実際の川を題材に芝居を作るというグループに同行する。
早く打ち上げに顔を出したいという思いをのぞけば、町歩きは楽しい。

「ワークショップで三軒茶屋の町歩きは何度かしているんですけど、
夜ははじめてなんですよ」
「じゃあ、デビューですね」
「?まあ、そうですね」
「じゃあ、ただひこさん(←今回のWSネーム)のデビュー祝いということで一軒行きましょう」
男性の参加者との会話。どう考えても変な展開である。
いつもお酒をひとりで飲んで帰る彼は、みんなでお酒を飲みに行きたかったらしい。

「あたしは帰ります!」若い女性参加者からはっきりとした一言。
自分も「今日は打ち上げがあるので」と遠慮させてもらう。
彼はちょっとさびしそう。申し訳ないけど。

夜の緑道を歩くのは楽しかった。
実際にマンホールの下を水が流れる音が聞こえてくる。
「みんなで音を聞くシーンは演劇にできるんじゃない」
「匂いは?」
「けっこうくさい」
「でも、そこに公衆便所があるよ」
やはり素材が具体的なのはいい。みんなの声が生き生きしてくる。
自分も参加者にまぎれて楽しませてもらう。
途中、緑道沿いのマンションの駐車場で鳥居を見つけ、
ついつい先頭に立って寄り道をする。
自分の後ろを何人かの参加者がついてくる。
水神さまかと思ったのだ。
駐車場に入り、ロープをまたいで不法侵入をする。
暗かったので具体的なことはわからなかったのだけれど、
場違いなほどに古い鳥居と小さい神社。
なぞだけど、やはり楽しい。そればかりだ。

これがどのように芝居に反映されるかわからないけど、
それぞれ楽しんでくれたようだ。
仕事を終えて、二軒目で飲んでいるという打ち上げ組に合流する。
拍手でお出迎え。いやいや長い一日でした。