過度の激しい運動は腸の損傷につながります。

、長時間の激しい運動に対するストレス反応は、腸の機能を停止させる。

運動中の筋肉に血流が集中すると、腸では血流が不足して細胞が損傷され、これにより細胞死や腸管壁の損傷、さらには腸内細菌が血流に入り込むことによる全身免疫反応につながる恐れがあるという。

このような腸の損傷や機能障害は“運動誘発胃腸症候群(exercise-induced gastrointestinal syndrome)”と呼ばれる。



 運動の強度上昇や時間延長に伴い、腸の損傷や腸内細菌の流出、胃腸の動きの鈍化などが生じやすくなることが分かった。最大強度の60%に相当する運動強度を2時間以上続けると症状の発生リスクが高まる。また、熱ストレスがあると症状が悪化しやすいことも分かった。

 「この問題を防ぐには、運動中はこまめに水分補給を行い、できれば運動前と運動中に少量の炭水化物と蛋白質を摂るとよい。快適だと感じる範囲で運動することが重要で、運動中に胃腸の痛みを感じたなら、何かが適切でないというサインだと考えてほしい」と話す。また、運動前はイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を服用しないことも大切だという。