ふっきーの演劇ワークショップ日誌

演劇ワークショップと言ってもいろいろ。自分の考える「演劇」や「ワークショップ」を、現場だけでなく率直な言葉で発信していきたいと思い、このブログを作りました。が、最近は地元葛飾区立石の関係の発信が多くなってきております。

March 2006

葛飾区役所前さくら通り

9082e29c.JPGお花見の季節です。今年で90歳になる祖母とお花見に行ってきました。
この写真はふたりで休んでいたベンチの前に、二グループの保育園の子どもたちがやってきたところです。そのほかにも犬を連れた人や、老夫婦、外国人などたくさんの人がいました。
なにもなかったところが、桜の開花で突然明るくなり、人がたくさん集まってくる。知らない人とも思わず会話をしてしまう。花の力ってすごいと思います。
祖母は今日も元気でした。

ワークショップって?

「ワークショップの意味はなんですか?」という質問を受けることが時々あります。最近は以前に比べると少なくなっているので、その分市民権を得てきたのかとも思うのですが、ただ単に、一般参加型のものから公開稽古みたいなものまでが、十羽一からげに増えた結果だというような気がします。要するに、使う側も便利さに甘えて、はっきりと区別して使っているわけではないのです。自分では「遊び場」とか「学び場」とか「広場」とかいう言葉がいいなと思っているのですが、解釈であって、代替語にはなりえません。
そんなことを考えているとき、「ワークショップ」の「ワー」を疑うブログを発見しました。日本人だけでなく、アジア人は「ワー」という発音がしづらいらしいのです。これはとても興味深い指摘だと思いました。しづらいということは、それだけ敷居が高くなるわけです。「ワー」と発音した瞬間、聞きなれない言葉だ、言いなれない言葉だとして、理解をしようとすることをやめてしまうかもしれません。パソコンの「ワード」も変だと思っていました。「ワード」はよく考えれば、「ワープロ」をシンプルにした形で、ワープロのイメージだけをうまくもらったものかもしれません。しかし、そんなことはおかまいなしに、「ワー」と言った途端、思考を停止させます。「ワード」を「単語」、「ワープロ」を「単語先生」にしたら、どう考えたって、パソコン会社のうまい戦略に気づくはずでしょう。
「ワークショップ」をどんな言葉に代えるか。日々、そんなことを考えてばかりいます。

地域の物語ワークショップ発表会

世田谷パブリックシアターで地域の物語ワークショップの発表会を見てきました。去年まではスタッフとして参加をしていたのですが、今年はお呼びがかからず、どうなっているのかだけはずっと心配していました。

モーニングコース
このコースの時間設定は初めての試み。予想通り、すごくおもしろかったですね。平日の午前中に、子育て中のお母さんが数多く参加をしていたコース。そのため、舞台後方が託児所になっていて、お母さんが演技をしている間は後ろで子供が遊んでいたり、舞台に乱入してきたり、はたまたお芝居に参加をしていたり。不思議な空間が出来上がっていていました。
腕白坊主たちはお母さんがいいセリフを言っていようが、観客が見ていようが関係ないものね。公園でお花見をしているという設定のお母さんのひとりが「そろそろ帰ろうか」と子供に声をかけると、子供は真顔で「どこに帰るの?」と一言。きっと素直に「うん」と答えると思っていたのでしょう。返答に困ったお母さんは虚構と現実の狭間で、ものすごくセクシーな表情をしていました。また、別のチームが宮沢賢治の詩「アメニモマケズ」を朗読したときのこと。隣に座っていた女の子がいきなり立ち上がりました。なにをし始めるのかと思いきや、持っていた本を舞台に向かって開いたのです。そう、その子は舞台上のお母さんの娘さんで、お母さんに向けて本を見せようとしていたんですね。きっとお母さんは家事のかたわら、娘の前で一生懸命に詩を暗記していたのでしょう。「お母さん頑張って!」と声をかけていました。そんなことしたら、お母さんは余計気がまぎれちゃうって(笑)。ほのぼのとしたお芝居を堪能しました。

休日コース
二つのチームがあって、どちらも充実したワークショップだったんだなということが伝わるお芝居でした。自分が興味深かったのが二つ目のお芝居。パブリックシアターの制作部長に取材をしたあとで、個人がどうしてワークショップに参加したのかをふりかえっていく構成。ワークショップをやるときは、最初に参加者がどうして参加をしたのかを聞いてみるのだけれど、参加者自身がワークショップとの接点を丁寧にふりかえっていくというのは初めて。一人ひとりの歴史が立ち上がり、ワークショップを通じてほかの参加者とつながっていく様子がはっきりと表現されていました。

フライデーナイトコース
こちらもどれも力作でした。やはり夜のコースだけあって、若い人たちが多いという印象を受けたかな。その分ハッチャケ感があるお芝居が続き、楽しかったです。
最後のお芝居はおばあちゃんへの取材をもとに作ったもの。おばあちゃんが本当に参加者の人のことを思って語ってくれていて、それをみんなが必死で受け止めようとしているのがわかりました。「若いうちにやりたいことをやりなさい。そうすることで、歳をとってからの孤独に耐えることができる」おばあちゃんの言霊に劇場中の人たちが耳を傾けているような感じのしたお芝居でした。

客席でもいろいろな人たちとの再会があり、楽しい一日でした。ふつうの人が作るお芝居って本当にすごいんですよ。パブリックシアターだけに独占させておくのは、それこそもったいない!全国津々浦々、どなたか興味がある人いませんか!

虹の村診療所にて 二日目

二日目は「オシバイって気持ちいい」コース。
今日は土曜だったので、昨日ほど人は多くなかったのですが、この日のために来てくれたという人も何人かいて、うれしかったなぁ。この日のメインはイソップ童話『狼少年』の話を使った物語作り。『狼少年』は「狼が来た」と村人をだまし続けた羊飼いの少年が本当に狼が来たときに助けてもらえなかったという物語です。だからうそはいけませんという安直な教訓がつくのだけれど、これを精神障害者の人たちはどう思うのかなと思って使ってみました。この話はかなり多くのところが省略されています。
「どうして少年がうそをついたのか」「村人はどういう人たちだったのか」
「その村はどんな村だったのか」「村はその後どうなったのか」・・・
ま、要するにうそをつく少年を受け入れる余裕がない大人たちが住む村だったのす。自分にとって、それは現在の日本の、精神障害や引きこもりの人を取り巻く環境と似ているかなと思って題材にしました。
二つグループがあって、できた結論は二つ。ひとつは、少年は川へ身を投げかわうそになったという話。もうひとつは、助けてくれたひとりの村人と友達になったという話。時間がないせいで発想の飛躍はあまりなく、朗読で終わってしまったのが残念だったけど、後者を作った女性グループはとても楽しそうに語ってくれました。とにかく前向きな終わり方があってよかった。

終わった後、何人もの人に感謝の言葉を直接かけられました。「次はいつ来るんですか」とか「たくさん笑えました」とか「もっと話がしたかった」とか。中でも、ワークショップの途中でほかの人の言葉に刺激されて我慢できずに抜け出してしまったDくんが帰り際に一言「楽しかった」と言って肩をたたいてくれたことがすごくうれしかった。

本当に必要な人のところに自分の演劇を届けられたんだなと思いました。
今日はよく眠れそうです。

虹の村診療所にて 一日目

長野県の安曇野にある、虹の村診療所で二日間、演劇のワークショップをやってきました。

虹の村診療所は引きこもりやうつ病などの人たちが全国から診察に訪れるところで、そこに併設されているデイケアルームでワークショップをやりました。 

一日目は題して「人の話を聞くっておもしろい」コース。
いくつかゲームをやった後に、聞き書きというものを体験してみるということをやりました。聞き書きは自分がとても好きな方法で、人から聞いた話をできるだけ正確に写し取り、みんなの前でそれを読んでみるというシンプルなもの。ただ話を聞くだけではなく、話の合間にある「ええと」とか「んんと」とか「あのー」とかのあいまいな言葉や、笑い、間、スピード、癖、態度なども写し取っていくため、表現力よりも観察力、聞く力、集中力が問われてきます。
みんなうまかったなぁ。一般の人とやるときよりも確実に飲み込みが早かったと思う。特に、自己表現が苦手そうな人が素直に聞いて、素直に思いを表現してくれていたのが、すごくよかった。大きな男の人が、話の途中で頻繁に変わる女の人の座り方を細かく真似をしていたのには大爆笑でした。みんながお互いの話を聞き合う優しい時間が過ごせました。

ふっきーの演劇ワークショップ日誌のブログ開設

日本では「演劇」も「ワークショップ」も多様な種類があるのにもかかわらず、各人の経験を通した限られたものしか知られていません。そのため、自分の考える「演劇」や「ワークショップ」を、現場だけでなく率直な言葉で発信していきたいと思い、このブログを作りました。
自分にとって、今年は将来的に演劇ワークショップをやっていく上で、非常に大事な節目の年になりそうな気がします。そこで、自分の思いや経験を言葉でストックし、他人に発信する必要性を感じました。思ったこと、感じたことを素直に書いていけたらと思っています。
♪ラブ・ユー立石(先輩&友人柳田さんの人気ブログ)
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