ふっきーの演劇ワークショップ日誌

演劇ワークショップと言ってもいろいろ。自分の考える「演劇」や「ワークショップ」を、現場だけでなく率直な言葉で発信していきたいと思い、このブログを作りました。が、最近は地元葛飾区立石の関係の発信が多くなってきております。

May 2014

葛飾区に市民活動支援は必要か〜葛飾区市民活動支援センターの問題〜

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現在、私の前職、葛飾区市民活動支援センター
大変なことになっています。

この2行だけでも、
言葉が専門的で多くの誤解をはらんでいます。


「市民活動」「支援」という言葉がそもそもわかりづらいからです。
なので、なるべくわかりやすく説明したいと思います。
*情報をできるだけ省略します。


1.なんでこんなわかりづらい名前の施設ができたの?
〜市民活動支援センターができた理由〜



葛飾区市民活動支援センターできたのは2006年。
いまから8年前です。
もとあった葛飾区勤労福祉会館に併設する形でできました。
老朽化した建物を最大限に利用するべく、
施設の役割として
中小企業の福利厚生(勤労福祉会館)に
市民活動支援(センター)をくっつけたのです。




なぜ、そのような役割が必要だったかというと。


NPOの説明からしないといけません。
NPONon-profit-organizationの略です。
「(民間)非営利組織」と訳されます。
1998年にNPO法が施行され、
地域の課題解決を担うNPO法人が各地にできてきました。

それまでは、地域の課題解決を担うのは行政でしたが、
課題は山積、住民ニーズは多様化し、
民間にも受け皿が必要となりました。
それがNPO法人だったわけです。

そこで、全国でNPO法人が生まれました。
しかし、新しい分野で、
ボランティアに毛が生えたような団体も大多数でした。
運営が未熟で、資金が枯渇し、人も集まらない。
いくらよいことをやろうとしていても、
ノウハウがない。続かない。

そのため、行政で
NPO法人やそれ未満の団体・個人を
支援する動きが活発になったのです。

例にもれず、葛飾区もその流れに乗り、
2006年にNPO(市民活動)を支援する
葛飾区市民活動支援センターを作りました。



2.ふっきーさんは公務員だったの?〜指定管理者制度について〜


私は2008年7月から2012年1月まで、
葛飾区市民活動支援センターの職員として働いていました。

「ふっきーさんは公務員だったんですか?」
とよく聞かれるのですが、
正確にはNPO法人ワーカーズ・コープという組織の職員です。


葛飾区は公共施設の管理・運営を民間に代行させる
指定管理者制度にのっとって、
葛飾区市民活動支援センターの管理者を募集し、
競合の末、NPO法人ワーカーズ・コープを指定しました。


区の施設を民間が運営することの意味としては、
以下のようなことが上げられます。

「サービスの向上」
  →利用時間の延長。朝から晩まで。かなり大変。

「民間のノウハウの活用」
  →区はNPOの支援なんてやったことがない。
   あなたたちの方が気持ちがわかるし、得意でしょ。

「コスト削減」

  →ここが一番の目的。公務員にまかせると、
   能力がない上、お金がかかる。
   それなら、低賃金でやる気がある人にやってもらおう!


葛飾区は公募の際、他地域の同じような施設に比べ、
たくさんの条件(事業)を課しました。
特に、NPOを支援するための
講座やイベントの量は日本一ではないかというほど
たくさんありました。
※講座をたくさんすることは人を集めることになりましたし、
 必要不可欠なものもありましたが、
 量をやることが市民活動支援になっていたかどうかは
 大きな疑問があります。

当然のことながら、仕事は大変でした。
特に常勤職員になると、
休みはとれずに、仕事はたくさん。
それでも、年間の予算は限られていますから、
賃金は上がらず、残業代も出ません。

まぁ、やりがいも興味もあるからやっていましたが、
公務員以上の仕事を
低賃金で民間に投げることには変わりありません。

いろいろと批判と問題もありますが、
それを差し引いたとしても、
私は市民活動支援センターは
低コストで高い成果を残した
優良施設だったと思います。

★「市民活動支援センターの使い方を考える〜中間支援の仕事〜」

私が退職時に、センターの運営を民間がやる意味を書いています。


3.センターは区の直営になると、どうなるの?

これからが大事です。

はっきり言ってしまえば、
葛飾区の市民活動(NPO法人の活動)は未発達段階です。

この8年間で、法人数は2倍近くに増えていますが、
安定して事業をやれている団体はほとんどありません。

特に、地域の課題をビジネスの手法で解決する
社会起業(ソーシャルビジネス)に取り組む
NPOが少ないのが大きな問題です。
依然として、行政の補助金・助成金頼りの
老舗NPOが多いのが現状です。
これでは、行政の財政が悪化すれば、
事業が終わりになってしまいます。

本来では、若者が就職先としてNPO法人を
選ぶような団体が出てこなければ、
地域の課題解決は促進されませんし、
継続的な活動は保障されません。



これからも増え続ける地域の課題に対して、
行政のお金とは関係なく、
がっぷり四つで組めるような
NPO法人が必要なのです。

そこではいまよりも
充実した市民活動支援が必要になる
はずです。


しかし、今回、葛飾区は
葛飾区市民活動支援センターの
指定管理者制度を継続せず、
区の直営とすることを発表しました。


★地域振興課課長による5月19日の説明会の説明



理由は
・より効率的な運営をすること
・指定管理者を公募しても競争が起きていないこと
だそうです。

簡単に言えば、
事業規模が小さいし、
優先度・注目度も低いから、
専門性を持っていない葛飾区の直営でも
やれるだろうということだと思います。


私は今回の区の判断と今後の運営に大きな心配をしています。

私たちがやってきた市民活動支援は、
法人の数の増加などでは表せない
成果の見えにくいことでした。
誰も掘ったことがない
葛飾区の市民活動の土壌をああでもない、
こうでもないと耕してきたのだと思います。
その結果、少しずつですが、NPO同士が交流し、
葛飾区の将来を一緒に語り合えるような
環境ができてきたと思います。
それは今までの葛飾区にはなかった新しい動きです。

一方、そのプロセスに、
葛飾区はほとんど関わってきませんでした。
今回の決定は、事前にセンター職員や
区のNPOへのヒアリングなしに進められました。

私は葛飾区の直営になったとしても、
適切な運営がなされるのであれば、反対はしません。
むしろ賛成したいくらいです。

しかし、今の判断では、一方的かつ乱雑で、
私たちの耕してきた土の上に、
区がどんな苗を植えたとしても、
よい植物が育つとは到底思えません。


4.アンケートにご協力ください。


なので、私たちは少しでも声を届けたいと思い、
アンケートを作りました。

アンケートはこちらからダウンロードください。

5月28日(水)が締め切りで、その後、集計作業をしますが、
5月31日(土)までにもらえれば、間に合うかと思います。

目標100で、現在40程度しか集まっていません。

市民活動支援センターに関わった方、
必要だと思われる方は
ぜひご協力ください。


よろしくお願いいたします。

6/29(日)ふっきーの演劇ワークショップvol.2「おしゃべりするみたいに演劇ができたら」

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「悩みごとをからだで表現してみよう」に続く
第二弾の演
劇ワークショップ。

私が身近な方々に演劇ワークショップを
気軽に楽しんでも
らいたいと思ったのがきっかけです。

おしゃべりは、人に何かを伝えたい、
何かあったことを共
有したいと思う気持ちの表現です。
でも、話が長くなって
しまったり、
相手の話を聞くことができなかったり。
そも
そも話を聞いてくれる人がいない!なんてことも。

そこで、今回はおしゃべりしたいことを持ち寄り、
からだ
で表現することを通して、
いつもと違った方法で人と出会
ってみます。


テーマは「激しく怒っていること」
または「
人にはなかなかわかってもらえない私のこだわり」
のいず
れかを選んできてください。

※終了後に立石の居酒屋で
交流会を開きたいと思っています。
そちらもぜひ!

【日時】2014年6月29日(日)13時〜17時

【場所】葛飾区市民活動支援センター

【参加費】500円

【定員】10名*5名で成立

【締切】6月27日(金)まで

【申込】fukky※edg.or.jp
    ※を@に変えて、
    ,名前 年齢(年代でも可) O⇒軅茵´せ臆弾圧
    を書いて期日までにお申し込みください。 

【協力】 葛飾まちづくり劇場

「人を傷つけたい」と思う子どもたちに演劇をやってもらいたい

「人を傷つけたい」「むしゃくしゃする」
「自分なんていなくてもいい」

子どもからそう言われたら、どう答えますか?


「そんなことを言っちゃダメ!」なんて答えていませんか?


子どもは意外にネガティブなことをたくさん考えています。
実は、どんな大人も子どもの頃、
一度はそんな想いを抱いたことがあるはずです。
にもかかわらず、
自分の気持ちときちんと向き合った経験がないと、
子どもの気持ち自体を否定したくなります。
※言い方にもよるかもしれませんが。


でも、本来、子どもからそう言われたら、
その言葉を受け止め、
表現できる環境を作ることが大事ではないでしょうか。


先日、某所で子どもたちと
演劇ワークショップをやりました。
子どもが描いた絵をもとに、
みんなで芝居作りをしたのですが、
一人の子が描いた絵に衝撃を受けました。


色はほぼ黒と赤のみ。
月夜に照らされて
たくさんの人と動物が血を流して倒れていました。
傍らには包丁が転がっています。
まさに凄惨と表現した方がよい絵でした。


私は率直に「いい絵だ」と思いました。
描いた子のやりきれない想いが伝わってくるのです。

ほのぼのとする絵が多い中で、
その子の絵は異彩を放っていました。
他の子どもたちもその絵を見たとき、
「怖い」と言っていました。

でも、みんなはその子の絵を選び、
全員で凄惨なシーンを演じきりました。
それはどの話よりも生き生きとしていました。


なぜでしょうか。

思春期の子どもたちは多かれ少なかれ
ネガティブな想いを抱えています。

私も同じくらいの年齢の頃、
たくさんのコンプレックスを抱えていました。
しかし、周りの大人たちからは
「よい子」「できる子」を期待される。
そんな状況では、
ネガティブな想いは絶対に外には出せません。
むしろ、親や先生が望むことを先読みし、
器用に実現できてしまうイヤな子でした。
そんな自分を嫌悪しつつも
それ以外の表現をすることができずにいました。
逃げ場所がどこにもない悪循環。
表現する場も方法も知らなかったし、
身近な大人を信頼したこともなかったからです。
表面は明るくても、中身は鬱々とした子どもでした。
なので、先日の子どもたちの想いが
ちょっとはわかります。


私は幸運にも
大学時代に演劇と出会うことができました。
演劇であれば、堂々と人を刺したり、
自殺したりができるのです。
暗く救いがないように見える
私の芝居は賛否もありましたが、
人を本気で泣かせたり、怒らせたり、
笑わせたりすることができました。
そして、そのことはコンプレックスを
反転させる大きな自信になったのです。



以上のことから、
私は思春期の子どもたちにこそ、
演劇をやってもらいたいと考えています。
演劇は安全な場所にいながら、
ネガティブな想いに触れ、
周りの人たちと一緒に
力強い表現にしていくことができるからです。

というわけで、
思春期の子どもたちとどう付き合っていいのか
悩む先生のみなさん、
演劇ワークショップをやってみませんか(笑)

演劇の底知れぬ恐ろしさを見た『アクト・オブ・キリング』

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みなさんは「演劇」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろう。

「劇団四季」を思い浮かべる人もいるかもしれないし、
ちょっとかじったことがある人であれば、
「小劇場」、や「アングラ演劇」を
イメージする人もいるかもしれない。
それ以前に、「うそくさい」とか「料金が高い」とか
「つまらない」とか考える人もいるだろう。
かく言う私も演劇に関わるまでは、その性質の人間だった。


『アクト・オブ・キリング』の舞台になったインドネシアでは、
演劇を、日本以上に立派な「ショービジネス」と
捉えられていることがわかる。
少なくとも、かつて大殺戮を行なった二人の主人公は
本気で考えていたようなのだ。

『アクト・オブ・キリング』は
インドネシアで1960年代に行なわれた
共産主義者の大量殺戮を題材にしたドキュメンタリー映画である。
当初、被害者を撮ろうと企画をしていた監督が
当局から許可を出されなかったため、対象を加害者に変えた。


監督は殺戮の加害者である二人の男に言う。
「では、あなたたち自身で、カメラの前で演じてみませんか」と。

その言葉を真に受けた彼らは
「ハリウッドに負けるな」とか
「笑いの要素が必要だ」とか
玄人気取りで、殺戮シーンを演出し始める。
そして、周りの人たちを巻き込みながら、
殺戮を再現していく。


この映画の本当の恐ろしさは、
彼ら二人が「ショービジネス」と捉えていた
演劇によって復讐されていくことにある。

もともとは自らの殺戮を演技化し、
エンターテイメント化することで、
「勝者の歴史」として肯定することに狙いがあった。
しかし、監督のカメラは、
冷静なまでに、殺戮されるエキストラの戸惑いや悲しみ、
知人とされる人たちの反抗心を映し出す。
再現の中でさえ、
子どもたちは癒えることのない傷を負っていく。

これまで、語られないことで保ってきた均衡を
殺戮の再現劇は残酷なまでに破壊していくのだ。

そして、主人公の一人アンワルは、
自らが好んだ針金を首に巻きつけ、
引っ張る方法で、殺害されるシーンを演じ、
それを自分の孫たちに見せる。
当然、孫たちは嫌がり、祖父から逃げてしまう。
後日、殺害現場で殺戮を語ろうとすると、
からだが痙攣し、嘔吐する。


彼らのの今後はどうなるのだろう。
「過去の殺戮の再現劇」という方法によって
パンドラの箱を開けてしまった今、
少なくとも幸福な老後は望めまい。


常日頃、平和的に
演劇ワークショップをやっている私も
非常に驚く映画だった。
演劇のこういう恐ろしい使い方もあるのだ。


アウグスト・ボワールの言葉が反芻される。

「すべての演劇はどのみち政治的であらざるをえない」



私は『アクト・オブ・キリング』を、
利用しようとした演劇に復讐された
二人の悲惨さを描いた映画と見た。

悩みごとをからだで表現した結果

人はくよくよと悩む。
自分の中で解消できない悩みは、
ツイッターでつぶいたり、身近な人に愚痴を言ったり、
はたまた弱い人にあたったりして、
姿が変わることが間々ある。

いずれもネガティブなイメージである。

5月5日(月)に行った
ふっきーの演劇ワークショップ
「悩みごとをからだで表現してみる」は
自分の悩みごとを人のからだを使って、
ダイナミックに表現してみようという試みである。
どんな悩みごとであっても、
からだで表現し虚構化されることで、
ポジティブに変換されるのだ。

これがみんなで作った悩みごとのタブロー(静止画)。

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部屋の中枕












大村さん1点を見つめる











個人情報の守秘義務のため、
内容は書けないのが残念!


最後にその中のひとつのタブローを使って、
実際のシーンを演じてみた。
他の人からいただいた意見を元に、
解決を試みる。

悩みごとを出した参加者にとっては、
自分の生活が変わる可能性をはらんでおり、
真剣そのもの。
まさに現実のリハーサルが行なわれていたように思う。

役を代えたり、他の可能性を試してみたり、
もっと遊んでみたかったが、
その日はここでタイムオーバー。
次回はもっと面白いことをやろう。

備忘録を兼ねて、今度から演劇ワークショップの
進行表もアップしておきます。

進行表

ナイロン100℃「パン屋文六の思案〜続・岸田國士一幕劇コレクション」が面白かったわけ

nylonA













5月2日。
青山円形劇場にて、ナイロン100℃
『パン屋文六の思案〜続・岸田國士一幕劇コレクション』を観劇。

青山円形劇場。ナイロン100℃。
岸田國士。そして、井手茂太さんの振り付け。
大好きなものが重なり過ぎていて、
これは私のために作られたかと錯覚するほど。
つまらないわけがない!

子どものように見入ってしまった
期待に違わぬお芝居だった。


どれが面白かったかというと。

文句なしは「恋愛恐怖症」。

男(植本潤)に好意を持つ女(緒川たまき)が
友人関係の距離を縮めようとする。
しかし、男はかたくなに拒むのだ。
和装をした緒川たまきさんの色気がすさまじい。
世の男性なら、コロッといきそうな迫り方を
植本氏はなんだかんだと理由をつけて拒み続ける。

両者の応酬は
先日行なわれた世界卓球の
ハイレベルのラリーのごとく。

いやぁ、見事だったなぁ。

結局、男は逃げ出してしまうのだけれど、
その後、女は嫌っていたはずの別の男と縁を結び、
別の男がその男の前に顔を出すという筋書き。

藤田秀世さん演じるもうひとりの男性役も
淡々とひどいことを言う。その残酷性。
私が岸田國士の戯曲が好きな理由も、
救いがどこにあるのか
全くわからないところにあるのだ。


「パン屋文六の思案」「遂に『知らん』文六』
「長閑なる反目」「世帯休業」もすごくよかった。
もちろん、「かんしゃく玉」や「ママ先生とその夫」も。
ああ、全部だ。


時折、舞台上に出てくる匂いを観客も嗅げる
においシートの試みはいまいちだったが、
岸田國士の日常と非日常が重なり合い、
解体されていく世界観が
すごく丁寧に表現されていたと思う。


夢に出てきそう。

♪ラブ・ユー立石(先輩&友人柳田さんの人気ブログ)
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