2012年08月22日
飯豊連峰・朳差(えぶりさし)岳ツアー報告(2)
<日の出前の蔵王連峰>
2日目(20日)朝、まだ暗いうちに起きだしてみると、東の空に金星がとても明るく輝いていました。風もほとんどなく、雲ひとつない快晴でした。蔵王連峰の方角がきれいに赤く染まっています。
<雲海に浮かぶ山々>
下界は雲海に沈んでおり、地平線近くは霞があって、この写真のいちばん奥のほうに、かすかに朝日連峰が見えています。山小屋に泊まった人だけの特権のような光景に、ただただ見とれていました。
<ご来光!>
みなで朝食を始めてまもなく、ついに日の出。太陽は蔵王連峰の中央部、刈田峠付近から顔を出しました。
<朝日を浴びながらの朝食>
朝食は、朝の赤い光を浴びながらとなりました。ご飯や味噌汁をしっかり摂って、この日の行動に備えるのです。
<朝日を浴びる朳差岳>
朳差岳の東側の斜面が、朝陽に照らされています。残雪豊富な時期に見たら、きっと山全体が朱鷺色に染まるはずです。今度はそんな時期に訪ねてみたいものです。
<地神北峰付近から振り返る朳差岳と頼母木小屋>
6時過ぎに頼母木小屋に別れを告げて出発。帰りのルートである丸森尾根の分岐がある地神北峰までいったん登りとなります。
1時間10分ほどかけて、ゆっくりと200m近い標高差を登り、振り返ると、朳差岳と頼母木小屋が一つの風景の中に収まっています。
この朝地神北峰まで歩いたことで、私が歩いた飯豊連峰のルートがつながりました! 南の川入登山口から、三国岳、飯豊本山、御西岳、梅花皮(かいらぎ)岳、北股岳、地神山、頼母木山、大石山、そして朳差岳と、飯豊の主稜線を全て踏んだことになりました。
<可憐な花、イイデリンドウ>
見られるかどうか心配だったイイデリンドウを見つけました! このあたりは、飯豊連峰の御西岳付近とならんで、イイデリンドウが多いと聞いていました。朝まだ早いためか、開いているものはそれほど多くはありませんでしたが、すっきりした5枚花弁の小さな花があちこちに見られました。
地神北峰にザックを置き、近くの地神山まで往復。地神山は標高1850mで、2日間の私たちのルート上の最高点です。道の両側はすばらしいお花畑で、空身で散策するのは気持ちよいものです。
<丸森尾根上部のニッコウキスゲ>
地神北峰からは、標高差およそ1400mの丸森尾根をひたすら下ることになります。その上部は高山草原になっており、ニッコウキスゲ、キンコウカ、イワイチョウなどが咲いていました。すでに花期は終わっていましたが、チングルマの群落もいたるところにあります。
<岩場を慎重に下る>
丸森尾根では今月に入って事故があったばかりです。急峻な尾根道、しかも下りでは、とりわけ慎重な行動が必要です。ガイドとしては最も気を使う岩場も尾根の下部にあって、最後まで気の抜けないルートでした。
12時20分、わたしたちはついに飯豊山荘前の舗装道路に降り立ちました! 下界は30℃を超える猛暑でした。しかし、ゲストのみなさんの表情は、2日間歩き切った満足感に溢れた、さわやかな表情でした。
飯豊の中でも、私には格別思い入れのある朳差岳。「えぶり」という字が、木偏に「八」。まるで「八木さんの山」みたいではありませんか! そんな山を、一緒に歩いていただいたゲストの皆様に、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
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この記事へのコメント
1. Posted by kiyoko_osawa 2012年08月22日 06:25
朝焼け、日の出、その中で外での朝食はどんなにか美味しいことでしょう。お花畑の中も歩き、皆さん楽しまれたことでしょうね。
ガイドとして、見えないところでお気を使われたことと思いますが、皆さんがそれを忘れているくらいがいい、というお言葉、深いな、と思いました。そのような心映えのヤギおじさんのようなガイドさんなら安心して山に登れますね。
ガイドとして、見えないところでお気を使われたことと思いますが、皆さんがそれを忘れているくらいがいい、というお言葉、深いな、と思いました。そのような心映えのヤギおじさんのようなガイドさんなら安心して山に登れますね。
2. Posted by 葉っぱ塾より 2012年08月22日 09:12
夕焼け、星空、ご来光というのが、山小屋泊まりの三点セットかもしれません。それらを全て満喫できた今回の登山でした。いつもながら、ゲストの皆様には申しわけないようですが、一番楽しんだのは私かもしれません。