昨日の当ブログで取り上げた「極道VS不良番長」(1974 降旗康男監督)に続く「極道VSまむし」(1974 中島貞夫監督)では、「極道」シリーズと「まむしの兄弟」シリーズがクロスします。17495300_1836381999944453_2189822061214433280_n
「懲役太郎 まむしの兄弟」(1971 中島貞夫監督)を第1作として、菅原文太さん演じる「ゴロ政」と川地民夫さんの「不死身の勝」のふたりが暴れまわるバディ・ムービーのシリーズです。このふたりは刑務所とシャバを行ったり来たりしていますが、大物ではなくチンピラという感じのズッコケ・コンビです。ふたりは戦災孤児で、勝のお母さんは朝鮮人慰安婦だったという設定もあり、大組織や警察に虐げられるふたりの反骨ぶりは、それまでの「正統派任侠映画」へのアンチを感じさせます。高倉健さんや鶴田浩二さんが演じたカッコいいヤクザもののパロディといっていいかもしれません。(ラスト、ペイントした刺青が激しい雨で流れ落ちるシーンが有名です)そういう意味では「極道」とテイストが近いので、相性はいいですね。文太さんの単細胞キャラのコミカルな演技も楽しく、のちの「トラック野郎」シリーズ(1975~1979)に繋がると思います。
「極道VSまむし」では、清吉親分(若山さん)とゴロ政(文太さん)が同じ女性に惚れてライバル関係になります。タイトル通り、「極道」と「まむし」が対等というわけです。ところが、若山さんはこれが面白くないので撮影現場は大変だったようです。脚本を読んだ若山さん、監督を呼んで「われ、まむしの味方すんのか。わいの方よりまむしが立っておる」と文句をつけてきたそうです。文太さんは東映に移籍したばかりでくすぶっていた頃、「極道」シリーズで清吉親分の子分役とかをやっていて、若山さんの中では文太さんは「俺の子分」的な気持ちがあったようです。当時の東映は役者の派閥があって、若山さんも「若山一家」と呼ばれるグループを率いて、鶴田さんへのライバル意識をむき出しにしていましたから、「親分・子分」という精神構造がこびりついていたのでしょう。この「極道VSまむし」の頃は文太さんの方が興行的人気があったのですが、まむし=文太さんと「五分」の役に納得がいかず、撮影中も何かというと文太さんを説教したり、「われ、役者の出来ん顔にしたるわい」と言うこともあったそうです。まさに、映画の外でも「親分」だった若山さん、数々のエピソードを残している昭和のスターですね。
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  (ジャッピー!編集長)
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