November 01, 2018
その流れで欠落しているものは？
任侠や篤志の寄付で行われていた救貧事業に、近代的社会事業が入ってくるようになってきてから、それへの上からのカウンターとして、治安維持の観点から、警察が深く入り込んだ、取り組みがなされてくる。民生児童委員の前身である「方面委員」は、そこから制度化されていったものだった。そうした流れでとらえることで、米騒動の内発的動機や意義のほか、明治末から大正期の社会事業のなかで大きな流れがいくつも見落とされていることがわかる。
キリスト教や社会主義者による実践活動のひとつやふたつ、だれでも思い出しそうなところだが、むしろそれへの対策や予防的弾圧がいかになされたかという点から、理解すべきものだ。
