2006年12月24日

松下の成長戦略



松下の成長戦略、川上CFOに聞く――M&A、部材メーカーに関心。2006/12/07, 日本経済新聞 朝刊, 17ページ, 有, 1315文字


プラズマ、目標400万円台堅持
 松下電器産業の株価がさえない。二〇〇六年九月中間期の連結営業利益は二千七十三億円と十六年ぶりの高水準だったが、決算発表を境に売りが先行し、十月高値から一六%下げた。市場は薄型テレビの年末商戦、中期的な成長戦略などが不透明とみている。今後の戦略を最高財務責任者(CFO)の川上徹也副社長に聞いた。
 ――中間決算が計画を上回ったのに通期予想を据え置いた。これが下期への不安を強めたのではないか。
 「株価低迷の理由を我々が分析するのは難しいが、下期もプラズマテレビの販売及びシェアの確保に自信を持っている。公表している利益予想もきちんと達成したい」
 ――決算発表時にプラズマテレビの販売目標台数を引き下げた。
 「言葉が足りなかった。当初の販売目標四百万台をパネルの面積に当てはめると、大画面化が急速に進んだ今は三百七十万台分くらいに相当するという意味だった。大型化が進んでも台数ベースで四百万台の目標も堅持する。デジタルカメラも八百万台の目標を必ず達成したい」
 ――液晶テレビの大型化で競争は厳しい。価格下落も激しさを増している。
 「プラズマテレビ価格は上期に業界平均で二割ほど下がったが、松下は一三%程度だった。ただ、価格低下は予想よりも早く進んでおり年末商戦は激烈になる。業界で二五―三〇%程度下がるぐらいの見方をしておかなければならないだろう。国内勢だけでなく韓国も含めた液晶メーカーの攻勢が強い」
 「パネルサイズの大型化を一段と進めるほか、松下だけでなくプラズマ陣営全体を盛り上げるような努力をしていく。液晶に比べプラズマの方が製造工程が少なくリードタイムも短いため、コスト対応力が高い。価格競争は確かに激しいが収益はきちんと確保できる」
 ――手元の金融資産から有利子負債を引いたネット資金は前期末で一兆四千億円台。有効活用を求める声が出ている。
 「豊富な資金はこれまでの構造改革の成果だ。これを中核事業強化のため知財や技術、研究開発投資に振り向ける。M&A(企業の合併・買収)や株主配分にも充てる。私見だが、M&Aでは技術力があり収益性が高く、当社のコア事業と相乗効果を生み出せるような材料、部品メーカーなどに興味を持っている」
 ――中期戦略では来年一月の大坪文雄社長就任後初の経営方針発表に注目が集まっている。
 「大坪社長はプラズマやデバイスなど中核事業を徹底的に強くすると語っている。利益を伴って成長することが基本だ。新興経済国(BRICs)など海外での増販策や海外生産の効率化などが主要テーマ。最近は製品価格下落にコストダウンが追いつかない。いかに限界利益を高めるか、商品作りの段階から見直す作業も必要だ」
 ――今後の株主構成についてどう考えるか。
 「松下の株主構成は機関投資家や外国人投資家が中心で、個人は二割程度。他の電機大手と比較しても低い。個人は機関投資家とは違った投資行動をとるため、個人株主が増えれば株価が一方向に急激に動くことが少ない。個人株主が松下ファンになってくれれば購買面でもプラスだ。個人株主比率を高めるため、個人投資家向け広報活動もさらに充実させる」(佐久間庄一)



デスク型12月大口、パソコン用液晶、小幅安。2006/12/22, 日本経済新聞 朝刊, 27ページ, 有, 405文字


 デスクトップ型パソコン用液晶パネルの大口取引価格が小幅安となった。十二月の大口価格は主力の17型が一枚一二四ドル前後と前月比一・五%下落した。19型も四ドル下がり一四四ドル前後となった。十月に17型の一部が一三〇ドルを超えるなど高値を付けた反動でじりじり下がっている。年末商戦に備えた需要家の部品手当てが終わったことも一因だ。
 足元では一月からの不需要期を前に韓国や台湾のメーカーが一〇―一五%の減産中。このため荷余り感が解消している。
 一月末の新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」登場による特需を期待する声もある。先行きについては「二〇〇六年年初から七月にかけての急落局面の再現はない」との見方が多い。
 パソコン用液晶パネルは需要低迷が響き年初から三割下落した。一カ月の下げ幅は一〇ドルを超えるケースもあり、メーカーは採算割れに陥った。韓台メーカーが安値是正に動いた結果、八月から上昇に転じていた。

LCD/PDPテレビ市場を最新取材
  ◇ 携帯電話、DSCなど中小型液晶市場も詳報
  ◇ 各国の有機EL量産化計画をレポート
  ◇ 日本、韓国、台湾、中国のLCD/PDP投資戦略を解説


 2005年、日本での薄型テレビの出荷台数は、ついにブラウン管テレビのそれを追い抜いた。世界的にも普及が進んでいる薄型テレビの市場で、本格的な戦いが始まったのである。06年初頭には、プラズマの雄である松下電器産業が1800億円を投じ、月産50万台のPDP新工場建設計画を打ち上げた。一方、テレビ用液晶パネル需要の拡大を睨んだ液晶のシャープは、第8世代ガラス基板で革新的技術を採用した亀山第2工場の第2期分稼働時期を大幅に前倒し、07年3月までに月産3万枚体制を構築すると語った。PDP、LCDを代表する2社が薄型テレビ市場での世界シェア確保へと手を打ったこととなる。PDPでは、富士通日立プラズマディスプレイも、06年10月稼働予定で建設中の三番館に続き、次の新工場建設を検討している。
 また、この市場には、IPS方式の液晶テレビ用パネル製造を目的に、日立、松下、東芝が合弁でIPSアルファテクノロジを設立、稼働時期を2カ月前倒し、06年5月からの稼働開始で新規参入する。さらに、東芝とキヤノンとの合弁によるSEDも、新方式で薄型テレビ市場に進出、東芝姫路工場内に量産工場を建設している。ソニーはサムスン電子との合弁によるS-LCDで、第7世代ガラス基板を使った液晶パネルを生産しているが、次の展開として、第8世代ガラス基板採用の液晶工場を建設すべく、サムスン電子と新たな交渉に入る。
 日本メーカーによるテレビ用LCD/PDPパネルへの相次ぐ大型投資は、家電王国ニッポンを彷彿とさせるが、韓国メーカーも着実にそれらへの大型投資をこなしている。サムスン電子は単独で第7世代の液晶ライン(7-2)を06年1月に立ち上げたほか、LGフィリップスも06年1Q稼働で第7世代ラインを稼働させる。PDPでもLG電子、サムスンSDIともに設備投資を積極的に行い、VGAタイプでシェアを拡げている。
 日本の液晶メーカーは韓国、台湾の攻勢で、コスト競争力を理由に、液晶モニターやノートブックPC用TFT液晶の市場からは撤退したが、テレビ用ディスプレーではIPS方式の液晶やSED方式で巻き返しに打って出る。PDPも液晶の轍を踏まずに果敢に設備投資を実行しており、フラットパネルディスプレー業界の競争は、苛烈な様相を呈している。
 本書「液晶・PDP・ELメーカー計画総覧 2006年度版」は、ダイナミックに変動する液晶最前線、さらに大型ディスプレーのPDP、次世代ディスプレーの有機EL、FED、SEDを加えてマクロの視点からの業界動向、そして個別企業のミクロなデータをリアルタイムに集大成したものである。

内容構成

 第1章 PDPの主戦場に挑む液晶ディスプレー
 第2章 液晶メーカー各社の製品戦略と設備投資
 第3章 液晶メーカー各社の工場別設備計画
 第4章 PDPメーカー各社の事業計画と展望
 第5章 PDPメーカー各社の工場別設備計画
 第6章 有機ELメーカー各社の現状と展望
 第7章 有機ELメーカー各社の工場別設備計画
 第8章 韓国FPDメーカーの現状と投資計画
 第9章 台湾FPD産業の現状と投資計画
 第10章 中国FPD産業の現状と投資計画
 第11章 FPD関連メーカー各社の現状と今後の計画
 第12章 液晶・PDP・EL関連業者名簿
韓国と台湾の液晶メーカー、“死闘”の行方
商品部・伊藤敏克(9月27日)

 パソコン用の液晶パネル価格が急落し、液晶メーカーは採算性の改善が急務になっている。シェア拡大を目指す韓国と台湾の液晶メーカーはし烈な投資合戦を繰り広げてきたが、ここにきて生産技術力のある韓国勢が一歩リードし始めたようだ。

 パソコンモニター用の液晶パネルの大口価格は主力の17インチサイズが7月からの2カ月で約30%下落した。1枚当たり230ドル前後となり、液晶各社の製造コストに接近した。市場では「韓国メーカーは収益を確保できているが、台湾勢は製造コストと同レベルか一部で採算割れが発生している」(モニターメーカー)という見方が多い。

 実際、パネル価格が下落に転じた7月以降、複数の台湾メーカーが10―20%の減産に着手。9月には台湾・奇美電子が新鋭工場の建設中断を発表した。一方、韓国メーカーは夏以降も減産していない。

 韓国メーカーよりも液晶市場への参入が遅かった台湾メーカーは、投資力では韓国メーカーと肩を並べるものの、生産技術などではまだ一歩遅れる。現行の第5世代ラインでも、良品率は韓国勢のほうが高く、製造コスト面では韓国メーカーが優位に立つ。

 パネル価格が製造コスト近くまで下落したことは、韓国メーカーにとってはシェア拡大のチャンスとされる。採算が多少悪化してもパネルの値下げを戦略的に続ければ、既に減産や工場建設中断などに直面する台湾メーカーに水をあけることも可能。モニターの需要期に入った9月も液晶パネル価格の先安観が根強い背景には、韓国メーカーがシェア拡大を目指した値下げを続けるという読み筋も関係している。

 韓国メーカーはシェア拡大の千載一遇の好機であることは認めながらも、「あくまでも利益確保を目指す」と、パネル価格下落に歯止めをかけることを優先する方針を強調する。見方を変えれば、ライバルの動向にかまう余裕がない証左と言える。来年からといわれたパネル市況悪化が現実のものとなり始め、液晶各社は死闘を余儀なくされたようだ。



9じきしょう。

としょかん。

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