非常に痛い思い出

私のマッサージ店勤務だった時代。

大事な親指があらぬ方向に曲がったことがあります。

やばかった!マジで折れたと思いました。


なぜそうなったかというと

あるスタッフの足の裏の矯正をしていました。

その時には親指の力だけで押し込むのですが、自慢親指が負けました。


バキッという音、


そして今までに曲がったことがない方向に…



一瞬の出来事でしたが、ことの重大さはすぐに分かりました。

しかし、すぐには痛くなりませんでした。

私はすぐに圧迫して氷で冷やすことにしました。

やばいよ!折れてたらどうしよう?

明日からいや、今日からすでに仕事が出来ないよ…

だけど腫れる様子はとりあえずありません。

どうやら捻挫の様子。それも軽く靭帯が伸びただけ。



しかし、あろうことか私の指名客が直後においでになりました。

身体の厚みがある方で、割り合いしっかり押さないと効いてくれない

タイプの方です。絶体絶命…


私はそれでも受けることにしました。

こういう時こそ私の整体術の真価が問われるからです。

左手と肘、そして矯正技術で何とかごまかしながら、その場は切り抜けました。



さて、このままではやばいのです。

たとえ折れていなくても、それなりのリハビリは必要でした。

私が選んだ方法は冷やしては鍛える、冷やしては鍛えるというもの。



実は大阪のカイロ学校で同じように鍛えた事があります。

丸くカットされた杉板をつかむ練習をして指を鍛えるのです。

この板は指を精一杯ひらいて届くか届かないかの大きさですから、

指の第一関節の力を使います。


しかも、その丸板をつかむのは指先から5ミリまでのところです。

しかし、これは鍛えれば鍛えるほどマッサージには向かない指になります。

何せ反対側には反らない指になってしまうからです。


それでも強い指ができたら、骨の検査をするときは非常に優しく触るだけで、

骨の歪みが分かってしまうわけです。

他に方法は思いつきませんでした。

そうやって来る日も来る日もひたすら鍛えたところ、

以前より強力な指になりました。



今、私の親指にいくらの価値があるでしょうか?

20年やればもしかして1億以上の価値はあるかもしれません。

いや、それ以上にしてみせます。