八合目
2023年08月03日
☆★久しぶりの月山縦走〜仙台からのツアーをご案内
<風景を撮るみなさん>
7月22日に鳥海湖、御浜小屋までの登山をガイドした仙台T社からは、8月2日の月山のガイドも依頼されていました。
このツアーは、月山の姥沢から入り、山頂を経由して鶴岡市側の月山八合目までを縦走するというものでした。
この前日、旅行社の担当者との電話で、もし途中で戻らなければならない人が出た場合の対応について様々話し合ったのは、下界では「熱中症警戒アラート」が出されている暑さのことも考慮してのことでした。
しかし、結果的に私のそんな心配は杞憂に終わりました。
参加されたみなさんは、山の涼しさのおかげもあってか、元気に最後まで歩き通されました。
<キオンの見事な群落>
「葉っぱ塾」で姥沢からの往復で歩いた日から1週間ほど経っていたわけですが、この短い間にも咲いている花々は移り変わっていました。
また、リフトの下のヨツバヒヨドリ群落ではたくさんのアサギマダラを見ることもできました。
<ハクサンフウロの姉妹>
途中ではみなさんに咲いている花々の写真をたくさん撮っていただきました。
時間を気にして先を急ぐばかりでは、せっかくの花の月山をお楽しみいただけませんから。
また、みなさんは山頂神社への参拝を楽しみにしておられました。
今年の月山は「卯年御縁年」。
参拝すれば12年分のご利益があると言われているからです。
休日は神社前が大渋滞と聞いていましたが、平日でしたので、参拝もそれほどの混雑はありませんでした。
<トウヤクリンドウ>
山頂を越えて八合目に向けて歩いたのは数年ぶりだったでしょうか。
ハクサンイチゲがたくさん見られたのは雪が遅くまで残っていたからということでしょう。
また、姥沢からの登りでは見られなかったトウヤクリンドウも、登山道脇に見つけることができました。
<出羽三山の焼き印コンプリート!>
お客様の中には、金剛杖に焼き印を押していただくことを楽しみにしておいでになった方もおられました。
この日は山頂神社と下山した中の宮での焼き印をいただき、出羽三山全ての焼き印が揃ったそうです。
こんな山の楽しみ方も面白いです。
<トウゲブキ>
この日みなさんと見た花々を列挙しておきたいと思います。
アオノツガザクラ、アカモノ、イワイチョウ、イワオトギリ、イワカガミ、ウゴアザミ、ウサギギク、ウズラバハクサンチドリ(花は終わっていた)、ウラジロヨウラク、エゾシオガマ、オニシモツケ、キオン、キバナノコマノツメ、キンコウカ、クロヅル、コバイケイソウ、コバギボウシ、コメツツジ、コメバツガザクラ、ゴゼンタチバナ、シラネニンジン、シロバナトウウチソウ、ズダヤクシュ、タカネアオヤギソウ、チングルマ、トウゲブキ、トウヤウリンドウ(当薬竜胆)、ナナカマド、ナンブタカネアザミ、ニガナ、ニッコウキスゲ、ネバリノギラン、ノリウツギ、ハクサンイチゲ、ハクサンシャクナゲ、ハクサンシャジン、ハクサンフウロ、ハクサンボウフウ、ヒトツバヨモギ、ヒナウスユキソウ(エーデルワイスの一種)、ヒナザクラ、ベニバナイチゴ、ホソバイワベンケイ、ホソバノキソチドリ(?)、マイヅルソウ、マルバシモツケ、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマコウゾリナ、ミヤマコゴメグサ、ミヤマシオガマ、ミヤマシシウド、ミヤマダイモンジソウ、ミヤマトウキ、ミヤマホツツジ、ミヤマリンドウ、モミジカラマツ、ヤマガラシ、ヤマハハコ、ヤマブキショウマ、ヨツバシオガマ、ヨツバヒヨドリ。
「他にもあったよ!」というものがありましたら、ご教示ください。
いつか「葉っぱ塾」のお客様として山をご一緒できることを心待ちにしております。
私の後ろを歩いておられたみなさんにはわからなかったでしょうが、私が一番楽しそうに歩いていたと思います。
ありがとうございました。
そして、お疲れさまでした。
☆7月〜11月の登山行事(参加者募集中!)
※追加行事あり!
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※配布にお力添えください。
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2014年07月26日
☆★月山八合目〜山頂〜湯殿山口 ガイド山行
<「二十九日」の月>
25日は村上市の団体から月山のガイドを依頼されていました。
待ち合わせは鶴岡市内。朝4時前には家を出て、その場所へと向かいました。
途中で東の空が明るくなってゆくとき、細い月と金星とが一緒に見えていました。地球までの距離が全く異なる二つの天体が、たまたま接近して見えることは、そう頻繁に起こることではありません。
人の世界でもそんなことがあるのでは? そうしばしば会うことのできない二人の関係が、特異だったり、素晴らしいものであったりするということが・・・。
あまりに美しい光景に、つい詩人になってしまいました。
<雨雲が去ったのは幸運!>
前日の予報はズバリ「晴れ」でしたが、当日になって、天候の回復が遅れていることがわかりました。
月山に向かう途中、山頂付近はずっと雲の中でした。
「月山八合目」に着いてみると、雨は上がっていましたが一面の霧でした。そして、風は強めに吹いていて、雨具を羽織る場面もありました。
<山頂付近はまだ雪の上歩き>
3時間半あまりかけて登った山頂付近にはまだたくさんの雪があります。
雪の感触を確かめるように進みました。
私のすぐ後ろを歩いてくださった女性は、いただいた名簿によれば78歳。そしてなんと、70歳から登山を始められたそうです!
しかもふだんは卓球を皆さんで楽しんでおられるそうで、登山の翌日も卓球に行かれるとのことで二度びっくりでした。
何かを始めようとするとき、遅すぎるということはない、ということですね。
<一瞬見えた山頂神社>
山頂では参拝、トイレ、昼食を含めて30分あまりを過ごしました。
山頂は西からの風が斜面を駆け上がって雲となり、なかなかすっきりとは晴れてくれませんでした。
一瞬見えた山頂神社を何とかカメラに収めました。
<あわや踏み抜き、スノーブリッヂ>
今回のツアーは湯殿山口に下るというものでした。
そのルートは最初はなだらかですが、沢を越え、後半は急峻な斜面を鉄梯子をつたって下るというルートです。
途中の沢にスノーブリッジができていました。沢を埋め尽くした雪が沢水で下からえぐられ、薄皮を張ったように表面だけ残っているのです。
おそるおそる私がまず渡って、慎重にルートを決め、一人ずつご案内したのですが、あと数人となったところのお一人が、雪を踏み抜いてしまいました。
幸い片足だけでしたが、この方は私が指示したルートを片足分はみ出ていました。そして、その足が落ちたのです。体ごと沢に転落しなかったのは幸運というしかありません。
<恐怖の鉄梯子>
後半は鉄梯子を下ります。両手を空けなければなりません。雨のときなど、転落事故が多い場所なので、ピリピリしました。
鉄梯子が終わっても、しばらく急峻な下りが続きます。
疲労もおありだったのでしょう、みなさんなかなか集中できなくなっていたのかもしれません。ちょっとしたことであわや転落、という場面が3回ほどありました。
口を酸っぱくして話をしても、沢水に音が消されて、なかなか伝わりませんでした。ゲスト20人にガイド一人という限界を感じました。
<めでたく湯殿山口に下山!>
最後は疲労困憊したゲストもいらっしゃいましたが、何とかケガもなく、無事に湯殿山入口の大鳥居までたどり着きました。
みなさん、たくさんの食べ物やおやつをお持ちでしたね。あまりにも多すぎることはなかったでしょうか? その点もぜひ再検討ください。
私も湯殿山ルートは久々でした。大いに「楽しみ」ました。みなさん、ありがとうございました。
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2014年07月24日
☆★わずかな時間に変化する高山植物〜月山
<「弥陀ヶ原」を歩くゲストのみなさん>
23日は、大阪H旅行社の月山ツアーの、今年3回目のガイドでした。
羽黒のビジターセンターで待ち合わせをして「月山八合目」までバスで登ってゆくと、50m先も見えないほどの霧で、強い風も吹いていました。
雨こそ降ってはこなかったものの、歩き始めても霧と風。9合目の「佛生池小屋」まで行って引き返すことにしました。
場所によっては立っているのも難しいほどの強風でした。
引き返したことで余った時間で、「弥陀ヶ原」の湿原をご案内しました。その頃には霧は晴れてきていて、ゲストのみなさんに広々とした高層湿原の様子を眺めていただくことができました。
<今年初めて会ったハクサンシャジン>
私は18日の2回目から5日ぶりにここを訪れたわけですが、花々の咲き具合がまた変化していました。
この日見た花を列挙しておきます。
アオノツガザクラ、アカモノ、イワイチョウ、イワオトギリ、イワカガミ、ウサギギク、ウラジロヨウラク、エゾアジサイ、キンコウカ、ゴゼンタチバナ、コメツツジ、ズダヤクシュ、チングルマ、トキソウ、ナンブタカネアザミ、ニッコウキスゲ、ネバリノギラン、バイカノミツバオウレン、ハクサンイチゲ、ハクサンシャクナゲ、ハクサンシャジン、ハクサンチドリ、ハクサンフウロ、ハクサンボウフウ、、ヒナザクラ、ベニバナイチゴ、マイヅルソウ、マルバシモツケ、マルバダケブキ、ミズバショウ、ミツガシワ、ミツバオウレン、ミヤマホツツジ、ミヤマリンドウ、モミジカラマツ、ヨツバシオガマ、ヨツバヒヨドリ、ワタスゲ
<見ごろ迎えたキンコウカ>
わずかな時間の中でも変化している植物たち。季節の変化を感じ取り、それぞれに精一杯咲いています。
この日のお客様の中には遠く九州からおいでになった方々も混じっていました。
まだ残る雪も珍しく、ましてやその上を歩くということも貴重な経験になったご様子でした。
山頂を極めることはできなかったのですが、それは山という自然の厳しい一面を味わえたとご理解いただきたいと思っております。
バスに乗って山道を下る途中で雨が降り出しました。その点でも、途中で引き返したのは正解だったと思います。
遠くから山形まで、ほんとうにありがとうございました。
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2014年07月08日
☆★遠くからのお客様と歩いた月山
<鶴岡市羽黒町から見た7日朝の月山>
7日は、先月末に下見に同行した大阪H旅行社のツアー第一陣の皆様が月山に登られる日でした。
登山リフトがまだ使えないということで、この回は鶴岡市側の「月山八合目」から山頂を往復することになっており、自宅からおよそ120kmあまりを運転し、羽黒山入り口にある「ビジターセンター」で待ち合わせでした。
天候が心配でした。午後からは雨との予報。朝の段階では曇ってはいたもののまだ高曇りで、すぐに雨が降り出す心配はありませんでしたが、午後遅くなればなるほど雨になる可能性がありました。
<「月山八合目」から山頂をめざして>
前夜は蔵王に登られ、天童温泉に宿泊されたゲストの皆様は、元気に到着されました。
聞けば、大阪だけではなく、長崎、佐賀、福岡、山口からのご参加もありました! 遠くからこの山形においでくださって、ほんとうにありがたいことでした。
お客様の中には山のベテランもいらっしゃいましたが、まだ服装や装備も不十分な初心者の方も混じっておられました。
そうした場合、ガイドとしてはほんとうに様々な神経を使うのですが、結果的に何事もなく山頂まで往復できたのは、天候が穏やかだったことに尽きます。
いくら夏山とはいえ、2000m近い山に登るとき、どのように備えるか。これは時として生死に関わることさえもあることを、主催する旅行社はもっと真剣に考えるべきではないかと思いました。
「スニーカーでも大丈夫です」とお客様に事前に伝わっていたことなどは、大きな問題を孕んでいます。
<咲き乱れるハクサンイチゲ>
月山の花々は、ゲストのみなさんを歓迎してくれました。
八合目に広がる「弥陀ヶ原湿原」から山頂に至るまで、途切れることなく春から夏の高山植物が咲いていました。
この日ゲストのみなさんと一緒に見た花を、思い出せる範囲でリストアップしておきます。
アオノツガザクラ、アカモノ、イワイチョウ、イワカガミ、ウサギギク、ウラジロヨウラク、キバナノコマノツメ、ゴゼンタチバナ、コバイケイソウ、コメツツジ、コヨウラクツツジ、ショウジョウバカマ、シラネアオイ、ズダヤクシュ、※スミレ(ミヤマツボスミレかアギスミレ?)、タニウツギ、チングルマ、トキソウ、ナナカマド、ナンブタカネアザミ、ニッコウキスゲ、ネバリノギラン、バイカノミツバオウレン、ハクサンイチゲ、ハクサンチドリ、ハクサンフウロ、ハクサンボウフウ、ヒナウスユキソウ(エーデルワイス)、ヒナザクラ、ヒメイチゲ、ベニバナイチゴ、マイヅルソウ、マルバシモツケ、ミツバオウレン、ミヤマカラマツ、ミヤマキンバイ、ミヤマヤナギ、ミヤマリンドウ、ヤマガラシ、ヨツバシオガマ、
<まだ雪が残る場所を横断するみなさん>
山頂に近づいたころ、雷鳴が腹に響くように聞こえてきました。ゲストのみなさんには、山頂神社での参拝、トイレなどあわただしかったのですが、下山を急ぎました。
八合目と山頂の間は、雪の上を歩く箇所が3か所残っています。いずれも急傾斜の登り下りではなく、緩やかな斜面の横断ですので、しっかりしたトレッキングシューズであればます問題なく通過できますが、スニーカーなどで登る方は十分な注意が必要です。
夕方5時を過ぎて「弥陀ヶ原湿原」に戻ったころから少し雨脚が強くなってきましたが、ほどなくバスに駆け込むことができました。
雨の影響が最小限だったことは奇跡的だったかもしれません。
<日本海の方角に沈みゆく夕日>
「月山八合目」から山道をバスで下り、車を置いた「ビジターセンター」に着いたのは、もう夕方の6時半に近づいていました。
山で「あれ? 車の鍵はどこ?!」と大慌てしたのですが、しっかり車に差し込んだままで、事なきをえました。
この日は湯野浜温泉に泊まられるゲストのみなさんをここでお見送りし、帰路につきました。
庄内平野を見おろす県道に出ましたら、日本海の方向に沈もうとする夕日が、ちょうど雲の切れ間から顔を出し、沈もうとしていました。
ゲストのみなさんもこの夕日をご覧になったでしょうか?
ぜひまた山形へ! そして一緒に朝日連峰、飯豊連峰などを登りましょう!
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