2009年08月

2009年08月31日

「スクール・インタープリター養成入門講座」、山形で初の開催

 「インタープリテーション・ネットワーク。ジャパン」という組織が各地で養成を進めている「スクール・インタープリター」の養成講座を、山形県内では初めて、長井市で開催しました。県内から13名、県外から1名の参加者を得て、長井市民文化会館及び周辺の公園を会場に、一日をかけて行いました。


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<午前中は2つの講義>

  「スクール・インタープリター」は、学校における環境教育のゲスト・ティチャーとして子どもたちの教育を支援するということから名づけられたものですが、実際には活動は学校だけではなく、さまざまな市民活動の中でも生かされる可能性を持っています。参加者は、小中学校の教育旅行を受け容れている方、子どもたちを受け容れる公共施設で働いている方、市民団体の中核として働いている方、農業に従事しながら様々な可能性を探っている方など、20代から60代までの幅広い年齢層のみなさんでした。


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<絵本『大きなカブ』の隠されたメッセージは?>

  環境教育の目的は何だろうか、という問いかけはこの講座の大きな柱です。この部分があいまいだと、体験活動そのものを目的としてしまうような誤りに陥ってしまいます。絵本『大きなカブ』を読んで、参加者は、同じものを見たとしても、そこから様々なメッセージが読み取れるということを学びます。そしてそこから、子どもたちが自然体験を通じて獲得した事象を、どのように環境を保全するための行動につなげてゆくのか、という理念や手法を学ぶことへと講義は発展してゆきます。


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<野外での自然体験活動>

  午前中の講義を終えて、午後は実習が中心です。はじめは自分が「子ども」になったつもりで体験をします。このとき同時に、プログラムがどのように展開してゆくのかも体験することになります。


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<リーダーとして教材の準備>

  その後には自分が子どもたちの前に立つことを前提に、演出効果を工夫しながら教材の作成も体験します。「フリップ・カード」や「ワーク・シート」などの作成に創造力を発揮していきます。


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<自分で考えたプログラムで“先生役”を体験>

  最後は、自分が考えたプログラムを、リーダー役として体験します。子どもたちが生き生きと活動する様子を思い描きながらの体験は、緊張しながらも楽しい時間です。

  昨年5月、私は会津若松市内で開催されたこの講座に参加したのですが、山形県では最初の「スクール・インタープリター」だったのです。それでこの1月、その講師を養成する講座に参加し、仲間を増やすべく、今回の講座の開催にこぎつけました。これをきっかけに、活動の場が広がるような取り組みも考えてゆきたいと思います。

happajuku at 05:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート | スクール・インタープリター

2009年08月30日

総選挙、国民審査も忘れずに

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 「葉っぱ塾」のかかげる“大人も子どもも森で遊べ”というテーマの陰には、「遊んでいられる平和が大事」という思いがあります。最高裁判所の裁判官を私たちが「選ぶ」ことはできませんが、「あなたではダメ!」と言える唯一の機会が国民審査です。

  今回の選挙では、「政権交代」「政権選択」などと言われていますが、憲法に立脚してどのような平和な国を目指すのかが、なかなか見えてきません。権力を持っている人がどちらを向くのかによって国の方針は大きく左右されますが、その人を選ぶのか選ばないのか、信任するのかしないのか、小さな国民の一票を投じたいと思っています。

  参考までにこのブログの「Links」にあります<小さな一歩をつなぐために>もご覧いただけたら嬉しいです。



happajuku at 04:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ 

2009年08月29日

秋の「葉っぱ塾」においでください!

長井葉山06.10.10昭和堰ルート(2)

 高い山々では葉っぱの色が変わり始めてくるころです。この秋の予定はもうお決まりですか? 「葉っぱ塾」に遊びにおいでください。秋は山形名物「いも煮会」の季節でもあります。9月には5連休もありますが、「葉っぱ塾」としての予定を入れずに、個人のプランを受け入れたいとスケジュールを空けてお待ちしています。



★★★ 葉っぱ塾当面の予定行事 (2009年8月末現在) ★★★

☆は、他主催者の行事を「葉っぱ塾」がお手伝いするものです。今後、追加や変更も入る可能性があります。


■「田んぼオーナー稲刈り作業」 10月4日(日)
   オーナー以外の方もご参加できます。遠方からの参加者がある場合は、前日にブナの森ハイキングを実施することも可能です。組み合わせてのご参加いかがですか?


■「秋の祝瓶山へ」 10月6日(火)
   ピラミダルな山容から「東北のマッターホルン」と呼ばれている祝瓶山に、長井側ルートから登ってみませんか? 紅葉がちょうどよい頃ではないかと思います。


■「朝日ミニ縦走」 10月12日(祝)〜13日(火)
   「葉っぱ塾」の恒例行事になりました。本格的な縦走は無理だけれど、秋の山小屋にも泊まってみたいという方にお勧めです。白滝登山口から鳥原山に登り、鳥原小屋に1泊。翌日は小朝日を経由して古寺鉱泉に下ります。


☆「全国一斉ネイチャーゲームの日」 10月18日(日) 9時〜12時
   「山形おいたまネイチャーゲームの会」が主催するネイチャーゲームで遊んでみませんか。長井市の白つつじ公園内で開催予定です。


■「秋の黒沢峠ハイキング」 11月1日(日)
   かつての越後街道には十三の峠がありました。黒沢峠はその一つで、小国町のかつての市野々集落と黒沢集落を結ぶ、敷石の峠道です。明治の初めにイギリス人女性、イサベラ・バードが歩いた道でもあります。


☆「東北山岳ガイド協会山形支部主催登山者研修会」 11月3日(祝) ※詳細未定


■「晩秋の長井葉山」 11月4日(水)
   長井葉山のこの時期は、山頂付近は紅葉も終わり、木々の間から遠くの山々がよく見えるようになります。また、麓は紅葉の見ごろとなります。直江兼続が整備させたというかつての朝日軍道をたどって登ってみましょう。下りは勧進代尾根を歩きます。


カボチャランタン2007


☆「カボチャ・ランタンの夕べ」 11月7日(土)
   朝日町の「ハチ蜜の森キャンドル」主催の行事に参加してみませんか? 翌日の「葉っぱ塾の田んぼ収穫祭」と抱き合わせでの参加歓迎いたします。


■「葉っぱ塾の田んぼ収穫祭」 11月8日(日)
   オーナー以外の方も参加していただき、一緒に餅つきをしませんか?


☆「木曽真奈美ピアノリサイタル」  11月8日(日) 午後
   白鷹町に新しい文化施設が完成するのを記念しての行事に、木曽真奈美さんがおいでになります。『展覧会の絵』を中心にしたプログラムになると思われます。詳細未定。


■「葉っぱ塾のリンゴの木収穫作業」  11月15日(日)
   オーナー以外の方もご参加可能です。「ふじ」を収穫します。



happajuku at 04:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾の予定企画 

2009年08月28日

飯豊の風景

  26日から27日、個人ガイドを依頼され、飯豊を歩いてきました。梶川尾根を登り、門内小屋泊まり。北股岳登頂。翌日は地神山経由で丸森尾根を下りました。

  25日宿に入ったときに、上空をヘリコプターが飛んでいました。前日下山予定の男性が下山せず、救出に向かったようでした。その後「無事収容」との知らせを聞き、安心しました。


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  梶川尾根途中の「滝見場」から見た「石転び雪渓」。  


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  梶川峰の上で、ハクサンイチゲとマツムシソウが一緒に咲いているのを見つけました。ずいぶん咲く時期がずれるはずの花ですが・・・。


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  門内小屋近くの「門内清水」。水量はそうありませんが、冷たい水が湧いていました。注ぎ口をしっかり取り付けてくださっていて、ありがたかったです。


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  北股岳(2025m)山頂で。登るまでかかっていた東斜面の霧が、登頂直前、嘘のように晴れました。


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  ハクサントリカブトの濃い紫色の花があちこちに群落をつくっていました。「何人分の致死量になるのだろう」などと思いました。初秋の山の花には青や紫のものが多いような気がします。昆虫と関係があるのでしょうか。


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  門内小屋の前で日が傾いていくのを眺めていたら、「ブロッケン現象」が起こりました。自分の正面側に雲海、背後側に太陽という条件が揃わないと見られません。他の方を呼びに小屋に入って戻ってみると、もう見られなくなっていました。


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  夕陽に染まる縦走路。


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  27日、日の出前の空。山でこういう風景に出会うと、葉祥明さんの絵の世界に入り込んだような気になります。


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  27日朝は、日の出の直後から霧が発生しました。フリースを着て歩き始めると、霧の切れ間から光が差し込み、稜線の東斜面を照らしました。


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  前日登ってきた梶川尾根の北側の斜面にはまだ残雪がありました。尾根の頂部から草紅葉が始まっていました。

  門内小屋で向かえた27日朝の気温は7、8℃だったと思いますが、羽毛のものでないシュラフを持ってこられた宿泊者は、夜寒くてがまんできず、着込んで寝たと語っておられました。この日歩き始めはフリースを着て、手袋をしないといけないほどの寒さでした。これから行かれる方は、寒さ対策も必要になりますね。





happajuku at 04:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2009年08月27日

76歳の飯豊・北股岳

  26日から27日、仙台のSさんの個人ガイドとして、飯豊連峰・北股岳(2025m)への1泊2日のガイド山行ででかけてきました。さきほど無事帰宅したところです。

  山のご縁とは不思議なものです。Sさんとの出会いは今年6月の長井葉山の麓でのことでした。私は仙台のC社のツアーのガイドとして、ゲストの皆さんを案内して長井葉山おけさ堀登山口の「大石大明神」にさしかかったとき、仙台からグループで登ろうとしていたSさんたち一行にお会いしたのです。そこでしばし立ち話をしたついでに名刺をお渡ししたことが始まりです。

  しばらくしてSさんから電話があり、「飯豊に行きたいので案内をしてほしいのです。」とのご依頼でした。当初7月下旬を予定しましたが天候が悪く日延べしていました。それがこのたびの山行となったのです。


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<梶川尾根の急登にも耐えたSさん>

  25日の夕方、「飯豊山荘」で合流し、翌朝出してゆく登山届けの年齢記入欄を書こうとして年齢をうかがってびっくり。76歳だとおっしゃるのです。まったくそのような年齢にはみえないSさんでした。


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<稜線の風に吹かれながら歩くSさん>

  登る途中、また、泊まった門内小屋で、また下山の途中、Sさんにいろいろなことをお尋ねし、驚きは一層深くなりました。Sさんは茶道の先生をしておられるそうです。お電話のものごしに何とは言えない気品を感じたのはそのせいだったのでしょう。工夫されて、抹茶を山でも飲めるようにして持参されたところがさすがといった感じでした。

  「山登りはいつから始められたのですか?」と私がお尋ねすると、50代の半ばに開腹手術もするような大病をなされた後、リハビリで水泳などをやっておられたそうですが、そのころから少しずつ山歩きを始められたのだとのことでした。そして、登り続けているうちに、日本百名山や東北の百名山に挑戦してみようと思い立たれたのだそうです。

  お話をお伺いしていて思ったのは、人間というのは、窮地に追い込まれたときに、どのように自分の人生と向き合うことができるのかが大切なのだなあということでした。目標を持つ、節制する、楽しむ、無理しない、そうしたことが交じり合ってSさんの人生を豊かなものにしているように思えました。


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<夕陽に照らされた北股岳>

  2日間いい天候に恵まれました。標高差1400mあまりを一気に登る梶川尾根を登りきり、私たちは泊まることにしていた門内小屋に、出発してから7時間あまりかけて、昼過ぎに到着。身軽にしてそこから1時間ほどのところにそびえる北股岳山頂を目指しました。時折霧にかくれた北股岳でしたが、Sさんを待ちかねたように霧が晴れてゆきました。26日、13時56分登頂でした。
 

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<日本海方向に沈む夕陽に照らされた空>

  私でさえ疲れていたのですから、Sさんの疲労もかなりのものであったと思います。しかも聞いて驚いたのは、Sさんはこれに先立つ21日から23日、ツアーの一員として、2泊3日の飯豊本山登山にも参加したばかりだったのです。こんなSさんに山の神様はすばらしいプレゼントを用意してくれていたのです。それは、すばらしい日没の光景と、荘厳な翌朝の日の出の光景です。


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<27日のご来光もすばらしものでした>

  山のガイドとして、このような挑戦のお手伝いをさせていただけることは、ほんとうに光栄なことです。山は、ガイドがいてもいなくても、結局は自分で登るしかないのです。ですから、私たちの役割などあってなきがごとしではありますが、今回の出会いは、これからの私の大きな励みにもなりました。あと20年後、飯豊に果たして登れるでしょうか。正直言って自信はありません。

  若い人たちにも登山が浸透しつつあるようだと聞きました。『アンアン』という女性誌が登山の特集を組んだとか。どんな人たちが読んでいるのか知りませんが、Sさんのような女性がいると、きっと励まされることでしょう。これから山歩きをしようと思う全ての人に、Sさんのような方がおられることを知っていただきたいです。

  登山は、積み重ねた経験と日常の努力を決して裏切らない、と確信した今回のガイド山行でした。Sさん、お声をかけてくださってほんとうにありがとうございました。またお手伝いさせてください。





happajuku at 15:54|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2009年08月25日

葉山山荘、改修終了!

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<葺き替えなった山荘の屋根>

  友人のUさんから「葉山山荘の改修、ほぼ終わったようだ。」と聞いたので、23日早朝、鉾立清水の水汲みを兼ねて、勧進代尾根から登ってきました。

  19日に、ヘリで1.5トンの資材が運ばれ、すぐに作業が始まったそうです。今回の改修は屋根の葺き替えでしたが、ごらんのように新しい赤いトタンが張られて、立派になりました。垂木も新しくしてくださったとのことですし、使われることのなかった2階の出入り口を外から塞いだとのことでし。雨漏りや、この出入り口からの雨のしみこみがなくなるのではないでしょうか。作業にあたってくださった皆様に感謝を申し上げます。大切に使いたいものです。


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<トイレの修復もされました。>

  私が山荘に着いたときにはもう板金屋さんたちは下山していて、大工さんが一人でトイレの改修作業を行ってくださっていました。冬はほとんど屋根まで雪に埋もれるとあって、壁面の傷みがひどかったのですが、こちらもとうぶん大丈夫です。山荘にしてもトイレにしてもそんなに立派なものではありませんが、山に登ってみると、そのありがたさが身にしみてわかります。財政難の中でお金をつけてくださった背景には直江兼続の大河ドラマの影響もあったかもしれません。


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<紅葉したマルバマンサクの葉>

  前日寒冷前線が通過し、山は秋の空気に入れ替わっていました。登山道のところどころで、紅葉し始めているマルバマンサクやナナカマドを見つけました。この秋はどんな紅葉になるのでしょうか。


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<中腹まで広がるナラ枯れ>

  気になったのは「ナラ枯れ」の拡大です。麓から見上げても、中腹までその数はかなりの本数にのぼっています。初めて確認したのは4,5年前だったと記憶していますが、今年、ぐっと増えたと感じました。写真は白兎尾根の南斜面です。このまま手をこまねいて見ているしかないものでしょうか。大好きな山がこのような姿になってゆくのは実に残念です。



happajuku at 04:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 山旅の報告 

2009年08月24日

夏は終わり? 雪が降るの?

7ebfe3b9.jpg☆アラスカ、アンカレッジ在住の大山卓悠さん厚子さんご夫妻とは、インターネットを介してつながりました。福島市で開催された星野道夫さんの写真展の感想を私がブログに書いたのを、奥様が読んでくださったことがきっかけだったと記憶しています。そして驚いたことにご夫妻は、星野道夫さんの家族ぐるみの友人でした! 

 大山卓悠さんは、ロシアでヒグマに襲われて亡くなった親友・星野道夫さんの事故を詳しく検証した著書『永遠のまなざし』(共著)を出されています。このコラムは、大山さんのご承諾をいただいて転載しております。ヤナギランの写真も大山さん提供。


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 夏が終わりに近づいてきた。

 ――と思う。ファイアーウィード(和名ヤナギラン)の花がすでに散ってしまったからだ。

 ファイアーウィードというのは、アラスカでは秋の到来を告げる野花で、ピンク色した三角錐の花の房をもっている。可憐な花びらは房の下の方から開花し、時間の経過とともに上に向かって花開いて行く。

 そして房のてっぺんが開花し、最後の花びらが落花すると、それから二週間後には初雪が降るとアラスカでは言い伝えられている。ファイアーウィードはアラスカの四季の変化を指標する、美しくもはかない運命をもった花だ。ところが今年はその働きまでもが狂わされている。

 今年のアラスカは五月からずっと暑く、ファイアーウィードは、普段よりも早い時期にあちこちで狂い咲きした。ここにも咲いている、あそこにも咲いているというほど、普通は目にしないような場所にも咲き乱れているのだ。

 そしていま、近所に咲き乱れていたファイアーウィードの花びらはみな散ってしまった。言い伝え通りならば、これから二週間後に初雪が降ることになる。しかし、この陽気では到底雪が降るなんてことはありえない。今月に入ると雨の日が多くなり、少しずつ肌寒さを感じるようにはなったものの、この陽気で雪が降ったら、それこそ天変地異になる。八月の終わりに冬がやって来たら、それこそ氷河期である。

 自然のサイクルが、変調をきたしているのだろうか。今年は、ただたんにファイアーウィードが早く咲きすぎたのだと思うが、それにしてもこんなに早く花が散ってしまうなんて、たぶんアラスカに住むようになって初めての経験だと思う。

 だいたい自然のサイクルが狂うことはそうそうあるわけではない。自然のサイクルがおかしくなるということは、何か普通ではないことが起こっているということで、もしかしたら現生人類が今までに経験したことがない何かが近いうちに起こるのかもしれない、などと思ってしまう。大げさな言い方だが、過去、地球が変化するとは、そういうことだったようだ。

 いま騒がれている温暖化のすぐ後に氷河期が来るのはまず間違いないようだし、北極と南極の磁極の逆転も過去一千万年の間に五十回も起きているという。地球が赤道まで凍って、地球全部が氷の塊(全球凍結)になったことも何度かあるらしい。

 生命の絶滅も、過去、何回か経験している。六千五百万年前に恐竜が滅んだことは誰でも知っていることだが、そのもっと前、二億五千万年前の二畳紀には、何と海洋生物の九十パーセント以上が地球から姿を消している。五億年という気の遠くなるようなスパンでみると、大量絶滅は十三回にものぼるらしい。

 いま漫然と暮らしているこの地球には、過去、さまざまな出来事があった。今日ある平安は明日もある、と思いたくなるのは人間のもつ保守性だろう。人類は楽観的な性質をDNAのなかに埋め込まれたことで困難を乗り越えてきたことも事実だと思う。しかし、どんどんと変貌を遂げる宇宙に歩調を会わせるかのように、この地球が刻々とその様相を変化させていることを思うと、今日ある平安が、明日にはなくなることもまた事実なのだ。

 人はこの地球上で何のために生きているのだろう――若い頃から解けない疑問の一つだ。五十年という人生の時を経ても、いまだにその解は見出せない。当然だろう、人類誕生以来、連綿と発せられ続けた問いかけだ。人間の存在自体が、永久に解けない疑問のなかにあるのだから、その人間が何のために生きているのかなんて判るわけがない。

「お〜い、今夜は何を食べる?」
「あるものでいいんじゃない。買いに行くのも面倒だし」

「あるものって、何があるんだよ?」
「わかんない。冷蔵庫のなかを覗いてみてよ、何かあるでしょ」

「何もないよ。ないから訊いてんじゃん」
「あ、そう、困ったわね」

 愚妻とこんな会話を交わしながら、今日も一日が過ぎてゆく。いつかこの地球から人類が姿を消す時が来るというような危機感もなければ、何のために生きているのかなんていう哲学も、実生活のなかには入り込む隙間がない。

 食べて、寝て、また起きて働いて、たわいのない会話のなかに笑いを見つけ、そうして時は過ぎて行く。こんな不思議な空間に地球は浮かんでいるのに、生命というこんな不思議なものを与えられているのに、人間は日々の生活をこなすことに忙しく、いつまでたっても人間存在の本質を見極めることができないでいる。創造主のなすがままである。



happajuku at 04:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) アラスカからの風 

2009年08月23日

葉っぱ塾の田んぼ、花盛りです!

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  一昨日、「葉っぱ塾の田んぼ」の様子を見てきました。この夏は梅雨明け宣言がないままに立秋を過ぎました。雨が多くて、この地域ではイモチ病の流行に対する警報も出されていましたが、「葉っぱ塾の田んぼ」のコシヒカリたちは、順調に生育していました! 草丈はもう私の腰の高さぐらいにまでなっています。


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  そして、近づいてみると小さな白い花が真っ盛りでした! 周辺の田んぼの稲の中にはすでに穂が頭を垂れ始めたものもありますが、葉っぱ塾の稲はまだそれまでにはなっていません。前回のときに比べると、葉っぱの緑が濃くなっていました。

  田んぼから、お世話になっている遠藤さんのお宅に行ってお話しをお伺いできましたが、とても順調で、このまま台風の害などがなければ、昨年以上の収量になるかもしれないとのことでした。

  稲刈り予定の10月4日(日)まであとおよそ40日。「葉っぱ塾」ではこの稲刈りを手作業で行う予定です。オーナー以外の方の参加も歓迎いたします。前日の土曜日からおいでになる場合も対応できますので、お知らせください。オーナーの方々は、できるだけ人手を引き連れておいでください。



happajuku at 03:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾田んぼオーナー 

2009年08月22日

葉っぱ塾のリンゴの木〜色づき始まる

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  しばらくリンゴの木に会いに行っていませんでした。一昨日平井さんのリンゴ畑を訪ねてみました。畑のいちばん手前の列には早稲種の「津軽」が植えられているのですが、それは明らかに赤い色がわかるほどになっていました。

  「ふじ」はどうかな? と思って奥に入ってみましたら、ご覧のように、まだほとんど緑なのですが、わずかに表面が赤みを帯びているものが出始めていました。直径は大きなものでテニスボールぐらいでしょうか。

  例年に比べてどうですか? とお尋ねしましたら、「7月に雨が多くあまり日が照らなかったので、少し小ぶりですね」とのことでした。ここにきてようやく日差しも増えてきたので、これから挽回というところでしょうか。

  収穫の時期は11月中旬の予定ですから、3ヶ月を切りました。昨年は台風が来なかったことで収穫量はまずまずだったのですが、今年はどうなるのでしょうか。天気予報から目が離せなくなる時期です。オーナーの皆様も、無事に育つように祈っていてください。

  収穫は11月15日(日)を予定しています。ご都合つけられるようでしたら早めにお知らせください。

  また、来年のオーナーにと新たにお考えの方がいらっしゃいましたら、今年のうちにお知らせください。平井さんと相談し、話がまとまれば本数を増やすことも検討してゆきます。






happajuku at 04:15|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 葉っぱ塾のリンゴの木 

2009年08月21日

二つの展示会〜ともに23日まで

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  いま川西町のフレンドリープラザのロビーで、「伊藤和也写真展」が開催されています。覚えていますか、伊藤和也さん。NGO「ペシャワール会」のスタッフとしてアフガニスタンに派遣され、活動していたときに、誘拐殺害された若者でした。

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  「葉っぱ塾」では昨年、女優の吉永小百合さんが送ってくださった『語り継ぐあの八月を』という本を広めた際にいただいたカンパの一部を、伊藤さんのご両親が立ち上げられた「伊藤和也アフガン菜の花基金」に送金しました。

  伊藤さんが撮影したたくさんの写真はもちろんでしたが、私が昨日見に行って最も印象に残ったのは、この「ペシャワール会」が現地の人々とともに作った水路によって灌漑された土地の写真でした。水路がまだ工事中の写真と、水路が完成し、砂漠のような土地が緑に覆われた写真とが、ほぼ同じ場所から撮影されて並んでいました。人間の活動がほんとうに砂漠を緑に変えた、ということが実感できる写真でした。

  日々の活動の一つひとつは、あまりにささやかなもので、それが世界の広がりの中で、あるいは歴史の時間軸の中で、どのような意味を持つのか、などと考えても、何も意味などないように思えることがあったとしても、そうしたささやかな一つひとつの活動が積み重なって世界が変化し、新たな歴史が作られてゆくのですね。

  入場無料で、23日まで開催中です。



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<岡のさんの作品群>

  フラワー長井線の長井駅舎の中にある「ギャラリー停車場」では、若いお二人の陶器の作品展が開催されていました。米出康人(よねで・やすと)さんと、岡のともこさんは、現在茨城県石岡市で「月下窯」という名で創作活動に携わっておられるそうです。長井市出身のOさんとのご縁で、今回この長井での作品展が開催されたとのことでした。米出さんは金沢市出身、岡のさんは千葉のご出身です。  


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<米出さんの作品群>

  私はこうした作品を見る目を持ちませんが、このお二人の作品のように、日常的に使える作品を見たり触ったりするのは大好きです。旅行に出かけたときも、こうしたものを置いてあるお店を見つけると入ることが多いです。酒飲みの私が買うのはたいていぐい呑みです。昨日も一つ買って、早速晩酌に使いました。使ってこその陶器ですから。

  音楽も、写真も、こうした陶器作りもそうですが、創作活動で生活を立ててゆくって大変なことなんだろうと想像します。しかし、そうした活動が保障される土台に、「平和」ということがなければならない。そんなことを昨日は思いました。

  近隣の方、ぜひ足を運んでみてください。



happajuku at 04:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾からのメッセージ 

2009年08月20日

あこがれの飯豊を歩く(3)〜本山小屋から大日杉へ下山

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<接近する月と金星>

  最終日の夜明けは、すばらしい天体ショーで幕開けでした。月齢27.0の月と金星とが東の空に寄り添うように出ていました。時間は午前4時過ぎ。明るくなってしまえば見えなくなってしまうこの光景を見ることなく眠っている人たちがほとんどでしょう。ひんやりした風が頬を撫でてゆくのを心地よく感じながら、しばしたたずんでいました。


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<本山小屋から見えた朝日連峰と月山>

  日の出が近づき明るさが増してくると、空は赤みを帯びてゆきます。下界は前日と同様大雲海の下になっています。朝日連峰の稜線が雲の上に浮き上がっていました。その後ろに、うっすらと月山のシルエットも見えていました。さらに以東岳の後ろには、ほんとうにかすかに、鳥海山も! 何とぜいたくな眺望だったことでしょう。

  10日前に行った白山のことを思いました。せっかく山登りは初めてという子どもたちが登ったというのに、天候が思わしくなく、眺望はほとんどなかったのです。山の神様がいるとすれば、それはどんな配慮だったのだろうか、と。もしかしたらあれは、子どもたちが再挑戦をするかしないかのハードルを高くして、彼らの本心を見極めようとでもする「配慮」だったのかもしれません。


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<朝の光がまぶしい大日岳>

  朝食を終えて管理人のTさんにお礼を述べ、下山にかかります。前日泊まった切合小屋を経て大日杉小屋までの一気の下りです。大日岳が朝日に照らされて鮮やかにそびえていました。


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<本山から切合小屋への道>

  そして前方を見ると、これから下ってゆく山道の向こうに、小さく切合小屋が見えていました。


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<雲海と吾妻連峰>

  下界の雲海はなかなか消えることなく見えていました。いちばん奥が吾妻連峰です。街の人たちは「きょうもぱっとしない空だなあ」と見上げていたのかもしれませんが、私たちの頭上は雲ひとつない青空でした。


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<最後の難所、ザンゲ坂を下る>

  山での下りはほんとうの脚力が試されます。日常の生活の中で、階段を下りることはあっても、重い荷物を担いで下るということはまずありません。太もも前面の筋肉の強さや、膝の柔らかさが問われます。Tさんはちょっとオーバーウエイト気味なのか、とりわけ下りが辛そうでした。それでも、最後の難所「ザンゲ坂」の鎖場を一気に下ると、大日杉小屋はもうすぐです。そこに着くのは12時半から13時ぐらいかと出発するときは予想したのでしたが、11時50分に着きました。本山小屋を出てから6時間10分が経っていました。

  米沢のUさんは早く家に帰りたいとばかりに、お風呂にも寄らずすぐにお帰りになりました。残された男3人は沢の水で顔を洗い、ストレッチをしてから「フォレスト飯豊」という宿泊施設へと向かいました。「ソフトクリームが食べたい!」の一心でした。

  お風呂では、日に焼けた腕や首筋がひりひりして、お湯につかっていられないほどでした。横浜のTさんは、昼食もとらず、「子どもが起きているうちに着きたいので」と車で出発してゆきました。Kさんは生ビール大ジョッキで、私はどぶろくソフトクリームで下山を祝う乾杯! 目がきらきらと輝いたウエイトレスのSさんが、「登山に行っていらしたのですか?」とにこやかに話しかけてくれました。山のレトルト食品も「疲労」という調味料でおいしかったけれど、ここでの食事はSさんの笑顔が調味料となって、それは素晴らしい味わいでした。

  飯豊連峰。大きな大きな山だなあと改めて感じました。


happajuku at 04:40|PermalinkComments(8)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2009年08月19日

募集! 秋の気配の大朝日へ2009

 ■■■ 葉っぱ塾  秋の気配の大朝日へ2009 ■■■
 
  夏山の賑わいも一段落し、山の稜線では秋の気配が感じられる頃です。この静かな時期をねらって憧れの大朝日岳に挑戦してみませんか。大朝日への最短コースを登りに1日、下りに1日かけて、ゆっくり歩きます。山頂で見る夕日や日の出、そして星空は最高です! 山での泊まりは初めてという人向けのプランです。平日に実施予定です。

【期  日】 8月31日(月)〜9月1日(火)
※悪天候の場合の中止や延期については参加者と相談します。
※「葉っぱ塾」への前泊についてはご相談ください。

【募集人員】 6名程度  ※最終8月27日締め切り
※定員に達し次第締め切ります。申し込みの場合は、保険の関係で、生年月日をお知らせください。山岳保険に既に加入の方はその旨お知らせください。

【参加費】 参加者1人〜4人の場合 ¥10000,   5人〜6人の場合 ¥9000 
(ただし山小屋使用料¥1500は含みません。)
※車同乗の場合はガソリン代ご負担ください。

【日  程】 1日目  6:00  長井発
            7:30  古寺鉱泉着(現地集合可)
            7:40  古寺鉱泉発
           15:00  大朝日岳山頂着(大朝日小屋泊)

       2日目  7:00  大朝日小屋発
           12:30  古寺鉱泉着(入浴可)
           13:30  現地解散
           15:00  長井着
☆ エスケープルート:古寺鉱泉→小朝日→鳥原小屋(泊)→古寺鉱泉

【持ち物】 食料(4食+非常食)、雨具(ゴアテックス素材のもの)、寝袋(3シーズン用のものがベター、レンタルあり)、着替え、水(最低1ℓ)、食器、ヘッドランプ(懐中電灯)、持薬、その他必要と思われるもの (持っている場合コンロ)

【ガイド装備】 救急薬品、ロープ、カラビナ、ツエルト(簡易テント)、カメラ、無線機、コンロ、ガス、

☆古寺鉱泉の「朝陽館」に前泊希望の方はお早めに直接申し込んでください。
電話 090−4638−7260

【連絡先】 葉っぱ塾 八木文明(日本山岳ガイド協会認定ガイド)
       TEL/FAX 0238-84-1537 メール happa-fy@dewa.or.jp



<★予告>

 「朝日縦走」参加者も募集しています。大鳥から朝日鉱泉までを歩きます。9月5日(土)〜8日(火)を予定しています。募集4名で、現在2名参加希望があります。参加費¥30000です。



happajuku at 06:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾の予定企画 

あこがれの飯豊を歩く(2)〜切合小屋から大日岳

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<17日、日の出前の風景>

  山小屋の朝は4時ぐらいから人が起き出します。タオルとカメラを持って外に出てみると、小屋の正面の空が明るくなり始めていました。日の出の30分ぐらい前の空の色合いが何とも言えず見事でした。


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<写真を撮るKさん>

  刻々と変化する空の色と明るさは、山に登った人の心を魅了します。日帰り登山ではけっして味わえないこの風景を、やはり自分のカメラに収めたいというのは当然のことです。でも、私の技術ではなかなかその風景を上手に記録できません。


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<ご来光!>

  この日の日の出は4時50分過ぎでした。方角としては真東よりも少し南に寄った位置から太陽が登り始めます。カメラを構えていた人たちが一瞬沈黙する瞬間でもあります。


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<切合小屋の朝食>

  夕食が毎日カレーライスの切合小屋では、朝食は毎日が「卵かけご飯」です。薄い味噌汁と、わずかな漬物と味付け海苔が付きます。でも、ほんとうにおいしくいただきました。私たちが起き出す前から、おじさんが薪でご飯を炊いてくださっていました。小屋の中には薪が燃えるときの独特の香りが漂っていました。「おかわりして、元気で山に行って来いよ」と声をかけてくださいます。いただきます。そしてごちそうさまでした。


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<飯豊本山への途中から見えた飯豊連峰最高峰の大日岳>

  朝食を終え、5時42分に小屋を出発。まずは本山を目指します。この日は本山の小屋に荷物を置いて、最高峰の大日岳まで往復する予定です。大日岳は標高2128m。2105mの本山とはわずか23mしか違わないのですが、百名山でも何でもないこの大日岳に登りたいという人が最近は増えているような気がします。少しでも
高い所に登りたいということでしょうか。前回、7月下旬のM旅行社のツアーでは、天候が悪く、その姿さえも見えなかったこの山ですが、今回は余すところなく見ることができました。


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<岩場を通過>

  本山への途中には「御秘所」と呼ばれている岩場があります。鎖場も1か所あって、緊張する場所ですが、天候がよく岩が乾いているときにはさほどの危険も感じません。でも、その岩場の上から東側の急崖を見下ろすと、足がすくむような絶壁です。高所恐怖症の私なのに、ついつい見てしまうから不思議です。


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<飯豊本山山頂で>

  切合小屋から本山小屋までおよそ2時間。ガイドの先輩のTさんが管理人です。ほんとうは1日目にここまで来る予定だったのですが、無理せず下の小屋で泊まったのでした。Tさんは来るはずと思っていた私たちが着かないので、心配して途中まで探しに降りてくださっていたのでした。恐縮してしまいました。飯豊本山山頂はそこから歩いて15分ほどのところにあります。


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<御西小屋までの登山道脇の雪渓>


  本山小屋からは、重い荷物は置いて、最小限のものだけ持って大日岳を往復です。見るとはるか向こうに見えていた大日岳も、歩けば少しずつ近づいてきます。本山と御西小屋の間はなだらかな稜線で、お花畑の中を通る遊歩道のおもむきがあります。ニッコウキスゲの盛りは過ぎようとしていましたが、本山山頂からおよそ1時間20分で御西小屋に着きました。

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<チングルマの群落>

  御西小屋から大日岳までは、前半はゆるやかな道です。遅くまで雪が残っていたせいか、チングルマの群落が白い花を咲かせて出迎えてくれました。御西小屋から大日岳のコースタイムは、登山地図では2時間とありますが、身軽な私たちは1時間20分ほどで山頂へ。ただ、最後の20分あまりは、傾斜がきつくなり、あえぎながらの登行となりました。大日岳から御西小屋への帰りは1時間13分かかりました。これも地図のコースタイムよりは早いです。この道で、昭和19年生まれという単独行の女性と一緒になりました。私たちを追い抜いて、風のように去ってゆきました。


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<雪で冷やしている缶ビール>


  帰りは本山を見ながら歩くことになります。小屋で使う水は、途中の「弘法清水」で調達しました。ここは水底から湧き上がってくる冷たい水が得られる場所です。登山道からの距離もそう遠くはありません。近くに雪渓があったので、「小屋に戻ったらビールを冷やしましょう」と、ビニール袋に雪を採ってゆきました。ビールも冷たく冷やされて「おいしい!」と言って飲んでもらいたいに違いありません。こういう労を惜しまないところが山での時間を有意義にするのです。小屋のビールは高かったけれど、山小屋で飲むがっちり冷やしたビールの味には、値段はつけられません。




<本山の向こうに沈む夕陽>

  管理人のTさんが提供してくださった食事はレトルト食品ですが、それでも山では最高の味。先日誰だったか、山用に準備していたこうした食材を自宅で食べてみたら、おいしくも何ともなかった、と語った人がいました。山では「疲労」という調味料が特別な味覚を呼び起こすのではないでしょうか。

  この日は日の出も、日没も両方見ることができました。すばらしい晴天にも恵まれました。どちらかといえば日没に心惹かれます。もしかしたらそれは、傾きかけた自分の人生と重なるからかもしれません。「西方浄土」などと言われますが、もしかしたら昔の人々も、同じような気持ちで日没を見送っていたのかもしれません。

  前夜、私だけが星空を見て、他の人を誘わなかったので、「今夜は起こして」と言われていました。午後7時過ぎにはいったんシュラフに入って寝ていたみなさんを8時過ぎに揺り起こし、しばらく星空を眺めました。南から北へ、人工衛星が静かに通過してゆきました。




happajuku at 04:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2009年08月18日

あこがれの飯豊を歩く(1)〜大日杉小屋から切合小屋

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<大日杉小屋。この小屋に背を向けて歩き始めます。>


  昨年は雨のため2泊3日を1泊2日に短縮して行った「葉っぱ塾」の飯豊山行は、今年は天候に恵まれました。真っ黒に、ではなく、真っ赤に日焼けして、先ほど帰宅しました。今回の参加者は、米沢の女性のUさん、東京の男性Kさん、そして横浜のTさんの3名。飯豊町の大日杉小屋を、16日、午前7時22分に出発しました。




<最初のピーク、地蔵岳1539mからみた飯豊本山>

  汗をしぼられながら急な尾根道を歩くこと3時間あまり。この日最初のピークである地蔵岳に到着。ここからは正面に、飯豊本山を仰ぎ見ることができます。体力に自信のない人は、飯豊を「見に」、ここまで登るといいます。でも今日は単なる通過点です。


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<種蒔山麓の沢から仰いだ夏空>

  地蔵岳からは針路を南南西に。標高1500mから1700mの稜線を、登ったり下ったりしながら進みます。時折涼しい風が吹いてきますが、登る身には暑さがこたえます。Uさんは脚にケイレンが起きました。漢方薬や自然塩などで対処し、最悪の事態は避けることができました。途中、「帰ろうかな」などと心細いことを言うUさんでしたが、ここで踏ん張ってよかったです。


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<沢を渡るところで休憩。水の冷たさが気持ちいい。>

  まもなく切合(きりあわせ)小屋というところで、沢を渡ります。ここで当然休憩。Kさんは靴を脱いで水遊び。少年のような表情が印象的でした。


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<トンボが群舞。よく見ると・・・>

  この後しばらくして、14時27分、切合小屋に到着。私たちは早速ビールで乾杯。小屋の前で飲みながら休憩していると、Kさんの日焼けした腕にトンボがとまりました。よく見ると、ハチをくわえています。Kさんの腕の上でしばらく「ムシャムシャ」とハチを食べていました。このトンボたちは、秋になると体の色を赤くして麓に降りてゆくのです。


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<夕陽に染まる雲>

  切合小屋の夕食は毎日カレーライスです。登山者は入れ替わるので、メニューはこれだけです。肉の代わりにソーセージが入っています。たぶん下界で店を出したら流行らないと思うのですが、山を歩いてきた人には、このカレーが想像を絶するおいしさなのです。おかわりをいただきました。

  おしゃべりしながら外で夕食をとっているうちに、日が傾いてきます。空の雲が赤みを帯びてくるのです。カメラを持参した人にはすばらしい撮影チャンスの時間帯です。


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<夕焼けの中のTさん>

  奥さん思い、子煩悩なTさんは、ケイタイの電波が届けばしっかり自宅にメールしておられました。カメラも趣味なので、落ちてゆく夕陽の中で何枚も写真を撮る姿が夕焼けのシルエットになっていました。

  小屋は8時を過ぎるとみんなぐっすり寝ています。私も7時頃から1時間あまり眠りました。静かになった小屋を抜け出し、外に出てみると、満天の星空でした。頭上には「夏の大三角形」。そして北東から南西にかけて、銀河が見えました。最近のスモッグは、麓の空からクリアさを奪っています。こんな空を見たのはほんとうに久しぶりでした。この日の月は26夜。新月に近いので、月の出は遅く、星たちが空で思う存分瞬いていました。翌日の好天も間違いないことを確信し、シュラフへと潜り込みました。



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2009年08月16日

今日から飯豊へ!



<昨年の飯豊山行から。北股岳から門内小屋を見る。>


  「葉っぱ塾」では本日から2泊3日で飯豊連峰に行ってきます。予定通りに進めば、飯豊連峰最高峰の大日岳まで足を伸ばす予定です。どうかこのまま好天が続きますように。





happajuku at 04:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾行事レポート 

2009年08月15日

夏休みの風〜子どもキャンプに参加して

 8月2日から3泊4日で行った「夏休み子どもキャンプ」に初めてアシスタントとして参加してくださった福島のIさんから、詳細な参加レポートが届きました。ここに掲載し、あわせて心から御礼申し上げます。ありがとうございました。Iさんは宮城県のご出身で、現在は福島県の小さな村で農業と関わって生活している若者です。Iさんからは今後もさまざまなご協力やご参加をいただけるようです。楽しみにしています。


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         ■■■ 夏休みの風 ■■■

(1)

ただいま。夏休みに感動して帰ってきました。
整理しながら、少しずつ振り返ろうと思います。

8月2日。霧雨が降っていた鮫川村を後に、テルテルボウズを乗せた私の車は、山形に向けて走り出しました。長井市にある葉っぱ塾での「子どもキャンプ」に参加するためです。

私にとって、この『「葉っぱ塾」子どもキャンプ』に参加させていただくことは講座に参加させていただくようなもので、本当にありがたいことでした。

自然体験や農業体験に興味があると言っても、そのプログラムの構成や主催者の考え・思いは、団体や個々人によって様々で、自分が楽しいと思えるものもあればそうでないものも当たり前にある中で、自分が楽しめる形がどんなものなのかを体験して知ることが、今の私にできることだと思います。

そして、そこに自分の要素を入れていくためにはどうすればいいかを考えて試行錯誤していくために葉っぱ塾の活動は、見てみたい、感じてみたい場所でした。今回は3泊4日のうちの2泊3日を一緒に過ごさせていただきました。

「携帯電話は極力使わない」ということで、これもまた幸いなことでした。

2泊3日を過ごしたのは、「白兎(しろうさぎ)地区」にある山小屋「兎夢創観(トムソウカン)」というところでした。二階建ての立派な小屋です。電気とガスが無くて、水は山から引かれている場所。小屋の中には大きな囲炉裏があって、外にはデッキに木のテーブル。水場には炊事用の石のテーブルがあって、冷たくて澄んだ水が絶えず流れています。

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今回は先ず、「キャンプをする」ということについて考えさせられました。

1つは食事について。「なるべく油は使わないで、洗うときは洗剤を極力使わないように調理すること」

「少なめに作って残さないこと」

特に今回キャンプをした場所は、水で洗ったものは浄化槽を通らずに流れてしまうところでした。

もしそうでなくとも、野外で寝泊まりしながら少しでも自然を楽しみたいなら、先ずは「自然に優しくなること」が始まりなんだな…と思いました。

せっかくの野外活動。
自然の近くで、どれだけ優しくなれるかを実践しながら考えてみるのには、とても良い時間です。

今回のメニューは、毎食のサラダに、手巻き寿司やそうめん、スパゲティも油を控えたものでした。

「便利さを利用するなら、出来る限り汚さない便利さを利用してみよう。」

汚さなければ、調理も片付けも楽チンで、しかも今回の食事はどれも最高に美味しかった。そしてその美味しさは、ただの味覚じゃなくて、命との交差点から生まれたものなんです。

「風」

子ども達が運んできた風は、農家のおじさんとおばさんを笑わせました。

笑いながら、農家のおじさんとおばさんが連れて行ってくれた畑では、汗だくになりながら働いたみんなの間を、爽やかな夏の風が通り過ぎました。爽やかな夏の風は、最高に優しい天からの言の葉。

「頑張ったら良いことあるよ。」

頑張った先にあった良いことは、農家さんが一生懸命育てた野菜の収穫とその野菜の贈り物でした。ナスにトマト、ピーマン、きゅうり、オクラ、瓜、茹でたてのトウモロコシ。取れたて茹でたての野菜達を「うめ〜」を連発しながら食べる子ども達。

農家のおじさんおばさんにとっても子ども達にとっても、「生きる喜び」に満ちた時間だったろうと思います。命と関わる大変さと喜びです。

そして、農家さんから収穫させていただいた野菜で作った、夕食のサラダに味噌汁。これが格別でした。「美味しい」気持ちの中で一番の美味しさは、「今自分が食べているものに、どれだけ自分が関わっていて、どれだけ自分の思いがこもっているか」だと思いました。「味」って「思い」だ。と。

農業に関わることが非日常になった今だからこそ、農家のおじさんおばさんと子ども達の間に生まれる時間は、「本当の食」に触れれる一番貴重時間なのではないでしょうか。

汗だくになりながら草をむしり、腰が痛い足が痛い暑いと愚痴を言いながらも、
キラキラした目で野菜をもぎ、
夏の風に気持ちいいと感動し
生のもぎたて野菜を「うめ〜うめ〜」と食べる子ども達

私もいつか伝えたいこと…
伝えられたらいいなと思うこと
たくさんたくさんあるなぁ。

畑の風
子ども達がいる風

忙しいくらいに色んな風が吹いた日

その風を感じることに精一杯で、余裕なんかありませんでしたが……ただ、最高に美味しかったことは確かでした。


そして「音」

キャンプだからこその「真っ暗な静けさ」。
夜。

電気をコウコウと付けたり花火をしたりはしないで、夜の暗さと静けさを感じながら、自分は今、動物達が暮らす場所にそっとお邪魔しているんだってことを考えてみます。

動物達を驚かせない程の小さな灯りを頼りに、夜の静かな一時の団欒に乾杯をして、今日のこと、明日のこと、懐かしいこと、これからのこと、動物達のことを語り合ってみます。

そして、ほろ酔い気分でそっと寝床につくんです。

静けさの中で吹く風を子守歌にして、動物達がそっと外のデッキまでやって来る夢を見て眠ります。

板の間に敷かれたゴザと寝袋の薄さは、小屋の振動を感じるには最高でした。
こうして夜はただ静かに過ぎて、また、朝がやってきます。

早朝。

薄暗い外のベンチで、昨日の感動を振り返ってみるけれど、上手くまとまらないままに、ただメモに綴りました。帰ったらゆっくりまた振り返ろう、と。

そう。これくらいがいいな。

簡単には文章にできないほどの感動をメモに綴って、時にじっくりと思い返しながら文章にしてみる。

そんな時々の余裕が、ちょうどいい気がしました。

この日記のように、何かに乗せてメッセージを発信するということが、私にとって少しずつでもそういう存在になっていけばいいな…と思います。

素晴らしい
楽しい
嬉しい
もっとこうしたい
自分はこう思う

そんなことを言葉にできる時間
誰かと共鳴できる時間

それが、最高に感動的な時間なんですね。

そして、そんな仲間とのやり取りを、早朝の庭や畑や机の上で、自分なりに思い返し整理してみる時間は、これまた大切な時間なんですね。

そのバランスが取れてるとき、自分らしく心地良くいられるのかもしれないな。

夏休み第一日目。

手の届く範囲のものと、確実に丁寧に本気で関わること。

「汚れたら洗えばいい」けど「洗うならちゃんと洗うこと」 。

初めて出会った子ども達と、最初にした「山小屋の掃除」は、そう言っていました。




(2)

「山」

母なる大地を見下ろす神様の住む場所。だと思う。

8月3日
曇りの朝
子どもキャンプ2日目。

朝7時半に出発して、葉山に登った。

今回のメンバーは、登山は初めての小学校一年生の女の子と、二回目の四年生の男の子、五年生の男の子、中学校一年生の女の子の合わせて4人と、ヤギおじさんと私。

標高500メートル地点からスタートして、頂上の1200メートルを目指した。

始まりはみんな元気。
「楽チン」なんていう言葉さえある。

途中、地元の山登り愛好者の皆さんが、自分たちで山に描いた地図の中のいくつかのポイントで休憩しながら登った。

大きな杉の木、三本ブナ、展望台………充分に水分を取りながらゆっくり登ったけれど、五回目の休憩辺りからだんだん子ども達の口数は少なくなり、一年生の女の子は「足が痛い」と立ち止まるようになった。

こんな時、どうしたらいいんだろう……。

「こんな時」は、登山でなくとも様々な場面であって、きっとどこかに共通するものがあるのだと思う。

今回、登山から学んだことは、「登山は自分だけが頼りなんだという厳しさと覚悟を持って臨もう」ということ。そして、「1人1人がそれを自覚できるように、リーダーとなる人がアプローチしていかなくてはならないんだ」ということでした。

特に今回は何よりも、自分の足で登って降りることが一番の目的。

時間がかかっても、それを達成できるように時間を運ぶことが、大きな自信と喜びを生む。

「可能性は出来る限り摘み取らない。」

手を貸すことは簡単で、けれど、それは1つの終止符にもなりうるから、心からの優しさを厳しさで表現するのは、人を前に進めるための力になるのだろうと感じた。

頂上に近付くにつれて、空が晴れてきた。

低い木々の間から青空と白い雲と太陽が顔を出し、ただそれだけで元気になった。そこに爽やかな風が吹いた時は、最高に幸せな気持ち。

太陽の暑さ
体温
風の涼しさ

この交差点は
最高に心地良い。

山の湧き水をいただきに行って、冷たいそれを飲み、体の中が透き通ってくみたいに染みていく感覚を覚える。

美味しい。

ここまで歩いて良かったと、山の水の美味しさが証明してくれた。

頂上までは約3時間ほどかかった。

頂上にある小さな神社に、無事辿り着けたことを報告し、帰り道の安全を祈る。そして、自分のことも祈ってみる。

小屋の中でしばし休憩。昼食はラーメン。こんなに美味しいチャルメラの味噌ラーメンは、食べたことがない。美味しいは、頑張った先にあるご褒美だ。

食事が済んでから、ヤギおじさんが秘密の湿原へ連れて行ってくれました。

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静かなそこにあった水溜まりのような小さな池には、空の風景が移っていて、小さな池の奥に向かって無限大の空があるように思えた。

不思議。
美しい。

こんな感動に、後何回出会えるのかな…。今日は今日しかないから、しっかり目に焼き付けた。

そして、山小屋とその周りでお昼寝タイム。

太陽が照らす木々の影の中に日陰を探して、ザックを枕に寝てみると、そこは大自然の温かさに包まれた時間。この温もりも音も香も自分のためにあるような気持ちにさえなる。

至福の一時。
一時間。

帰り道はまた「足が痛い」中で、最後まで歩ききった1人1人。

到着地点で待っていたのは、大きな達成感と小さな自信と、みんなの笑顔。

痛いも疲れたも
どっかに吹っ飛んで
ただ笑ってる子ども達。

人はそんなにヤワじゃない。

キャンプ2日目。


雲の中の幻想的なブナの森。
たくさんのキノコや植物が自生する豊かさ。
木々の葉っぱの黄緑色の眩しさ。
鳥やセミの声の音楽。
大自然の中で際立つ小さな花々。
木の間から現れる空。
森を抜ける風。
晴れ渡った先に見える下界の風景。

そこにある道を歩く。

きっと今、動物たちの近くに居て、同じものを見て感じているであろう自分が嬉しい。

遠くからみた山は、深い緑色をしていて、なんともどっしりと構えて見えるけれど、山の中から見る山は、鮮やかな黄緑色で、優しく包んでくれる手のひらみたい。

厳しい顔。優しい顔。

「そのどちらも自分です」と、自信を持てるようになりたい。

今日は美しい月が出た夜だった。





(3)


「母なる木」

それは、森の真ん中で呼吸をする、大きなミズナラの木でした。

8月4日
子ども達と過ごす最後の日。朝の庭で、昨日の出来事をメモに残していた。

私の手帳に挟んでいた紙に、「コロポックル」のことが書かれていたものがあった。

確か……アイヌ語で「蕗(ふき)の下に住む人」と言う意味で、恥ずかしがり屋だけど、誰かに何かをあげることが好きな優しい妖精のこと……だった気がする。

それを、最初に起きてきた小学校五年生の男の子にあげたんだ。どうしてかわからないけれど、あげようと思った。その子と私だけの秘密にしてね。

そうこうしていたら1人ずつ起き出してきて、また賑やかな1日が始まった。

今日は川遊び。
祝瓶山の麓の森の中の川に行く。

キャンプ場から車で一時間くらい行ったところから、更に一時間くらい歩いた場所にそこはあった。

車を置いて、ザックを背負って長靴をはいて、さあ出発!!

道はだんだん狭くなり、森の中へと続いてく。

「森」

まるで絵本の中のような世界……それが本当にあった。黄緑色の天井から、小さな光がキラキラとこぼれて、森全体を輝かせてる。

大きなブナとミズナラの木々に混じってたくさんの様々な草木やコケが生え、そのすべてが呼吸をしている。

こんな場所が
本当にあったんだ…。

出来る限りの深呼吸をしようと思った。

この森は昔、大きな山崩れがあった後にできたそうだ。だから道には大きな岩がゴロゴロとあって、それが長い年月をかけて道となり、自然の階段ができていて、私たちを優しく案内してくれた。

吊り橋を渡って
急な斜面を登って
木の根や岩を
またいでくぐって
大きな森の真ん中辺り

一際太い一本の木。

その神様のような存在感に、これまた深呼吸をして魅入るしかなかった。
「母なる木」

「森の中で一番太い木を「マザーツリー」と呼んで、昔から大切に守られてきている。」と、ヤギおじさんは話した。

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みんなで手をつないで、木の幹の周りを囲んでみると、木にほっぺたを押し付けて腕をいっぱいに伸ばしてやっとつながれた。

幹周りは10メートル以上。苔むした木肌のその生命力の温かさが伝わってきた。
まさに「母なる木」だ。

そこから歩くこと20分くらい。

水の流れる音と共に川は現れて、子ども達の顔が一気に輝く。
自然は最高に面白い。

川の上の方に続く道には美しいブナ林があって、本当に妖精が出てきそうだった。
コロポックル……いるかもしれないな。

川遊びのお昼ご飯はそうめん。
携帯コンロで川の水を沸かし、そうめんを茹でて川で洗って食べる。
こんなに美味しいそうめんは、今まで食べたことがない。
美味しさは、風景と一緒に味わうものだ。

昼食の後はもちろんお昼寝。

大きな岩の間を流れてくる水
黄緑色の天井を彩る葉っぱたち
木陰を探してもたれかかって
そっと目を閉じてみる

贅沢。
こんな時間も
あっていいんだ。

夢みたいな場所でみた夢は覚えてないけれど、とっても幸せな夢だった。

木霊の歌が聞こえた。
森の帰り道。
母なる木に祈ったこと。
「みんなが幸せになれますように。」
ただ漠然と
それしか出てこなかった。

少しずつ道が広くなり、車が見えた時、本当の帰り道が近づいてるのが分かった。

車に乗って、いつも通り汗を流しに温泉へ向かう。

畑仕事の後も
葉山登山の後も
川遊びの後も
温泉に浸かって
汗を流して
疲れを癒やした


日本の自然は素晴らしい。
すべてがある。

とうとうやってきた。
子ども達とのお別れの時。

寂しかった。
めちゃくちゃ
寂しかった。
また会いたいな。
みんな元気でね。

笑って見送ってくれた。

私の帰り道。
空の風景が美しくて、思わず写真に写した。

最終日、少しだけ携帯電話で写真を撮りました。
正面に見える祝瓶山とその風景。

子ども達と拾った川の石は宝物。

私の
かけがえのない
夏休みでした。




happajuku at 05:11|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 参加者からのお便り 

2009年08月14日

白山合宿その5〜スペシャルな1泊

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<市ノ瀬ビジターセンター前に帰りつく>

  予定よりも1日早めて、私たちは10日17時少し前に、市ノ瀬ビジターセンター前に着きました。様々な思い出をつくった白山とお別れです。全員が何事もなく下山して当たり前なのですが、名実共に肩の荷が下りたことを実感しました。山でいろいろ私が言ったことをうとましく感ずることもあったのではないでしょうか? ある意味、損な役回りではありますが、山のガイドとしての私のプライドもありますから、どうぞご容赦ください。


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<途中のドライブインで夕食>

  白峰まで下って、白山市民になりすまして市民料金で温泉に入り、3日間の汗と汚れを洗い流しました。考えてみれば登山は3Kですね。「きつい、危険、きたない」というところでしょうか。風呂にも入らず3日間も山にいるのですから。でも、山にいるとみんなそうなので、気にならなくなるんですね。不思議なものです。


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<桝野さんの事務所の2階で打ち上げ!>

  桝野さんが、その日の宿泊場所として、ご自分の事務所でよければと提案してくださったのは素晴らしいことでした。1000円会費とは思えない豪華なおつまみの数々をなおこさんとくみこさんが準備してくださいました。桝野さんはもしかしたら近々この事務所を手放すかもしれないとのことで、その最後にふさわしい思い出ができたと喜んでくださいました。




<素敵だったキャンドルナイト>

  雑然と荷物が置かれた事務所の2階も、蛍光灯を消してキャンドルを灯せば、素敵な空間に早変わり。なおこさんがメキシコに行ったとき桝野さんに贈ったテキーラが手つかずのままあったのをいいことに、私たちは遅くまで語り合いました。山に持参したけれど出番のなかったブルースハーモニカのヘタクソな演奏を披露できたのもお酒の力だったかもしれません。しらふではとても演奏できる代物ではなかったからです。


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<事務所近くの竹林>

  私にしてはずいぶん遅くまで起きていたのですが、心の緊張が解けると眠気も襲ってきます。早めに失礼して床にシュラフを敷いて眠りました。朝方地震の揺れに気づきましたが、それが静岡でのかなり大きな地震だったと知るのは帰宅してからでした。


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<福井県勝山市の「恐竜博物館」で>

  11日の午前、私たちは車で1時間ほどのところにある福井県勝山市の「恐竜博物館」に行くことにしました。前日の下山時にも恐竜の足跡の化石のそばを通ってきたのですが、このあたり一帯は中生代の地層が堆積していて、日本でも最大級の恐竜化石の産地でもあったのです。会場は夏休みとあって大勢の見学者でにぎわっていましたが、私にとっては大学の卒業論文とオーバーラップする展示物に、心が若返りました。じっくり見学すれば丸1日でも足りないことでしょう。


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<桝野さんの写真が飾ってある勝山市内の蕎麦の店>

  昼食は勝山市内の、桝野さんの知り合いの蕎麦のお店へ。店内にはさりげなく桝野さんの写真が飾ってありました。雪の白山を撮った作品です。その写真の中に、桝野さんの影が写っているのがアクセントになっている写真です。

  この後私は皆さんとはお別れして、熊森協会石川支部の方々とお会いすることになっておりましたので、合流地点へと向かいました。

  今回の「白山合宿」は、自然の雄大さ、厳しさ、そして人と人との「めぐり愛」の妙を堪能させてくれるものでした。3日間で歩いたのはこの大きな白山のほんの一部に過ぎないというところが、「また来るぞ」という思いをかき立てます。

  参加者の中で小4だったなおくん、中2だったたかあきくんにとっては、人生で初めての登山。無謀と言えなくもなかったのではありますが、2日間ないし3日間の中で感じたことが、いつか心の中で芽吹く日が来るのではないかと思います。

  私が長く学校の教員をしていて「足りない」と思っていたことの一つに、子どもたちが親や教師以外の「第三の大人」と接する機会が非常に少ない、ということがありました。中2のたかあきくんは一人旅は初めてだったのでしょうか? 本来であれば小学校高学年では経験させたいことです。様々な価値観を持つ大人たちと接する中で自分の座標軸を確かなものにしてゆけるのではないのかと私は思うのです。今回の白山合宿が、彼らにとってそんな機会の一つになれば、うとまれ役を演じた私の存在意義もあったというものです。大好きな詩人、吉野弘さんの『生命は』の一節、「ときにうとましく思うことさえも許されている間柄」が思い起こされます。

  こうした行事を企画することは、「葉っぱ塾」の活動の中では日常のことなのですが、その大変さはだからこそ十分に想像できるものでした。桝野さんがどんなに大変な思いをしてここまで準備を進めてこられたのかを思うと頭が下がります。桝野さん、ほんとうにありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

  また、今回白山にはおいでになれなかった方々からも、あたたかなご支援をいただいたこと忘れないでいたいと思います。ありがとうございました。

  白山のように山の上に立派な宿舎もない朝日連峰で、したがって、厳しさは今回以上になる中で、同じような企画ができるものかどうかわかりませんが、いつか少しレベルアップした皆さんと、大好きな朝日の稜線を共に歩けたらということを一つの夢にしておこうと今は思っています。

  長々と書いた割には、気持ちの中にまだ書き足りない思いもあるのですが、「白山合宿2009」の報告はこれまでにいたします。




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白山合宿その4〜南竜山荘から山頂へ

  白山3日目の朝は雨でした。夜通し強く降ったり弱まったりしていたようです。ご来光もあきらめて5時過ぎに起き出し、ロビーにあるテレビを見ますと、さかんに台風情報を流していました。この時点で台風9号は四国の南方にあり、徳島や兵庫などで強い雨を降らせていました。「今日どうするのか?」と気持ちの糸がピーンと張り詰めました。


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<南竜山荘付近のクロユリ>

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<南竜山荘付近のハクサンオオバコ>

  台風の予想針路は四国沖から紀伊半島沖、そして東海から関東へ至るコースでした。とすれば白山は台風の西側に入ることになり、直接的な影響を受けないのではないかということも考えられました。しかし一方で、その段階では雨は降っているものの、今後風が強まれば、その中を歩く困難さということも浮かんできました。

  朝食を終えてから私は参加者のみなさんに、「予定を一日早めて今日下山したほうがよいのではないか」という提案をしました。翌日天候が回復するということがないわけではないにしても、とりわけ子どもたちの疲労度ということも考慮しての最大の安全策の提案のつもりでした。

  私の提案は、山頂は目指さず、南竜山荘からまっすぐに下山するというものでしたが、小4のなおくんから、「何とか山頂にだけは行きたい」との意見が出されました。時間的にはリミットが近づいていました。というのは、別当出合まで下山した場合、バスの最終便が午後5時であることでした。しかし、すぐに行動を始めれば、山頂へまわっても何とかなりそうでした。

  それで、荷物を南竜山荘に置き、最小限必要なものを私がザックに入れて持参し、他の方はほとんど空身で山頂を往復することにしたのです。参加者の足取りは、これによっておおいにはかどることになりました。


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<南竜山荘から山頂に向かうエコーラインにて>


  一つの決断を迫られるときに、考える材料は様々ありました。企画してくださった桝野さんの思いはどうなのか、せっかく時間をとって参加してくださった方の気持ちはどうなのか、体力的には十分なのか、天候はどう変わるのか、などなど。しかし、時間的に後になればなるほど可能性が狭まり、追い詰められてゆくということもまた事実です。余裕があるうちに判断しなければならないと思いました。

  結果的には、私たちが下山した翌日の白山の天候は、そう悪くはなかったようでした。それを考えれば「もったいない」という思いもあるのですが、「そのとき」にとれる道は一つだけなのです。いろいろなことを考えながらも、そのように判断するしかなかったと自分を納得させる以外にはありませんでした。山の大ベテランのよしださんから、この私の判断を「おおいに評価します」と言っていただいたことで、報われたような気がします。


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<チングルマの群落を見学する>

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<山頂直下の室堂にて>

  エコーラインでは風もそれほど強くなく、雨も小止みになってきて、私たちは順調に室堂へと向かいました。予想よりも早く標高2500mの室堂に着けたのは、身軽だったことが大きいでしょう。室堂は雲の中でした。




<山頂は強風が吹いていました>

  40分ほどかけて標高差約200mを登って、私たちは10日の午前10時31分、ついに山頂に到達しました! 標高2702mの御前峰。霊峰白山の最高点です。気温は12℃ほど。そこに風速10〜15mの風が吹いていましたので、体感温度は4℃か5℃ぐらいの感じでした。何も見えない山頂ではありましたが、この天候の中で山頂まで来れただけでもよしとしたいと思いました。

  荷物を取りに南竜山荘まで戻り、昼食を済ませて出発するリミットは13時30分でした。私たちは何とかそれよりも少し早めに行動できました。しかし、そこからは荷物を背負っての3時間あまりの下りが待っています。


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<途中にあった恐竜の足跡の化石>

  小4のなおくんにはとりわけ厳しい下りになったようです。サッカー少年の彼でも、2日間の登り下りで、筋肉のダメージはかなりだったのでしょう。おかあさんが一緒だったこともちょっと甘えたくなる一因だったかもしれません。そんななおくんを見てしゃきっとしてきたのはたかあきくんでした。登山も3日目に入った彼は、ずいぶん歩き方も山になじんできたようでした。南竜山荘での最後の昼食の後で、桝野さんが「お別れのセレモニー」の機会をを作ってくださったとき、彼は「一年ぐらいたったような気がする」と言ったことが印象的でした。長く感じながらもその中で心のあり方に大きな変化があったというように私は受け止めました。


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<別当出合からのバスの中で>

  南竜山荘を出発して3時間。砂防新道を下った私たちはついに別当出合に到着しました。最終の一つ前の16時30分発のバスに乗ることができました。つい数時間前に立っていた山頂とはうってかわって穏やかな夏の暑さが満ちていました。

  一日早く下った私たちでしたので、その夜をどう過ごすかを考えなければなりませんでした。



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2009年08月13日

白山合宿その3〜花に埋め尽くされる稜線

  チブリ避難小屋から御舎利山までの急登をおよそ2時間ほどかかって登りきりました。途中で雨が降ったり止んだりして、合羽も着たり脱いだりしました。私たちは御舎利山の西斜面を登っていたのですが、この山の頂上に出た途端に強い東風に吹かれました。山の西側は、山自体が風よけとなってあまり風を感じなかったのです。雨が止んで合羽をぬいでいた私でしたが、寒さのために合羽を着るほどでした。天候の悪化が心配されたのでお隣の「別山(べっさん)」には行かず、まっすぐに稜線を、その日の宿舎である南竜山荘へと向かうことにしました。


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<カライトソウ>

  御舎利山から南竜山荘への稜線の東斜面はすばらしいお花畑でした。カライトソウの濃い桃色、ニッコウキスゲの橙色、コバイケイソウの白など色とりどりの花々で埋め尽くされているのでした。さすが高山植物のメッカだけのことはあります。私は先頭を歩いていたので他の人には気づかれなかったはずですが、もう歩いているだけで顔がほころんでくるのでした。


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<ハクサンフウロ>

  ハクサンフウロはまるで、平地の道端のシロツメクサのような感じで、いたるところにありました。


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<ミヤマダイモンジソウ>

  ミヤマダイモンジソウが小さな群落をあちこちにつくっていました。小さいけれど美しい花です。


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<ニッコウキスゲとシモツケソウ>

  シモツケソウの桃色も鮮やかでした。ニッコウキスゲと競い合ってでもいるかのようです。




<油坂を下る>

  稜線歩きの最後に難所が待っていました。油坂の下りです。下りが難所というのは「おや?」と思われる方もいるかもしれませんね。下りは楽なんじゃないの、と。
ところが、登山の経験の浅い人や年配で筋力が弱っている人には、急な下り坂のほうが大変なのです。5人のメンバーの中で下りに苦労したのは登山初体験の中2のたかあきくんでした。

  前日の疲労もあったでしょう。一歩一歩を投げ出すような歩き方になっていました。大腿部前面の筋肉が弱いのです。自分の体重さえも支えることがむずかしいところにザックを背負っていますので、自分の意識とは無関係に脚に力が入らなくなっているように見えました。このままでは転倒もありえますので、私は彼のザックを背負うことにしました。中2の男の子にとっては、プライドが傷ついたかもしれません。しかし、最悪、彼の体を背負うことになる前のギリギリの判断でした。山では最悪の事態をどう早めに回避するのかが大切なことです。

  25キロ近くにもなったザックを背負って、ゆっくり下るのはまた大変なことなのです。それで私は、駆け下りるように先行することにしました。重い荷物を背負ったときは「その重さを利用して駆け下りる」のが楽なのです。これは長井の葉山でかつて炭焼きをしていた人に教わった「極意」のようなものです。南竜山荘手前まで彼の荷物を運び、今度は引き返してなおこさんの荷物をしばらくの間背負い、元気を回復していただきました。


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<見えたぞ、南竜山荘!>

  南竜山荘は標高2084mの広々した湿原を見下ろす位置に建っていました。水も豊富で、ほんとうにすばらしいロケーションでした。避難小屋を出発して5時間半近くかかりましたが、天候が悪化しないうちに到着できました。

  それから1時間あまりして、1日遅れで合流することになっていたよしだご夫妻と小4のなおくんとそのおかあさんの4名が、砂防新道を登って山荘に到着。今回の参加者9名全員が顔をそろえることになりました。山荘の休憩コーナーで、桝野さんが「開会セレモニー」を進行してくださって、初対面の人も自己紹介し合いました。顔を見るのは初めてでも、何だか旧知の友に会うような不思議な気持ちでした。

  山荘では夕方5時から夕食。8時には消灯でした。翌日の天候がよければ桝野さんがご来光スポットに案内してくれることになっていましたが、夜通し雨が降ったり止んだりし、さらには南海上から台風9号の接近がニュースで流れていました。「明日はどうなるのか」と皆が心配していたと思います。



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白山合宿その2〜チブリ尾根を登る

  白山の市ノ瀬登山口から白山をめざす人々の多くは、ビジターセンターの前からシャトルバスに乗って、標高およそ1280mの「別当出合」というところまで行き、そこから歩き始めます。しかし、桝野さんが計画したルートは、この市ノ瀬から直接チブリ尾根を登るというものでした。




<登り始めて間もなく出会ったトチの大木>

  はじめは砂防工事の道路と交錯しながら進む道も、30分ほどゆるやかにたどれば原生林の中に踏み込んでゆきます。ブナかな? と思ってよく見てみると、多くがトチの大木でした。直径で2m以上はあるだろうという木がたくさんありました。麓に住んでいる人々は昔からこの実を採集して「トチ餅」を作っていたようです。


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<中腹からはブナの森が現れます>

  道は尾根筋を登るのではなく、かなり高いところまで尾根の腹を横切るようにあまり急すぎることなくついていました。飯豊連峰のように急峻な尾根をたどる道ではないところは、地域性でもあるのでしょうか? トチやカツラの巨木の森を過ぎると、しだいにブナが優勢の森が現れました。こうした広葉樹の森は私たちを優しく包むような感じがします。アルプスの山々のように岩がゴロゴロした山とは明らかに違っています。

  さらに標高を上げるとダケカンバが増えてきました。ブナよりも寒さや雪に強い樹種です。人肌のような色合いの樹皮です。枝は雪との格闘を物語るように不規則に折れ曲がっているのが特徴です。

  途中の水場で水筒にたくさん水を汲みました。この日泊まることになっているチブリ尾根避難小屋には水がないからです。歩きはじめのときに18キロほどあった私のザックはこの水場で22キロほどになりました。中でも地元から参加のテツさんは、8リットルもの水を担いで登ってくれました。これが、水のない小屋でも快適に過ごすことにつながりました。ありがたいサポートでした。


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<ハクサンのハクサンシャジン>

  途中で何度か小雨が降りましたが、合羽を着るほどでもありませんでした。シーズン最盛期の土曜日というのに、私たちを追い越してゆくひとはおらず、下山してくる人は結局小屋まで15人を数えただけでした。ほんとうに静かなルートでした。

  出発してから6時間あまりで私たちは草原のようなところに出ました。ハクサンシャジンが出迎えてくれました。そして尾根筋は背の低いオオシラビソという針葉樹林帯でもありました。

  登山地図に示されたコースタイムの1.5倍以上もかけてまもなく小屋だというあたりで、雷鳴が聞こえ始めました。これはほんとうに恐いものです。一般的に「遠い雷、近い雷」などと言って、遠ければすぐには害はないと思われているのですが、実は雷は、雷鳴が聞こえるぐらいの範囲であればどこに落ちてもおかしくはないのです。早く小屋に入る必要がありました。もう足元もおぼつかないほどに疲労したなおこさんやたかあきくんを急かせますが、ペースは上がりません。私は小走りで小屋に駆け込み、荷物を置いて引き返し、なおこさんのザックを担いで再び小屋へ。

  私たちが全員小屋に着いたのが17時。それから40分もしないうちに、小屋周辺でものすごい雷鳴がとどろきだしました。雷の恐さををあらかじめ伝えておくべきでした。「疲れた」などとゆっくり歩いて落雷で死んだのではたまりません。桝野さんなどは、「まだ遠い」と決め込んでいたのか、のんびり撮影に精を出しておられましたが、ほんとうは危なかったのです。
  

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<チブリ尾根避難小屋>

  避難小屋は、尾根の平坦地に静かに立っていました。平屋建てです。先客が6名到着しており、私たちはその間に2手に分かれて入れてもらいました。大朝日岳の小屋なら、見知らぬ者どうし打ち解けることが多いのですが、これらの先客の方々はそれぞれの殻に閉じこもるように食事の支度に没頭していました。ちょっとさびしかったです。


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<雷雲が去って夕焼けとなりました>

  食事の準備中も食事中も雷雨が続いていましたが、18時半ごろになってテツさんが外からみんなに声をかけてくれたのを機に出てみました。小雨が残ってはいるものの夕焼け空が見えていました。結果的にこの好天は深夜までで、未明からは雨が時々降る空にかわって行きました。しかし、一眠りしてトイレに起きた22時ごろの空には「夏の大三角形」がはっきりと見えていたのです。


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<尾根の途中から小屋を振り返る>

  期待して起きた9日の朝はくもっていて、今にも雨が降りだしそうでした。合羽を取り出しやすいところにパッキングし、出発したのは午前6時53分。ここからは標高2200mあまりの御舎利山まで、急な登りが続きます。途中で下を振り返ると、避難小屋が小さく見えました。上から見下ろすと何だか頼りなげに見えます。いよいよ2日目のお花畑の稜線歩きが始まるのです。



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白山合宿その1〜山形から白山へ

  金沢在住の写真家、桝野正博さんに白山へのお誘いを受け、何日も前から子どものように楽しみにして山形を出発したのは7日午前5時06分。「ETC1000円乗り放題」の愚策への抗議、というのでもないのでしたが、ずっと一般道を走りました。

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<雨の日本海>

  途中から雨が降り出しました。新潟に入って見えてきた日本海も、何だか夏の海という感じがしませんでした。


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<強い雨で視界も悪い>

  自宅から桝野さん宅まで約443km。そのうちの260kmほどが何と新潟県です。運転していると、「日本中が新潟県か!」と思われるほどでした。新潟から富山にかけてもあちこちで強い雨。明日から白山というのに気が重くなるのでした。


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<フォッサマグナ・ミュージアム>

  新潟県の最西端の糸魚川で「フォッサマグナ・ミュージアム」という標識を見つけ急遽左折。大学時代、まがりなりにも地質学を学んだ身としては、義理でも見ないわけにはいきません。地質的な成り立ちが異なる東北日本と西日本とを分ける境界でもある「大地溝帯」のフォッサマグナ。化石や鉱物の素晴らしい展示に圧倒されました。


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<閑静な住宅地にある桝野さん宅>

  予めお聞きしていたルートどおりに進み、金沢市内でうまく待ち合わせも成功。案内された桝野さんのお宅は、静かな住宅地の中にありました。奥様にもご両親にも大変お世話になりました。ありがとうございました。


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<白山市内にある桝野さんの事務所>

  初日からの参加者が集合することになっていたのは、白山市内の桝野さんの事務所。かつて砕石会社の事務所だったところを借りておられるのだそうです。この時点では2日後にここに泊まることになるとは予想もしていませんでした。




<白山の市ノ瀬登山口からいよいよ出発!>

  白山初日は8月8日。尊敬する写真家・星野道夫さんの命日であり、また勝手に「葉っぱ記念日」と私が名づけている日でもありました。土曜日とあって、市ノ瀬登山口に着いたときには駐車場は満杯で、私たちは路上駐車を指示されました。

  初日からの参加は桝野さん、その友人のてつおさんとなおこさん、そして「葉っぱ塾」にも来たことのある中2のたかあき君、私の5名。天候は何とか晴れでしたが、白山は雲の中にありました。気温は28℃ほどで、猛暑でなかったことはありがたいことでした。

  生まれて初めての登山が白山3泊4日のたかあき君。若者にとっては「無謀」と「冒険」とは紙一重です。華奢な体がどこまで耐えられるのか、一抹の不安を感じてのスタートとなりました。





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2009年08月12日

速報! 白山合宿



  チブリ尾根避難小屋では、雷雨の後、素晴らしい夕焼けを見ることができました。


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  2日目、小雨が降ったり止んだりしましたが、途中から白山の山頂が見えました!



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  ハクサンフウロが、まるで平地のシロツメクサのようにいたるところに咲いていました!



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  2日目の宿となった「南竜山荘」。すばらしいロケーションに建っていました>



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  3日目山頂へ。気温12℃、風速10mから15m。体感気温は3〜4℃ほどでした。何も見えなかったのは、「またおいで」という山のメッセージでしょう。


  車での行程1100kmの今回の「白山合宿」。実り多いものでした。少しずつ報告をしたいと考えています。来年は山形から「葉っぱ塾・白山ツアー」を計画したいと思います。今からご検討ください。



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2009年08月06日

あこがれの飯豊を歩く2009

 ■■■ 葉っぱ塾 あこがれの飯豊を歩く2009 ■■■

飯豊連峰はふところが深く、登り口から険しい道をたどるので、なかなかてごわい山です。しかし稜線まで出ると、そこには見事なお花畑が広がっています。飯豊の最高峰、大日岳(2128m)にも登ってみましょう。秋の高山植物が咲き始めていることでしょう

【期  日】 8月16日(日)〜18日(火)
※悪天候の場合の中止や延期については参加者と相談します。

【募集人員】 5名程度 
※現在3名の申し込みあります。あと2名程度募集します。ただし、現地集合可能な方です。申し込みの場合は、保険の関係で、生年月日をお知らせください。

【参加費用】  一人 ¥12000(写真代、最低限の保険料含む)
(ただし山小屋使用料1泊¥2000、食料費などは各自の負担です。)
※車同乗の場合はガソリン代ご負担ください。

 ☆本山小屋管理人がガイド仲間でもあるので、食事、シュラフの提供を有償で受けることができます。夕・朝食各1回2食で¥4000、シュラフ1泊¥1000とのことです。(つまり1泊2食付で7000円負担となります。) 荷物軽減したい方はご利用ください。現地での支払いとなります。ご希望の方は予め「葉っぱ塾」にお知らせください。

【日  程】 16日   7:00  大日杉小屋駐車場集合・出発
              地蔵岳〜種蒔山〜切合小屋 経由
           16:00  本山小屋着(泊)
       17日  6:30  本山小屋発
              御西小屋 経由
           10:30  大日岳着(同じルートを戻る)
           15:00  本山小屋着(泊)
     18日   5:00  本山小屋発
              往路下山 
          11:30  大日杉小屋へ下山
              下山後、白川荘で入浴

【持ち物】 食料(6食+非常食)、雨具(ゴアテックス素材のもの)、寝袋(夏用の軽いもので可)、着替え、水(最低2ℓ)、食器、ヘッドランプ(懐中電灯)、持薬、サブザック(持っている場合コンロ) ※アルコール類は小屋で買えます。

※食事を小屋に頼む場合は食料は昼食3回分+非常食

【ガイド装備】 救急薬品、ロープ、カラビナ、ツエルト(簡易テント)、カメラ、無線機、コンロ、ガス

【連絡先】 葉っぱ塾 八木文明(日本山岳ガイド協会認定ガイド)
       TEL/FAX 0238-84-1537 メール happa-fy@dewa.or.jp


happajuku at 16:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 葉っぱ塾の予定企画 

夏休み子どもキャンプ最終日

  キャンプ最後の夜、手伝いに来てくださっていたIさんが帰ってしまうと女の子は2人に。小屋の中では離れて寝ていたのに、はるちゃんは「誰かの間じゃないと寝られない」と言うので、5人全員で寝ることにしました。シュラフに入ったころを見計らって、私は持参していた絵本『葉っぱのフレディ』を読みました。若い心にどんなふうに響いたでしょうか。

  さすがに最後の朝はこれまでよりもちょっと遅めに起きだした子どもたち。「子どもキャンプ」には起床時間などはないので、「起きたら活動を始める」といった感じです。昨日作ったカレーライスの残りをたいらげ、味噌汁やサラダも、存分に余っている野菜を使って分担して作りました。

  食器を念入りに洗ってからは片付けと掃除です。「来たとき以上にきれいに」と呼びかけて、取り組みました。このキャンプ場は、地元の方々がお金を出し合って設置し、草刈りや清掃も日常的に行ってくださっている場所です。心無い利用者もいて、ゴミを置き去りにしたり、タバコの吸殻を囲炉裏に捨てていったりしていますが、大人の行動を子どもたちに説明できずに困ります。でも、子どもたちはもうこれ以上はできないというくらいにきれいにしてくれました。




<蔵高宿のじんちゃんは、印刷物を作って待っていてくださいました。>

  キャンプの最後は伊佐沢の「蔵高宿」で、手打ち蕎麦づくりです。定休日だったこの日、わざわざ子どもたちのために時間を空けてくださったじんちゃん、奥様のあささん、ありがとうございました。


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<最初は蕎麦打ちの説明をお聞きします。>

  じんちゃんがみんなに蕎麦の打ち方の全体説明をしてくれました。もともとここのオーナーのKさんが始めたお蕎麦屋さんでしたが、宮崎から「移住」してきた若い彼が今は仕切っています。そば粉100%の十割蕎麦が自慢のお店です。
  

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<はるちゃんはヤギおじさんの分も打ってくれました。>

  小1のはるちゃんはヤギおじさんと一緒に2人分を作りました。ヤギおじさんは手出し無用といった感じで、何とも手持ち無沙汰でした。


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<彼女たちは「子どもキャンプ」のOGです。>

  宮城から参加の小4のしんいちろうくんのおかあさんと2人のお姉さんが迎えがてら来てくださいましたが、このお姉さんたちは「第一回子どもキャンプ」の参加者で、その後数回参加していた子どもキャンプOGです。彼女たちはもう高2と中2。すっかり大人びた彼女たちがまぶしかったけれど、「葉っぱ塾」の思い出がしっかり残っていたのはうれしかったです。


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<うーん、割り箸の2倍は太い蕎麦だ!>

  自分で打った蕎麦を自分で茹でてさあいただきます! はるちゃんが切ってくれた蕎麦は割り箸の2倍もの太さのが多くて、歯ごたえ十二分! スイカやトマトなども出していただいてみんなでワイワイといただきました。終わったころにははるちゃんたちのご両親も迎えに来てくださって、「子どもキャンプ」最終日はほんとうににぎやかになりました。この様子は「蔵高宿」のブログにも紹介されています。このブログの「Links」から入っていただけます。

  4日間のキャンプは、いろいろな方々にお世話になりました。もっともっとつながりを作りながら、内容豊富なキャンプにできたらと思います。今回は参加者は4名でした。3日目まではIさんがお手伝い参加してくださいました。参加者がこれぐらいがとても動きやすく、心が通じます。タイムスケジュールも不要です。

  今後は夏休みだけではなく「秋キャンプ」や「冬キャンプ」もやってみたいという思いがあります。また、期間を延長して、いろいろなことにチャレンジする内容にしてみたいということも考えています。不登校の子どもたちにも参加してほしいです。いろいろ形や中身を変化させながら、「子どもキャンプ」は続けていきます。

  お世話になった多くの皆様、子どもたちを「派遣」してくださったご家族の皆様、ほんとうにありがとうございました。




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2009年08月05日

夏休み子どもキャンプ速報その3

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<祝瓶山荘から歩き始め、まもなくわたるつり橋>


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<アカハナのブナ林を流れる清流で川遊び>


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<水は冷たく、どこまでも透明>




<その水で茹でてあらったそうめんで昼食>


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2009年08月04日

夏休み子どもキャンプ速報その2

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<長井葉山への山道を歩く>

  2日目は長井葉山へ。勧進代尾根を往復しました。小学1年生のはるちゃんも元気に歩きました。


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<山頂の葉山山荘でのラーメンは最高のご馳走!>

  山の上で食べる熱々のラーメンは最高のごちそうでした。


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<山の上の湿原に夏雲が!>

  ふだんはなかなか行けない朝日軍道沿いの「笹田代」という湿原に行って見ました。朝は霧だった空も、このころには晴れてきて、湿原の水面に夏雲が映っていました。



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2009年08月03日

夏休み子どもキャンプ速報その1

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  白鷹町のOさん、Kさんにお世話になって、エゴマの畑で、頂芽の摘み取りと除草のお手伝いを体験させていただきました。


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  すぐ近くの畑に実ったナス、ピーマン、トマトなどをキャンプのために分けていただきました。ありがとうございました。


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  夕食は自分たちで分担です。今回は中1、小5、小4、小1の4名の参加です。福島からIさんがお手伝いに駆けつけてくれています。


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  夕食は手巻き寿司と具沢山の味噌汁でした。おこげのほとんどないご飯を炊くことができました。

  1日目の夜は雨になりましたが、明け方上がりました。今日は葉山に登る予定です。



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2009年08月02日

葉祥明、『地平線の彼方』

「地平線の素描帖」カバー写真

<絶版になった『地平線の素描帖』>


  「葉っぱ塾」の活動を始めるときに大きなヒントをくださった恩人、葉 祥明さんが最初のエッセイ集『地平線の素描帖』を出版されたのは1982年のことです。今、その本が私の手元にあります。

  この本に最初に出会ったのは、初めて北鎌倉の葉 祥明美術館を訪れたときでした。展示ルームの中央にあるソファに座って、そこに置いてあったたくさんの本の中からこの1冊を手に取って読み始めると、読み終えるまでの小一時間、立ち上がることもなくその文章に没頭してしまいました。

  そこに書かれていた言葉の数々は、まさにそのときの自分が心から欲していながら、何を欲しているのかは定かではなく、自分のこれからのことについて何の明かりも見えない閉塞的な状況にあった私のために書かれたような気さえするものでした。

  読み終えて係の方に「この本、手にはいりますか?」と尋ねましたが、「もう絶版で、これだけです」とのこと。とても残念な気持ちだったことを覚えています。

  その後しばらくして地元の長井市立図書館に行ったとき、入り口を入ってすぐのところにある図書検索カードの引き出しに目が行きました。何か別の用事で行って、そこで待たされていたのだったと思います。ふと思い立ってこの本のカードを探してみたら、何とあるではないですか! 早速司書の方にお願いしましたら、奥の書庫から探し出してきてくれました。

  2週間の期限いっぱい借りました。そしてその間、ワープロに本文を打ち込みました。仕事から帰って少しずつ。2週間では半分ほどしか打ち込みできませんでしたので再度2週間延長。ようやく打ち終えることができました。今から16年前の冬のことです。打ち込んだ文章を2部プリントアウトし、一部は弟に、一部は手元に残しました。

  それからしばらくして上京したときに、葉さんとお会いする機会があり、そのことをお話したのです。「八木さんのような人もいるし、ほかにも再出版して、と言ってくれる人もいるんです。もしかしたらまた出すかもしれません。」とそのときおっしゃっていたのです。それが実現し、『地平線の彼方』として復刻版が出されたのは1997年のことでした。

  出版された直後、葉さんから「復刻するにあたって書き直すべきところがないか見直したのだけれど、一字一句手直しをする必要はありませんでしたので、そのままです。」とお聞きしました。新しく出されたその本を早速購入したのはもちろんですが、これまでもう何十冊も、これはと思う方、葉さんの言葉が必要だと思った方々にお贈りしてきました。

  気持ちの中には、あの最初の『地平線の素描帖』が手にはいらないかなあ、という気持ちがずっとありました。一度だけ親戚の家で見たことがあります。それは「第1回葉 祥明ブナの森セミナー」を開催した2000年9月のことでした。

  セミナーの会場に向かう前に葉さんを伴ってその家を訪れたのは、その数年前にその家の娘さんが若くして白血病で亡くなっており、その方が葉さんの絵が大好きだったことを聞いていたからです。その家でお母さんが「娘の部屋にこんな本がそのままおいてあります」と茶の間に持ってこられた中に、この本が入っていました。葉さんはていねいにサインしてくださいました。

  あの本がほしいなあ、という夢は、思わぬ形で実現しました。私の小学校以来の同級生のUさんが市立図書館の館長をしていたのです。去年の年明け早々、たまたまある会合で一緒だった彼に、その話をして、書名をメモに書いて渡しておきました。「もうずいぶん前の本なので、廃棄したかもしれない」とのことでした。

  しかし数日後の夕方、わざわざ我が家を訪ねてくれて、「この本か?」と言って差し出してくれたのはまさに「その本」でした! 裏表紙を引っくり返すと、そこには貸し出しカードが入っています。正確には「貸し出し期限日票」です。その本は延べ4回貸し出されており、最後の2回は、16年前に私が借り出したときのまま、以下は空白でした。つまり「その本」は、2回借りた私が返却して以来、ずっと書庫に眠っていたというわけです!

  Uさんは「いったんあずかって帰り、廃棄の手続きをしてくる。どうやらこの本はお前に持っていてもらったほうが幸せそうだから・・・。」と言ってくれたのです。それからさらに数日して、その本は、ついに私のところにもらわれてきました。Uさん、ありがとうございました。大切にします。

  自分の人生の大きな転換点で、人は「めぐり愛」というものを経験するのですね。私にとっては葉さんとの出会い、この本との出会いがまさにそうでした。その道の延長線上に「葉っぱ塾」があり、そうして、これほどたくさんの素晴らしい人々との「めぐり愛」が待っていたのです。私にとってはバイブルのような1冊です。




<『地平線の彼方』>

  復刻された『地平線の彼方』は、今でも手に入りますが、現在の在庫がなくなれば絶版になる可能性があります。5月の「ブナの森セミナー」の際、この本に葉祥明さんからサインを入れていただいたものが3冊だけ手元にあります。ご希望の方がおられればお譲りいたします。定価¥1365と送料¥160をご負担ください。先着3名に限ります。

 e-mail happa-fy★@dewa.or.jp
(送信の際は★を@に変えてください。)



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happajuku at 04:56|PermalinkComments(9) 葉っぱ塾からのメッセージ | 本・CD・映画などのレビュー

2009年08月01日

蔵王でのネイチャーゲーム

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<朝の点呼で始まる>

  19日に下見をしていた蔵王でのネイチャーゲーム指導が昨日ありました。心配だった天候も、霧がかかってはいたものの雨にはならず、過ごしやすい気温の中で半日を過ごしました。

  高校生のリーダーたちが集団をまとめてくれるので、こちらはずいぶん楽です。この日は、様々なコースが準備され、ネイチャーゲームを選んでくれたのは60名ほどでした。私は小学3年生以上のグループを担当しました。


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<みんなで「動物交差点」>

  定番の「動物交差点」でみんなの気持ちがほぐれてくれたようです。最初は表情が硬かったのです。自分で楽しむという気持ちを持ってくれるとこちらも進めやすくなります。


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<こんな穴をあけたのはどんな動物?>

  「フィールド・ビンゴ」では片貝沼のまわりを1周しました。「森のにおいがする」としきりに言っていたのは埼玉から来た子でした。「埼玉の空気は90%が排気ガスなんだよ」とのこと。よくそんなところに住んでいるね、と私は感心してしまいました。

  ササの葉っぱに見事に一列にあいた穴。「どんな動物がこんな穴をあけたと思う?」と、カードの裏に書いてもらったのですが、様々な動物の絵を描いてくれました。種明かしをするのを忘れてしまいました。これは、ササの葉っぱがまだ若くてクルクルと丸まっていた時期に、昆虫の幼虫が外側から葉っぱを食べながら前進した跡なんですね。穴の大きさの規則的な変化にもご注意ください。


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<「自然の紋」の作品の数々>

  昼食の後で、「自然の紋」をやってみました。植物を題材に自分の家紋を作ろうというものです。なかなかすばらしい作品ができたでしょう? デザインするということはけっこう難しいものです。スケッチとは違うんですね。


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<韓国から来た少女の作品>

  韓国から来たという少女がいました。私の日本語が全然わからないので、「植物を題材に」ということが伝わっていませんでしたが、フィールド・ビンゴでみつけたチョウチョが印象に残ったらしく、すばらしい作品を見せに来てくれました。

  毎年この「ラボ・パーティ」の夏合宿のときにお手伝いをしているのですが、学校や学年の枠を超え、異年齢集団の中で過ごす蔵王での数日間は、きっと彼らの心に残る時間になるでしょう。

  明日から「葉っぱ塾」の子どもキャンプです。今日は最後の準備に追われそうです。天気はどうでしょうか?




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