おのくん
2021年02月14日
☆★今年も運んだ啓翁桜〜陸前高田、東松島へ
<被災地へ山形の啓翁桜>
昨夜(13日)の地震、みなさんの地域では被害はありませんでしたか?
長い揺れで驚きましたが、こちらは被害はありませんでした。
福島や宮城沿岸部のみなさんは、大丈夫でしょうか?
まもなく東日本大震災から10年になります。
「節目」ということなのか、最近、新聞にも震災のことが取り上げられています。
2月13日、山形特産の啓翁桜を車に積んで、陸前高田と東松島をまわってきました。
大震災から1か月ほどたった頃、被災地にお手伝いに入ったとき、あちこちで桜の花が見事に咲いていました。
しかし、多くのみなさんは、桜の花をゆっくり愛でるような状況ではありませんでした。
そんなこともあって2012年の春から啓翁桜をお届けするようになって、今回が10回目になります。
<お元気な吉田正子さん(右)>
自宅を午前6時過ぎに出発し、一路陸前高田へ。
三陸道がずいぶん伸びていました。
気仙沼市内の10キロあまりの区間がまだ高速がつながっていませんでしたが、以前は5時間近くかかっていたのに、この日は3時間40分あまり。
陸前高田で「花っこ畑」を開いておられる吉田正子さんのオープン・ガーデンは、温かな日差しが降り注ぎ、スミレの仲間が花を咲かせていました。
吉田さんのお仲間も集まっておられて、にぎやかなお茶っこタイムを過ごしました。
パッチワークや、端切れを使った袋物の製作にも取り組んでおられ、そうしていつも「誰かのために」と思いながら日々を過ごしておられることが、吉田さんの活力の源なのかもしれないと思ったところです。
<「空の駅」にも『あのひのこと』>
東松島では、ボランティアの際にお世話になったKさん、洋菓子屋『ジュリアン』さん、そして「空の駅」などを回りました。
あの大震災のときの被災の程度はそれぞれ違っても、津波の爪痕を目の当りにしながら人々が心を寄せ合っていたことは、共通の思い出になっていました。
お訪ねした先々に、葉祥明さんの絵本『あのひのこと』を手渡してきました。
私は、震災から10年を「節目」とすることには、どうも気持ちが重なりません。
時間の経過とは別の次元で、必要とされていることのほんの少しだけでもお役に立ちたいと小さな取り組みを続けてきましたし、それはまだまだ続けてゆこうと思っています。
「10年」は節目でもなんでもなく、通過点に過ぎません。
往復で530kmあまりのドライブは、春が近いことを思わせる青空に恵まれました。
☆「葉っぱ塾メニュー2021」
☆「葉っぱ塾」のスノーシュー・イベント日程!
☆四刷! やぎりんの『わくわくオーケストラ楽器物語』!
☆「葉っぱ塾」のリーフレットできました!
※配布にお力添えください。
☆「葉っぱ塾」の応援の取り組み
☆このブログの History View はこちら。
※コメントの書き込みは下の↓Commentsをクリックください。
happajuku at 05:30|Permalink│Comments(0)│
2018年11月08日
☆★久々の陸前高田、東松島訪問
<「奇跡の一本松」遠景>
「立冬」だった11月7日、山形の旬の果実ラフランスの箱をたくさん積んで、陸前高田と東松島に向かいました。
陸前高田を訪ねるのは昨年の秋以来、東松島は今年の2月以来です。
津波被害の後片付けのお手伝いがきっかけで通い始めて、もう7年が経っています。
初めて訪ねた頃は被災した建物がまだあちこちに見られたのに、今はどこに何があったのか全くわからなくなっています。
<満開だったイソギク>
新たに造成された陸前高田の旧市街地は、少しずつ商業施設の建物が建ち始めていました。
ダンプカーが行きかう道路を走りながら、旧市街地のはずれにある「花っこ畑」に向かいました。
畑の外側を縁取るように、イソギクの黄色い小さな花がたくさん咲いていました。
<「花っこ畑」の吉田さんたち>
私が着いたときには、ご自宅に急な来客があって不在だった吉田正子さん(右から二人目)も、しばらくして戻って来られ、しばらくぶりの対面となりました。
ご主人の具合が気になっていたのですが、先月28日にお亡くなりになったと聞き、驚きました。
吉田さんは、「命の最後の一滴まで使い切ったような最期でした」とおっしゃっていました。
長い介護の期間を振り返りながら、ある意味、ご自身の役割を存分になし終えたとも思えるような穏やかな表情をしておられた吉田さんの顔が印象的でした。
初七日が数日前に終わり、ようやく一段落されたところにお伺いしたというわけです。
「花っこ畑」で何度かお目にかかったご主人の柔和なお顔を思い出し、お悔やみの言葉をお伝えしました。
帰り際、「葉っぱ塾」への募金をいただきました。
大きな災害に見舞われたみなさんが、他の方々への思いをこうして伝えてくださるということに、経過した時間の重みを感じました。
しかしまだ、一部の方々が仮設住宅で暮らしておられると聞きました。
完全な復興まではまだ途上ということです。
<帰りに立ち寄った「空の駅」>
帰り道は、気仙沼を経由し、東松島に寄ってラフランスをお届けしてきました。
三陸自動車道が仙台から南三陸町の歌津までつながっていました。
何十回も通った「小野仮設住宅」は昨年閉鎖され、「おのくん」作りや販売は陸前小野駅脇の「空の駅」で行われています。
「おのくん」の人気は相変わらずのようで、宅配便の袋や箱に入って発送を待つ「おのくん」がたくさん積んでありました。
7年半の中で変わったもの、変わらないものがそれぞれあります。
私にできることは変わらずにかかわり続けることしかありません。
ずっと昔からの知り合いだったような関係をこれからも続けてゆこうと考えています。
お目にかかった皆様、ありがとうございました。
☆今年も開講「スクールインタープリター養成講座」 in 山形大学
☆好評、三刷! やぎりんの新著『わくわくオーケストラ楽器物語』!
☆「葉っぱ塾」のリーフレットできました!
※配布にお力添えください。
☆「葉っぱ塾の被災地支援活動中間報告」
☆このブログの History View はこちら。
※コメントの書き込みは下の↓Commentsをクリックください。
happajuku at 05:00|Permalink│Comments(0)│
2018年02月12日
☆★啓翁桜を東松島へ! 東松島からは「おのくん」が!
<11日連れ帰った「おのくん」たち>
11日、今年になって初めて東松島に行ってきました。
「おのくん」を3人お連れしましたので、もしご希望の方はご連絡ください。
早い者勝ちです。
里親になるために、1000円かかります。
手渡しまたは宅配便でお送りすることになりますが、送料はご負担ください。
【連絡先】 葉っぱ塾 八木
電話 090-5230-8819
happa-fy★dewa.or.jp
(送信の際は★を@に変えてください。)
この日の目的は、山形の啓翁桜をお届けすることでした。
「ボランティア支援募金」を活用して2012年からお届けを始めて今回で7回目となります。
陸前高田には、今回は宅配でお送りしました。
東松島では「おのくん」や関連グッズを販売している陸前小野駅前の「空の駅」や、ボランティア活動の際にお世話になった宮戸島の美容院のOさん宅、海苔を生産しているみなさんの加工販売所、そして「森の休日」にお菓子を届けてくださっている洋菓子屋さんなどに毎年お届けしています。
個人のお宅でなく、こうしたところにお持ちしているのは、できるだけ多くの方々に春を感じていただきたいからです。
<「空の駅」前での武田さん、今泉さん>
10日夕方、山形県高畠町で啓翁桜を栽培しておられるNさん宅に受け取りに行き、11日朝、天候が荒れないうちにと、家を朝6時半には出発。
渋滞にも悪天候にも遭わず、無事に全てのところにお届け完了しました!
きょう運んだ啓翁桜は、つぼみが赤みを帯びてかなり膨らんでいました。
車の温度が高いと咲き進んでしまう恐れもあったために、暖房を控えめに設定し、ダウンジャケットを着込んで車を走らせました。
めったに雪が降らない東松島ですが、先月末の大雪がまだあちこちに消えずに残っていました。
もう1か月で、7年目の3月11日です。
山形の啓翁桜が、みなさんの心にも春を感じさせてくれますように、と願っています。
☆「葉っぱ塾」のリーフレットできました!
※配布にお力添えください。
☆「月と季節の暦」(2018年版)完成しました。
☆「やまがた冬のあった回廊」ホームページ
☆好評、重版! やぎりんの新著『わくわくオーケストラ楽器物語』!
☆「葉っぱ塾の被災地支援活動中間報告」
☆このブログの History View はこちら。
※コメントの書き込みは下の↓Commentsをクリックください。
happajuku at 05:00|Permalink│Comments(1)│
2017年09月27日
☆★閉所直前の小野仮設住宅〜「感謝祭」用のもち米を運ぶ
<9月30日に「感謝祭」の小野仮設住宅>
東松島市の「小野仮設住宅」が、いよいよ閉所されることになり、この30日に「感謝祭」を開くと聞いていました。
30日は「葉っぱ塾」の大朝日岳登山を予定しているために、26日にお伺いしてきました。
ここに仮設住宅ができて6年。
私がここに通い始めたのは東松島のKさんの紹介で、仮設開設まもなくのころでした。
<山形から運んだもち米とリンゴ>
「何か必要なものはありませんか?」とお尋ねしたところ、「感謝祭でお餅をつきたいからもち米を!」とのお申し出があり、この日は30キロのもち米と、白鷹町のリンゴを車に積んで伺ったのです。
かつて仮設住宅が建ち並んでいたところは、今は一部のプレハブ住宅を残して「復興住宅」が建ち並んでいます。
東松島市内の他の仮設も、今年中にはほぼ解消されるとのことです。
震災から6年半。
長かったのでしょうか? 短かったのでしょうか?
人によって思いは様々なのかもしれません。
<絶えないお客様と武田さんたち>
「葉っぱ塾」では2011年5月から12年春ぐらいまでは、津波被災地の後片付けのお手伝いを行ってきました。
その後この仮設住宅でソックス人形「おのくん」が作られるようになると、材料の靴下や綿の提供を続けてきました。
さらにはたくさんの「おのくん」を山形に連れ帰り、多くの皆さんに里親になっていただきました。
「支援」という言葉では正確には現すことができない親密な関係が出来上がり、この集会所に伺うたびに、古くからの知人に会うような不思議な感覚になるのでした。
この集会所がなくなっても、小野駅前の「おのくんハウス」で「おのくん」の里親になることができるとのことです。
これで東松島に通うことが終わるわけではありませんが、心の中では「一つの区切り」という感じです。
<新しい野蒜の住宅街>
帰り道は、新たな野蒜駅周辺に造成された住宅街の中を通ってみました。
まだまだ建設途上の家も多いですが、すでに庭の手入れがなされているお宅もありました。
仮設で作られた「一時的な」コミュニティが、それぞれの場所で今後どんなふうに変化して行くのか、みなさんの心の奥底までは知ることはできませんが、大災害を潜り抜けた強さでこれからの人生を歩んでいかれるはずです。
<わが家で待機中の「おのくん」4人>
今回は、4人の「おのくん」を連れ帰りました。
わが家で皆さんからの里親のお申し出をお待ちしています。
いずれも1000円で里親になることができます。
ただし、写真の「金麦」は大きさの目安として置いたもので、「おのくん」に付属するものではありません。
☆「木星音楽団長井公演」は10月14日!
【チケットのお申し込み】 葉っぱ塾 八木
電話090-5230-8819
happa-fy★dewa.or.jp
(送信の際は★を@に変えてください。)
☆やぎりんの新著『わくわくオーケストラ楽器物語』発売!
☆「葉っぱ塾の被災地支援活動中間報告」
☆このブログの History View はこちら。
※コメントの書き込みは下の↓Commentsをクリックください。
happajuku at 05:05|Permalink│Comments(0)│
2017年09月08日
☆★小野仮設住宅いよいよ閉所〜30日感謝祭!
<小野仮設住宅閉所イベントのチラシ>
7日午後、東松島のKさんから連絡が入りました。
「小野仮設住宅」のお別れのイベントがこの30日に行われるとのことでした。
この春桜を届けたときに尋ねた際、「秋ぐらいまでかな」と代表の武田さんがおっしゃっていました。
高台などに新しい家が建てられ、それぞれそこで新しい生活が始まっていました。
仮設住宅のいくつかが取り壊された跡に、復興住宅が建ち並んでいました。
「仮設」住宅がいつまでも続くはずはないことはわかってはいたことですが、喜びとともに、少しの寂しさを感じています。
<わが家に待機中の「おのくん」>
そこに伺えば、いつも誰かが「お帰り!」などと声をかけてくださっていた場所。
「おのくん」を介して、多くの人々がこの地で起こった大災害に心を寄せてきました。
このチラシにある30日には私は伺うことができないので、その前に一度行ってみようと考えています。
Kさん、お知らせありがとうございました。
☆「木星音楽団長井公演」は10月14日!
【チケットのお申し込み】 葉っぱ塾 八木
電話090-5230-8819
happa-fy★dewa.or.jp
(送信の際は★を@に変えてください。)
☆やぎりんの新著『わくわくオーケストラ楽器物語』発売!
☆「葉っぱ塾の被災地支援活動中間報告」
☆このブログの History View はこちら。
※コメントの書き込みは下の↓Commentsをクリックください。
happajuku at 05:18|Permalink│Comments(0)│
2016年11月22日
☆★頼もしい若者たちの被災地応援活動〜「おのくん」名古屋へ!
<名古屋に旅立った「おのくん」たち>
「葉っぱ塾ボランティア支援募金」に毎月ご協力を続けてくださっている名古屋のHさんから、「おのくん」30人を送ってほしいと依頼されていました。
先週東松島の小野仮設住宅を訪ねた際に無事にその「おのくん」たちを受け取り、名古屋に向けて送り出しました。
日曜日に無事に到着したとご連絡をいただきました。
Hさんが講師を務めておられる私立の高校では、年末に復興支援の行事があって、そこで「おのくん」の里親を探してくれるのだと聞いています。
私が「おのくん」を送り出したのは確かこれで3回目ではなかったでしょうか。
東日本大震災からもう5年半以上も経ちますし、被災地からは遠く離れた名古屋の高校生たちですのに、こうした取り組みを継続しているのは素晴らしいことだと感じます。
私たちの国が、いったいどのような国になってしまうのか、日々のニュースに憤ったり、愕然としたりすることが多いのですが、こうした若者たちがいることは、希望です。
願わくば、いつか被災地を訪ね、震災の爪痕や、そこからの復興の状況を自分の目で確かめてみてほしいものです。
☆「葉っぱ塾の被災地支援活動中間報告」
(Yamagata1)
☆このブログの History View はこちら。
※コメントの書き込みは下の↓Commentsをクリックください。
2012年09月17日
葉っぱ塾被災地訪問ミニ・ツアー
17日、 仙台市内の親戚宅で朝を迎えています。
16日は、宝塚からOさんが、東京からYさんがおいでくださって、松島で合流。東松島市内の小野仮設住宅と、「森の休日」にお菓子を提供くださっている洋菓子店「ジュリアン」さんを訪ねました。
<「おのくん」製作中>
小野仮設では「おのくん」づくりが進められていて、お二人ともお気に入りの「おのくん」を購入したあと、作っておられた方々とゆったりと交流しました。
「葉っぱ塾」からはここでインターネットを使ってゆくための経費の足しにと「ボランティア支援募金」から拠出し、お渡ししてきました。
<「ジュリアン」さんでいただいたケーキ>
「ジュリアン」さんでは、「森の休日」に送っていただいたお菓子が子どもたちに喜ばれている様子をお伝えしてきました。
今日はこれから陸前高田の「希望の庭」に向かいます。
※コメント書き込みは下の↓Commentsをクリックください。
16日は、宝塚からOさんが、東京からYさんがおいでくださって、松島で合流。東松島市内の小野仮設住宅と、「森の休日」にお菓子を提供くださっている洋菓子店「ジュリアン」さんを訪ねました。
<「おのくん」製作中>
小野仮設では「おのくん」づくりが進められていて、お二人ともお気に入りの「おのくん」を購入したあと、作っておられた方々とゆったりと交流しました。
「葉っぱ塾」からはここでインターネットを使ってゆくための経費の足しにと「ボランティア支援募金」から拠出し、お渡ししてきました。
<「ジュリアン」さんでいただいたケーキ>
「ジュリアン」さんでは、「森の休日」に送っていただいたお菓子が子どもたちに喜ばれている様子をお伝えしてきました。
今日はこれから陸前高田の「希望の庭」に向かいます。
※コメント書き込みは下の↓Commentsをクリックください。
2012年09月16日
「おのくん」と長井葉山へ
<「展望台」から遠く吾妻連峰を望む>
15日の朝、静かに山行きの準備をしていましたら、「おのくん」が、「どこへ行くの?」と聞きます。この前の大朝日岳登頂ですっかり山人気分の「おのくん」、私の動きを見逃しませんでした。
「おのくん」は私の部屋の引き出しで見つけた細紐で簡易ハーネスのようなものを作り、小さなカラビナまで下げていました。すっかりクライマー気分です。「長井の葉山はそんなものいらないよ」と言っても、こだわりがあるようで、それを手放そうとしませんでした。
毎年20回近くも登っている葉山には、5月に登って以来行っていませんでしたので、じつに4か月ぶりでした。「鉾立(ほこだて)清水」の水も汲みたかったので、空のペットボトルを数本背負い、8時半ごろ家を出ました。
<「おのくん」葉山の「奥の院」登頂(後方が祝瓶山)>
勧進代の林道のゲートの鍵をお借りしているので、この日はちょっと楽をさせてもらいました。昭和堰ルートを迂回して、およそ2時間で「奥の院」へ。山でよく出会うMさんが先着しておられました。風もさわやかで、いいお天気。
「おのくん」は、ここからの大展望に感激した様子。「あの三角山は何?」と聞くので、「祝瓶山(いわいがめやま)だよ」と教えてあげました。「あそこにも登りたい!」だそうです。もう山中毒になりかけています。
<山頂の葉山神社で>
実は、「奥の院」は眺望はよいけれど、山頂ではありません。そこから10分ほど歩けば、葉山山荘と葉山神社、月山神社の祠が建っている山頂です。
途中にある「御田代湿原」に寄ってみて驚いたことがあります。地元の人々が豊作を祈願して6月に植えたイネが育ち、穂をつけていたのです! いつもの年であれば、標高1200mのこの場所では、イネが稔らないのです。いかにこの夏が猛暑であったかということの反映です。
2つの祠では、ナラ枯れやブナ枯れが広がっているので、それが収まればいいなと願ってみました。「おのくん」はきっと故郷の東松島の一日も早い真の復興を願ったのではないでしょうか。
その後、「鉾立清水」へと少し下ります。その水量の細さにはびっくりしました。葉山に通い始めて20年近くなりますが、これほど水量の少ないのは初めてです。やはり雨が極端に少ないのです。1リットルの水が溜まるのに1分ほどかかりました。
<遊ぶ雲と色づく田園>
登るときは空っぽだったペットボトルに水が入り、15キロを超える重量になったザックを背負い、下りにかかります。途中、「展望台」まで下ってくると、まもなく収穫を迎える水田地帯が、美しく輝いていました。空には親子連れのような雲が散歩しているように見えています。
下山後、お世話になっている何人かの方に清水の水をお届けしてまわりました。
「おのくん、どうだった?」と聞きますと、一言「楽しかった」だそうです。部屋にある山の本を見つけられたら、あっちへこっちへとうるさくなりそうなので、隠しておかねばなりません。それでも、月山と祝瓶山は約束させられてしまいました。みなさん、当面は月山。29日です。「おのくん」と一緒にいかがですか?
※コメント書き込みは下の↓Commentsをクリックください。
2012年09月14日
「おのくん」大朝日岳登頂成功!
<二十七日の月と金星>
しばらく前から「おのくん」(東松島市の小野仮設住宅の女性たちが生み出したキャラクター)に、山に連れて行ってほしいとせがまれていました。なにせ彼に使ってもらっている部屋には私の山道具がたくさんあるので、それを毎日見ているからかもしれません。大好きな大朝日岳に13日、一緒に登ってきました。
この日明け方前の東の空には、二十七日の月と金星が接近して昇ってきていました。写真はちょっとぶれていますが・・・。
<尾根の途中で日の出を迎える>
古寺鉱泉の駐車場は30台近い車がとまっていました。平日にしては多いなという気がしました。準備運動をして5時半前に出発。「おのくん」の分まで荷物を背負ったので、日帰りにしてはちょっと重いザックでした。
尾根に出てしばらくのところで、隣の尾根の陰から太陽が出てきました。「おのくん」はいつもは朝寝坊なので、日の出を見るのは珍しいようです。
<サラシナショウマとイブキゼリ?>
この時期花はそう多くはないですが、「一服清水」付近にナガバキタアザミ、少し登るとサラシナショウマやイブキゼリ(?)がありました。セリ科はちょっと自信がありません。「おのくん」は、花があるたびに「この花は?」と聞いてきます。興味があるようです。
<紅葉始まったオオカメノキ>
空身の「おのくん」のペースは快調です。こちらは重いザックを背負ってやや息が上がり気味。トレーニングのつもりでがんばりました。まだ緑の多いブナの森ですが、気の早いオオカメノキやナナカマドが、はっとするような色合いを見せてくれます。
<雲海に浮かぶ月山(左)と村山葉山(右)>
次第に樹高が低くなると展望も開けてきます。振り返ると雲海の上に月山と村山葉山が浮かんでいました。「おのくん」は雲海を見るのは初めてなので、人の世界があの下にあるということが信じられないという表情で見ていました。
<古寺山から見た大朝日岳(左)と中岳(右)>
古寺山で大朝日岳をはじめとする主稜線の展望があります。夏の名残りのこの時期ですが、空気がすっきりと澄んでいました。初めて目にする大朝日岳に、「おのくん」もしばし無言でこの風景を眺めていました。
<今年もブナ枯れが広がっている>
残念だったのはブナ枯れが今年も広がっていること。とりわけ日当たりの良い部分の葉は、ウエツキブナハムシによって食い尽くされていました。
<真っ盛りのオヤマリンドウ>
「銀玉水」までの長く緩やかな稜線上は、オヤマリンドウが真っ盛りを迎えていました。7月にここはヒメサユリ・ロードだったところです。「おのくん」は、次々と現れる群落を目にするたびに「うゎー」と歓声をあげます。
<近づく山頂>
銀玉水が近づいてくると、大朝日岳の山頂もすぐそこに見えてきます。山頂が見えてくると益々「おのくん」のペースが上がります。
<わずかに残る雪と金玉水付近での工事>
銀玉水は水が細くなっていましたが、その冷たさは変わりません。しっかり給水して、最後の急坂を登りきると、中岳の眺望が開けます。わずかに雪が残っていました。あれだけの雪がようやく溶け終えようとしています。
その左手の裸地付近では、環境省委託による土砂流出防止の工事中とのことです。十名以上の工事関係者が週始めから作業しておられるとのことでした。山が好きなわけでもないのにこうしたところに派遣されてくる関係者の方々、ご苦労様です。
<山頂手前から見た飯豊連峰>
大朝日小屋にザックをおろし、いざ山頂へと向かいます。南の飯豊連峰方面は雲がところどころに湧き上がっていて、全体像は見ることができませんでしたが、これもまた風情のある風景です。
<「おのくん」ついに大朝日岳登頂!>
古寺鉱泉駐車場を出て4時間あまりで、ついに「おのくん」は山頂に立ちました! 初めての登山にしてはなかなかいいペースでした。でも、空身ですからね。私はと言えば、足がつりそうでした。「おのくん」登頂おめでとう!
360℃の大展望に、「おのくん」は「おお!」と言っただけでただただ沈黙。よほど感激したようでした。見回すと、月山が見えていて、「今度はあの山に登りたい」とのこと。「それでは29日の月山登山に申し込みしなくてはね」と答えておきました。みなさんも「おのくん」と一緒に月山いかがですか? 29日です。
<小屋番の阿部さんといっしょに>
小屋に戻って小屋番の阿部さんとしばし話をしました。週末だから登ってきたのかと思ったら、お盆に3日間だけ交代してもらったほかは、ずっと小屋におられるとのこと。頭が下がります。小屋の外壁の水漏れ防止作業を進めておられました。
「おのくん」を交えて話をしているところに登ってきた高橋金雄さんにシャッターを切っていただきました。高橋さんは昭文社の朝日連峰の山地図の編集者です。その取材で来られたとのことでした。
登る途中では、何度も「葉っぱ塾」の山の行事に参加してくださったベテランの方々とすれ違いました。また、下山の途中では「アウトドア義援隊」仲間のAさんともすれ違いました。出会いも嬉しいこの季節の山です。
本格的な紅葉の時期はまだ少し先ですが、山を登るにはほどよい気候になってきました。月末には稜線の紅葉が始まりそうです。
古寺ルートの2番目の水場「三沢清水」ですが、この日は水が出ていませんでした。阿部さんが忙しくてなかなか下りて行けないのだとおっしゃっていました。登る方は、「水が出ていない」つもりで行動なさってください。
※コメント書き込みは下の↓Commentsをクリックください。