面が朝日に照らされて金色に輝きます。明けたばかりの空を飛行機が一直線の雲を残して東から西へと飛んでゆきました。
 日の出前後のすばらしい光景は、時間にすればほんの数分です。そして、満月と残雪の具合がもっともいいのは、この山では4月の満月です。この前日は雲が厚かったし、今晩からはまた天気が下り坂ということです。まさに「1年の中でこの日しかない」という日に絶好の日和に恵まれたことに感謝。
 下りにかかって下界を見下ろせるところまでくると、朝日が最上川の川面に反射して輝いていました。
 今日の感動を、多くの人に分けたいと切に思いました。


happajuku at 10:04|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2006年04月08日

新緑の黒沢峠を歩く2006

 <葉っぱ塾 新緑の黒沢峠を歩く2006>

 飯豊連峰のふもとのブナの森の新緑を楽しんでみませんか。生命の鼓動を感じながら、身も心もレフレッシュしてみましょう。黒沢峠は、上杉の城下町米沢と越後とを結ぶ昔の街道にある「十三峠」の一つです。苔むした敷石が風情を感じさせてくれます。片道約2.5キロの峠道を往復します。体力初級者も大丈夫なコースです。

【期   日】5月21日(日) 小雨決行
※泊ご希望の方には、宿泊の紹介もいたします。

【参加費用】大人¥1500  子ども(小学生以上)¥1000(保険料等含む)
※親子での参加歓迎。

【募集人数】先着15名程度(申し込みは5月18日まで)

【集合・受付】国道113号線「めざみの里ドライブイン」(飯豊町松原)

【日   程】 8:50    集合・出発(めざみの里)
        9:30    小国町 黒沢峠市野々口
       11:30ごろ  小国町 黒澤口着、 昼食
       1 4:00    小国町 黒沢峠市野々口
       15:00ごろ  めざみの里着・解散

【持ち物】各自の昼食、雨具(ウインドブレーカーや傘など)、タオル 、着替え、水、おやつ(非常食かねる)、ゴミ袋、敷物
※履物は長靴が最適です。

【連絡先】葉っぱ塾・八木文明 
日本山岳ガイド協会認定ガイド
日本自然保護協会自然観察指導員
日本ネイチャーゲーム協会リーダー
993-0053長井市中道2-16-40  TEL/FAX 0238-84-1537
E-mail: happa-fy@dewa.or.jp
※留守の場合もありますので、ご連絡いただく場合は夕方6時から9時ごろが好都合です。
※集合場所の地図が必要な方はお知らせください。


happajuku at 15:21|PermalinkComments(3)TrackBack(0) 葉っぱ塾の予定企画 

2006年04月06日

到達した「交点」感慨じわり(06年4月6日掲載)

「交点プロジェクト」の存在を知
ったのは、去年の1月、山の雑誌に
載った記事によってであった。アメ
リカの一青年が始めたものだという。
GPS(全地球測位システム)を頼り
に、緯度と経度のいずれもが、00
分00秒ちょうどになる「交点」に
到達してみよう、というただそれだ
けのものではある。
雑誌の記事は、日本の地上に42
地点ある「交点」の中で、未到達だ
った6地点のうちの一つに行ってみ
たという記録であった。
地球上のすべての地点は、緯度と
経度という一種の座標で表示するこ
とができる。しかし、そのいずれも
が00分00秒の「交点」というこ
とになると、南北では約111劼
と、東西では山形付近の場合は約8
8劼瓦箸箸いΔ海箸砲覆襦
 この付近にはどんな「交点」があ
るのかと地図帳を開いて調べてみる
と、山形県には北緯38°・東経1
40°と、北緯39°・東経140
°の2つがあるではないか。日本に
42しかないもののうち2つも山形
県内に! しかも、前者は私の住む
ところからそう遠くはない川西町の
山中にあるようだった。
そこで昨年3月、私は地形図を頼
りに、スノーシューを履いて「交点」
を目指してみた。しかし、GPSを
持っていなかったので、「このあた
りかな」ということしかわからなか
った。どうしてもGPSが欲しくな
ったのはいうまでもない。
昨年秋に念願のGPSを購入し、
この3月上旬、友人と二人、満を持
して再び「交点」を目指した。小高
い丘陵地帯からの眺めは、標高が低
いわりにはなかなかのものだった。
蔵王や吾妻の峰々を遠望しながら近
づいて行った。
 最後の詰めはGPSと磁石が頼り
である。表示の最小単位は0・1秒。
これは距離にすればおよそ3mほど
であるから、歩いてゆけばどんどん
数値が変化する。
ついに目指す「交点」に到達。そ
こは、何の変哲もないアカマツとコ
ナラの混じった雑木林の斜面の中ほ
どであった。山頂をきわめたような
達成感はなかった。しかし、不思議
なことに、その場所が自分にとって
は特別の場所のような感慨がじわり
とわき上がってきた。「これはなか
なか奥の深い遊びだぞ」とにんまり
して見上げると、春の到来を感じさ
せる青い空が広がっていた。


happajuku at 06:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 朝日新聞山形版掲載エッセイ 

2006年04月04日

ハクチョウの北帰行を見送る

 今朝いつものようにジョギングにでかけたその途中、最
上川に架かる大きな橋の上までくると、遠くの空からハク
チョウの鳴き交わす声が聞こえて空を仰ぎました。見ると、
20羽ほどの編隊がまっすぐに北に向かっていました。
 三月の最後の三日間、真冬のような雪降りの空、そして
その後は、低気圧の通過で雨風が強い日が続き、今日は一
週間ぶりの晴天だったので、きっとハクチョウたちも待ち
かねた旅立ちだったに違いありません。
 春になると毎年何度かは遭遇するこの情景。いつも涙が
あふれるような気持ちの昂ぶりを感じます。ハクチョウた
ちはただ本能の命ずるままに行動したのかもしれませんが、
見る側がそこに、待ち構える困難に立ち向かってゆく人間
の姿をだぶらせることが、そうした感情をおこさせるのか
もしれません。明日はまた天気が崩れるという予報です。
どこかで避難するのかもしれませんが、北帰行の旅は長く
続きます。ハクチョウたちの無事を祈って見送りました。
 この情景で思い浮かぶのが、さだまさしの『夢の吹く頃』
という曲です。
   待ち続けた風をはらみ
   鳥が今 翼を広げて
   北の空へ舞い上がる
   空に橋を架けながら
   そんなふうに誰もがみな
   いつか吹く風を待つのだろう
   いつか咲く花を待つのだろう
   愛を抱きしめながら
     夢は咲き 夢は散る
     夢が舞い 夢が逝く
     坂道登れ 泣かずに登れ
     高く高く高く
     いつか夢が きっと夢が
     そこに吹いて来るまで

 四月、人間の世界でも様々な旅立ちがあります。それぞ
れの夢を失うことなく進んでほしいと思っています。


happajuku at 14:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ 

楽しかった「めざせ地球の交点」

先週末、娘と一緒にまだ雪残る山形へ行ってきました。
この「葉っぱ塾」はヤギおじさんが主宰しておられ、
“大人も子どもも森で遊べ”をもとに、一年を通して
朝日連峰の雄大な自然のなかでのアウトドア活動や
コンサートの開催などをしておられます。

今回のイベントは「北緯38°東経140°の交点に到達」を
めざしてGPS片手に雪上トレッキングするのが目的。
このイベントについては地元の山形新聞にも記事になったとか。

と言えば、私はさも凄いことでも成し遂げたかのようですが
凄いのはヤギおじさんで、この企画はもちろんのこと、
事前に下見や準備をしてくださって無事交点に到達できました。
ちゃんと証明書までいただきました。
参加者15名全員分、ヤギおじさんお手製のものです。

ラッキーなことに晴天に恵まれ、澄み渡る青空のもと雪がキラキラ輝き、
サングラスをしないと眩しいくらいの陽気でした。
スノーシュー(昔で言う、かんじき)を履いているので、
初心者の子どもでも簡単に雪の上を歩くことが出来ます。
道案内してくださるヤギおじさんの後をついていけばいいので、
時折しりもちをつきながら、途中景色に見とれたり、
野うさぎに遭遇したりして楽しい道のりでした。
帰りにはビニールシートで雪滑りもして思いっきり遊んできました。
最高の天気、怪我する人もなく、メンバーにも恵まれ
娘にも一生の思い出として心に強く残ったことと思います。
(東京から母子で参加くださった、Kさんから)


happajuku at 04:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 参加者からのお便り