2018年06月01日

☆★それぞれの“小さな抵抗”を問い続けよ〜亡き伯父からのメッセージ

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<岩波現代文庫『小さな抵抗』>


  5月31日の朝日新聞『天声人語』は日大アメフト部の問題を取り上げていましたが、その前半で渡部良三著『小さな抵抗』のことに触れていました。

  中国戦線において捕虜の虐殺を命じられたとき、ただ一人上官の命令に抗い、キリスト者としての信念を貫いた勇気の人は、私の母方の伯父です。

  伯父は2014年4月に他界しましたが、その著書が私の知らないところで読まれ、こうしてその内容が紹介されるのは、縁者として嬉しいことです。

  今回、大学スポーツの場で起こった不祥事の関係者だけでなく、今の政治家や官僚たちにもぜひ読んでほしい一冊です。

  人が人であるのはどういうことであるのか。

  「悪事」を前にしたとき、私たちは何に基づいて行動すべきなのか。

  自分にできる “小さな抵抗” は何か。

  著者が亡くなってもなお『小さな抵抗』は、人々が自らに問い続けることを励ましているような気がします。


   ※歌集『小さな抵抗』はもともとは自費出版で少ない部    数発行されたものでした。



   ■朝日新聞『天声人語』 2018年5月31日


  本の題名は『小さな抵抗』だが、その時にはとてつもなく大きな抵抗だったに違いない。
 
  著者の渡部良三さんは学徒兵として出陣し、中国の部隊に送られた。みなで朝食をとっていた最中、上官から言われた。

  今日は捕虜を殺させてやる、と。

  度胸をつけるため中国兵を突き刺せという国際法無視の命令である。

  「おどおどして分隊長に恥をかかせたりしない様にな」と言われ、みなが従う。

  しかしキリスト者の渡部さんは拒み、私刑の痛みに耐える日々が始まった。

  渡部さんは当時のことを多くの短歌に詠んだ。

 <「捕虜殺すは天皇の命令(めい)」の大音声 眼するどき教官は立つ>

 <「捕虜一人殺せぬ奴に何ができる」むなぐら摑むののしり激し>

 <酷き殺し拒みて五日露営の夜初のリンチに呻くもならず>

  
  旧日本軍を引き合いに出すのは、不適切と思われるか。

  しかし日大アメフト部の問題を見るにつけ、重なる部分を感じてしまう。

  独裁的な監督のもと、異常な指示がなされ、強いられる構図があった。

  救いは、タックルをした選手が自ら口を開いたことか。

  「プレーに及ぶ前に自分で正常な判断をするべきだった」と悔いる姿は、重い呪縛から解放されたように見えた。

  選手たちは「監督やコーチに盲目的に従ってきた」と自らを省みる声明を出した。
 
  監督とコーチ一人は事実上の永久追放になる。

  戦犯を罰し、胸をなでおろす。

  それだけの結末にしてはいけないと思う。

  私たちの抱える闇が、ふっと表れただけかもしれないから。





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