ふっきーの演劇ワークショップ日誌

演劇ワークショップと言ってもいろいろ。自分の考える「演劇」や「ワークショップ」を、現場だけでなく率直な言葉で発信していきたいと思い、このブログを作りました。が、最近は地元葛飾区立石の関係の発信が多くなってきております。

September 2006

衣裳ワークショップ

5aad5acc.JPG本日は、衣裳の山田珠実さんによる、衣裳ワークショップの日でした。
前々日に送られてきた大きなダンボール二箱と珠実さんが持ってきた、かばんを開けると、次から次へと衣裳が出てきます。色とりどりのさまざまな衣裳を前に、女性陣は目の色が変わっていましたね。最初、珠実さんがブルーシートで隠していた理由がわかります。衣裳が登場するなり、会場の温度が変わったかのようでした(笑)。みなさん、意外と着物が似合っていました。意外とは失礼か。

衣裳選びともなり、少しずつ本番の様子がイメージできてきたみたいです。参加者から本番のことを意識した言葉が聞かれるようになって来ました。ようやく、ようやくです。(二度言ってみる。)

夜は、自分の希望で、会場の公民館の前にある洋食屋さんで食事。そのあとに、出水まで温泉に行きました。花崎さんと珠実さんに付き合ってもらいました。特に温泉に満足です。

虹を追うようなそんな毎日を・・・

最近、頭の中で何度も思い出す言葉があります。特に、一日の外での仕事が終わり、自動車のエンジンを切った瞬間に、その言葉がよぎります。「虹を追うようなそんな毎日を愛せなければ、芝居なんてやってられない」という言葉。大学時代の恩師如月小春さんの言葉です。

今日は、ちゃんと調べてみました。

生きているんだもの、変わって当然。生き方も、舞台もだ。「完成品」という名の幻を追い求めて、私たちはいつだってプロセスの中にいる。いつも何かが足りなくて、やっとそれを補ったと思ったら、別の何かが足りなくて・・・・・・。虹を追うようなそんな毎日を愛せなければ、芝居なんてやってられない。
(1989年『MOON』公演パンフレット)


如月小春精選戯曲集
如月小春精選戯曲集


このとき、如月さんの作風は前衛的なものから、完全にウェルメイドなものに移行していった時期で、その中での言葉です。時代の変化、ご自身の変化、周りの人たちの変化、そういったものを敏感に感じ取って、素直に表現された結果なのでしょう。それはときに迷いながら、けれども、一歩一歩着実に、地に足を着いて。
自分の場合、このときの如月さんとは違って、毎回表現をするものは演劇作品ではありません。でも、演劇ワークショップにおもな場を移しながら、毎年毎年、自分の考える演劇を伝える方法や環境を模索しています。当然、生き方や場所、人間関係も変わっていっているわけで。どの年の自分も、前の年の自分が考えたら、いつも想像がつかない場所にいます。実際は楽しいことばかりではありませんが、ふりかえると、それはとてもおもしろい道のりだったなと思います。今回の水俣も然り。まさか胎児性の人たちをはじめとする、水俣の人たちとこんな風にコミュニケーションが取れるとは思っていませんでした。水俣なんて、新聞の中の出来事でしたから。
でも、状況は相変わらず困難です。虹を追うような毎日を精一杯肯定したいという気持ちで、演劇ワークショップを進行しています。さあ、もう少しだ。

ちょこっとだけふりかえる

忙しさの合間をぬって、本日、仲がいい胎児性の方とじっくり話をする機会がありました。
気がついてみれば、自分があと水俣にいるのも丸一ヶ月。4月からほぼ半年。長かったような。長かったような。(短かったとは、口が裂けても言えませんね。)

その人から「水俣によくいたね」とほめられました。天邪鬼な自分はついつい「まだ(いついなくなるか)わかりませんよ」と答えましたが、とてもうれしい言葉です。
いまの水俣の問題や、今後のことについて話をしました。こういうことが個人間でしかできず、ワークショップのようなオープンの場ではなかなか語ることができないのが現状です。

みなさん、どう思いますか?

水俣で初稽古!?

本番まで時間も迫ってきたので、参加者に合わせて臨機応変に稽古をしています。当然、花崎さんたちは東京なので、自分ひとり。本当は、参加者(特に胎児性の方、障害者の方)が必要を感じて、勝手に稽古をしだし、それに付き合うような状況がのぞましかったのですが、水俣のいまの状況ではそうもいかず、結局、進行側主導の稽古が続いています。でも、稽古は稽古。今日は水俣でははじめてと言っていいくらい、中身に集中した稽古ができました。そうそう、環境を整える演劇デザインばかりでなく、これがやりたかったのです。楽しかったぁ。

本を読んでいるだけではわからない、ひとつひとつのうそを埋めていく作業になりました。同時に「水俣ば生きて」の本の構成や、それを演じる上での楽しさ、難しさなども考えてもらいました。みんな集中していたね。自分も久しぶりの演出席。席はないけど。自分ではこっちのほうが本業だと思っているため、だいぶ熱が入りました。
二時間弱でしたが、内容の濃いコミュニケーションができたと思います。稽古も進みました。

つなぎ美術館「線をつくろう」ワークショップの打ち合わせ

朝から成沢さんとつなぎ美術館に打ち合わせに行って来ました。つなぎ美術館では、線を基調にした抽象画の画家の企画展をひかえており、そのプレワークショップの進行のお手伝いを頼まれたのです。

今日は、前回の打ち合わせをもとに、学芸員の楠本さんがタイムテーブルを作ってきました。その内容をひととおり実際にやってみたのです。さすが、美術館、ひとつひとつの道具が豪華です。(うちらがいつも使っているような、ポスターの裏紙や、A4のわら半紙みたいなものはありません。)おもしろかったのは、スポンジボールに絵の具をつけ、ふたりで紙の端を持ち、その上でボールを転がしながら、絵を描いていく?方法です。ふたりの関係で大胆にもなり、繊細にもなり。
全員で一枚の絵を描いたため、かなりぐちゃぐちゃになってしまったのですが、小一時間は楽しめましたね。楠本さんが拾ってきた立派な額の中に入れると、たいそうなものに見えてくるから不思議です。当日も、これは盛り上がりそうだという予感がします。
ワークショップは10月15日。わざわざ、こちらの本番が終わった後に、合わせてくれたのですが、自分は事情があって行けなくなってしまいました。せっかくいい打ち合わせができていたのに、とても残念です。

電話に出んわ。出るけど。

最近、電話でのやりとりがすさまじさを増してきました。参加者から、事務局から、関係施設から、マスコミから、知らない人から、演劇デザインギルドやほかのスタッフから。ひっきりなしに電話がかかってきます。だから、充電器を持ち歩くようにし始めました。携帯電話はあまり好きではないのですが、・・・。終わったら、しばらく電話は持ちたくない。

この日は、美術の加瀬さんや事務局と、電話でチラシに関するやり取りを延々やっていました。加瀬さん、お疲れさまです。

小学生と湯の児海岸に行く2

af6cf494.JPGこの日は新聞社のカメラマンの方も同行していました。その人はワークショップの取材ははじめて。昨日、今日と自分と連絡を取り合っていたのですが、あまり事情を聞いていなかったらしく、とても大きな誤解をしていました。なんと、自分がワークショップのメインの人で、同行していた花崎さんと小学生の先生を、小学生の保護者だと勘違いしていたのです。そこで、「花崎さんは東京からお手伝いをしに来てくれた人です」とうそをつきました。すぐに訂正しましたけどね。

お昼は、買ってきたおにぎりにお惣菜やら、先生がいただいてきたおこわやら。さらにちょっとした目玉は、その場で焚き火をしてあぶったいわしの丸干し。これが香ばしくておいしいんです。ハイキング気分を盛り上げてくれます。ついつい、ビールが飲みたくなってしまいました。

その後は、もやい館に行って、構成詩を作り直す作業。時間がかかりましたが、本当に小学生はよく頑張りました。みんな、ちゃんと考えていましたね。水俣や、水俣が抱える問題と向き合う時間が持てました。いい詩ができました。よかった。

小学生と湯の児海岸に行く1

89d84bd7.JPG本日は小学生と湯の児海岸に行ってきました。前回、みんなの個人詩をもとに構成詩を作ったときに、短い時間で作ったせいもあり、小さくまとまってしまいました。
そこで、海のイメージをもう少し具体的に持ったほうがいいのではと思い、自分の提案で海へと行くことにしたのです。

湯の児海岸は水俣で唯一砂浜がある海岸です。青々とした澄んだ海が一面に広がっていました。美しいとしか言いようがありません。思わず、みんなは歓声をあげます。
まずは大きな橋を渡って、島のわきの道を歩いていくことにしました。演劇ワークショップのことを忘れるくらいわくわくしていましたね。

一通り探検が終わった後に、少々小高いところにのぼり、テーブルがあるところで、ミーティングをしました。今後どうするかということの相談です。まずは、一人ひとりの個人詩をあらためて読んでみました。やはりおもしろい!自分が大好きなポイントを言っていくと、みんなからも笑いがこぼれます。さすが小学生、発想がすごいです。どれもユニークな詩ばかり。自分が特に気に入っているのは、「海などやネコ」という大作。海に「など」がついちゃうんです。この子は発想の飛躍の仕方が半端ではなく、おもしろい。彼の詩は一度聞くと頭から離れません。中毒になりますね。でも、それが切り離され、構成詩になると・・・。魅力が半減どころか、ほぼなくなっていることも話しました。子どもたちもうなづいています。みんなで話し合った結果、もう一度構成詩を作り直すことに決めました。

演劇デザインギルド記者会見

ワークショップのあとに演劇デザインギルドの三人で記者会見をしました。
生まれてはじめての記者会見です(笑)。自分もふたりをフォローする形が多かったのですが、話したいことを話せました。
記者のみなさんも熱心な方たちばかり。記者会見自体が質問を通じて、対話みたいな雰囲気になり、演劇デザインギルドが考える演劇や、これまでのワークショップのやり方に興味を持ってくれたようでした。まあ、今回の催しは、かなり熱心にマスコミの人は追っかけてくれていますからね。
担当の方いわく「すごくいい記者会見でした」とのことでした。
よかったよかった。

みんなで文化会館の下見をする

5d11a501.JPG本日は発表の会場である文化会館の下見をしてきました。
本番の会場に入って、ようやく参加者にも少し緊張感が出てきたみたいです。ここまでが大変だっただけに、自分としては特別な感慨がありました。

この日は、まずは会場の説明から。成沢さんが舞台のイメージを話してきます。特に目玉は○○。(本番のお楽しみということで、ふせておきます。大きな劇場で客席を近くするための工夫です。わくわく。)参加者が真剣に聞き入ります。
そのあとは、チームに分かれての劇場ツアー。と言っても、そんなに入り組んだ劇場ではないので、客席から舞台袖、舞台、楽屋裏を順に回り、車椅子の段差やトイレをチェックした程度です。でも、参加者のわくわく感が伝わってきて、こっちまで楽しくなります。
ツアーのあとは、劇場と仲良くなろうということで、いろんなところから声を出したり、舞台上にねっころがったりしました。舞台上でからだと声を最大限に解放していきます。みんな気持ちよさそう。こんな状態で本番も舞台に上がれたらいいね。
ちょっと休憩したあとに、配役発表。その後、チームに分かれて、相談や稽古をしていきます。

ここで、自分が担当したのは小学生が関係するシーンでした。今日の小学生はちょっとだらけ気味。だれかが話をしているときもぽかんとしていたり、話をふってもふざけはするものの、ちゃんと絡みません。ちょっと本気で怒ってしまいました。と言っても、怒鳴ったりはしません。そういうときこそ、冷静に話すと効くものです。小学生にやってもらいたいと思っていることを全部話し、小学生は今回やりたいことがあるか、ひとりひとりがこの機会をどう思っているかということを聞いていきました。いつもははしゃいでいる子もこのときばかりはちょっと真剣です。「胎児性水俣病患者・障がい者の想いを伝える創作舞台芸術」に、小学生のシーンがある意味を考えてもらい、意見を言ってもらいました。そして、小学生の三人組はやる決心をしました。時間がかかりましたが、こういうことがあとあと効いてくると思っています。とにかく形だけにはしたくないという思いを伝えました。

ほかのチームにも動きがありました。ようやく参加者が動き出してきたかんじがします。正直言って、すごくうれしいです。
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