2007年08月

2007年08月31日

アラスカからの風

 ☆アラスカ、アンカレッジ在住の大山卓悠さん厚子さんご夫妻とは、インターネットの「ミクシイ」でつながりました。昨年福島市で開催された星野道夫さんの写真展の感想を私が「ミクシイ」に書いたのを、奥様が読んでくださったことがきっかけだったと記憶しています。そして驚いたことにご夫妻は、星野道夫さんの家族ぐるみの友人でした! 

 大山卓悠さんは昨年、ロシアでヒグマに襲われて亡くなった親友・星野道夫さんの事故を詳しく検証した著書『永遠のまなざし』(共著)を出されています。まだお会いしていない大山ご夫妻と、心にしみるような交流をさせていただき、きっと私がアラスカの地に立つ日もある、と確信できるようになりました。

 「ミクシイ」に参加されていない方にも「アラスカの風」を感じていただきたくて、お許しを得て私のブログに転載をさせていただきました。今後もあるかもしれないと考え、このブログに新たにカテゴリーを設定してみました。

 今回のメッセージは、アラスカで顕著に進む温暖化の兆候と、それをどんな時間スケールで考えるかというテーマです。


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 八月も終わりに近づいたつい先日、何気なく山並みに目をやって、ハッとした。市内から望むチュガチ山脈に、残雪がないのだ。

 ぼくの住むところはアラスカ州のアンカレッジという街で、緯度からいえば北緯六十二度に位置する。あと四、五度北に上ればもう北極圏という環境にあるので、これまでは夏になっても消えることのない残雪が山肌のあちこちに見え隠れしていた。ところが今年、山のどこを見ても残雪が見当たらない。みんな融けてなくなっている。この地に住みはじめて二十年以上になるが、こんな景観にお目にかかるのは初めてのことだ。

 女房にそのことを言うと、
「アラ、ほんと!ぜんぶ雪が融けてるワ」
と驚いたように呟き、パノラマに広がる山脈を首を傾げて見つめていた。
「やはり、どんどん暑くなって来てんだなぁ。あと何十年もすると、ここいら辺一帯が大穀倉地帯になるっていう予測も、まんざらウソではないような気がしてきたな」

 地球温暖化を研究する科学者のなかには、あと数十年もすれば、アンカレッジから数百キロ圏内の広大な土地が、小麦の一大生産地域になるだろうと予測する者もいる。現在はジャガイモしか獲れないこの不毛の地が、将来は人類の食料庫に生まれ変わるというのだ。

「何だか山の緑も増えてきているような気がしない?」
 女房が山に目を凝らしながら言った。
「ええ?どういうことだ?」
「ほら、植物帯っていうのかしら、山の頂上に向かって草木が途絶える境界線が、以前に比べて心なし上がってきたように思えるんだけど?」
 
 チュガチ山脈は名だたる豪雪地域で、世界でも有数の氷河地帯だ。その中心部に行けば、万年雪と氷河を頂いた標高五千メートルにもなる山並みが連なっているが、アンカレッジ市内に望む山々は穏やかで、高くても千五百メートル程度しかない。それでも山の雪線が低いので、森林境界線もそれに比して低い。麓(ふもと)の森林は、標高が増すにつれ徐々にまばらになり、山の半ばに達するとそれから先は無機質だけの岩石地帯となる。

「そう言われてみると、森林境界線が以前よりも上のほうにずり上がったような気がするな」

 毎日、毎年、同じ目で見続けているせいか、日常のなかに組み込まれた風景の微妙な変化を見過ごしていたようだ。言われて見ると、麓から続く緑がずいぶん高いところまで競り上がり、上部に占める岩石地帯の面積がかなり減ってきたように見える。それは、植物の生息域が、確実に北に向かって伸びていることを意味する。

 先日も、地球温暖化を取材に来た日本の朝○新聞の記者が話してくれた。
「調査船で北緯七十度まで北極海を北上したのですが、海氷がまったく見えないんですよ。もっともっと北に行かないと、いまの北極には氷がないのですね」

 ホッキョクグマは、海氷がないと生き延びられないという。自分たちの食料となるアザラシが海氷に根付くからだ。海氷を求めて海に飛び込んだまま、何百キロも海上を漂い、ついには溺れ死ぬホッキョクグマがあとを絶たないらしい。地球温暖化の犠牲者の第一号といわれる所以だ。

 野生動物だけではない。八月にセイウチ猟に出る北極圏のネイティブたちも、今年は氷がないので海に出られなかったという記事も読んだ。
「普通なら、四、五十マイルも船を走らせれば氷があるのに、今年は三百マイルも、四百マイルも北に行かないと氷がない。そんな遠くに行く手段もなければ、猟をして持ち帰る術もない。もう諦めたよ」

 さらにこんなニュースも飛び込んできた。北極海沿岸で餌を求めて歩き回るグリズリーの数が増えてきたというのだ。北極海沿岸といえば、もともとホッキョクグマのテリトリーで、気候条件からいうと、とてもグリズリーが生息できるようなところではない。極限の寒さでも冬眠をしないで餌を捕食し続けられるホッキョクグマだからこそ生き延びられるのであって、冬眠を強いられて半年も食事をしないグリズリーには生きて行けない環境なのだ。だけども、年々グリズリーの目撃例が増えているという。子グマを連れたグリズリーも観察されているし、ホッキョクグマと縄張り争いをするグリズリーも出てきたらしい。ということは、北極海沿岸は、確実にグリズリーの生活圏の一部になってきているということになる。

 オーロラ研究の権威・赤祖父俊一博士の言によると、いまの地球温暖化現象は二酸化炭素などの温暖化ガスが主犯ではないという。確かに、人類が生み出したガスが温暖化の一翼をになっている部分はあるだろうが、それよりももっと大きな力が働いているというのだ。その力は、地球の周期でもあり、宇宙の周期でもある。十万年を単位として訪れる温度変化の周期――そう、氷河期の周期なのだ。

 十万年といわれる氷河期の周期のうち、八万年が氷で埋まる氷期で、残る二万年は間氷期と呼ばれ、地球は温暖な時期を迎える。亜熱帯地域まで迫っていた氷河が溶けてくると、露出した土地に植物が生育しはじめる。動物はそれによって繁殖をし、植物とともに北上を続ける。氷はどんどんと融けて行き、海面上昇が起こってくる。過去一万年間で、地球の海面は百メートルも上昇した。ユーラシアとアラスカを結ぶベーリンジアと呼ばれていた陸橋−−モンゴロイドがアメリカ大陸へ、またグリーンランドへ移り住むときに渡った幅数百キロに渡る陸地−−は海面下に沈み、ベーリング海峡が出来上がった。

 アラスカのシシュマレフ村の人々が地球温暖化の影響を受け村を手放そうとしているという。南太平洋のツバルという島嶼国(とうしょこく)が水没の危機に瀕しているという。近年とくにこの種のニュースを耳にすることが多くなったが、実は、そのような出来事はいまに始まったことではない。過去二万年の間、海面上昇と共に、人類は高みへ、高みへと移動してきたのだ。だから放っておけばいいというのではない。手を差し伸べられるところは差し伸べればいい。ただ、本質を見誤ってはいけない。

 過去、地球が経験してきたことからいうと、間氷期が終わりに近づくとき、決まって地球の温度が急激に上昇したらしい。最初ゆるやかな気温上昇が続き、最後には急激な温度上昇が起こるという。少なくとも、過去、四十万年間に起こった、十万年毎の四回の氷河期には同様のパターンがあり、現在の地球の温度を上回る温度を経験した時期もあったという。人類が二酸化炭素などを排出しない遥か昔に於いてのことだ。だから、急激な気温上昇は一つのサインであり、緊張(キンチョウ)をもって望まないといけない兆(きざ)しでもある。

 そしていま、現在の間氷期に入ってから、はや二万年の時が経ってしまった。近年の気温上昇は過去のパターンを踏まないと考える方に無理があるとすれば、この先にやって来るのは更なる気温上昇と、そしてある日突然に温度上昇が止み、気温の低下がはじまるという現象だ。それはまさしく、新たな氷河期の到来ということになる。

 人類に、次の氷河期到来を阻止する力などあろうはずがない。止める力がないなら、氷河期を迎え入れ、また氷河期を生き延びる術を身に付けないといけない。過去の氷河期ではほとんどすべての生物が死滅したことを考えると、これから先、われわれ地球に生を受けたもの全員が、植物も動物も含め、想像を絶する苦難に直面することになる。幸い氷期はゆるやかにやって来るようだから、これまでに培った人類の英知を集結すれば、恐竜と同じ道を辿らないで済むかもしれない。

 人類存亡の危機がやってきたとき、人は互いに愛し合うことができるだろうか。思いやりの心をもって支え合い、助け合いながら生き延びることができるだろうか。快適な気候条件のなかに於いても、憎しみ合い、殺し合う、いまの世界を見ていると、ついつい心が暗くなってしまう。人類の希望の灯火(ともしび)は「愛」なのだということに、最後の最後には気づいて欲しいものだ。そのような瞬間が来ることを心の底から願っている。







happajuku at 04:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0) アラスカからの風 

2007年08月30日

森を舞台に輝く子どもたち(07年8月30日掲載)

3b0a4da2.JPG☆子どもキャンプ〜長井葉山にて 






  暑かった夏も過ぎ去ろうとしている。この夏の「子どもキャンプ」には県内外から9人の子どもたちが参加してくれた。台風5号通過直後の悪天候の中で迎えたキャンプ初日であったけれど、その後はまずまずの天候に恵まれた。

 初日の農作業体験では、ジャガイモの選別作業や畑の草取りをさせていただいた。その畑からは時々石器らしきものが出土すると聞いて、子どもたちは目を輝かせた。夜、車に乗って近くの農道に出て、遠くの花火大会を眺めた。点滅する駐車灯に誘われて、たくさんの蛍が集ってきたことも、花火に劣らぬ感激だった。
  
 翌日は荒川の源流部で川遊びに興じた。前日の雨で川の濁りや増水が心配だったが、ブナの森からしみ出してくるような流れは、完璧に透明だった。何の道具もないのに、子どもたちは飽きることなく目いっぱい遊んだ。夜はネイチャーゲームで、電灯もない真っ暗闇をも遊び道具に変えてしまった。

 三日目は長井葉山だった。したたる汗をぬぐいながらたどり着いた山頂近くで、手を切るような清水に歓声をあげた。展望台では大きな声で「こだま」を楽しんだ。
そして最終日には、フリー・クライミングに挑戦した。人工壁を登るのは皆初めてで、最初はおっかなびっくりだったけれど、15メートルもの垂直の壁を軽々と登る子どもも現れ、拍手喝采を浴びていた。

 子どもたちはまるで、その一瞬一瞬を精いっぱい生き切るとでもいうようなキラキラしたまなざしで時間を過ごしていた。終わってしまえばあっと言う間の出来事ではあったが、その目の輝きをいつまでも失わずにいてほしいと願わずにはいられなかった。

 参加してくれた子どもたちからも、協力をお願いした大人たちからも、何日かして「時間がゆっくり流れていました」という感想が届いた。主催した者にとっては最高の賛辞であると喜んでいる。

 「大人も子どもも森で遊べ」というスローガンを掲げた「葉っぱ塾」の活動の一つひとつは小さなものではあるけれど、参加した子どもたちの心の中に、小さな思い出を一つ、プレゼントできたような気がする。

 その思い出がいつか彼らの心の中で宝石のような輝きを放つこともあると信じて、これからも創造的なとりくみを続けてゆきたい。


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 朝日新聞山形総局にお勤めだったH記者から請われて、2005年7月からこのコラムに寄稿してきました。ほぼ月1回のわりでのエッセイは、これまで26回になりました。このたび、紙面の改編に伴ってこのコラムが終了することになりました。多くの皆様から励ましの言葉をいただきましたことに心から感謝申し上げます。

 なお、これまでのエッセイを機会をみてパッフレットにまとめたいと考えております。完成しましたらお知らせを申し上げます。

 本当にありがとうございました。


happajuku at 06:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 朝日新聞山形版掲載エッセイ 

あなたは何色?〜絵本『にじいろ』のこと

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  「自分を色にたとえたら、何色ですか?」という質問ってありますね。うーん、私はくすんだ緑でしょうか。人をたとえるのはできそうですが、「自分は?」と問うてみるとなかなかむずかしいですね。

 先日上京した際にお会いした方の娘さんが出版された『にじいろ』という絵本をいただきました。作者の北島まやさんは現在高校3年生。この本は彼女が高校2年生のときの出版です。小さくて薄い絵本ではありますが、読んでみると「そしたらびっくり」です。一般の書店を通じて注文することもできますので、ストーリーはお楽しみのために、ここには書きません。

 人間が「悩み」から解放されることは一生ないかもしれませんが、とりわけ思春期には、若者はたくさんの悩みに出会うものです。その中で「自分自身とは?」という根源的な悩みが、もしかしたら最大のものかもしれません。そして、「自分は自分でいいんだ」という答えに達することは、周囲の人が思うほどには簡単ではないことのような気がします。

 私がさまざまな場面で引用し、紹介する詩の一つに、吉野弘さんの『生命は』があります。人は自分が意識するとしないとにかかわらず、さまざまなものから影響を受け、また自らが周囲へ影響を与えながら過ごしてゆくものだ、ということを、透明な言葉でつづった珠玉の詩です。どんなに小さな存在であっても、他に影響を与えぬ存在などない、というそのメッセージに何度も励まされたことがあります。そして、この絵本は、この詩と一見異なる形で、多くの人を励ましてゆく可能性を秘めていると思いました。

 あなたの近くに「自分は何色になるべきか?」と悩んでいる人はいませんか? そんな人にそっと差し出してほしい一冊です。



 

happajuku at 04:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ | 本・CD・映画などのレビュー

2007年08月29日

近づく奈良での「朗読会&コンサート」

b55dbc7e.JPG☆すすきの穂が輝いていました。
 秋の訪れです。 





  奈良で開催される『めぐり愛〜「言葉の流れ星」朗読会&地球音楽コンサート』が今度の日曜日ということになりました。吉武祥子さんの詩集の出版を記念して開催されるこの行事に(詳しくは下記のブログへ)、私は詩の朗読者として参加いたします。近づく当日を前に、朗読の最終チェックを行っています。

http://homepage3.nifty.com/poppyflower/page025.html

 会場は300名の小ホールです。一昨日の祥子さんからの報告ではすでに250席は埋まっているとのことでした。詩の朗読、写真家桝野正博さんの写真、トーク、地球音楽SHINRAのコンサートの内容もりだくさんの1つのイベントを企画することはとてもたいへんだったことだと想像します。ありがたいのは、奈良での開催であるにもかかわらず、遠くからお出かけくださる方が何人もいらっしゃるということです。「葉っぱ塾」のゲストとして山形を訪ねてくださった方もおられますし、まだ一度もお会いしたことがない細いつながりだけの方もおられます。そうした方々に会場でお会いすることはとても楽しみです。

 26日、東京でのSHINRAのサマーコンサートがあって、そのお手伝いで上京し、その翌日、お忙しい葉 祥明さんとお会いする機会を得ました。今回の行事に葉さんはご出席ではありませんが、元はといえば葉さんとのご縁がある者どうしが、不思議なめぐり愛をした結果生まれたものです。葉さんはとても喜んでくださって励ましてくださいました。

 人との出会いが、人間の想像力や創造力を刺激し、そこに生じたエネルギーが、何もなかったところに一つのイベントを立ち上げる。そこからさらに新しい人間のつながりが広がってゆく。そんなワクワクするような出来事の真ん中にいられることを、とてもありがたいと感じています。








happajuku at 04:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ 

2007年08月25日

秋の祝瓶山2007

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 ■■■葉っぱ塾 秋の祝瓶山へ2007■■■

 朝日連峰の一角にある秀峰・祝瓶山(1417m)に一緒に登ってみましょう! ピラミッド型のその山体から“東北のマッターホルン”と呼ばれています。過ぎ去ろうとする夏、そして近づく秋の気配を感じてみましょう。長井側ルートから登ります。朝が早くて大変ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【期日】2007年9月29日(土)   ※雨天順延
※前泊ご希望の方には、宿泊の紹介もいたします。

【参加費用】2500(保険料・写真代等含む)
※長井市内から同乗希望の方はガソリン代をご負担ください。

【募集人数】先着8名(申し込みは最終9月26日まで)

【集合・受付】長井市「白つつじ公園北側駐車場」(長井市民文化会館北側)6時半
             
【日程】  6:30    集合・出発
      7:40    祝瓶山山荘着
      8:00 同上発
     12:00ごろ  山頂着・昼食
     12:30 山頂発
     15:30    祝瓶山荘帰着
     16:40ごろ  長井着・解散
※長井側ルートが通れない場合は小国側からの登頂をめざします。その際日程が少し変わります。(参加者にお知らせいたします。)

【持ち物】雨具、水(最低2リットル)、タオル、帽子、着替え、昼食、非常食、手袋、敷物 (帰り「桜湯」や「がまの湯」などでの入浴希望者はご準備を)

【連絡先】葉っぱ塾・八木文明
日本山岳ガイド協会認定ガイド
日本自然保護協会自然観察指導員
993-0053長井市中道2-16-40  TEL/FAX 0238-84-1537
                E-mail: happa-fy@dewa.or.jp
※留守の場合もありますので、ご連絡いただく場合は夕方6時から9時ごろが好都合です。
※集合場所の地図が必要な方はお知らせください。


happajuku at 04:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾の予定企画 

2007年08月23日

朝日連峰狐穴小屋に泊まる山旅

■■■ 葉っぱ塾  狐穴小屋に泊まる山旅2007 ■■■
 
 朝の気温が低くなり、山々にも秋風が吹き始める頃、日暮沢小屋から登って、狐穴小屋まで行ってみませんか?澄んだ空気の向こうに見える遠くの山々や、日本海に沈む夕日を眺めにゆきましょう。狐穴小屋は、小屋のすぐ前まで冷たい水が引かれている小ぎれいな山小屋です。中級車向けのプランです。

【期  日】9月15日(土)〜16日(日)
※悪天候の場合の中止や延期については参加者と相談します。
※「葉っぱ塾」への前泊についてはご相談ください。

【募集人員】最大6名 
※ 定員に達し次第締め切ります。申し込みの場合は、保険の関係で、生年月日をお知らせください。山岳保険に既に加入の方はその旨お知らせください。

【参加費】 参加者1人〜4人の場合 ¥9000,  5人〜6人の場合 ¥8000 (ただし山小屋使用料、食料費、保険料は含みません。)
※車同乗の場合はガソリン代ご負担ください。

【日  程】 15日  6:30  大井沢温泉「ゆったり館」駐車場集合
※参加者の希望によって変更考慮します。
            7:30  日暮沢小屋発
           12:00  竜門小屋(途中休憩)
           14:30  狐穴小屋着

       16日  6:30  狐穴小屋発
            8:30  竜門小屋着
           13:30  日暮沢小屋着
           14:00  大井沢「ゆったり館」駐車場解散
☆悪天の場合、竜門小屋への宿泊になる場合もあります。)

【持ち物】 食料(4食+非常食)、雨具(ゴアテックス素材のもの)、寝袋(レンタル可)、着替え、水(最低1.5ℓ)、食器、ヘッドランプ(懐中電灯)、持薬、その他必要と思われるもの (持っている場合コンロ)

【ガイド装備】 救急薬品、ロープ、カラビナ、ツエルト(簡易テント)、カメラ、無線機、コンロ、ガス

【連絡先】 葉っぱ塾 八木文明(日本山岳ガイド協会認定ガイド)
       TEL/FAX 0238-84-1537 メール happa-fy@dewa.or.jp


happajuku at 04:12|PermalinkComments(4)TrackBack(0) 葉っぱ塾の予定企画 

2007年08月18日

ヤマユリ咲く翁山

a8674af5.JPG☆翁山稜線上のヤマユリ 





 
今日はCT社のツアーの方々と、尾花沢市の東方にある翁山(おきなさん)に行ってきました。数日前までの猛暑が嘘のように気温が下がり、雲は低かったのですが雨の心配もなく、ちょっぴり秋を感じながらの山歩きになりました。

 7月の上旬、一人で下見を兼ねて歩いたときとは季節感がずいぶん違っていました。山々の緑はすでに盛りを過ぎ、ひそやかに紅葉も始まっていました。登山道はおそらく地元の方々が、刈り払いをしてくださったものでしょう、とても歩きやすくなっていました。

 山頂からは遠望はききませんでしたが、眼下の集落は時折雲間から見えて、高度感を感じることができました。晴れていれば太平洋まで眺めることができるといいます。一度はそんな日に登ってみたいものです。

 山頂から下る稜線上に、ヤマユリの群落があると聞いていました。7月の下見の際には、確かにつぼみをつけたヤマユリの株がいくつかあったのは目にしていました。楽しみに山頂から稜線を下ってゆくと、ありました! ちょっと盛りは過ぎていましたが、大きな白い花弁を広げ、独特の香りを周囲に振りまきながら、登山道沿いに何十株もありました。遠くから見えたとき、人が歩いているように見えたのは、ヤマユリの群落だったのでした。この山の看板娘のようなヤマユリを残すように刈り払いが行われており、地元の方々の細やかなご配慮が感じられました。

 鞍部から急峻な斜面を駆け下り、ブナの林がゆったり広がるところまで下りると、あちこちから湧き水が湧いていました。この冷たい水がこの地域の田畑を潤し、人々の生活に貢献しているのです。

 バスの待つ場所までしばらく林道を歩くうちに、空が少し暗くなり、みなさんがバスに乗ったか乗らぬうちに、小雨が降り出しました。「晴れ男」はこんなところでも役立っています。ツアーのみなさま、楽しい一日をありがとうございました。







happajuku at 20:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 山旅の報告 

2007年08月15日

エリカ・ショウコ、スペシャル夏キャンプ

daba709c.JPG 先に終わった「夏休み子どもキャンプ」に参加できなかったエリカさんのためのスペシャル・キャンプを13日から2泊3日で行いました。エリカさんだけではさびしいからと、地元のショウコさんにも1泊だけお付き合いしてもらいました。

 おりしも、全国的な猛暑の中。2日目は涼を求めて、白布天元台から、西吾妻山近くの「カモシカ展望台」まで行ってみました。白布温泉からロープウェイで一気に標高1350mの天元台へ。そこからリフト3本乗り継いで、「北望台」へ。そして20分ほど山道を登ったところが「カモシカ展望台」です。ここの標高は1950m。さすがにここまで来ると、雲がすぐそこを通過するようで、風は心地よいものでした。ここでの昼食は野菜タップリの「ラーメン」。もちろんインスタントですが、ガスやバーナー、水などを背負って、そこで煮て食べるラーメンは、何にもまさるご馳走でした。ラーメンの袋には「ゆで時間3分」とありますが、さすがにこの高さでは、3分では煮えません。およそ5分かけてほどよく軟らかくなった熱々の麺を、涼風に吹かれながら食べることの、何と心地よいこと。

 キャンプ場では、おりしも見ごろの「ペルセウス座流星群」の観測を体験しました。広場の真ん中にブルー・シートを敷いて仰向けになり、じっと空を見ます。「夏の大三角形」や、人工衛星の動きも楽しみながら、およそ1時間で、10個以上の流星を見ることができました。新月前後であったことも、観察には幸いでした。

 3日目は、先の「子どもキャンプ」でも訪ねた針生平(はんなりだいら)での川遊びへ。アブが多いのには少々閉口しましたが、誰もいない川を独占し、「水切り」をして遊びました。おわかりですか「水切り」は?

 3日間、猛暑ではありましたが、朝晩の空気はどこかに秋を感じさせるものがありました。朝方、敷いていただけの寝袋に潜り込んだのは、空気の冷えを感じてのことでした。

 エリカさん、遠くからきてくれてありがとう。ショウコさん、お付き合いくださって、ありがとう。







happajuku at 20:10|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2007年08月12日

飯豊で見た花々

 8月9日、福島県側の川入(かわいり)から入山し、三国岳を経て、飯豊本山の南の肩にある「切合(きりあわせ)小屋」までが1日目、2日目は切合小屋から飯豊本山を経由し、飯豊連峰最高峰の大日(だいにち)岳を往復、そして3日目は山形県飯豊町の登山口である大日杉小屋へ下りるというコースで、山案内をしてきました。

 まだあちこちに雪渓が残っており、そこには春の花々がようやく咲き始め、また別の場所では秋を感じさせる花もあるという、ぜいたくな花の山旅でした。道々みた花を五十音順に列記してみました。ご一緒に歩いたCT社のツアーのみなさん、「あれもあったよ」というのがありましたら教えてください。

 アオノツガザクラ、アカモノ(実)、アリドオシ、イイデリンドウ、イブキトラノオ、イワイチョウ、イワオウギ、イワカガミ、イワテトウキ、ウサギギク、ウスユキソウ(ヒナウスユキソウ)、エゾシオガマ(トモエシオガマ?)、オオハナウド、オドリコソウ、オニシオガマ、オヤマボクチ、オヤマリンドウ、カラマツソウ、キンコウカ、クガイソウ、コウメバチソウ、コバイケイソウ、ショウジョウバカマ、ズダヤクシュ、センジュガンピ、タカネマツムシソウ、タカネヨモギ、タテヤマウツボグサ、タテヤマリンドウ、タマガワホトトギス、チシマギキョウ、チングルマ、ツバメオモト(実)、ツルリンドウ、ニッコウキスゲ、ノギラン、ハクサンイチゲ、ハクサンオミナエシ(小金鈴花)、ハクサンコザクラ、ハクサンシャジン、ハクサンチドリ、ハクサントリカブト、ハクサンフウロ、ハクサンボウフウ、ヒメシャジン、ホソバコゴメグサ、ホツツジ、マイヅルソウ、ママコナ、ミネザクラ(実)、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマクルマバナ、ムカゴトラノオ、モミジカラマツ、ヤマハハコ、ヨツバシオガマ、ヨツバヒヨドリ。

<参考図書>
 ・『ひと目で見分ける250種 高山植物ポケット図鑑』(増村征夫著・新潮文庫)
 ・『花の山旅3 飯豊・朝日』(高橋金雄著・山と渓谷社)




happajuku at 11:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 山旅の報告 

「夏休み子どもキャンプ2007」その3

 3泊のキャンプの最終日に計画していたのは、お隣の飯豊町の体育館にあるクライミング・ウォールで、フリー・クライミングに挑戦することでした。ガイドの研修で何度か使ったことがあり、安全性についての知識もかなり得ていましたし、だいぶ前から必要な用具も買い揃えてありました。また、指導者には、山のガイド仲間になった宮城のSさんにお引き受けいただいていました。

 私たちが、キャンプ場の後片付けをして体育館に着いたときにはSさんはご主人とともにもうおいでになっていました。会場が使えるようになるまでの間、子どもたちに少しだけ説明していただき、その後体育館内に入ってクライミングシューズを借り、いよいよ挑戦です。

 慣れない子どもたちは、垂直の壁をよじ登る際に、「落ちたらどうしよう」という不安感を持ちます。最初の挑戦で極度に緊張し、下りてきたときに思わず涙する子どももいました。しかし、しっかり固定されたロープで上から吊り上げられる形になっていて(トップ・ロープといいます)、もし落ちても、安全に宙ぶらりんになるだけだとわかると、様子が変わってきました。最年少のSくんは、他の場面では一歩遅れることが多かったのに、ここぞとばかりにぐいぐい登りました。細身のNさんは、みんながあっけにとられるほどたやすく、15メートルの垂直の壁を登りきりました。もう男の子だ、女の子だは全く関係がありません。

 子どもには誰でも得手不得手があります。こうして体をフルに使う活動でもそれは現れます。そのときに大切なことは、ほめることと励ますことのように思います。子どもたちの目にもそうした「個人差」が感じられ、ライバル意識につながることもあれば、敬意につながることもあったりします。最上部まで到達した子どもにも、途中までの子どもにも、同じように惜しみない拍手が贈られていました。「今度お母さんと来てもいい?」と聞く子もいました。自分の新しい才能の発見につながる子どももいるのかもしれません。

 3時間、みっちり遊びました。平日の午前とあって他の使用者もなく、私たちだけで独占できたこともよかったです。会場近くの高台にある公園に移動して、キャンプの残り物でみんなで昼食。そして、迎えにきてくださったお家の方の車にそれぞれ乗って帰ってゆきました。住所を交換し合っている子たちもいました。新たな交流が広まってゆくのでしょうね。

 今回のキャンプもこれまで同様、多くの方々に支えられ、協力をいただいて終えることができました。また来年の参加もお待ちしています。子どもたち、ありがとう!



happajuku at 02:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2007年08月11日

「夏休み子どもキャンプ2007」その2

00f29d09.JPG☆葉山「奥の院」にて、祝瓶山を
 眺めながら過ごす





 キャンプの3日目は、長井葉山に登ることにしていました。子どもたちの負担をちょっぴり減らしてあげようと、地元の方にお願いして、ふだんは閉まっている林道のゲートを開けていただくことにしていました。また、9人の子どもたちを私一人だけで葉山に案内するには危険もあり、山形市のOさんにアシスタントをお願いしていました。彼女は北海道の大学で野生動物の研究もしていた人で、また子どもも大好きだとのことで、自らこの日に同行することを申し出てくださったのです。

 天候はまずまず。妻が運んでくれた五目御飯の炊き出しを、各自でおにぎりに作りました。大きさも形もさまざまなおにぎりを2〜3個、そして水とタオルを持って、出発。悪路の林道を標高500メートルぐらいまで上がると、そこに「勧進代登山口」があります。いよいよ登山開始です。暑さはさほどではありませんし、去年に比べて風もあって、条件はまずまず、と思うのは私だけなのか、子どもたちは「今どのへん?」だの、「もう何分で休憩?」だの、「暑い」だのと言い始めました。

 暑さの中の登山なんて、きっと子どもたちは「喜んで」はいないのです。私は敢えてそんな言葉に耳を貸さず、一定のペースで歩いてゆきました。途中の展望台から見える景色にはさすがに「わあーっ」と声があがります。みんな、自分の家がどの方向なのか、聞いてきます。見えなくても聞いてすぐに納得するのは不思議です。やっぱり家はいちばんいい所なのですね。

 歩き始めて2時間半あまり。山頂近くの「鉾立清水」に到着。ここで、「生き返るような」冷たい水をごくごく飲みました。家の人にお土産にするのだと、空のペットボトルを持ってきた子もいます。水温6℃の水の冷たさ、吹く風の心地よさ。暑い暑いと言いながら登らなかったら得られないこの思い。それを感じてほしかったのです。
清水にほんの10分だけつけておいたゼリーはしっかり冷えており、みんなものも言わずに平らげました。

 それから山頂に移動し、おにぎりをあっという間に食べ終えて、「奥の院展望台」へ。ここは冬でも強風のために雪が積もらない場所だけに、夏のこの時期も、下の沢から涼しい風が吹き上げてきました。西の方角に、ピラミッドのような祝瓶山を見ながら、子どもたちは疲れた体を休めました。展望と心地よい風になごりを惜しみながら一路下山しました。

 下山してすぐに温泉に入り、最後の夕食が「カレーライスだよ」と告げると、車の中は大歓声! キャンプ場に戻るとすぐに分担して準備を始めます。私は材料に何があるかや米の分量だけを告げて、あとは子どもたちがそれぞれに分担したようです。野菜を油で炒めようとしたときだけ、「できるだけ川を汚さないように、油なしで調理して」と注文をつけておきました。そのカレーの味? もちろん「サイコー!」でした。ご飯もおいしく炊けていました。T君の水加減もすばらしかったのですね。

 夜はまたまた「暗闇を照らせ」を始めたのですが、しばらくして雷鳴がし始めました。急遽取りやめて小屋に入ることにしました。まもなく雨が降り出し、外で遊ぶどころではありません。そこで私は、持参していた絵本を読み聞かせすることにしました。今回は写真家・星野道夫さんのものばかり3冊。『ナヌークの贈り物』、『クマよ』、『森へ』をゆっくりと読みました。3冊終えるまでの20分あまり、子どもたちはじっと耳を傾けてくれていました。自然をありのままに見つめ、長い時間的なスケールの中で人間や動物たちの姿を考えていた星野さんのメッセージが、子どもたちにはどんなふうに伝わったのでしょう。



happajuku at 18:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

満天の星空〜飯豊山にて

 今、山を案内して飯豊連峰を歩いています。本格的な夏の暑さに汗をしぼられ、「剣が峰」では岩をよじ登りながら、8時間半かけて飯豊本山の「肩」にある、切合(きりあわせ)小屋にいます。

 山小屋の夕食は早く、食べ終えてもまだまだ空は明るく、登山者たちは夕暮れる周囲の光景を楽しみながら談笑し、また、写真を撮ったりしていました。しかし、日が落ちると、電灯もない山小屋では「寝る」しか術がなく、また翌朝の早い出発に備えて、みんな早々にシュラフに潜り込みます。例外なく、私も2時間ほど眠り、ちょっと目をさまして、一人小屋の外に出てみたところです。今時刻は午後9時半を少しまわったところです。

 見上げると、息を呑むような満天の星空です! 子どもの頃には家のまわりで当たり前のように見られたこんな星空が、最近めっきり見られません。空気の汚染が進んでいるのでしょうね。今夜は新月も近いために空には月もなく、星々だけが、それぞれの明るさで、色合いで、静かに瞬いています。「天の川」を見たのも数年ぶりです。今は北東から南西方向に、白い雲のように伸びています。深く息を吸うと、まるで宇宙の匂いがしてきそうです。

 今、流れ星が流れてゆきました。願い事などつぶやく間もない一瞬のきらめきです。しかし、その軌跡が目に残像としてあります。一定の速さで動いてゆく人工衛星も見えました。国際宇宙ステーションの飛行士たちだったら、今、どんな気持ちで地球を眺めているのだろうか、などと想像してみました。

 こんなものすごい星空の下に一人でいると、自分の「存在」というものが限りなく無に近づいてゆくような気がしてきます。まるで、人生は流れ星のようなものではないでしょうか。そして、私が流れ星であるのなら、それを「見ている目」は、いったい誰のものでしょうか。

 いつか、たくさんの子どもたちに、こんな星空を見せたいと思います。それぞれの心が感ずることは異なるしても、「自分」というものについて、何かは感ずることでしょう。壮大な宇宙の時間の流れの中で、一瞬であってもきらめくことの意味について、考えることもあるでしょう。「葉っぱ塾」の活動の中で、いつか実現させたいと思っています。

 気温は10℃近くにまで下がっているようです。おまけに風も少し出てきています。耳が痛くなり始めています。明日は午前4時前に起きて、準備を始めます。といっても、私にはいつものとおりなのですが・・・。明日も天候が良いように(祈)。

             (2007年8月9日の 山でのメモをもとに)


 

happajuku at 17:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 山旅の報告 

2007年08月07日

「夏休み子どもキャンプ」その1

ccd36f75.JPG☆小国町、針生平(はんなりだいら)
 のつり橋にて





  4日から今日、7日までの3泊4日、「子どもキャンプ」でした。今回は初日からの参加は6名、2日目からの参加が3名、合計9名の参加で実施しました。

 1日に梅雨明けしたとはいえ、その後すぐに台風5号が北上し、4日は雨模様の中での集合となりました。それでも当初の予定通り、昼食後、友人のNさんの畑のお手伝いにでかけました。有機農業に取り組んでいる彼女の家に着くと、雨。畑に出るのをしばらく見合わせ、車庫にたくさん収穫されたジャガイモの選別作業をお手伝いしました。「ネコの手も借りたかった」というNさんからは大変喜ばれ、なかなか達成感のある仕事をさせていただきました。

 その後、雨上がりをねらって畑の草取りを少し。ここは、縄文時代の遺跡があちこちにあるとのことで、子どもたちは始めたただの石ころだと思っていたものが石器だと教えられ、俄然目の色が変わりました。Nさんは作業の途中でこれまでもたくさん拾ってあるそうですが、子供たちも、やじりや手斧のようなものを拾いました。思わぬ収穫に驚きました。キャンプで使う野菜を少し「労賃」がわりに分けていただき、キャンプサイトに戻りました。

 Nさんの畑は、最上川左岸に形成された河岸段丘上面にあり、かつて堤防もなかった時代には、洪水を避けながら生活するにはもってこいの場所だったのかもしれません。はるか昔の人々の気配をどんなふうに感じてくれたのでしょうか?

 初日の夜は、地元長井市の花火大会の予定でしたが、雨で、実施が危ぶまれました。ところが夕食を終えた頃、「ドーン」と音が鳴り始めましたので、皆で車に乗って、眺めのよい農道まで下りてみました。やっていました。数キロ離れているために光と音との間に数秒のズレがありました。誰もいない農道で、花火を楽しんでいると、窓の外に点滅する小さな光! ホタルでした。パーキングライトの点滅を、仲間だと思ったのか、たくさんのホタルが集ってきました。中には窓の隙間から車内に入りこんでくるものも! ああ、まだホタルがこんなにいたんだ。そんな安心感。この光景を目に焼き付けて、いつの日か思い出してほしいものです。

 5日朝にかけ、雨はふったり止んだりしていました。この日は川遊びに出かける予定だったので、内心あきらめかけていました。しかし、夜が明け、朝食が終わる頃には青空も見え始め、結局出かけることにしました。ずっと前から「子どもキャンプ」で行ってみたい川がありました。朝日連峰に源を発し、日本海に注ぐ荒川の最上流部。いつも祝瓶山登山のときにここのつり橋を渡るとき、うっとりとするほどの景色の場所です。

 途中の川は全て前夜からの雨で濁流のようになっていました。しかし、1時間あまりのドライブで現地についてみると、いつもより水量は少し多いものの、何事もなかったかのような清流が、静かに流れていたのです。私の確信は間違っていませんでした。これより上流に全く人の気配はないブナの原生林から流れ出てくる水。水面に口をつけてそのまま飲める水がそこにありました。昼ごはんは、この川の水でそうめんをゆでて、そのまま川の水でザブザブと洗って、みんな夢中で食べました。揺れるつり橋はちょっとおっかなびっくりだったみんなも、帰るのが惜しいような表情でした。

 子どもたちの安全確保のためにロープを張り、子供たちが遊ぶのを見ながらたたずんでいるとき、ふと言い知れない感動がこみ上げてきました。目にしみる緑、透き通る水流、青い空、白い雲、ただその瞬間精一杯遊びまわる子どもたちの姿。何だかせつないほどの愛おしさを感じたのです。目がうるんで景色がぼやけたとき、「ヤギおじさん! 魚捕まえた!」との声にふとわれに帰りました。ただそこに川が流れているだけなのに、子どもたちは飽きもせず、何時間でも遊ぶことができる不思議さ。次から次と楽しむ術が出てくる不思議さ。これが自然の恵みの一面なのだなあ、とつくづく感じました。







happajuku at 17:29|PermalinkComments(3)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2007年08月04日

夏には夏の山の表情を楽しむ(07年8月3日掲載)

  本格的な夏山シーズンの到来である。この夏はどんな暑さになるのだろうか。

 先日、梅雨の中休みのような好天の日、古寺(こでら)鉱泉から大朝日(おおあさひ)岳まで往復してきた。ずいぶん通い慣れた道ではあるけれど、季節によって、またその日の天候によって、全く同じ光景に出会うということはない。

 大朝日岳までの道半ばにある古寺山のすぐ手前から、ヒメサユリの鮮やかなピンク色の花が出迎えてくれた。山形、福島、新潟の限られた地域にしか自生しないというこの花を見たくて朝日連峰を訪れる人も少なくない。汗して登った雄大な光景の中で見る可憐な花々は、疲れを忘れさせてくれるほど見事なものである。
   
 古寺山から小朝日(こあさひ)岳、そして大朝日岳山頂直下まで、まさに「ヒメサユリ・ロード」の観があった。名物になっている「y字雪渓」の白と山肌の緑、そしてヒメサユリのピンクの取り合わせを楽しむことができるのは、夏の始めのほんの一時である。

 名水の「銀玉水(ぎんぎょくすい)」で喉を潤し、雪渓を登りきると、ゆったりと広がる高山草原である。この時期、ウスユキソウも見事な姿を見せてくれる。氷河時代のなごりの植物と言われ、ヨーロッパではエーデルワイスと呼ばれている花の仲間である。多雪地帯ならではの背丈の低さが何とも可愛らしい。

 この日、登山道の崩れた場所が補修されているところを通過した。大雨の時に崩れたものを地元の方々が手入れしてくださったのだ。また、ぬかるんでいる所には土嚢を並べ、歩きやすいように工夫されていた。
 
 こうした地道な作業のおかげもあって、私たちは山歩きを楽しむことができる。本当に頭が下がる思いがする。登山者の中には、やれ、石がごろごろしているだの、やれ、途中に案内板が少ないだのと不平不満をもらす人たちもいる。山では「快適さ」や「親切」を求めるのは、どこかおかしいと私は思う。

 帰り道、古寺山まで戻って見渡すと、稜線(りょうせん)のずっとむこうに、どっしりとかまえた以東岳の姿も望むことができた。一つピークを越すごとに新しい風景が展開する縦走の醍醐味を楽しんだ数年前を思い出し、しばらくそこにたたずんでいた。



happajuku at 08:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 朝日新聞山形版掲載エッセイ 

2007年08月02日

高層湿原に咲く花

dd039564.JPG☆鳥原湿原のキンコウカ
 (写真提供:Tさん)





 鳥原小屋周辺にある湿原は、規模は東西300m、南北100mほどで、けっして大規模なものではありません。しかし、こうした高層湿原には湿原独特の植物が生育しているものです。代表的なものはミズバショウですね。この時期ミズバショウは花期はとっくに終わり、差し渡しが70センチを越えるほどの巨大な葉っぱがあちこちにみられました。ミツガシワも花はもう終わっていました。今回目立ったのは、このキンコウカ。「金光花」と書いてみると、まさにそのような風情ですね。線香花火の光をそのまま花にしたような植物です。

 かつて、第一次登山ブームと呼ばれた昭和三十年代、当時の若い人達がたくさん山に入ったといいます。この湿原にはまだ木道はなく、「自然保護」という言葉もなかったので、人々は自由気ままに湿原を歩き回り、テントを張ったそうです。その結果、この湿原は植物が衰退してしまったのでした。いったん裸地になってしまうと、こうした標高の高いところでは、植生の回復がなかなか進みません。木道が設置されてたぶん40年近いと思うのですが、まだ回復は半ばといったところです。気温も水温も低いために、植物は勢いよく増えることができないのです。ただでさえ湿原は長い目で見れば「乾燥化」の流れから免れることができません。山でこうした湿原にであったら、細心の心配りで対応してゆきたいものです。



happajuku at 04:14|PermalinkComments(5)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2007年08月01日

鳥原小屋〜山上の楽園に建つ山小屋

fe49d225.JPG ☆木立の中に建つ
  鳥原小屋
  (写真提供:Ryukoさん)





 今回の「あこがれの大朝日へ」では、天候や参加者の体調を考え、大朝日岳は目指さず、小朝日岳(1647m)をルート中の最高点とする周回コースに変更しました。このことによって、宿泊も、大朝日小屋の予定が、鳥原小屋へと変わりました。この小屋は、朝日連峰のいくつかの山小屋の中で、個人的には最も好きな小屋です。

 鳥原山山頂から少し下ったところに建っているこの小屋は数年前に新築され、その際、トイレも水洗のバイオトイレが導入されました。地元の方々の管理や清掃が行き届いて、きれいで、とても快適に過ごすことができます。この小屋の周辺は「鳥原湿原」という高層湿原となっていて、湿原の保護のために木道が敷かれており、散策も気持ちよくできます。おりしもキンコウカ(金光花)という花が見事な群落をなして咲き乱れているのに出会い、目をなごませてくれました。

 何年か前に「葉っぱ塾」を始める際に大いに励ましてくださった大切なお客様をご案内してこの小屋を訪れたとき、木道に寝転んで満天の星空を眺めたことがありました。いくつもの流れ星や人工衛星を見た感激はまだ胸の中にきらめいています。

 29日夕方、私たちがこの小屋に着いてみると、西日本からいらした初老の男性2人のほかは登山者もおらず、管理人のSさんは「ちょうど閑古鳥が鳴いていたところです。」と、快く私たちを歓迎してくださいました。Sさんはヒマラヤも何度か経験しておられる山の専門家。たしか、山に行くために会社を辞められた方だと聞いています。山で知り合われた奥様は京都住まいとのこと。かろうじて東側の窓際だけでつながる携帯電話が、お二人をつないでいる様子でした。

 私たちが夕食の支度を始めると、Sさんから、キクラゲのゴマしょう油和えの差し入れをいただきました。ビールのおつまみには最高の一品に一同感激しました。山小屋での楽しみは食べること飲むこと話すこと、でしょうか。みんなそれぞれに楽しみながら、にぎやかな食事を終えました。Sさんはその後私たちを、隣に建っている神社に誘ってくださいました。何と神様の前でお神酒を大サービスしてくださったのです! きわめて鷹揚な神様のようで、私たちは思い出深い時間を過ごすことができました。

 秋には「葉っぱ塾 朝日ミニ縦走」の計画があって、10月上旬、この湿原が燃え上がるような紅葉になる時期、またこの小屋に泊まりに来る予定です。



happajuku at 04:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート