December 14, 2007

消えゆく古書肆:神戸三宮・後藤書店

神戸三宮・後藤書店今日12月14日は赤穂義士討ち入りの日だ。これはひとまずおくとして,神戸・三宮にある老舗古書肆があと1月で閉店するという記事を見つけた。
「関西一」の古書店閉店へ 神戸・後藤書店神戸新聞
空襲・震災乗り越え98年 神戸の老舗古書店、閉店へ朝日新聞

三宮駅近くにある後藤書店は,神田や早稲田の古書店街を見慣れていれば決して大きいとは思えるものではないが,その蔵書のクオリティーには目を見張るものがある。学部生の頃から三宮に立ち寄ったときには店頭を眺めるのが習慣になっていて,震災後今日まで続いている。東京より値段も幾分か安く,他では手に入りにくいものも少なくない。

ちなみにこの店98年続き,その間阪神大水害・神戸空襲・阪神淡路大震災のすべてを経験し,そのたびごとに復活し,一書肆の存在を遙かに超えた文化貢献をしてきた。後継者がいない店主兄弟の高齢化が閉店の直接の理由とのことだが,このままなくなるのはあまりにも惜しい。

いや惜しいだけでなく,この後藤書店がこれまで担ってきた文化貢献を,今後代わり受け継ぐ存在があるのだろうか。将来的に文化的損失が憂慮される。

とりあえず,閉店までは何回か行く機会があるので,見られるだけ見て,買えるだけ買っておくことにしよう。

harayuan at 19:15トラックバック(0)Study and Research  

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