わが町 (ソーントン・ワイルダー戯曲集)
わが町 (ソーントン・ワイルダー戯曲集)

『わが町』(立石ver)の骨組みを考えている。

この劇の難しいところは、
ひとつの小さな町を舞台に扱いながらも、
見てくれる人に「これってもしかたら私の物語?」というような
普遍性を持たせなければいけないことだ。


一幕が「日常生活」
二幕が「恋愛と結婚」
三幕が「死」となっているが、
現在、地域でこれらを十全に迎えられる人がいるだろうか。


現代の生き方はどんどん多様になってきている。
10代でできちゃった結婚をする人もいれば、
「おひとりさま」なる言葉も出てきて、
シングルライフを満喫する人もいる。
また外国では同性婚まで認められているところもある。
世界の情報を瞬時に受信できるいま、
幸せのあり方の選択肢は無限大だ。

が、1900年代初頭の「わが町」を読めば読むほど、
選択肢の多い現代ほど可能性も広がった分、
生きにくくなっている?と思うこともしばしば。


立石の町の核心を伝えるには・・・。
そもそも核心ってなんだ!?

最近、立石の町のことを考えていると、
同時によその町のことも
考えるざるをえないことに気づいた。
立石の町だけでなく、
よその町から見に来てくれる人も
共感できる普遍性ってなんだろう?

この劇は派手ではないが、地に足をついた凄味がある。
偏狭なローカリズムではない。
これが世界中で上演され続けてきた所以であろう。