2019年05月

流産の主な原因は妊婦のストレスと誤解している人が7割を超えるという調査結果を名古屋市立大の研究チームがまとめた。
流産した女性にとって、周囲の誤解は精神的負担になりやすい。チームは「正しい認識を広める必要がある」と説明している。

 一般的な流産率は15%。原因の約80%は胎児の染色体異常とされストレスが原因となる流産はほとんどない。

 調査ではストレスなど各項目ごとに、流産の原因になるかどうかについて尋ねた。「長期にわたるストレス」は、計75%が「非常にあてはまる」「ほぼあてはまる」と答えた。「ストレスフルな出来事」は65%、「胎児の染色体など遺伝的要因」は62%があてはまるとした。

 回答者のうち、流産の経験がある女性は239人で、半数は「(流産に)罪の意識を感じた」と答えた。同大病院産科婦人科の杉浦真弓教授は「ストレスや普段の行動のせいだと自分を責めたり、周囲から非難されたりする女性も多く、うつ病になる人もいる。正しい知識を持てるよう、学校教育などに取り入れるべきではないか」と話す

4月22〜28日)に、東京都で先天性風疹症候群の報告が1件あったことが明らかになった。都内では、2013年の風疹大流行時に2014年までに16件の報告があったが、2015年以降は発生が途絶えていた。昨年夏に首都圏を中心に広がった風疹の大流行下で確認された先天性風疹症候群は、全国で2例目となった。

 東京都健康安全研究センターは5月8日、先天性風疹症候群を取り上げた『感染症 ひとくち情報』を発表。その中で、2019年第17週に1件の先天性風疹症候群が発生したことを明らかにした。

 同センターは対策にも言及。妊娠中に風疹に感染しないようにすることが第一であることから、ワクチン接種が重要と指摘している。妊娠中はワクチン接種ができないため、妊娠前にワクチン接種をして抗体を獲得すること、妊娠のパートナーや職場の同僚、さらには同居の人もワクチン接種をして風疹感染を防ぐことが必要だと強調している。その上で、(1)妊娠を予定または希望している女性、(2)妊婦の同居者、(3)(1)の同居者、(4)30歳代から50歳代の男性――は特に、抗体検査やワクチン接種を検討するよう呼び掛けている。

妊娠出産年齢の女性に風疹含有ワクチン(風疹ワクチンと麻疹風疹混合ワクチンがあります。)を接種する場合には、妊娠していない時期(生理中またはその直後がより確実ですが、あらかじめ1か月間避妊してからが良いでしょう)にワクチン接種を行い、その後2ヶ月間の避妊が必要です。
風疹ワクチンは、大変安全なワクチンで、妊娠中に風疹ワクチンを接種されたため
胎児に障害がでたという報告はこれまで世界的にもありませんが、
その可能性は理論的にまったく否定されているというわけではありませんので、上記の注意が必要です。
(2018国立感染研究所 風疹Q&Aより、抜粋)

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