2009年05月

2009年05月31日

ヒメサユリの祝瓶山へ

5e4e5d2d.jpg☆木地山ダム湖畔から見た祝瓶山







 ■■■ 葉っぱ塾 ヒメサユリの祝瓶山へ2009 ■■■

  朝日連峰の一角にある秀峰・祝瓶山(1417m)に一緒に登ってみましょう! ピラミッド型のその山体から“東北のマッターホルン”と呼ばれています。残雪と新緑のコントラストが鮮やかな朝日連峰の展望と、たくさんのヒメサユリの花を楽しみましょう。朝が早いですが、どうぞよろしくお願いいたします。

【期  日】 6月27日(土)  ※予備日28日
※前泊ご希望の方には、宿泊の紹介もいたします。

【参加費用】 ¥4000  (保険料・写真代等含む)
※長井市内から同乗希望の方はご相談ください。

【募集人数】 先着6名程度(申し込みは3日前まで)

【集合・受付】 長井市「白つつじ公園北側駐車場」
        (長井市民文化会館北側) 6時半
             
【日  程】   6:30    集合・出発
         7:40    祝瓶山荘着
         8:00 同上発
        11:30ごろ  山頂着・昼食
        12:20 山頂発
        15:30    祝瓶山荘帰着
        17:00ごろ  長井着・解散

【持ち物】 雨具、水(最低2リットル)、タオル、帽子、着替え、昼食、非常食、      手袋、敷物、入浴用具
※持っている方は念のため軽アイゼンをお持ちください。

【連絡先】 葉っぱ塾・八木文明 
        日本山岳ガイド協会認定ガイド
        日本自然保護協会自然観察指導員
        日本ネイチャーゲーム協会コーディネーター

    993-0053長井市中道2-16-40  TEL/FAX 0238-84-1537
                   E-mail: happa-fy@dewa.or.jp

※留守の場合もありますので、ご連絡いただく場合は夕方6時から9時ごろが好都合です。
※集合場所の地図が必要な方はお知らせください。

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■朝日軍道をたどる長井葉山
  1回目 6月7日(日)
  2回目 6月9日(火)   いずれも現在募集中。



happajuku at 04:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾の予定企画 

2009年05月30日

長井市の民宿第1号見学

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<民宿として営業を開始するには台所・浴室・トイレなど「規格」のクリアが必要>

  昨年からメンバーに加えていただいた「長井市グリーンツーリズム・ネットワーク」の総会と研修会に参加してきました。総会に先立って訪れたのは市内の伊佐沢地区のOさんのお宅。長井市の民宿第1号として間もなくオープンするというので、その施設面を見学させていただきました。

  Oさんはこれまでも、中学生の教育旅行の受け入れの実績があり、その経験を生かして、長井市内で様々な体験活動などをしたいと訪れる方のために、自宅を改装してこられました。それがほぼ完成し、あとは認可待ちという段階です。

  台所、浴室、トイレなどには一定の規格があって、それをクリアしなければ民宿としてはみとめられないとのこと。以前に比べればハードルはかなり低くなったとはいうものの、何のための規格かと疑問に思うようなものもあります。が、まずは長井市での民宿第1号の誕生は間もなくです。


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<お客様が泊まる部屋には格調高いたんす>

  玄関脇の8畳ほどの和室がお客様用でしたが、その部屋には古風な趣のあるたんすが置かれていました。合板製の安物にはない格調が感じられます。


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<道の向かい側の山の斜面に横穴があって、倉庫にも使われていました。>

  道路の向かい側が小高い山になっていて、そこに横穴が掘ってあるのだと以前から聞いていました。入り口には扉が設置され、何だか冒険心をくすぐるようなたたずまいです。奥行きが10m以上あり、中は高さが2mほど。年間を通じて温度は18℃前後だそうで、ワイン、ドブロク、味噌などの貯蔵に使っているそうです。


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<その横穴の入り口には大きなミツバチの巣があって、びっくり。>

  横穴の入り口にミツバチが巣を作っているというので見てみましたら、こんなに大きな巣でした。長さが60センチほどあり、ミツバチがびっしりでした。

  その後私たちは市内で総会。単なる観光にとどまらない滞在型の旅行で長井を訪れてくださる方をどのように増やしてゆくのかについて、熱心に話し合いをしました。もっとも気になるのは、行政の対応です。この長井市にそうした外部からのゲストをお招きする部署が3つもあるのです。つまり例の「縦割り行政」というものです。これを解消することと、行政の方々に熱意を発揮してもらわなければ、なかなか「ゼロ」が「1」にはならないような気がしました。民間の熱意との大きなギャップをどのように埋めてゆくのか、お決まりのような問題があるようです。胸襟を開いて夢を語り合えるような関係にならない限りは、行政をあてにすることはできないと感じています。



happajuku at 05:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ 

2009年05月29日

新聞への投書掲載

af7de4f8.JPG☆ブナの森に住む生き物たちは人間の
 先住者でもあります。
 (クリックで画像拡大)




 28日付け山形新聞の夕刊『私の主張』欄に、数日前に投稿したものが掲載されました。まずは、掲載された私の文章をアップします。

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  本紙5月22日付け朝刊に「クマ保護管理計画始動」という題で社説が掲載された。クマの捕殺数がこのところずっと全国最高水準を保っている本県の状況を危惧しながら、その実態がなかなか県民に広く伝わっていないことを憂いていたので、クマとの「共存」への方向性を広く県民に周知したということでは時宜を得たものであった。

  しかし、今回県がまとめた「ツキノワグマ保護管理計画」は、人間がクマの個体群を「調節する」との名目で捕殺を認めているという点では、これまでのやり方と大きく異なったものになっているとは言えない。

  私が最も問題だと考えるのは、平成18年の700頭近い大量捕殺をはじめ、ここ数年間だけでも1300頭を超えるクマが捕殺されているにもかかわらず、推定生息数が以前として1500頭ほどと公表されている点である。生息数があいまいのまま、捕殺数だけは明確である。

  全国に目を向ければ、クマは九州ではすでに絶滅。四国や中国地方でも数十から数百頭が残るだけと言われている。そうした状況をみたとき、ここ東北地方はツキノワグマの最後の生息地と言っても過言ではない。
 
  佐渡のトキの例をみるまでもなく、いったん絶滅という事態になったときに、その個体群を復活させることは至難の業であることは明らかで、私たちは、最後の岐路に立っているといえるのかもしれない。

  クマと共存するということは、言うのはたやすいが、農業や林業でのクマの被害や時折起きる人的な被害などを考えれば、それを実践するには多くの困難が立ちはだかるのではないだろうか。
 
  森林面積に占める自然林の比率が全国の最上位にランクされる山形県であればこそ、本当の共存ということにより多くの県民の英知を結集し、その困難に立ち向かいたいものである。      (長井市 八木文明 55歳)

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  いろいろな場面で森やクマの問題を話すとき、「山形はツキノワグマの捕殺数が全国トップレベルなんです。」ということをご存じない方がけっこういらっしゃいます。しかし、クマの生息環境がどうなるかという問題は、人間とも深く関わっていてます。それは人もクマも森に依存して生きているからです。人間は「文明」を持っているがゆえに森から離れて生活できるという違いがあるだけです。

  だからクマが「出てくる」とか、農業や林業に被害を与えるという問題は、人が一方的に被害を受けるという視点ではなく、なぜクマはそうせざるを得なかったのか、私たちの生活のあり方とどんな関係があるのかないのか、ということまで含めて考えるべきだと思うのです。

  実はこのたび私は、この投書文の中に書いた「ツキノワグマ保護管理計画」に関わる「特定鳥獣保護管理検討委員会」のメンバーに、自然保護団体の代表として出席することになっているのですが、ここで言う「保護管理」とは、何頭いるかもわからないクマを、どの地域でどのぐらい捕まえてゆくか、というような計画です。ですから、正直言って私が考えていることとは違う方向を向いているのです。ただ、3年間にわたるこの委員会の中で発言することで、次の「計画」がどのような方向を向くものになるのかということに少しでも影響を与えることができればと考えています。

  この投書には、私が原稿として送った最後の一文が載りませんでした。それは次のようなものでした。「一方で捕殺数を何頭にするかを考えながら、他方ではクマと「共存する」と唱えることは、先住者であるクマへの冒涜になるのではないだろうか。」。





happajuku at 05:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ 

2009年05月28日

富神山(とがみやま)、一輪のヒメサユリ

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<会場は各団体が持ち寄った味自慢の品々でにぎわいました。>

  「山形県グリーンツーリズム推進協議会」の総会と交流会が26日山形市内で開催され、今年度から会員として加えていただくことになった「葉っぱ塾」として参加してきました。グリーンツーリズムは、従来の観光と異なって、滞在体験型の旅行というようなものを指すのですが、先ごろ行った「ブナの森セミナー」などは、一つの典型になるのかもしれません。

  この総会はこれまで、決算予算などのお決まりのことの審議だけで終わっていたものを、事務局が工夫して、参加している団体の交流や情報交換が行えるようにということで、昼食をはさんで和やかに行われました。各地の特産品を使った品々が多数出されました。

  初めての参加にもかかわらず、日ごろ感じているようなことなど私も発言をしてきましたが、「情報発信」ということがやはり大きな課題のようでした。このブログの「Links」に「山形的グリーンツーリズム」というのがあって、それがこの推進協議会のHPなのですが、アクセス数は年間25000件あまりにとどまっているとのこと。それなら「葉っぱ塾」のこのブログにも及ばないのです。山形の良さを多くの方々に知らせていく工夫の余地はもっともっとありそうです。


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<富神山で見つけた一輪のヒメサユリ>

  会議を終えて長井に向うと、山形市の西方にピラミッドのような端正な姿を見せる山があります。富神山です。標高はわずかに402m。いつも通り過ぎるばかりでしたので、ちょっと寄ってみました。登山口に車を止めると、「山頂まで530m」という標識がありました。道は「ピラミッド」の北側の斜面をほぼ一直線に山頂へと登ってゆきます。

  途中でヒメサユリの今にも咲きそうなつぼみを見つけて喜んでいましたら、中腹にたった一輪、咲いているものがありました! サユリストの私には何よりのプレゼントです。登山道の真ん中にも生えているものがありました。きっと地元の方々が大切に守ってこられたのだと想像しました。


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<山頂からは山形市内が一望!>

  山頂までは20分ほどで着きました。東側が開けて、水が引かれた水田の向こうに山形市内そして蔵王の峰々が一望できました。標高がそれほど高くはないのに、この眺めはなかなかです。

  山頂には祠や休憩の椅子やテーブルなどがあり、山の歴史を説明するモニュメントも立てられていました。富神山は「十日見山」から転じたと書いてありました。今大河ドラマで放送されている直江兼続が指揮して、上杉軍が最上軍を攻めようとしたとき、この山から最上義光の居城を見ようとしたけれども、十日もの間霞の中に隠れてその姿を見ることができなかたのだ、と。それでその城は「霞が城」と呼ばれ、現在その城跡が「霞城(かじょう)公園」になっているということなのです。

  小さな山にも歴史の香りが漂っています。それを感ずることで、山への親しみが一層わくというものです。夜景が素晴らしいことだろうと想像して下山しました。



happajuku at 05:30|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ 

2009年05月27日

今年初めての祝瓶山

  24日の倉手山からの帰り道、県道木地山線入り口の道路情報板にまわってみると、「全線通行可能」の表示が出ていました。冬季の閉鎖がもう解除になっていたのです。例年ですと月末に解除ということが多かったのですが、1週間ほど早い解除です。翌25日、「待ってました」とばかりに祝瓶山(いわいがめやま)に向いました。木地山ダムより奥6kmは相変わらずの悪路ではありますが、祝瓶山荘まで雪の心配なく入ることができました。


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<桑住平手前のミズバショウ群生地>

  祝瓶山荘前に車を置いて歩き出します。桑住平までは川沿いのほぼ平坦な道です。途中の吊り橋もすでに板が固定されていました。桑住平の手前に、山崩れ崩壊地形があります。苔むした大岩がゴロゴロし、ミズナラやブナの大木が林立し、林床はシダが目立つところです。私は勝手に「日本庭園」と名づけています。ここを過ぎると湿地があって、ミズバショウの群生地になっています。この湿地は乾燥化の宿命から逃れることができず、次第に縮小していますが、それでもまだたくさんのミズバショウの花が咲いていました。


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<そそり立つ祝瓶山東壁。山頂は雲の中でした。>

  桑住平で山頂を仰ぎ見ることができる場所があります。この日は天候は回復傾向との予報でしたが、ご覧のように山頂は雲に隠れていました。登るうちに晴れるだろうと考えていましたが、この日は結果的に雲が切れることがありませんでした。この写真に見える左側の細い尾根を登ってゆくのです。


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<谷を埋める残雪。>

  山頂へと突き上げる細い尾根に出ると、両側の視界が開けます。対岸の斜面の残雪は例年よりも多いような気がしました。高度を稼ぐにつれて雲がかかるようになってきました。そしてついに、標高1200m付近から完全に雲の中に入りました。それまで半そでのTシャツで行動していたのですが、気温も下がったので長袖を羽織り、山頂を目指しました。

  が、山頂直下まで来て大きな雪の壁が立ちはだかっていました。雪のないときでもこのあたりは両手両足を動員してよじ登る急斜面なのですが、堅い雪の壁は傾斜が45度、あるいはそれ以上もあります。しかも雲の中で周囲の状況が全く見えません。アイゼンを履いてピッケル片手に登り始めましたが、途中で断念しました。一人で来て滑落などしては、誰も助けてくれる人がいませんから。雪の急斜面にアイゼンを効かせ、慎重に降りました。下りのほうが難しいです。来週は祝瓶山市民登山とのことですが、この雪の壁、一週間でどの程度縮小するでしょうか。いずれにしてもアイゼンなしではむずかしいでしょう。


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<一年中で最も水量が多い木地山ダム湖を見下ろす。>

  急な尾根を下り始めると、登る時には背後にあって見ることもなかった風景が目に入ってきます。来るときに通ってきた木地山ダム湖が満水の水をたたえていました。登山道脇の木々はまだ芽吹いたばかりで、コシアブラの若芽を少しいただきながら下山してきました。

  今年は冬の雪は里では少なかったのですが、ある程度標高の高い山ではそれほど少ないわけではないようです。アイゼンなしでは行動できない所も多いでしょうから、十分な注意が必要ではないでしょうか。



  

happajuku at 05:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2009年05月26日

飯豊を眺めに倉手山へ〜カモシカに出会う

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  飯豊連峰のすぐれた展望台にもなっている、小国町の倉手山に24日、行ってきました。「葉っぱ塾」で計画したものの、参加者がなく、予定していた23日から1日遅らせて一人で出かけました。前日の予報では高気圧と高気圧の間に挟まれて、あまり良くないということでしたが、登り始めてみると,風もほとんどなく、時折青空も見える穏やかな空模様となりました。登山道ではたくさんのイワカガミが出迎えてくれました。


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  前半の急登を登り終えようとしたころ、頭上に一瞬「視線」を感じてふと見上げると、10mも離れていないところにカモシカがじっとこちらを見つめて立っていました。手に持っていたカメラをそうっと構えながら「こんにちは」とつぶやき、カシャリ。白っぽい毛並みの個体でした。数年前、この稜線の崖の下を歩いていたのと似ている気がしましたが、同じなのかどうか・・・。2枚目のシャッターを切った直後にゆっくりと登山道を登り、まもなく脇の斜面へと降りてゆきました。こんな動物と自分が同じ空間にいる! たったそれだけのことなのに、いいようのない喜びがこみあげてきました。


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  長井葉山よりも標高が低い(952m)倉手山ですが、雪はかなり多いところです。中腹より上では季節はまだ春が始まったばかり。ムラサキヤシオの赤紫の花が新緑を背景に鮮やかに咲いていました。このつぼみの色合いは例えようもないほど見事な赤紫です。


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  休日とはいえ、まだ早い登頂だったので、山頂には誰も人はおらず、眼前に覆いかぶさるように広がる飯豊連峰の眺めを独り占めしました。稜線は雲に隠れていましたが、登り始めたときに見上げた頃よりはずいぶん晴れてきていました。持参した双眼鏡で「石転び大雪渓」のほうを眺めてみると、一瞬、北俣岳と烏帽子岳のコルにある梅花皮(かいらぎ)小屋が見えました。その下方を丹念に見ていきましたら、小さな黒い点が、大雪渓の上を動いていました。小屋を目指して登っている人の姿です。

  大きな大きな風景に一人身を置いていると、自分の存在のはかなさを感じます。私が生まれるはるか昔からあり続けたこの風景が、この先もずっとあり続ける。一瞬の閃光のような人生です。先ほど会ったカモシカの命もまた、一瞬の閃光です。それが同じ瞬間に交錯したことは奇跡のようなことだったのかもしれません。

  にぎやかにグループの人たちが登ってきたのを潮に、山を下り始めました。



happajuku at 05:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2009年05月25日

朝日軍道をたどる長井葉山

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長井市草岡から葉山に登るおけさ堀登山道は、朝日軍道の一部だといわれています。 残雪の一時期だけ、麓からジグザグの山道を見ることができます。



  ■■■ 葉っぱ塾 朝日軍道をたどる長井葉山2009 ■■■

 上杉家の家老だった直江兼続が、米沢と、飛び地だった庄内を最短で結ぼうと整備させたと伝えられる「朝日軍道」は、別名「庄内直路(しょうないすぐみち)」ともいわれ、その登り口は長井の草岡だったとのことです。現在の「おけさ堀登山道」がその朝日軍道であったようです。その道をたどりながら、戦国時代の人々のかすかな気配に耳を澄ませてみませんか? また、この道の途中には、「嘉永堰」や「昭和堰」など、地元の稲作を支えた用水の跡も残されています。そうした遺構をたどり、残雪の朝日連峰の一角にある長井葉山に登ってみましょう。祝瓶山や大朝日岳の眺望も楽しみです。

    【期  日】 。況遑憩(日) ■況遑稿(火)
            ※天候の判断を前日に行い、中止することがあります。

    【参加費用】  一人¥3500(保険料・写真代含む)

    【募集人数】 各回10名以内(申し込みはそれぞれ3日前までに)

    【集  合】  長井市草岡、「古代の丘資料館前」午前7時30分
             ※ご要望あれば現地までの地図をお送りします。

    【日  程】  7:30    資料館前集合・出発
           12:00ごろ  葉山山頂
           16:00    勧進代登山口へ下山
                    (車で資料館に移動)

    【持ち物】   昼食、雨具、水(1ℓ以上)、手袋、おやつ、その他
※ 詳しくは参加申し込みされた方に御連絡いたします。

    【申し込み】  各回3日前が締め切りです。氏名、住所、電話番号、生年月日をお知らせください。

【連絡先】  葉っぱ塾・八木文明 Tel/Fax 0238-84-1537
                 e-mail happa-fy@dewa.or.jp
        日本山岳ガイド協会認定ガイド
        日本自然保護協会自然観察指導員


happajuku at 04:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾の予定企画 

2009年05月24日

「ブナの森セミナー」〜参加者編

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<その日初めて出会った参加者同士が、旧知の友のように語り合っていました。>


  今回の「第7回ブナの森セミナー」の参加者は31名。その都道府県別は、沖縄1、兵庫3、大阪1、京都1、愛知4、東京4、神奈川3、埼玉1、新潟5、福島1、山形7でした。これまでは首都圏の方が多かったのですが、今回は西日本の方が多くご参加くださいました。この背景として、一昨年の奈良、昨年の大阪での「めぐり愛」イベントのつながりが大きかったとが上げられます。あのとき蒔かれた種が、時間と空間を隔ててここで開花した、そんなところでしょうか。

  男女別では女性が28名、男性は葉祥明さんをいれて3名でした。女性の行動力なのでしょうか? そういえば、佐渡に放鳥されたトキも、オスを佐渡に残して新潟や山形、宮城などに飛来していたのは、全部メスだったようです。あまり関係はないかもしれませんが。

  「葉っぱ塾」のこれまでの行事に参加してくださった経験のある方は11名、初めての参加が20名でした。初めての参加の方でも、インターネットなどのやりとりでつながっていた方や、その方のご友人など、間接的なつながりがあった方がほとんどでしたが、ただ一人、福島から参加のIさんは、全くつながりのなかった方です。ネットで「ぶなの木」で検索しているうちに、このセミナーのことを知ったのだそうです。「葉っぱ塾」も「ヤギおじさん」も知らず、よく申し込んでくださったものだなあと驚いています。ありがたいことです。

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<小雨にけむる幻想的な森の風景がみなさんの印象に強く残ったようです。>


  今、参加者のみなさんからはメールやお手紙やお葉書が届いています。とりわけ雨のブナの森の幻想的な風景が印象的であったという方が多いです。そして豊富な山菜料理やキャンドルのともし火でしょうか。このセミナーに参加なさる方々がそれぞれの心に抱えておられたものはみな違います。どうすることもできないほどの苦しみや悲しみを携えておいでくださった方もおられます。このセミナーに参加したことでそうしたものが解決するなどということはありえないかもしれませんが、気づき、見直し、立ち上がるということのきっかけの一つにはなるかもしれません。

  閉会のご挨拶の中で私は、葉祥明さんと星野道夫さんに共通するのは、人生に対する楽観性ではないかというようなことを申し上げました。そこには営々と続いてきた人間の生活と、そこで培われてきた人間の英知に対する信頼が感じられます。そして私たちが認知できるスケールをはるかに超えた大きな動きの中で私たちのささやかな命がこの瞬間生きている。それは繰り返される生命の循環の輪のほんの一つのきらめきである。そんなメッセージが、共通するように思うのです。

  ブナの森の散策で私は参加者のみなさんを、遊歩道から少し外れた森の木立の中にご案内しました。そこで地面に目を向けると、3年目ぐらいのブナの稚樹たちが数センチの背丈でびっしりと生えているのでした。しかしそれらのほとんど全てと言っていいほどに、大きく育つことはありません。何千本、何万本に1本だけが大木に育つのです。それでは枯死してしまうほとんどの稚樹には何の意味もないのかといえば、それは違うと思います。それらもまた来るべき新しい生命につながっているのではないでしょうか。葉さんや星野さんの言葉から私が学んだことはたとえばそういうことなのです。

  参加してくださった皆様や、スタッフとして支えてくださった皆様はもちろんですが、このセミナーに参加はできなかったけれど遠くから見守ってくださったたくさんの方々のことが、セミナーの間中、ずっと頭から離れませんでした。今回のセミナーの報告を「LEAF」第132号にまとめ、昨日発送いたしましたので、どうぞそれをお読みくださって、セミナーの実りを分かち合ってください。また、参加なさらなかった方にも、ご連絡をいただければお送りすることが可能です。

  次回の「ブナの森セミナー」がいつになるかわかりません。皆様の声が後押しすることだけは確かなことです。呼びかけをしたときにはどうぞ手をあげて答えてくださいますようにとお願いいたします。ありがとうございました。






happajuku at 05:00|PermalinkComments(4)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2009年05月23日

「ブナの森セミナー」〜山菜三昧編

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<テーブルに満載の山菜料理の数々>

  5月のブナの森といえばやはり山菜です。このセミナーでは二日目の昼食はスタッフが山菜を自前で調理してみなさんに山菜料理を味わっていただく準備をしていました。私が長井葉山にある昭和堰のことでお世話になっているTさんに、山菜の採取を予めお願いしていました。Tさんは4日ほど前からあちこちの山に入って山菜を集めてくださったばかりか、アク抜きの必要なワラビはその処理までしてくださっていました。

  いただいた山菜は次のとおりです。みなさんはどれぐらいおわかりでしょうか?アイコ(ミヤマイラクサ)、ゼンマイ、イチヤコゴミ(キヨタキシダ)、コゴミ(クサソテツ)、シドケ(モミジガサ)、タカノツメ、コシアブラ、ハリギリ、ワラビ、アカミズ、ヤマウド、ウコギ、ヤマブドウの若芽、フキノトウ、タラノメ、ウルイ、カンダイナ、それにギョウジャニンニクとニラを交配した栽培種のギョウジャナ(行者菜)。


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<どれを食べようか迷うほどの種類とボリュームでした>

  これらの山菜が、おひたし、胡麻和え、煮物、卵とじ、天ぷら、サラダなどに調理されて出てくるのですから、料理の種類はさらに増えます。それらにさらに五目炊き込みご飯とウコギ飯の二種類のご飯が準備され、山菜とサバ缶入りの味噌汁がありました。称して「山菜フルコース食い倒れバイキング」です。

  みなさんの箸の先をみていますと、天ぷらが一番の人気だったようなのですが、地元の私に言わせれば、山菜の風味が最もよくわかるのは「おひたし」です。天ぷらにすると、苦味などが失せてしまうものが多いようです。また、料理で最も手がかかり「高価」なのは煮物です。今回のものではゼンマイの煮物がそうですが、これは2鉢もつくったのに、ずいぶん余って、調理にあたってくれた私の友人Nさんが、「ふだん食べられないんだよね」とたくさん持ち帰ってくれました。

  ゼンマイというのは山から採ってきただけではすぐには食べられないのです。天気のよいときに、むしろに広げて時間をかけて乾燥させ、その合間に手でもんだりしなければなりません。重量は当初の10分の1にまでなるのです。これが乾燥ゼンマイ。そしてこれを料理に使うときは3日も前から水につけて戻しておかねばなりません。ですからゼンマイを使った煮物は「山菜料理の王様」なのです。


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<ベジタリアンの葉祥明さんにもたくさん食べていただきました>

  山菜を提供してくださったTさんからはギョウジャナはお持ち帰り用もたくさんいただいておりました。これは昨年から長井市を中心に本格栽培が始まった新しい野菜で、山菜のギョウジャニンニクと野菜のニラを交配させてつくりだしたのだそうです。両者をいいとこどりしたような植物です。持ち帰られた参加者の皆さんからは、さまざまな調理に使われた報告と、絶賛の声が届いています。健康にもいいようで、地元の人も言っていたのですが「血圧が下がった」という意見も届いています。クセになるおいしさかもしれません。

  満ち足りた山の幸でお腹を満たしていただき、和やかに会話するうちに、「ブナの森セミナー」は閉会が近づいていました。





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2009年05月22日

「ブナの森セミナー」〜森の散策編

4679000e.JPG☆参加者全員で「空気神社」に詣でました。
 (クリックで画像拡大)





  「ブナの森セミナー」2日目の朝はやはり細かい弱い雨が降っていました。それでも希望者でコテージ近くの森を散策に出かけました。朝食後には「空気神社」に行くことにしていましたので、朝の散歩はあえて反対の方向へ。

  森の中は枯葉が湿って足に柔らかな感触が伝わってきました。ブナの幹を流れ下る「幹流水(かんりゅうすい)」も観察できました。根から吸い上げた水が葉っぱから蒸散し、それが雨になって降る。葉っぱはそれを受け止め、枝や幹をつたって根元にしみこむ。そこに見事な水の循環があるのです。子どもたちに話すときは「葉っぱの恩返し(根に対する)」と言うことがあります。

  摘まれずに残っていたコシアブラの芽を間近で見ることもできました。私たちにとっては身近な山菜ですが、遠くからおいでになった方には、木に生えている実物は珍しいとのことです。シイタケの「ほだ木」が置かれているところがあって、たくさんのキノコが生育しているのも観察できました。面白いのはヤマウルシの葉痕(ようこん=葉っぱが落葉したときの跡)でした。ウルシですので触るのはちょっと遠慮していただくわけですが、その葉痕がハートの形をしているのです。そして目を近づけて見ると、お猿さんの顔のように見えるものもあるのです。これは葉柄の中を通っている道管や師管というパイプの断面がそのように見えるものなのです。

  バイキング形式の朝食をゆったりとった後は、みなさんで「空気神社」へ。ここは「神社」とは言っても宗教とは無縁の特別な場所です。ユニークな参拝の仕方が決まっています。「二礼、四拍手(心で春夏秋冬ととなえる)、両手を上に掲げ空を仰ぐ、一礼」というものです。大きなステンレスの舞台の上には宇宙までつながっている見えない空気の柱があり。それが「ご神体」です。「ブナの森セミナー」に集う人なら必ずやこのコンセプトに賛同していただけると確信していました。

  この場に漂う雰囲気に感極まって涙を流す人もおられました。沖縄から参加のNさんは、沖縄の笛を持参し、沖縄の古い曲を献奏してくださいました。時折霧のように雨雲が漂うブナの森は幻想的で、したたる雨粒が緑色なのではないかと錯覚するほどに鮮やかな緑に浸りました。

  私が持参した聴診器をブナの幹に当てて音を聞いていただきました。様々な音が聞こえたということです。この体験の目的はブナも私たちと同様に「いきもの」であるということを体感していただくこと、そしてひいては森の全ての動物がつながっているということを想像していただくことです。

  「ブナの森セミナー」恒例の記念写真を全員で撮ったあと、私たちはゆっくりと森をめぐり、途中で様々な植物を観察したり、匂いをかいだりしながらコテージへと戻りました。雨の森は想像以上にロマンチックな空間であることを皆さんに感じていただくことができたのではなかったでしょうか。





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2009年05月21日

長井葉山、芽吹き前線山頂へ!

※今日は「ブナの森セミナー」の報告はお休みします。


  18日午後からの好天が続いています。20日、講師を引き受けている学校の授業が終わるとすぐに、居ても立ってもいられず、コンビニでおにぎりを買って長井葉山へと向いました。白兎登山口を出発したのが11時55分でした。一人のときはトレーニングを兼ねますので、快調に高度を稼ぎます。

  16日に登った友人のKさんから、「芽吹きは鉾立清水付近まで上がりました。鉾立清水には来週には入れるでしょう。」とのメールをいただいていました。それでこの日はザックの中に2リットルのペットボトル5本とプラスチック水筒を1つ入れていました。清水を汲めるかどうか、楽しみでした。


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<「大ブナ」付近の残雪と芽吹き>

  北西に向う登山道が大きく西へと向きを変えるあたりの「大ブナ」の少し手前から、雪の上を歩きました。いつも積雪を計るあたりは1mほどの残雪です。下界のブナは新緑から深緑に移ろうとしていますが、このあたりはまだ産毛が生えているブナの若葉です。

  鉾立清水は標高およそ1200mにある清水で、地下を浸透してきた水が岩の間から噴き出しているのです。一度も沢を流れていない水なので、バージン・ウォーターと言ってもいい水です。水温は年間を通して6℃ほど。その水に10秒も手を入れていればちぎれてしまいそうな冷たさです。私は春から秋にかけて、ペットボトルを背負ってはこの水を汲んで下り、毎朝その水で1杯のコーヒーを飲むのを楽しみにしています。昨年秋に採取した最後の水でコーヒーを飲んだのが1月中旬でしたから、4ヶ月ぶりにこの水でコーヒーです!

  この日、清水の上を覆っていた雪の「ふた」が落ちており、水汲みに入れることを確認してから山頂へ向いました。5月の今頃入れるというのは、まあ、普通です。雪の少ないと年には4月下旬、多いときには6月中旬ということもありました。

  
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<葉山山荘裏のピークから見た20日の大朝日岳>

  誰もいない山頂で、まずは葉山神社、月山神社にお参り。「ブナの森セミナー」が無事に終わったことへの感謝の気持をこめたつもりです。いつもお賽銭もあげないのに、私の願いをいろいろ聞き届けてくださる「神様」に感謝。

  ブナの芽吹きは山頂にまで達していました! それも、今日芽吹いたばかりといった感じです。耳を澄ませると、「プチッ、プチッ」と芽吹きの音が聞こえてくるような気がしました。視線を北北西に向けると、だいぶ黒い部分が多くなった大朝日岳が、堂々とそびえていました。
  

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<「奥の院」から見た祝瓶山>

  少し離れた「奥の院」に行ってみました。ここは年中風が強い所ですが、この日もここだけは風がかなりあって、半そでTシャツでは寒いほどでした。祝瓶山も雪はほとんどずり落ちて、黒っぽい山体を見せていました。


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<山頂からやや下った所からの下界の眺望>

  鉾立清水の手前で、雪のある時期だけ眺望が開ける所があります。手前に残雪があり、そこから山麓に向って緑のグラデーション。そして水田には水が張られ、田植え真っ盛りです。

  鉾立清水でボトルに水を汲むと、ザックはずしりとした重みです。でも何だか心地よい重さです。「ああ、明日からこの水でコーヒーが飲めるんだ」という喜びでワクワクします。1時間10分ほどで下るとすぐに、お世話になった方々に1本ずつ水を届けてきました。この水のうまさがわかる人ばかりです。

  そして今朝、この水で朝一番のコーヒーを飲んでいます。ああ、うんまい!



happajuku at 05:33|PermalinkComments(4)TrackBack(0) ブナの森の四季 

2009年05月20日

「ブナの森セミナー」〜キャンドルナイト編

  キャンドルづくりのあとはゆっくりしていただいて、その後レストランで夕食会。スタッフのOさんの絶妙な進行でみなさんが自己紹介をし、雰囲気が打ち解けてゆきました。夕方到着された葉祥明さんも加わって、楽しいひとときを過ごしていただきました。それぞれが「葉っぱ塾」やヤギおじさんとの出会い、またこのセミナーに参加することになった経緯などを語ってくださいました。

  夕食のあとはこのセミナーならではのミニ・コンサートと朗読会です。前回も演奏してくださった東京のFさんEさんのケーナ・デュエットで始まりました。このお二人は、ケーナ奏者である私の弟にケーナを習ってくださっているのです。文字通り息もぴったり合って、「アメイジング・グレイス」や「コンドルは飛んでゆく」を演奏してくださいました。


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  お二人の演奏が終わると、電灯を消し、皆さんに作って提供していただいた蜜ロウソクに点灯します。赤みを帯びた炎から、えもいわれぬよい香りが漂ってきます。暗くなることで見える範囲が狭くなり、そのことが音や言葉への集中を高めてくれます。

  星野道夫さんのエッセイを読んでくださったOさんを皮切りに、それぞれが得意とするジャンルのものを読んでいきます。私が2年ほど前に奈良で読んだ吉武祥子さんの詩集『言葉の流れ星』を読んでくださったSさんの朗読では涙をこらえることができない人もおられたようです。今回参加できずに遠くから見守ってくださっているであろう作者の祥子さんの気持ちが、静かな波のようにみなさんの心を打ったのかもしれません。

  遠く沖縄から参加してくださったNさんは、沖縄の成り立ちを伝える絵本を読んでくださいましたが、わざわざ沖縄から月桃の花を持参してきてくださり、それをたずさえての朗読となりました。山形のブナの森に、沖縄の心が溶け込んでゆきました。


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  朗読の最後は葉祥明さんにお願いしました。今回はゲストではなく一般参加者として来てくださった葉さんです。今回の朗読は『無理しない』というメッセージ・ブックの姉妹編として近々出版予定の『気にしない』の原稿から読んでくださいました。静かなその声は、私たちの心の襞にしみこみ、傷ついたところをそっと撫で、また、深みに落ち込んでいるところは救い上げてくれるように響いてきました。


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  静かな朗読のひとときを過ごしたのに続いて、打ち解けた雰囲気がさらに暖かくなるように、交流会です。初めて会った人同士が言葉を交わし、新たな出会いを経験する。そのことが新たな自分への発見につながってゆく。これはこの「ブナの森セミナー」が当初から目指していた最も大事な部分です。

  山形産のワインやジュースを楽しんでいただきながら、夜が更けるまで交流は続きました。後片付けを終え、日付が変わる少し前、コテージに戻った私でした。



happajuku at 04:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2009年05月19日

「ブナの森セミナー」〜蜜ロウソク編

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<蜜ロウソクの最大の蜜源はこのトチノキ>


  葉祥明さんと18年ほど前に出会い、そのことが「葉っぱ塾」の活動を始めるきっかけとなったのですが、「ハチ蜜の森キャンドル」の安藤竜二さんとは13年ほど前に出会っています。お二人との出会いがこの朝日町というところで「ブナの森セミナー」というイベントを開こうということにつながっています。

  蜜ロウソクを専門に作っておられる方は日本ではたぶん安藤さんだけです。それで私は彼を「葉っぱ塾人間国宝」に勝手に指定しています。安藤さんは「本物の人間国宝のほうがいいなあ」などとおっしゃいます。

  蜜ロウソクの材料はミツバチの巣なのですが、一匹のミツバチが一生に集める蜜は何と小さじ1杯。そして、ミツバチの体の中で「ろう」に変化し巣に使われるのはその10%ほどといいます。蜜はいろいろな植物から採取されるのですが、ブナの森にあるトチノキが、最もたくさん蜜が採れる木だそうです。それで養蜂を営む人たちは、このトチノキを植えることを今も続けておられるそうです。植えてから2,30年経たないと花が咲かない木だとのこと。将来を見すえての植林です。

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<完成した蜜ロウソク>


  蜜ロウソクはなんともいえないような黄色味を帯びています。これはミツバチが花にもぐったときに体に付着してくる花粉がもとになっているそうです。今回のセミナーでは丸い円盤の形に整形された蜜ロウソクをお湯で温めて柔らかくし、年度細工のようにしてお好みの形のキャンドルにするという方法でした。


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<蜜ロウソクの灯りは、なんとも形容しがたく柔らかいものです。>


  このセミナーで最初のプログラムとして蜜ロウソクづくりを行うのは、その夜に開催するミニ・コンサートや朗読会の会場を蜜ロウソクのともし火で照らしたいからです。静かなブナの森の夜を、ほの暗い明るさの中で過ごすことも、人が自分と向き合うときに大切なことだと思うのです。独特のいい香りも漂います。家に持ち帰られた蜜ロウソクを灯して、ぬるめのお湯にゆったり浸るなどというのはぜいたくな過ごし方かもしれません。

  安藤さんの「ハチ蜜の森キャンドル」については、このブログの「Links」から入ることができます。インターネットで注文も可能です。


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2009年05月18日

「ブナの森セミナー」写真速報

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<参加者が到着される前に一人で大朝日岳を仰ぎ、セミナーの成功を祈りました。>


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<葉祥明さんの本やグッズもたくさん展示しました。>


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<天候がよいうちに、「朝日連峰ビューポイント」に出かけました。>


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<「ハチ蜜の森キャンドル」の安藤さんのご指導で蜜ろうそくづくり。>


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<完成したたくさんの蜜ロウソク。>


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<夜は蜜ロウソクを灯して、キャンドルナイトコンサート&朗読会。>


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<2日目の朝は小雨。>


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<雨の森をみんなで散歩。>


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<空気神社へミニ・ハイキング。ブナの幹の水音を聴きました。>


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<空気神社で記念撮影。お気に入りの場所です。>


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<昼食に並んだたくさんの山菜料理。>


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<葉祥明さんも気軽にサインに応じてくださいました。>


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<名残惜しいけれど別れのつどい。>


  「第7回ブナの森セミナー」にご参加くださった30名の皆様、裏方の仕事で支えてくださったスタッフの皆様、参加はできなかったけれど遠くから見守ってくださった皆様、そしてお忙しい中おいでくださった皆様、ありがとうございました。一夜明けてゆっくり振り返り、皆様の心の感動が私の心を揺さぶっています。




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2009年05月16日

「ブナの森セミナー」前泊組到着!

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  今日から始まる「ブナの森セミナー」に、遠くから参加してくださる方々の第一陣が昨日夕方、赤湯駅に到着されました。大阪、京都、愛知などからのみなさんです。スタッフをお願いしてあるYさんにも車を出していただき、「道の駅」経由で、この日の宿泊をお願いしてある「飯豊少年自然の家」に向いました。

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  前日の寒気が通り過ぎたものの、肌寒いほどの気温で、「飯豊少年自然の家」の食堂にはストーブが燃えていました。宿泊研修の中学生たちと一緒に食事です。この「葉っぱ塾」を社会教育関係団体扱いしてくださって、1泊2食で¥1160(一人)というのはありがたいことです。

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  この「飯豊少年自然の家」のアイドルのひとみちゃんが、ベッドメイキングの説明のモデルになってくれました。そこにスタッフのもう一人のWさんもやってきて、近くの温泉「がまの湯」にお連れしました。「それでは明日!」とお別れして帰宅しました。

  日曜日は雨の予報が出ています。雨もブナの森には大切な要素であると考えて、前向きに受け入れることにしようと思います。

  セミナーが終了してから詳しい報告を申し上げます。

  近々の「葉っぱ塾」の行事は次の通りです。詳しい要項必要な方、お知らせください。

■飯豊を眺めに倉手山へ
  。儀遑横各(土)
  ■儀遑横尭(火)

■朝日軍道をたどる長井葉山
  。況遑憩(日)
  ■況遑稿(火)


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2009年05月15日

「ブナの森セミナー」明日から!

7aafc933.JPG☆ブナの森ではトチノキが葉を広げ
 花を咲かせようとしています。
 (クリックで画像拡大)




  「第7回ブナの森セミナー」がいよいよ明日からとなりました。沖縄、大阪、愛知などからの参加者の方々は今日出発してこちらに向ってくださることになっています。今日は最後の準備を整えてお待ちすることになります。

  ブナの森は緑がしたたるような季節を迎えています。森に静かに立っていると、幹の中を登ってゆく水音が聞こえるような気がします。まさに生命の「音」です。ブナの森と言っても、ブナの木だけがあるわけではありません。この時期、トチノキの大きな葉が目立ってきます。そしてさらにこのトチノキの花が咲き出しています。一見枝にたくさんのソフトクリームが付いているように見えます。

  今回もセミナーの最初のプログラムとして、朝日町の蜜ロウソク専門家の安藤さんのご指導で蜜ロウソクづくりを行うのですが、このトチノキはブナの森で蜜を最もたくさん出す樹木なのです。ですから、安藤さんはとても忙しい時期に入られるのですが、このセミナーのために無理を言っておいでいただきます。

  先日打ち合わせで安藤さんにお会いしたとき、近頃話題になっているミツバチの異変について尋ねてみました。報道では話題にならないような要因が関係していることがわかりました。経済の問題がミツバチ異変に関係しているなどとは、私たちは教えられなければわからないですね。そんなお話も安藤さんから伺えるかもしれません。

  今回ご都合で参加いただけなかった方もいらっしゃると思いますが、エネルギーを蓄えたらまた計画いたします。ぜひそのときにはご参加ください。

  天気予報がまた少し変わりました。17日の降水確率が少し下がりました。昨日は寒気が通過して寒かったのですが、気温がまた少し上がる傾向です。

  16日 最低気温7℃  最高気温 23℃ 20%
  17日 最低気温12℃ 最高気温 22℃ 70%

  17日の降水確率が少し下がり、最高気温予測が少し上がりました。私の願いが少し通じてきたようです。もう一息です。ご参加の皆様、どうぞお気をつけておいでください。










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2009年05月14日

葉山を駆け上がるブナの新緑

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  12日夜から13日朝にかけて、お湿り程度ではありましたが、久しぶりの雨が降りました。雨を降らせた前線が通り過ぎて寒気が入り込み、雨で空気が洗われたこともあって、昨日の朝は風景がくっきりと見えました。

  長井葉山を下から見上げると、ブナの新緑は「姥石」を超え、標高1100m付近の稜線に達しています。「ブナの峰渡り」などという表現もあるようですが、日々高度を上げてゆく新緑前線を見ると、生命の勢いというものを感じます。

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  その葉山の麓に広がる水田地帯には、いよいよ水が入り始めました。農家の方々は早朝から田に出て、水の様子を点検したり、代掻き作業を行ったりしています。「葉っぱ塾」の田んぼも5月31日が田植えですので、まもなく水が入ることでしょう。

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  昨日は、近づいた「ブナの森セミナー」を前に、最後の打ち合わせと、会場周辺の状況を見に行ってきました。ホテルの玄関脇から眺めたAsahi自然観コテージ村も、すっかり緑に染まっていました。平日ということもあって、訪れる人もない「空気神社」で、セミナーを恵まれた天候の下で進めることができるようにと願ってきました。わざわざ遠くからおいでいただく参加者の皆さんの心に残るようなセミナーになるよう、精一杯努めたいと思っております。どうぞお気をつけておいでください。

  当日の天気ですが、現在の段階での予報は次の通りです。

  16日(土) 最低気温7℃  最高気温23℃ 20%
  17日(日) 最低気温12℃ 最高気温20℃ 80%

  これは、「山形市内」の予報で、会場のAsahi自然観は気温がこれよりも2〜3℃低いことを考慮なさってください。15日からこちらにおいでになる方は、16日の朝が放射冷却で冷え込みが予想されます。また17日の降水確率が高くなっておりますので、準備にご配慮をお願いします。




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2009年05月13日

長井の白つつじ〜近づく「ブナの森セミナー」

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  10日から長井の「白つつじ祭り」が始まりました。昨日の朝、ジョギングしながらつつじ公園に寄ってみましたら、全体的には3分咲きの少し手前といったところでしたが、日当たりなどの条件がよい場所だからなのか、かなり咲いているのも見られました。この週末から、来週末までが見ごろかもしれません。23日には恒例の「黒獅子祭り」が行われます。勇壮な獅子舞が市内あちこちで見られることでしょう。

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  今となっては笑い話ですが、私たち長井で育った者は幼稚園や小学校の行事でよく「つつじ公園」に出かけましたので、そこにある白つつじ(琉球白つつじというのだそうです)が「つつじ」だと思っていました。ところが大人になって、白つつじだけの公園というのは珍しいのだ、などと知って驚くことになるのです。

  観光協会の方に聞いたところ、この「白つつじ祭り」そして6月から7月にかけての「あやめ祭り」を見に長井においでになる観光客は確実に減少しているそうです。一方で先ごろまでにぎわっていた「置賜桜回廊」は、大きな伸びを見せているのだとか。これがはたしていっときのブームのようなものなのかどうか。いずれにせよ、「花」で観光客を誘致するということの難しさは今後もついてくるでしょう。大きな温泉場や有名な観光地などの観光資源を持たないこの長井市が、外からの人の訪問をあてにしてゆくならば、これまでとは異なった考え方をしなければならないのではないかと私は思っています。

  葉っぱ塾の重要行事である「ブナの森セミナー」が近づいてきました。準備もかなり進んでいます。ただ天候が少し心配です。昨夜はしばらくぶりに雨音を聞きました。農家の方にとっては恵みの雨になったでしょうか。



happajuku at 04:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾の予定企画 

2009年05月12日

こんな花咲いています

  16日〜17日、Asahi自然観で開催する「ブナの森セミナー」の準備が大詰めとなりました。チェックリストを見ながら、会場に持ってゆく物品の整理をしています。朝、カメラを背負ってジョギングしたり、自宅の庭を見たりしますと、車で通り過ぎるだけでは気づかないでいるような花に目を奪われることがありますが、このヤマブキなどは、今の私の気持ちを表すような花です。

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  傍らにいつも置いてある鳥海(とりのうみ)昭子さんの『誕生日の花と短歌365日』には、4月20日の花として載っており、花言葉は「気品、待ちかねる」とあります。短歌は、

  時を待ち人待つことの
     かすかなる風にうなずく山吹の花

  大切な行事を前に、天候や、皆さんの無事な旅や、セミナーの内容など、あれこれ考えては期待と不安とが入り混じっている私の心を詠んでいるような作品です。

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  つい2週間前まであちこちで咲いていたサクラの仲間でありながら、花の様子がずいぶん異なっているためにサクラとは気づかれないのがこのウワミズザクラです。白いブラシのような花があちこちで見られます。幹の肌が確かにサクラであることを示しています。
  
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  このあたりではまだナノハナがたくさん咲いています。ここ数年でナノハナを畑に栽培する農家が増えています。食用にするだけではなく、バイオディーゼルの燃料にしたりということでの需要もあるようです。

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  サラサドウダンはわが家の庭のものです。山のものはもう少し先になりますが、山で見ると本当に華やかに見えるこの花も、下界ではつつましく見えるから不思議です。風景に寄り添うように見てゆくことでしか見えないものがあるような気がします。

  「ブナの森セミナー」においでのみなさんは、準備は進んでおられるでしょうか? 沖縄や兵庫、大阪、京都など、西日本からおいでくださる方々は「寒さ」が気になっておられるかもしれませんね。まだ雪が残っている、などと脅かしましたから、なおさらです。予報をみると、それほど寒くはならないようです。どうぞお気をつけておいでください。



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2009年05月11日

山の恵みに舌鼓

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  「葉っぱ塾」恒例の“季節の山菜の楽しみ”を10日に行いました。山形、上山、米沢などからあわせて11名の参加がありました。講師にお願いしたNさんの先導で、大鮎貝沢に沿った林道をまず歩き始めます。参加者の方々がそれまでに自分で採ったことのあるものはワラビぐらいで、道端に生えている山菜は見分けがつかないようでしたが、アズキナやアイコなどを教えてもらいながら進んでゆくうちに、次第に目が慣れてきたようでした。

  林道の終点まで歩くうちに、アズキナ、イワダラ、アザミ、アイコ、ワラビ、タケノコ、タラノメ、アザミ、アカミズなどを採取しました。そこから沢に踏み込んでゆくのですが、コゴミはちょっと遅すぎたようで、すでに葉っぱが開いていました。それでも、カンダイナ、ヤマブドウ(新葉)、アケビ、アオミズなどが手に入りました。
  だいぶ袋も膨らんできたころに、葉山森林公園へ向いました。妻が調理用具や調味料を準備して待っていてくれて、採取してきたばかりの山菜を、みんなで手分けして、茹でたり、天ぷらにしたり、卵とじにしたり。味噌汁はウドとアイコとさば缶で作りました。マヨネーズはいろいろな山菜に似合うということは驚くほどでした。

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  出来上がった料理はこの通り絢爛豪華! 家から持ってきた柿の葉やウコギも加わって、にぎやかな昼食の食卓になりました。「こんなにたくさん食べられるかな?」と思ったのですが、最後には皿だけしか残りませんでした。調味料として持っていくべきだったものに、みりん、ゴマ油、カツオブシもありました。来年は忘れないようにします。

  この行事を通じて、山菜の豊かさを感じていただき、マナーや節度を持って山菜採りをする人が増えていけばいいと願っています。貴重な山菜を分け与えてくださった山の神様に感謝です。



happajuku at 04:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2009年05月10日

「ブナの森セミナー」へカウントダウン!

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  「葉っぱ塾」が最も大切にしてきた行事である「ブナの森セミナー」まで一週間を切って、準備も最終段階に入ってきました。8日の午後にはスタッフが全員、会場になるAsahi自然観に顔をそろえて打ち合わせを行ってきました。

  GWが終わったばかりのAsahi自然観は、やはり例年に比べて季節の進み具合が早いように感じられました。ブナはまさにしたたるような緑で私たちを迎えてくれました。雪は少な目の冬だったとはいえ、さすが豪雪地帯だと思ったのが、駐車場脇の雪です。除雪車が掃き寄せた雪がまだ山になって残っていました。沖縄からの参加者もあるので、きっと喜ばれるのではないでしょうか。

  沖縄のほか、兵庫、大阪、京都、愛知など、遠く西日本から参加してくださる方が10名にもなります。飛行機や夜行バスを使って来てくださいます。ほんとうにありがたいことです。葉祥明さんも前々回以来4年ぶりにおいでくださいます。参加者の大部分は女性です。一般の参加者の中で男性は2名だけです。女性の感性と行動力ってすごいなあと改めて感じます。

  今回は初めて地元参加者の3名の方に「スタッフ」としてのご協力をお願いしました。「葉っぱ塾」の活動にご理解の深い方ばかりです。一般の参加者として参加するだけでなく、事前の様々な準備に関わっていただいたことで、事務局の私としては本当に助けられ、励まされました。

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  打ち合わせのあとで、Asahi自然観のブナ森を4人で歩いてみました。そしてその後で、セミナーのときにも皆さんをご案内しょうと計画している「くぬぎ平の棚田」を見に行きました。ここは「日本棚田百選」にも選ばれている名所です。田んぼはまだ水が入る前でしたが、来週にはどんな光景に変わっているのかと楽しみです。

  新緑のブナの森で過ごしていただく2日間が、参加者の方々の宝物になるようにと願って準備の詰めを行うことにしましょう。



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2009年05月09日

地元の方との花見の宴

  6日は、いつもお世話になっている勧進代の方々の、恒例の「花見の宴」にお招きを受けていました。ちょうどその日に、長井葉山のことで多くを教えてくださった東京の小岩先生が、葉山の中腹にある「かんかね館跡」の見学をしたいとおいでになっており、私たちは地元のTさんを案内役にして、花見の宴の前に山へと入りました。


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  何度も歩いている葉山の道ですが、歩くたびに新しい発見があります。登山道を登り始めてまもなく、ツクバネソウの群生があり、「4枚葉なんですが、時々5枚葉のものもあるんですよ」などと話しているうちに、5枚葉のものと出会いました。四葉のクローバーのようなものですね。


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  「かんかね館跡」は、勧進代集落の裏手にある標高500mほどの小高いピークで、そこに階段状の地形があるのです。規則正しく築かれた階段状の地形は、中世の砦かなにかの跡であろうと言われています。小岩先生に今回見ていただきましたが、その規模や空堀をめぐらせたその構造からして、単なる「のろし場」のようなものよりは規模の大きい砦、あるいは城のようなものがあったのではないかとのことでした。時代はもしかしたら南北朝のころのものかもしれないとおっしゃっていました。


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  尾根道を「かんかね館跡」に向かって下る途中に大きなコシアブラの木がありました。若芽はちょうど食べごろなのに、高くて手が届きません。よだれが出るほどの見事さでした。その幹に、クマの爪あとが残っていました。クマはちゃんと登って食べたようです。  


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  山を歩き回って心地よい疲労を感ずるころ、皆さんの「花見の宴」の場所に到着。車が入らない工事用道路の途中の駐車スペースですが、鉾立清水から発する田沢川の谷と葉山の東斜面を一望できる優れた展望スポットが、みなさんの毎年の花見会場です。新緑の中に山の桜が点々と咲き、実にすがすがしい場所なのです。


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  ごちそうは、その日の朝に皆さんが採集してこられたとりどりの山菜です。ウドやコシアブラ、タラノメなどがどんどん天ぷらになってふるまわれます。明るいうちに山の空気の中でいただくビールの何とおいしいことでしょう。

  この林道の奥にすばらしいブナの林があるそうで、地元の方々は、多くの人にそれを見てもらえるように、遊歩道のような道を開きたいと視察をしてこられたそうです。何年かかるのかわかりませんが、その道を「葉っぱ塾」のお客様と一緒に歩くことができたらと夢見ています。



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2009年05月07日

オキナグサ咲く丘ありて

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  長井市内某所に自生しているオキナグサのことを思い出し、昨日の早朝出かけてみました。この花が自生していることを聞いてからもう10年以上経つでしょうか。それから毎年、このゴールデン・ウィークの頃に見ごろを迎えるはず、と訪ね続けていました。急減しているというのではありませんが、心なしか数が減っているような気がします。「愛好家」という人たちの盗掘にあってはいないか、気になるところです。

  山形県出身の歌人、鳥海(とりのうみ)昭子さんの『誕生日の花と短歌365日』には、4月9日の花として、“華麗、告げられぬ恋”という花言葉とともに紹介されています。そしてその日の短歌は、

  オキナグサ咲く丘ありてひとりゆく
     思い告げ得ぬ遠き日ありき

とあります。若い頃の苦しい片思いの記憶がおありだったのでしょうか。

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  オキナグサはキンポウゲ科の花で、花が終わってこのようにほおけた様子が、翁の白髪を連想させることからその名が付けられたといわれています。下向きに咲く花ばかりのときは遠目には目立たないのですが、こうして白くほおけた状態になると、緑の土手の斜面にあるのがわかりやすくなります。

  こうした野生の草花が、いつまでも自分の故郷で生活し続けられるようであればいいなあと願いながら、今年の自生地訪問を終えました。


happajuku at 03:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ 

2009年05月06日

ネイチャーゲーム・リーダー養成講座のこと

fd82b9ef.jpg☆子ども育成指導者の講習会でネイチャーゲーム
 を体験していただいたときの様子





 「葉っぱ塾」でさまざまな企画をするときに、森や山に入ってどのように自然と親しんでいただくかということを考えますが、そのときに大いに役立っているのが「ネイチャーゲーム」です。これは日本での呼称で、発祥地のアメリカでは「シェアリング・ザ・ネイチャー」と呼ばれているそうです。ネイチャーゲームは、楽しみながら自然への理解と豊かな感受性を得ることのできる自然体験プログラムです。6月12日〜6月14日にリーダーの養成講座が開催されます。ぜひ皆様ご参加ください。

  今年度から、全国の小学生を対象に「子ども農山魚村体験交流プロジェクト」というのがスタートしています。子どもたちにさまざまな自然体験の場を提供してゆこうというものです。このようなときに、受け入れる側にも「技術」が求められるのです。ネイチャーゲームを遊びの技術の一つとして身につけておくことで、子どもたち、ひいては大人たちの自然体験が豊かなものになる可能性があります。幼稚園や小中学校の先生方、また、それらをめざす学生たち、子ども育成会指導者、保母さん保父さんなどにはとりわけお勧めです。教員免許更新のための単位としても認定されています。

  今回の講座は私が代表を務める「山形おいたまネイチャーゲームの会」も運営に関わることになっています。要項のダイジェストをここに示しておきます。詳しいものが必要な場合はお知らせください。


 ◆◇◆ 公認ネイチャーゲームリーダー 養成講座 (山形県会場)◆◇◆

 本講座は、21時間のカリキュラムでネイチャーゲームを直接体験するとともに、ネイチャーゲームの基本的な理念と手法、自然体験活動における安全対策などを学びます。
 皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

■期 日  平成21年6月12日(金)13時(受付開始)〜6月14日15時30分

■会 場  山形県朝日少年自然の家  http://www.pref.yamagata.jp/ou/kyoiku/702002/
       〒990-1101 山形県西村山郡大江町大字左沢字楯山2523-5 TEL 0237-62-4125

■参加費  一般 23,000円 (社)日本ネイチャーゲーム協会普通会員・学生 22,000円
       ※日帰りで参加の方の参加費は、それぞれ1,000円安くなります。
       ※公認ネイチャーゲームリーダー登録にかかる諸費用は参加費に含まれておりません。

■主 催  山形県ネイチャーゲーム協会

■後 援  山形県教育委員会

■講 師  社団法人日本ネイチャーゲーム協会 公認ネイチャーゲームトレーナー、同インストラクター

■参加資格  ネイチャーゲームに関心のある18歳以上の男女
         全日程参加できる方。日帰りでの参加の場合は全講義・実習に参加できる方。

■定 員  30名を先着順で受付

■お問い合わせ・申込み
 山形村山ネイチャーゲームの会講座担当 高橋真美 TEL 023-687-2227(15時以降)

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happajuku at 04:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾の予定企画 | シェアリングネイチャー

2009年05月05日

リンゴの花、満開!〜今年の葉っぱ塾のリンゴの木決定

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  昨年から取り組み始めた「葉っぱ塾リンゴの木オーナー」は、今年は木を3本に増やして9名の方にご参加いただくことになっています。ゴールデン。ウィークを迎えて花がそろそろかなと思い、白鷹町の平井さんに電話をしてみると、「ちょうどいいようです」とのことでしたので、出かけてきました。

  リンゴはサクラと同じくバラ科ですが、まず葉っぱが出てから花が咲き始めます。ですから遠目には緑色の中に白っぽい花が点々と咲いているといった感じで、サクラほどの華やかさはありません。しかし、近づいてみると、花はサクラよりも大きく、花弁がほんのり赤みを帯びていて、いい香りがするのです。リンゴの種類によっっても花の色合いは微妙に異なっていました。

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  花の咲き具合をみて、「葉っぱ塾のリンゴの木」を3本決めていただきました。1本は昨年の木ですが、2本はその近くのもので、平井さんが目印に赤いテープを結んでくださいました。

  今年はあちこちでセイヨウミツバチが不足しているというニュースが聞こえていましたが、平井さんの畑にはマメコバチというハチが巣をつくる場所を確保してあり、たくさんのハチたちが飛び交っていました。

  昨年は大きな台風による被害もなく、かなり順調な生育だったのですが、今年はどうなるでしょうか。霜、雹(ひょう)、高温、長雨、強風などなど、リンゴの収穫に影響を与える要因は多くあり、どの要因も私たちがコントロールすることはできないのです。半年後の収穫を楽しみにしたいと思います。




happajuku at 04:17|PermalinkComments(4)TrackBack(0) 葉っぱ塾のリンゴの木 

2009年05月04日

葉っぱが平和のシンボルに!

adab57be.JPG☆5月3日朝日新聞朝刊の全面広告
 (クリックで画像拡大)










  「市民意見広告運動」事務局が呼びかけてきた“9条実現”の意見広告が、3日の朝日新聞朝刊に掲載されました。その紙面を開いてびっくり。賛同者の名前によって「葉っぱ」がデザインされていました! 何だか「葉っぱ塾」のメッセージが掲載されたのではないかと錯覚するほどでした。私の名前は左下のほう、葉柄のやや右側に掲載されていました。

  この運動が始まって5、6年になるでしょうか。多くの市民が1口2000円のお金を出し合って、5月3日の憲法記念日の全国紙に全面広告を掲載するのです。私は単に「憲法を護れ」というのにとどまらず、憲法の精神を実際の社会の中に実現させてゆこう、という趣旨に大いに賛同するものです。

  今年は9条に加えて25条も掲げられました。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という、あの25条です。紛争の只中にある国や地域の状況を知るにつけても、平和と国民の文化的な生活とは車の両輪のようなものであることは明らかです。日本は戦後60余年間、大きな戦争の惨禍に巻き込まれることなく過ごしてこられたことと今の私たちの生活基盤があることとは密接につながっています。

  しかし、昨今の政治・経済状況をみるにつけても、国民の生活がないがしろにされ、自国の利益のためには軍隊までも海外に出すということを容認するような風潮がまかり通るようになってきています。日本が軍事につぎ込む予算は年間5兆円を超えています。

  かつて私たちの国は、国内の経済的な疲弊を、他国を侵略することで打開しようとして破滅への道を辿りました。今手をこまねいていると、再びその道を辿ることになりはしないかと気がかりです。

  「郵政民営化」選挙で3分の2の議席を衆議院で獲得した政党が、ずるずるとその数を頼みに亡国の政策を打ち出してきます。国民の税金や借りてきた金をまるで自分の懐から出して見せるようにばらまくことで、はたして私たちの国はどうなってゆくのでしょうか? 「高速1000円」や「定額給付金」などの小手先の政策に目をくらませられることなく、子どもたちに夢のある未来を手渡すことを最優先に考えていきたいものです。



happajuku at 05:12|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ 

2009年05月03日

春の長井葉山最終回

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  3月から5回にわたって行った今年の「春の長井葉山」は、昨日が最終回。当初は1泊の予定だったのですが、小学生の参加ということで日帰りとしました。参加してくださったのは山形市内のOさん母子。お母さんが「日本熊森協会山形県支部」に参加してくださったご縁で「葉っぱ塾」初参加でした。

  この日も朝から好天に恵まれ、下から見上げる長井葉山は、5合目より少し上までブナの芽吹きが上がっているのがわかりました。

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  登山道も5合目まではほとんど雪は消えており、雪解けてすぐに咲き出すショウジョウバカマやイワウチワだけでなく、このシュンランやキバナイカリソウなども咲いていました。私たちは新緑の緑のトンネルの中をくぐるように登ってゆきました。

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  登り始めて30分もしないころから、小3のなおちゃんは「まだ着かない? あとどれぐらい?」と聞き始めました。山好きのお母さんに引っ張られてきた子どもにはよくありがちなことです。何とかなだめようとするお母さん。知らないふりをするヤギおじさん。こんなとき、私はあえてご機嫌取りはしません。

  聞けばなおちゃんにはこのGWに作文の宿題があって、この登山に参加する前夜のうちに『たいへんだった山登り』というタイトルだけはもう書いてあるとのこと。覚悟はしてきたようなのです。4時間近くもかかるこの日の登山で、これは途中で泣き出すのではないかと思ったのですが、「体育が得意」というなおちゃんは、見事に登りきりました。

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  雪のあるこの時期にしか行けないこのピークでは、カメラで何枚も風景を撮影していました。厳しい登りを終えてたどり着いた山頂からの広大な風景を心に留めてくれたでしょうか。

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  下りでは、安全な斜面を選んで尻滑りを楽しみました。楽しみにしていた昼食でお腹が満足したこともあってか、なおちゃんもとても上機嫌。途中まで下ってきたところで「ヤギおじさん、作文の題は『がんばった山登り』に変えるね」とのことでした。かなり前向きな変更だと思いました。いつか『楽しみにしていた山登り』などというタイトルの作文も書いてほしいな。



happajuku at 04:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2009年05月02日

長井葉山山麓彩る色彩

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<葉山の斜面は多彩な芽吹きの色が息づいています。>

  一週間前は冬を思い出させるような寒気が入り込み、高い山々には雪さえ降っていたというのに、寒気が去り大きな高気圧にすっぽりと覆われたここ数日、乾いた晴天が続いています。ムーンライト登山以降、なかなか葉山に行けないままに、禁断症状さえ覚えていたのですが、一昨日、短い時間葉山の麓を歩いてきて、ようやく「山笑う春」を体で感じてきました。

  ブナが真っ先に芽吹き、それを追いかけるようにヤマザクラが花を咲かせ、カエデの仲間が小さな花を咲かせてゆきます。葉っぱの新芽や花の色彩は実に多様で、これらが混在する山の斜面は「春の紅葉」とも表現されることがあります。秋の紅葉のあでやかな色彩とは違って、淡いパステルカラーの色が、まさに息をしているように満ち溢れています。ついこの間まで、全くのモノトーンだった山肌の、この見違えるような変化に、本当の春の到来を感じます。

DSCF3791(葉山2009.4.30)

<ブナの新緑の中を歩くと体が緑色に染まるような気がします。>

  夏になると葉の緑色の色合いが接近し、種類によっての差がなくなってゆきますが、この時期は一口に「新緑」とは言っても、そこには萌黄色、草緑色、黄緑色、若草色などなど、言葉での表現が追いつかないほどの多様な色が交じり合っています。中でもブナの芽吹きの色は、見る人になぜか安心感を与えるような色のような気がします。

  吹き抜けてゆく風の音の中に、木々が吸い上げる水音も混じっているかのような錯覚を覚えます。もしかしたら、木たちもこの春の空にむかって、あくびをしながら大きく背伸びをしているのかもしれません。


  「葉っぱ塾」では5月10日に「季節の山菜の楽しみ」を、16日〜17日には葉祥明さんも参加なさって「ブナの森セミナー」を、18日には、小国の温身平へのハイキング、23日、26日には飯豊の大パノラマを眺めに倉手山へ、30日には越後十三峠の一つ、黒沢峠ハイキングを計画しています。またこれ以外に、グループでお申し込みいただければ、ご案内も可能です。どうぞご参加ください。詳しくは、要項を準備しておりますので、どうぞお問い合わせください。



happajuku at 04:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ 

2009年05月01日

アラスカに春がやってきた!

☆アラスカ、アンカレッジ在住の大山卓悠さん厚子さんご夫妻とは、インターネットを介してつながりました。福島市で開催された星野道夫さんの写真展の感想を私がブログに書いたのを、奥様が読んでくださったことがきっかけだったと記憶しています。そして驚いたことにご夫妻は、星野道夫さんの家族ぐるみの友人でした! 

 大山卓悠さんは、ロシアでヒグマに襲われて亡くなった親友・星野道夫さんの事故を詳しく検証した著書『永遠のまなざし』(共著)を出されています。このコラムは、大山さんのご承諾をいただいて転載しております。


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アラスカに春がやってきた!

 先週末、アンカレッジに何百何千という渡り鳥たちが帰ってきた。「マザーグース」でおなじみのギースたちだ(グースは単数形で、ギースはその複数形)。

 アラスカの人たちにとって、ギースは春の到来を知らせる最初のサイン。アラスカはまだ寒くて湖の大半は凍っているけれど、ギースたちは確実に春を感じとって帰ってくる。ギースが姿を現せば、もう春はすぐそこに来ているのだ。長い冬を耐え忍んできた人々は、上空から舞い降りてくるギースの群れ見ると、重い鎧をいっきに脱ぎ捨てたような気分になる。

 キャビンフィーバーと呼ばれるうつ病の蔓延。そして若者の自殺。暗くうっとうしい冬のアラスカは、人々の心を負の遺産で埋め尽くして行く。だから極北の人々にとって春の到来は、生命のともし火に新たな力を注ぎ込んでくれる、大切な瞬間なのだ。

 渡り鳥たちは、誰からその術を教えられたのか、生命の営みを続けるために、正確に時を選び、確かなルートを選択して渡りを繰り返す。アラスカに住む前は、フクロウやミミズクのような夜行性の種は別として、鳥は夜には飛ばないものだと思っていた。ところがここアラスカに来てわかったことは、季節移動をする鳥たちのほとんどが夜を選んで旅立つということだった。

 春、アラスカにやってきた鳥たちは、それぞれの選びの地で営巣をし、小さな生命を生み出す。夏中かけて子供たちを育み、秋までたっぷりと栄養を取って体調を整え、冬が来る前に飛び立って行く。それが毎年、当然の儀式のように行われる。この地に住む者にとっては、渡り鳥たちが帰ってくると確かな春を感じ、彼らが去ると間違いのない冬の到来を知らされることとなる。いったいその正確性はどこから来るのか。彼らの行動原理は、長い間、謎につつまれていた。

 渡り鳥たちが移動を決める引き金となるものが何かは、まだはっきりとは解明されていないという。旅立ちを決定する本能を刺激する要因、たとえば「太陽光線の傾斜角」、「天候の変化」、「ホルモンの分泌」など、さまざまな要因が議論されている。だが、いまだに決定打はないらしい。「餌の不足」は渡りの引き金にはならないという。と言うのも、もしいまいる場所の食料が不足すれば、もっと食べ物がある隣に移ればすむ話で、季節移動という大掛かりな決定には直接関係しないのだそうだ。

 実際、長い距離を飛ぶ鳥たちは、その移動を可能とするためにたっぷりと体のなかに脂肪を蓄える。小型の鳥だと、季節移動を始める前に、体重が二倍にも増加するという。グースのような大型の鳥がここまで肥え太ると自身の体重で飛び上がれなくなるが、それでも均衡を保ちながら充分な脂肪を蓄えるのは同じだ。そして飛びながらゆっくりと脂肪を燃焼してエネルギーに換えていく。

 移動の時期が近づくと、彼らは一ヶ所に集まって群れを作りはじめる。集団になるのは、外敵から身を守る防御本能によるらしい。単独で行動するより、集団で行動するほうが生き延びる確率が高いからだ。

 しかし、彼らがそうまでして生き長らえようとする力は、いったいどこから来るのだろう。彼らと同じ空間に住んでみると、生存本能の一言では片付けられない、何か荘厳で重厚なものの存在を感じてしまう。

 いよいよ飛び立つ「時」がやって来ると、彼らは上空を流れる風を読むのだそうだ。風向きが、彼らの最後の決断を即すのだ。彼らが飛んで行く同じ方向に風が吹くまで、じっと待ち続ける。そして待ち焦がれた風が吹きはじめたある日、彼らはいっせいに夜の空へと飛び立って行く。彼らがあえて夜の旅立ちを選ぶのは、ワシやタカなどの外敵から身を守る知恵によるのだという。鳥たちは、心細い月の明かりと星の位置を頼りに、可憐な翼で夜の闇をかきながら進んで行くのだ。

 海を渡りのルートに選ぶ鳥たちが風を読み違えると、そこには生命の終焉が待ち構えている。嵐や強い向かい風に遭遇すると、避難する場所のない海上では、鳥たちは体力を使い果たし次々に海に落下して行くのだという。

 人間が長い時の流れのなかで風を読み違えたとき、いったい誰に助けを求めればいいのだろうか。すべてが偶然の産物だとはとても思えないこの世界で、人は何に向かって進んでいるのだろう。ぼくは時々、この世界の存在がとても不思議に思える。

 木々の若葉が芽吹くには、まだあとひと月ばかり必要だろう。気持ちを切り替えながら、いま少し冬のなごりを楽しんでみようかな。    (2009.4.24)




happajuku at 03:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0) アラスカからの風